えんぱいな日々(本編) 第五百七十話 BLAZE UP 後編 その18
穏海:
お兄様を救って下さってありがとうございます。
凛空:
ニケちゃんはもううちの子だからねお部屋も用意したよ!
ニケ:
(苦しい)
すみれ:
なんで凛空様達を連れてきたの、目覚めたその日に合わせたらニケの身体がモタナイって…
真理愛:
いや…どうしても買ってあるクマのぬいぐるみとコユニ用のクッションを持って行きたいと小梅に言われてお屋敷に取りに行ったんだけど…
すみれ:
そんな事をしたら凛空様達が一緒に行くって言うに決まっているでしょ。
クレア先輩、ニケ大丈夫なんですか?
クレア:
いや…ダメかもだけど…あの状態の穏海さんだし、怖くてヤメテとか言えないよクレア。
小梅:
うさ子と一緒に選んでみたんだけど、コユニは男の子だからちょっとデザインはシックだけど色とかは女の子の部屋でも合うようにしてみたんだけ~どうかな?
コユニ:
おおこれはなかなか、寝やすそうです!ありがとうございます小梅殿、うさ子殿
うさ子:
オレのことはうさ子でいいぞコユニ!これからは同じ小隊の戦友同士だ
コユニ:
わかりましたうさ子
レスフィーナ:
生薔薇の良い香りだね~(棒読み)
ニケ:
アケローン川(注)が見える…
レスフィーナ:
こっちが地獄で冥府だからあるいみ天界への境目は同じか…
注:アケローン川(古代ギリシア語: Ἀχέρων / Acheron)
アケローン川は、ギリシア北西部のイピロス地方を流れる川。アケローンは「嘆きの川」「苦悩の川」と訳すことができ、古代ギリシア神話ではカローンが死者の魂を冥界ハーデースへと渡す、地下世界の川ステュクスの支流と信じられた。 ダンテの『神曲』“地獄篇”において、アケローン川は地獄前域で地獄との境界をなしている。ギリシア神話に従えば、渡し守カロン(カローン)がこの川を越えて死者の魂を地獄へ渡しているという
日本でいう所の「三途の川」のこと。
くま太:
凛空様、ニケが目覚めて嬉しいのは解るが、その辺にしとかないと、ニケは目覚めたばかりで体力が完全ではない、このまま魂が天界へ帰還してしまうぞ。
にゃん太:
凛空殿は興奮するとすぐこれだ。
ニケ:
カローンの渡し賃っていくらだっけ?…ドラクマ硬貨二枚(古代ギリシャの貨幣)だっけ…
穏海:
ニケさん!
凛空:
ひぃっ! ニケちゃんしっかりして! ごめん!(パシパシとほほを叩いている)
小梅:
あはは…(苦笑)
SE:
ガチャっ!
テミス:
デーメーテール様、なんで地上に降りてまで試験があるんですか…それも補講とかみんなが帰ってもテミスは勉強とか
デーメーテール:
それいったら我だって、この冥府の女王に監視されて書類を作らせておる…まさに地獄だ。なぜこんなに書類が多いのだ
優樹子:
デメテルの分の資料は手を付けないで放置してあったから。
デーメーテール:
この冥王代行め…
優樹子:
みんなケーキ作って差し入れにもってきたわよ!
ニケ:
テミス! デーメーテール様! ペルセポネ様!
テミス:
補講が終わらなくてね、ゴメン
デーメーテール:
仕事がおわらなんでな…これでも急いだのじゃが…
優樹子:
ここでは、優樹子ママでお願いね、ニケちゃん♪
小梅:
優樹子ママ、ケーキごちそうさまです、こちらで切りますので
優樹子:
よろしくね!
テミス:
私も手伝うから、何やればいい?
レスフィーナ:
椅子をもう2かな。 いま出すからそれをセットお願い! その間に私がコーヒー淹れるから次はそれを小梅と運んで!
テミス:
ケーキは? テミスが切るから。
真理愛:
お姉さま達はここからニケへは接近禁止です!
穏海:
うぅ~‥
凛空:
そこまで警戒しなくても…なでなでくらい・・・
すみれ:
だから危ないんですよ…ダメですからね凛空様。 あぶなく天界へ帰還ってどういう状態ですか…
ワイワイ♪
レスフィーナ:
テミス、ちょっとケーキが均等に切れてないよ!
テミス:
そうかな?
優樹子:
くすす♪ 私がコーヒー淹れるのでレスフィーナちゃんはケーキきって、テミスちゃんは小梅と切ったのを皿並べて運ぶ!
テミス:
はい!
ワイワイ♪ ガヤガヤ♪
ニケ:
あれ? いつの間にかお外が暗い? でも部屋の中は変わらない明るさ? お外星?いや違う何これ? デーメーテール様? なんですかこれ?
デーメーテール:
そうじゃな、オリュンポスがある星界はスプロールの中でも地球の昼の面しか映らん場所にあるからおぬしは知らんのじゃったな。 クレア殿悪いが
クレア:
みんなちょっとの間だけ暗くするので、手元は気をつけてね、スポットライトはあてるから! でわいきます!
ニケ:
地上が光に覆われている…これ…全部明かりですか?
デーメーテール:
そうじゃ。
ニケ:
地上の星だ…すごい
デーメーテール:
あの明かりの一つ一つの下には今の我らと同じように沢山の人々がおる。 その人々の生活を守るために我らの星界があり、そして我らはその代表としてこの地上に来たのじゃ。
ニケ:
あの星の下にはニケ達のように人が…生きてる。 その沢山の人々の生活を守るために。
デーメーテール:
がんばろうなニケ。
クレア:
クレアからもお願いするがんばってねニケちゃん
ニケ:
はい! ニケがお力になれるなら精一杯がんばります!
その19へつづく