えんぱいな日々(本編) 第五百六十六話 Lion 前半 その9

 
紅葉:
ポテトが欲しいですわ♪

フランソア:
はいどうぞ。

紅葉:
う~ん♪ いつもより何倍も美味しいですわ♪

フランソア:
そうですか…それはよかったね。 フランソアは紅葉が運転する車でファーストフードのポテトを紅葉に食べさせる日が来るなんて想像もしてなかった。

紅葉:
瑠莉さんと生きるというのは本当に何が起きるか解らず、まさに波乱万丈で飽きませんわ♪ 子供の頃からそうですが。

フランソア:
それは‥‥その通りだと思う。

紅葉:
瑠莉さんといえば、さきほどのすみれさんへの企み、いいえご依頼。まるで瑠莉さんかと思ってしまいましたわ。 口調や仕草、態度までそのままでしたし♪ わたしくし瑠莉さんと居るのかと錯覚してしまいましたわ。

フランソア:
げふんっ!

紅葉:
瑠莉さんがフランソアをつかってお話しているかと疑ってしまって電脳通信しようとしましたけど、あちらはまだ朝方の4時半()なのでしませんでした。 今は詩織さんと寝ておりますでしょうし、お二人とも朝は弱いですから。

注:
南アフリカと日本の時差は7時間

フランソア:
もしご主人様だったら、「どうするかな?」「どう言うかな?」って、考えてたら。 すみれすごい混乱してたから、ほら昔の経験があるからわかるんだけど。 それで口調を直す余裕がなくてそのまま口から出ちゃった。

紅葉:
わかりますわよ。 今はそれで良いと思います。 瑠莉さんだったらどうするだろう。それ繰り返すうちに、フランソアのオリジナルに変化していきます。 まあこれもその瑠莉さんが昔言ったことの焼き直しでありますが。

フランス:
焼き直し…フランソアなりのご主人様の焼き直しにしていくことか…

フランソア:
ねえ紅葉…

紅葉:
なんですの?

フランソア:
ご主人様って…戻って来るのかな?

紅葉:
それはどういう意味で?

フランソア:
どういう意味もないでしょ? だから! 日本にご主人様が戻って来る気があるのかどうか! 時々本当に紅葉って天然ボケというかズレてるというか!

紅葉:
何を失礼な事をわたくしに言ってキレているのかわかりませんが。 瑠莉さんの昨晩の定時のお話ですと詩織さんが頑なに一年間は水菜と里緒菜を二人きりにしときたいと言って聞かないそうなのでパパの別宅に一年間はお住まいになるそうです。 その後はまだわかりませんがずっと帰国しないなどは日本はエンパイアクラブミリタリアの極東・東アジア最大の軍事拠点ですから、軍の仕事上もありますし不可能でございましょう?

しかしフランソアがいうのはそういう意味ではございませんでしょ?

フランソア:
他の意味ってあるの!?

紅葉:
もっと重要なことがありますでしょ?

フランソア:
ちょっとまって! その前に昨晩? ご主人様と話したの?

紅葉:
はい、いつもの定時の時間に電脳通信で。無事到着したかの確認もありますし。フランソアのあの演説の昨日の今日ですしね、いくらあかりさんや愛花さんが護衛機として付いているとはいえ、心配でしたから。 まあ無事に何ごともなく現地の基地へ着陸して・・

フランソア:
だ・か・ら!

フランソア:
だったら紅葉はご主人様が逃亡したの知ってたわけ? 連絡して話までして! なんでフランソアにその時に言ってくれないの!

紅葉:
あなた寝てましたでしょ?

フランソア:
起こしてよ!

紅葉:
深夜にプールに叩き込んで?

フランソア:
それは勘弁して。

紅葉:
ですわよね~♪

フランソア:
詩織さんのその水菜の件というのは、里緒菜が救った子、里緒菜にまた会うためにメイドになってがんばっていうのは、マモンから説明うけたし、その子をすごく詩織さんが大切にしてて、一年間は二人にしてあげたいって強い希望があるってのは今朝の面接の前に説明してくれた。とても詩織さんらしいからわかる。

紅葉:
まあ里緒菜も納得した上で水菜の事を気に入っているようですしあれなら、少したったらみんなでパパのケープタウンの別宅へ遊びにいきましょう。

フランソア:
うん。 それでもっと重要なことって何?

紅葉:
ですからForestのご主人様には瑠莉さんは戻る気は…無いと思います。

その10へつづく