えんぱいな日々(本編) 第五百六十七話 Lion 後半 その9
イリーシャ:
なるほど文字だけでは何が何だか
エステル:
ですので実際に物をみて考察するのが大事になりますの
エステル:
特にわたくしが好きなメソポタミア文明の初期はまだ楔型文字が安定していなくて文献も石板がほとんどなので。 観光資産にならないとただの岩なので‥ 現地にいったときに観光用の道路の敷石にされていたのを見た時には卒倒しそうになりましわ。 あと観光資産になったらなったらで野ざらしだとすぐに傷んで消えてしまいますし、落書きなども…
イリーシャ:
歴史的な価値を求めない人にとってはただの岩ですからね…その為の歴史遺産保護ということですね。
エステル:
それに現地によっては文化予算を投入しても保護されてないケースが多くあり。 よってヌヴェール家では博物館を設置してそこで保護したうえで公開しております。ノブレス・オブリージュ、力持つものの義務でござますわ
イリーシャ:
勉強になります!
ジャンヌ:
(あれはあれで維持が大変なんだよ…エステル様の唯一の趣味だからいいけど)
フランソア:
ほらやっぱり博物館は必要なんだよ、イリーシャ
里緒菜:
イリーシャをエステル様を使って洗脳教育しないで下さい! 博物館はダメです! 英国やフランスと日本は根本的に文化遺産に対して教育が違うんです。 事故がおきてその貴重な文化遺産が破壊されたらどうするんですか? 展示品の美術品の破壊だって多いんですよ? うちではまだ起きてませんが。 日本の国立博物館や奈良の正倉院でさえガラスケースに入れたうえにレプリカを展示してます! むき出しで展示しても事故がおきない英国やフランスとは違うんです! 一緒にしないで下さい!
フランソア:
英国やフランスの博物館でもツアー観光客用の見学通路に設置してあるのはレプリカやガラスケース入りだけどね。 特に海外からの観光客が多い所は。
だからこその実際の文化物をみての学習環境が大事なわけじゃない!
里緒菜:
そんなのは政治家や官僚が考えるものです! それを日本では「お上」といいます。
フランソア:
ふ~んお上ね~そのお上が文化性が乏しいからからこういう事態なんでしょ? そういうのは打倒すべきだよ。
里緒菜:
そんな事するからあのフランス革命のあとの地獄の季節が生まれてナポレオンが好き勝手やって欧州は大変な事になったんじゃないですか? それくらいは里緒菜だって歴史で習いましたよ!
エステル:
くすすっ♪ こういう会話は本当に楽しいですわね♪
SE:
ぶぅーんブゥーん♪(スマホのバイブレーター音)
エステル:
スマホでございますか? 電脳通信ではありませんので?
ジャンヌ:
あの‥民間人のスマホをうちのAURORAに繋げるわけには…
エステル:
別によろしいのに。 相手をお待たせしては悪いですわよすぐ出てあげなさい。
ジャンヌ:
はい。
里緒菜:
これは! 報告のあった美見から!
エステル:
お願いいたしますわ♪
フランソア:
ちゅんぴ二号あのスマホの会話をスピーカーで流す
ちゅんぴ二号:
ちゅん!
イリーシャ:
ご主人様達容赦ないですね…
以下ちゅんぴ二号からの音声:
美見:
それで白山市の施設のパスとホテルの宿泊が一泊と夕食と朝食がついたセットをもらって…それでその…こないだ命を救っていただいたお礼というか…その…でも任務とか大変でお時間取れないですよね?
ジャンヌ:
あぁ…今はエステル様の護衛が…
エステル:
ジャンヌ、貴女に明日から「お暇」を出しますわ。
ジャンヌ:
えっ! それってアタシクビ? ちょっとなんでスマホ盗聴してそこで聴いているんですか!
エステル:
そのホテル宿泊ですが二泊に変更で費用はわたくしが出しますわ。 任務に復帰できるかどうかは、またスマホの後に条件を相談いたしましょう、ここで♪
美見:
あの! えっとどちら様で?
エステル:
あっスイマセンですわ♪ ジャンヌの上司をやっておりますエステル・ヌヴェールと申します、お邪魔してしまいスイマセンでした。でわ
美見:
はぁい? よくわかりませんが。 ちょっとジャンヌさん?
ジャンヌ:
とりあえず明日! いくから二泊だから よろしくね! でわ! 時間はあとでメールで!
