えんぱいな日々(本編) 第五百六十九話 BLAZE UP 中編 その13
梨音:
私は反エンパイアクラブ抵抗ゲリラ組織の戦闘隊長でありまして偽っていた事を謝罪いたします。
リナ:
ピガっ!
他:
はぁ~
向日葵:
花恋様、その反なんとかゲリラ組織って? 何ですか?
花恋:
えっと普通は政府とかに反対し体制を打倒しようという組織だけど、梨音ちゃんの所属するポムグラネイトは政府ではなくて、エンパイアクラブに抵抗する組織で、戦場や過酷な労働に無理やり従事させられているメイドを武力により救出し解放するメイド解放組織。梨音はその戦闘隊長
フランソア:
コードネーム「白き短刀のカルンウェナン」てのがドローン戦闘での梨音の通名。
ルゥナ:
梨音ちゃんが戦闘? ドローンを使って?
フランソア:
うん数々の拠点とか破壊して沢山のバイメイドを解放というか、メイドは所有物なのでこの場合は強奪したとなっているね。
梨音:
この度の緊急事態が収束されしだい、必ずこの命をもって償いはさせていただきますのでそれまでどうかご猶予を。
梨花:
お嬢様を介錯したのち、わたくしめも殉死いたいますのでどうかしばしの猶予のお許しをお願いいたします。
リナ:
ピガっ!
フランソア:
それってこないだ紅葉パパの秘密工作員で、組織も秘密部隊ってことで公式に解決したよね? 凛空さん、向日葵とかに説明しなかったの?
凛空:
そう説明したよ。ちゃんと。紅葉パパの命令で動いてるって
紅葉:
あの紅葉パパっていう名称定着したんですか?
フランソア:
あと元帥閣下のオジサンとかもあるよ年少組ではそういう呼び名が定着してる
紅葉:
たしかにオジサンですが…
梨音:
ですから、それはホワイトノイズの…
フランソア:
だから「白き短刀のカルンウェナン」を動かしてるのは「ホワイトノイズ」でしょ?ドローンはドローンでこれはあくまで自律型ではない人形。 動かしている方が犯罪者でしょ? でも国際条約により正当に認可され設立された国際組織エンパイアクラブミリタリアが命令していたならこれは犯罪ではない。
梨音:
…あのカルンウェン=ホワイトノイズっていうのは?
紅葉:
そんなのは最初からわかっておりましたし、組織の代表が櫻糀優樹子博士であることもとっくに判明しておりました。 ただ「ホワイトノイズが誰かのか?」については梨音さんでしょうけど「確たる証拠がなかった」のです。
梨音:
まさか、梨花あなた‥最初から…
梨花:
スイマセン…その魔王とDrフィッツジャラルドに…向日葵というメイドの子がアナタを気に入ってるからと…言われて。その向日葵のご主人様にも気に入られるようにしてと…言われまして。あとは説明した通り梨花も行く所がなくて困っていたので…優しい向日葵にその…さらにお嬢様にも…それは本心ですから…嘘偽りはありませんし。
ルシフェル:
ニヒ♪
向日葵:
まさか…向日葵の所に資料が来たのってお嬢様を罠に掛ける為の…
花恋:
ハニートラップだね。それもダブルな意味で。
フランソア:
ルーシーの名誉の為に言うけど、この計略の発案総指揮はそこの紅葉!
紅葉:
ニヒですわ♪
凛空:
だから~梨音ちゃんも組織ももう罪とかないから心配しないで。
梨音:
まさか…優樹子ママも…ぐるってことは?
紅葉:
櫻糀優樹子博士は私が所属する国立人工生命科学研究所の名誉顧問でございますわ。
梨音:
最初から梨音と組織を合法化し陣営に引き入れる為にすべて仕組まれてた…これが…
フランソア:
ようこそエンパイアクラブの世界へ
ルゥナ:
惨いけど。 とても納得できるルゥナがいる。
花恋:
全然驚かない自分にドンビキしてる。
ロッテ:
なんかこっちよりも顔が青を通り越してどす黒くなってる方々いるですが…どうしたんですか?
アリエル:
Τάρταρος(タルタロス)(注)に居るはずのお姉ちゃんが何故「ココ」にいるの? プロセルピナが解放しましたの?
エリシア:
この世の終わりだ…Αποκάλυψις (アポカリプシス=黙示録)だ…
すみれ:
「アレ」からお兄ちゃんをとり戻せるならすみれはもう…悪魔の王の力でもすがるしかないと思ってたけど。 こんな身近にいるとは…これが小梅がいってた押し寄せる「洪水」…世界の終わり…World End(ワールドエンド)
神は、罪を犯した御使たちを許しておかないで、彼らを下界におとしいれ、さばきの時まで暗やみの穴に閉じ込めておかれた。 また、古い世界をそのままにしておかないで、その不信仰な世界に洪水をきたらせ、ただ、義の宣伝者ノアたち八人の者だけを保護された。(注2)
みるく:
なんでお姉さま達は恐れおののいているの? こっちはこっちでうさ子とぴよ吉がケルブに臣下の礼?をしてるし。 ぴよ吉たちって臣下? 家来?
