えんぱいな日々(本編) 第五百六十九話 BLAZE UP 中編 その20
ミケーラ:
疑問は色々御座いますでしょうが、まずはお飲み物をお持ちいたします。ワインを…はい酒ではないもの? でわメリドラトンをお持ちいたします。
SE:
ガチャ…(ミケーラが出て行く音)
くま太:(ホログラフィックディスプレイから)
剛史殿か? 目を覚ましたか。ああ外部への連絡はつかないがこの乙女宮クラスター内ではAURORAは使える。まだにゃん太の疑似意識は目覚めてないがビーコンは作動しているので無事は確認している。
時間経過速度などは通常のサイバースペースと同じ2mms=1sより早くその20倍だ、さすがスプロールのメインフレーム。光量子演算チップでできたサーバでの速度だ。
そうだコチラの10000秒が物理世界の1秒となる。ここでの1年を過ごすのとあちらの51分が同じ時間ということだ。
ほかにも色々調べてみるが、デーメーテールに探知されるとやっかいだ頻繁に連絡を取り合うのは避けるべきだろうな。 にゃん太が目覚めたら連絡する。以上だ。
ミケーラ:
お持ちいたしました。わたくし達が娯楽で飲むようなモノなのでお口に合うがどうか…メリドラトンとはなにかですか? 蜂蜜を冷水で割ったものです。それにアレンジでレモンやオレンジ、ブドウなどの果汁をいれます。これはレモンです。 蜂蜜レモン? そういうお飲み物がそちらの世界ではあるのですか。
ミケーラ:
美味しいですか。良かったです。物理世界の方に飲んでもらうは初めてなので安心しました。 食べものなどは物理空間の方みたいにカラダの維持とは違いますけど、感情回路の生成には必須なものなので。 はい美味しい方が感情に豊になります。
ミケーラ:
あの…トランスセンダー様、ご自分がどうなったか理解できますか? はいそうです。デーメーテール様がトランスセンダー様の…あのまずその「トランスセンダー」と呼ぶをやめてほしい? でも物理世界から切り離され星界に渡っても意識をたもったまま存在している方を超越者=トランスセンダーと呼ぶので…それはある意味デーメーテール様と同等の力を…はいでわ何とお呼びしたら? みんなお兄ちゃんと呼ぶのでそれで? さんや様なども付けないでほしい? はあぁ‥‥ご希望なのでそうしますが、はい、呼んでみます。
ミケーラ:
お兄ちゃん…? こんな感じですか?
ミケーラ:
どうしたんですかお兄ちゃん? えっつ破壊力が半端ない? なんですかそれ? とにかくこの呼称でよろしいですか? はい。
ミケーラ:
デーメーテール様はお兄ちゃんのゴーストスフィアを回収してこちらへ転送。本来はそれ以降は活動停止してまうのでストラクチャー(構造体)に仕込んでお話相手用の下僕にするつもりだったらしいですが、星界内からのリンクが存在して意識が稼働し続けたそうです。 調べてみるとオリュンポス内の「パナケイア」(注)がお兄ちゃんの星界での本体だとお気づきなったらしく。 賓客として弊神殿にお留まりられるよう準備をさせていただいたそうです。
注:パナケイア(古希: Πανάκεια, Panakeia)
パナケイアは、ギリシア神話に登場する、癒しを司る女神である。ローマ神話ではパナケア(ラテン語: Panacea)と呼ばれる。
医術を司る神アポローンの孫で、アスクレーピオスの娘たちの1人である。その名前には「全てを癒す」の意味があり、中世の錬金術師たちがエリクサーや賢者の石の材料と考えた霊薬の名ともなった。今日でも「万能薬」(英語: panacea)の意味で使われる
ミケーラ:
それで、デーメーテール様曰く、とても失礼な事をしてしまったので一回お会いして謝罪をいたしたいと申しておりまして。 いつでもよろしいんで脚を運んでいただけるとありたいと。 それとここにご滞在していただく間は待女に申し付ければ出来る限りの事を叶えるそうです。 それでですね。 その侍女なんですが、とりあえずはわたくしミケーラが仰せつかってるですが…気にいらないなら別の侍女を用意するそうです。
ああ、わたくしでよろしいと。
ミケーラ:
はぁ~良かったです。 わたくしのような小娘で本当に侍女として気に入っていただけるか心配だったので。 はい、ごちそうさま? 飲み物や食事の後の挨拶? はい。
ミケーラ:
はい! 帰れる時間までいつになるかわからないけど、それまでよろしくと、こちらこそよろしくお願いします。 お兄ちゃん!
えんぱいな日々(本編) 第五百六十九話 BLAZE UP 中編 終わり♪
えんぱいな日々(本編) 第五百七十話 BLAZE UP 後編へつづく