えんぱいな日々(本編) 第五百七十一話 流星 前編 その14
カリアゲ君です、楊枝危ないので手づかみですけどちゃんと手拭いてるので!それじゃ小梅の味しない? またそういうエロイ事を!
梨花:
……
小梅:
お兄ちゃん、カリアゲ君マジで好きだよね~。 おにぎりとこれだけイける? クラブのご主人さまとしてはどうかと、まあもともとお兄ちゃんだからいいか(笑)
梨花:
ねえ小梅。
小梅:
何?
梨花:
小梅って男性怖いんだよね?
小梅:
うんそうだよ。
梨花:
剛史オーナーも男の人だけどなんか本当の兄妹みたいに接してるけどオーナーは大丈夫なの?
小梅:
うんっ! 怖くないよ? だって小梅お兄ちゃんの事、大好きだし!
小梅:
ちょっとお兄ちゃん!何ムセってるですか!苦しいおにぎりのお米が喉に? コーヒー! コーヒー飲んで下さい!
梨花:
あのさ小梅、梨花達をコロス気?
ケルブ:
にゃん!
うさ子:
ぴょおおおんんっ!
小梅:
えっ! 小梅が悪いの?! うさ子とケルブまでなんで!
小梅:
何でうさ子にそこまで言われないといけないの! だからクラブにいる時はお兄ちゃんの侍従してることも多いし。 研修もそうだったし。 一緒に居て安心するし、何でも話せるし、頼もしいし、当然だけどお仕事できるし、仕事には真面目だし。メイドの事大事するし、その中に小梅もいていつも気つかってくれるし。 それぞれメイドにあわえせて対応してるのをみると大人だなー思うし。 すみれ様や真理愛お姉ちゃんとは違うけど大好きですよ? だってお兄ちゃんだし。
梨花:
…蛇行運転になってるので、うさ子この車の運転のっとって、うさ子なら運転できるでしょ。 剛史オーナー自動グルーズモードにお願いします。 このままだと全員事故死です
梨花:(AURORAでうさ子だけに話している)
(ねえ、うさ子、小梅はアレって異性を好きなっているって自覚がないの?
うさ子:
(梨花殿、その通りだ。 小梅は特殊なメイドなのでForestかGreenWoodsかだったのだが、Forestが丁度ゴタゴタしている時だったので小梅にとっては剛史殿のクラブの方が良いだろうと。しかし一般業務につかせるわけにはいかないので、ほとんど剛史殿の所で小侍従として剛史殿や凛空殿、穏海殿との話し相手を研修としてたのだ。 小梅は無自覚だが、男の中で剛史殿を特別視して心を開いている。 それは恋愛感情なのだが、女性への恋愛感情とは違うものなので…本人はまだ自覚していない。)
梨花:
(あの反応だと剛史オーナー方はメイドとして小梅の事好きだよね?)
うさ子:
(それは研修中は四六時中小梅が横にいたわけだし、かつ小梅の素性は小梅の薬物中毒を抜く治療を行ったのは外ならぬ剛史殿だ。 全てを知っている。 同情するなとは言えぬな。 その同情が女への性愛につながっても責められんだろ)
梨花:
(だよね。そもそも異性への恋愛感情を自覚してないとは…逆に自覚すれば受け入れられる環境には小梅はいるの?)
うさ子:
(それは問題なかろう。 すみれ殿も凛空殿も穏海殿も喜ぶとは思うぞ。真理愛殿は複雑な顔をするだろうがな。 すでにすみれ殿と真理愛殿の妾に正式になっており、戸籍上は西園寺家の正式な妾だ。その当主たるものがそれに手をだしても問題はあるまい)
小梅:
小梅は正式にロンゴミリアドの隊員になったので年明けに車両訓練があるんです。それが終われば特殊免許が発行されるので、来年はお兄ちゃんを乗せるのはこの小梅ですね!
はぁっ? 小梅の運転なんか乗れるか? ふっ! だったら、お兄ちゃん勝負しましょう! おおー受ける? お兄ちゃんはお兄ちゃんのF40で小梅はすみれ様のMP4X借りますんで。 Forestの滑走路でレースで はっ? ハンディありすぎる? お兄ちゃん男ですよね? 前言撤回ですか? ふっ!
ケルブ:
(ヒトの女との愛は天使でさえ神への反抗を決意させる理由となる)(注)
梨花:
(あの小梅の天然のタラシぷりを見てると創世記のアダム、神に仕えし多く天使はヒトの女性が原因で楽園を追放された。まさに罪の根源は女という、アブラハムの宗教の基本概念ですね。女は女というだけでどんなに善行を積んでも天国への門は閉ざされている。
あながち間違えてないかも)
注:『エノク書1』6:9
エノク書 第六章
1. 人の子等繁衍(ふえ)はじまりて美しく見目佳き女子(おんなのこ)之に生るるに及べる時、
2. 天の子なる天使等女子(むすめ)等を見て之を欲し、互いに言ひて曰く、「皆来たれ、人の子らの中より妻を娶り子を成さん」と。
3. 此処に指導者なるセミアザ彼等に言ひて曰く、「汝等この事を為すに、誠に裏切りはしまいか、我一人大いなる罪の責めを負はねばなりはしまゐかと恐るるなり」
4. 天の子等答へて曰く、「されば皆共に誓ひを立てん。この計画を必ず実行し、放棄することのなきやう、互ひに呪いをかけん。」
5. かく天の子等互ひに誓ひて、計画に対する呪ひを互いにかけ合へり。
6. その数総勢200に及び、ヘルモン山の頂上なるヤレドの地に降(くだ)りき。この山をヘルモン、即ち「聖なる地」と呼べるは互ひに呪ひをかけ合へるによるなり。
7. この者等の指導者等、セミアザを首(はじめ)とし、アラキバ、ロメエル、コカビエル、トミエル、ロミエル、ドネル、エゼケエル、バラキヤル、アザエル、アルモロス、ボトレル、アノネル、ゾキエル、サムソペエル、サタレル、トゥレル、ヨミアエル、サリエルなり。此等は十人隊長なり。
第七章
1. 斯(かく)て此(この)者等と共にありし他の者等も皆妻を娶り、即ちその好む所の者を取りて女の所に入り、之(これ)によりて身をを汚し、呪いや魔法を教へ、木の根を切りて女に植物を教ふ。
2. かの女子達子を孕み、巨人を生めり。この巨人等は身の丈三千米もある者達なり。
3. 巨人、人が得たもの皆食ひ尽くし、人最早これを養ふこと能はずなりぬれば、
4. 巨人、人に向かひて之を食らふ。
5. 更に鳥に対し、獣に対し、爬虫類に対し、魚に対して罪を犯し、遂には互ひの肉を食み、その血を飲めり。
6. 是(ここ)に於(おい)て大地は無法の輩を天に訴ふるなり。
その15へつづく