エステル:
わたくしの補佐メイドの任務とグリーサヴァント隊長の任への復帰条件はその三日のうちに美見というその娘を落として恋人にしなさい。 覚えておきなさい負け犬はいりませんわよ。 ジュンヌ特務大佐
ジャンヌ;
ちょっと! エステル様! 待ってください! フランソア様も助けて下さいよ!
フランソア:
こないだの美見の一件、うちの調査部より詳細な報告を受けた。 美見がエスコートメイドという事を理解したうえでそのメイドとしての個性的な生き方を承認するというなら賛成する
ジャンヌ:
それはメイドですから! メイドの個性を否定するような事はしません! だからそれとこれとは…
フランソア:
エステルはここ三日はフランソアと一緒に行動するから、フランソアの護衛は都がするっていうから、フランソア、エステル、都でしょ? オーバーメイド一個中隊くらいきても殲滅できると思うよ、新しい装備もあるしね!
エステル:
ですわね♪ 実戦で試してみたいので是非襲ってきてほしいですわね。
イリーシャ:
ジャンヌさん、人生が掛かってますから頑張ってください。 声援は送ります。
ジャンヌ:
………………
美見:
今、ジャンヌさんから朝の10:00に車でお迎えにいくと…メールが。
梨音:
今AURORAで二泊になって部屋がグランドスウィートになって夕食のグレードも上がったのを確認した!
向日葵:
なんかお嬢様、AURORA使いこなしていますね?
梨音:
うん、基本梨音がつかってた端末をとても便利にした感じのものだから、逆に楽。
美里:
セクシー勝負下着はそろせてあるし!
美見:
あの美見もお店が始まって準備中とはいえ三日休みとか…
梨音:
美見くん、何を言ってるんだこれは仕事だ、いや任務だ。
美見:
任務?
梨音:
ジャンヌ特務大佐は欧州最大のエンパイアグループ、エステル総裁付きのメイドでエンパイアクラブ特殊作戦群最大の戦力であるグリーンサーヴァントの隊長だ。
美見:
良くわからないんですけど…
美里:
あのジャンヌさんがお仕えしているご主人様はとてもエライ人なの、それとジャンヌさんが隊長をしている部隊はとても強いの!
美見:
うん…強そうな軍人のメイドさんが一杯いたね、みんな優しかったけど。
梨音:
そのジャンヌさんを美見が陥落できれば、新しくできる弱小クラブのEHDENとしてはとても有利だと思わないかい?
美見:
はぁ…そうなんですね? でも美見がジャンヌさんに恋をしてるのをそんな応援してくれる意味が…
美里:
このタワーの隣のタワーにのエステル様が越してくるの、日本の居場所としてグリーンサーヴァントの部隊も当然、横の極東司令部に駐屯する。 隊長のお部屋もそこにできるの。 そこが美見の部屋にもなる。わかるね?
美見:
えっ頭がついていかないですけど? ジャンヌさんが同じビルに越してきて美見が一緒に住む? えっ? なんでそんなことになってるんですか?
梨音:
しかし問題がある。もしジャンヌさんが美見を落とせなければ、エステル様のお付のメイドとしてもグリーンサーヴァントの隊長としても解雇される。 ようはクビだ!
美見:
えっ? 解雇? なんで…でも…美見を落とす落とさないの前に、美見はもう落ちてますけど? というより美見がジャンヌさんを落とすんじゃないんですか?
向日葵:
もともと大きな計画があって進んでたんだけど、美見とジャンヌさんが恋に落ちたからそれにあわせて悪い大人達とそこのお嬢様とフランソアさんとエステルさんが暴走してこうなった?
美見:
ちょっと待ってください? ジャンヌさんが恋を? 美見に?
美里:
今朝Forestの警備課に呼び出されてさ向日葵と、グリーンサーヴァントの中隊長さんにお会いしたんだよ。 それで中隊長さんからジャンヌ隊長が美見にご執心で…仕事が呆けてるらしいの。
向日葵:
お聞きしましたが本当に大変みたいです。なんで両方好きならさっさとくっついて仕事できるようにしてもらいたいと頼まれました。
美見:
はい…なんか色々な人に迷惑をかけてすません・・・。どうにかこの三日間で陥落します? というかお互い落ちてるなら…はい。 付き合えるように頑張ります…。
その10へつづく