みるく:
まあアネキたちは置いといて、ぴよ吉とかうさ子とかあるいみ臣下だね。
注:Τάρταρος(タルタロス)
タルタロス(古希: Τάρταρος)は、ギリシア神話における奈落の神であり、奈落そのものとされる。 冥界の最奥にあることから牢獄として扱われた。 タルタロスで罰せられるシーシュポス。 後ろで見張っているのは冥界の女王ペルセポネー(プロセルピナ)
注2:ペテロの第二の手紙 2:4-5 新約聖書
「神は、罪を犯した御使たちを許しておかないで、彼らを下界におとしいれ、さばきの時まで暗やみの穴に閉じ込めておかれた。 また、古い世界をそのままにしておかないで、その不信仰な世界に洪水をきたらせ、ただ、義の宣伝者ノアたち八人の者だけを保護された」。
この堕落天使たちの住居である〈暗やみの穴〉の原語はタルタロス(神の名でもある)で,ホメロスはこれをハデスよりもさらに下方に設定している。すなわちゼウスがティタンたちを閉じ込めた場所である
ルゥナ:
あのさ、アリエルさんのお姉さんっていたの? ルゥナ聞いたことないんだけど? みるくは? シスターでしょ?
みるく:
みるくも今日初めて知りましたし、とても優しいし気さくだしオモシロイし‥守護ドローン?のケルブが可愛いっていったらすぐに抱かしてくれてずっと抱いていました。とても博識で礼儀正しいしすぐ気に入りましたトモダチになりました。
スリエル:
ルシフェル姉は…ちょっと…いやかなり…いや超絶特殊でして。「存在自体していないこと」になってます。 まあ…その…実際存在するんですけど…無かったことにして、いままで秘密保持されていた、色々な理由で。「ロストナンバー」ってやつです
ルゥナ:
存在自体していない? それ以前に今お姉さんの名前なんて言った?
ルスリエル:
ルシフェルです。
ルゥナ:
ルシファー・・・・・悪魔の長。「名は体を表す」…意味も無くそんな名を付けてるはずが無い。 そしてこの子は…
みるく:
ケルブ~臣下への挨拶終わったの! ご苦労様ね♪ 挨拶は大事だもんね♪
ケルブ:
にゃん!
スリエル:
כְּרוּב(ケルブ)(注)です。智天使。人が「永遠の命」を得てしまわないように「命の木=生命の樹(注2)」への道をふさぐ為にエデンの園の東に回転する炎の剣とともに配置された番兵の天使。 そしてルシフェルの守護者です。
注:ケルブ(כְּרוּב)
智天使(ちてんし、ヘブライ語ケルブ(ケルーブ) כְּרוּב kĕrûḇ、複数形ケルビム (ケルービーム) כְּרוּבִים kĕrûḇîm、 ギリシア語: χερούβ、複数形 Χερουβείμ, χερουβίμ、ラテン語 cherub, 複数形 cherubin, cherubim)は、天使の一種。偽ディオニシウス・アレオパギタに由来する「天使の階級」では第二位に位置づけられる。
— エゼキエル書 第一章
5 またその中から四つの生きものの形が出てきた。その様子はこうである。彼らは人の姿をもっていた。
6 おのおの四つの顔をもち、またそのおのおのに四つの翼があった。
7 その足はまっすぐで、足のうらは子牛の足のうらのようであり、みがいた青銅のように光っていた。
8 その四方に、そのおのおのの翼の下に人の手があった。この四つの者はみな顔と翼をもち、
9 翼は互に連なり、行く時は回らずに、おのおの顔の向かうところにまっすぐに進んだ。
10 顔の形は、おのおのその前方に人の顔をもっていた。四つの者は右の方に、ししの顔をもち、四つの者は左の方に牛の顔をもち、また四つの者は後ろの方に、わしの顔をもっていた。
11 彼らの顔はこのようであった。その翼は高く伸ばされ、その二つは互に連なり、他の二つをもってからだをおおっていた。 (……)
15 わたしが生きものを見ていると、生きもののかたわら、地の上に輪があった。四つの生きものおのおのに、一つずつの輪である。
16 もろもろの輪の形と作りは、光る貴かんらん石のようである。四つのものは同じ形で、その作りは、あたかも、輪の中に輪があるようである。
17 その行く時、彼らは四方のいずれかに行き、行く時は回らない。
18 四つの輪には輪縁と輻とがあり、その輪縁の周囲は目をもって満たされていた。
注2:生命の樹
生命の樹(英語: Tree of Life)は、旧約聖書の創世記(2章9節以降)にエデンの園の中央に植えられた木。 ユダヤ教のカバラではセフィロトの木(英語: Sephirothic tree)とも呼ばれ、宇宙万物を解析する為の象徴図表に位置付けられている。
命の木とも訳される。 生命の樹の実を食べると、神に等しき永遠の命を得るとされる
梨音:
アリエルお姉ちゃんのお姉さんで…名前がルシフェル…悪魔の王、地獄の支配者、ルシファー、地獄の底に幽閉させている、サタンの名を持つメイド…
ルシフェル:
はい! よろしくお願いします「ご主人様」♪
梨音:
えっ? ご主人様?
梨花:
お嬢様、梨花は地獄の底までお供しますと誓いを申し上げましたが…そもそも「ココ」がもう地獄の底なのです。
ルナ:
ピガっ!
梨音:
逃げるなリナ!
凛空:
それ笑えないよ梨花ちゃん…
梨花:
笑いをとってませんから。
その14へつづく