えんぱいな日々(本編) 第五百六十九話 BLAZE UP 中編 その7
愛花:
ご主人様もるーちゃんも詩織さんが居ないからって好き勝手やりすぎじゃないですか?
愛花:
高級士官用レストランもあるのに…なんですかコレ? ハンバーガーにフライドチキンに、ソーセージに山盛りのフライドポテト、激甘なアメリカンチーズケーキ、アメリカンサイズのマグカップ入りのコーヒー…それも煙草吸いながら食べるとか…どこのアメリカのドライブイン
瑠莉:
詩織さんが居ないときくらい良いじゃない、ねぇルーシー(ルシフェル・ルシア・ルチアなどの愛称)もそう思うよね?
ルシフェル:
はい! レストランではフライドチキンもをこう手づかみってわけにもかないしぃ。私はこういう食事の方が好きです♪ そういう愛花さんもそれでドーナッツ3つ目ですよね?
愛花:
うっ! それはアメリカドーナッツ好きだから。なんかさケープタウンのドーナッツさっぱりすぎだから。 合わないっていうの? 上品すぎっていうの?
瑠莉:
日本のドーナッツはアメリカのダイナーよりだからな確かに。
愛花:
それでご主人様、表向きにはシドニーに行く途中の給油ということなってますから余り時間はありませんけど? どうするんですか? まさかるーちゃんを独りで日本にこのまま残すとかだったら愛花プンプンモードになりますからね!
ルシフェル:
わたしぃ~パスポートとかないし♪ どうしよう~♪ IDカードじゃダメかな?
愛花:
るーちゃんそのIDカードも正規発行の偽造品だからね! なんか日本語がおかしいけど!
瑠莉:
存在自体が最重要国際軍事機密扱いなのだから、パスポートもIDも仕方ないじゃないか。そもそも戸籍とか所属国家とかどうするのよ。 それでだ、ルーシー件についてはマリエット特務大佐に任せることにしたんが…
愛花:
はぁ? この超弩級危険人物をマリエット大佐に丸投げ…信じられないこのご主人様…フランソアちゃんに愛花寝返ろうかな…
ルシフェル:
そうしたらあかりさんも速攻で寝がえるね♪ 瑠莉さん可哀そう~。
瑠莉:
ちょっとまってくれ愛花! そんな事したら私のメイドが居なくなるでしょ!
親父と戦争する前にうちの母さんの反体制組織ポムグラネイトがDrフィッツジェラルドとForestと戦争になりかねないから、ルーシーつかって全部ひっくり返す為に火急的速やかに超音速で寄越してくれって無理言われて。 連れてくるのだってかなり無理したのに…後はマリエット特務大佐ならどうにかするって‥たぶん…maybe…
愛花:
なにがメイビーですか! 大体ですね! ご主人様の家庭と愛人との喧嘩! この場合はご主人様のお父様の哲也博士とお母様の櫻糀優樹子博士、そして哲也博士の愛人で優樹子博士のご親友でもあるフランソアちゃんのお母さん、さらにご主人様と妻のフランソアちゃん、この喧嘩になんで世界を巻き込むんですか! 家庭内のことは家庭内で収めて下さい! 巻き込まれる世界の人々は大迷惑です! それにご主人様のお母様は亡くなったんじゃないですか?
瑠莉:
私だって知ったのは7年前よ!悠里とヴェルが整備したプロセルピナからいきなり話しかけてきてからだし!「実は死んでなかったのごめんないさいね」とか! 実の子供も騙すってどんな親よ! あとフランソアと私は喧嘩してないから!
あくまで意見が「少し」違うだけで。
愛花:
それで都合が悪くなって暗躍するからって南アフリカに高飛びして、世界飛び回るとか付き合わされる身になって考えて欲しいです! あとあの優樹子お母様はご主人様にそっくりです! 鏡みてモノ事は言ってください!
みるく:
あの奥に座ってるお綺麗な方がお姉さん?
スリエル:
そうなんだけど‥‥
夢結:
閣下と愛花少佐、元気そうだね…はっちゃけてるし‥
エミリー:
いや「はっちゃける」ではなくて今、色々と重要国際軍事機密を「ぶっちゃけ」てるだろう…。
梨花:
あの他にお客はいませんが、ダイナーのシェフとウェートレスさん、口封じとかされませんよね?
マリエット:
どうでしょうか‥‥
瑠莉:
ということで!みんなぁ! 後はよろしく! 注文は好きなもの頼んで、私のツケで構わないから! ゴメン私、これからオーストラリアのシドニーに行かなければならないんだ。でわ!
SE:
バンっ!(愛花の片足がテーブルに乗っけられる)
愛花:
何逃げようしとるんだボケ主人、こっちはまだドーナッツが残っとんねん!
ルシフェル:
スリエル、マリエットさん、みるくさん、こんにちわ。そしてスリエルのおトモダチですよね?いつもスリエルと仲良くしてくれてありがとう。
スリエルとアリエル、エリシアの姉でルシフェル・スカリジェと言います。この子は私の守護ドローンでケルブといいます。よろしくね。
ケルブ:
うにゃんっ!
悠美:
そうですわ逃げようなどと考えない方がよろしいですわよ?
瑠莉:
?!
瑠美:
いらしゃいませ。まことに申し上げませんが只今、ドリンクとケーキ類のみとなっております…ご注文がおきまりになりましたら…
悠里:
瑠美もうちょっと堂々としなさいませ。
瑠美:
だって悠里さん、ウェートレスなんて新人メイドの研修以来ですよ! 何年ぶりだと思ってるんですか!
夢結:
悠里保安本部長、瑠美執務官、何をなされているのですか?
愛花:
悠里ちゃんドーナッツは大丈夫?
悠里:
在庫分は大丈夫ですわよたしか全種類二つ以上ありましたわ。
愛理:
ならオールファションとチョコリングを一個づつ。
悠里:
畏まりましたわ。オールファションとチョコリングを一個づつですわね。
悠里:
「もと」ご主人様のご注文は都のミニちゃんツーの弾丸のみ受け付けますわ。
瑠花:
ツー? まさかフランソアさん用に新調したのか?
都:
対フランソアご主人様用 XM134 「ミニちゃん2(ツー)」7.62x51mm 強化テクタイト合金製徹鋼弾 栗田化学薬筒KNA9 全長900mm 装填重量100kg 発射速度 毎分2,000発! パーフェクトだ英奈!
フランソアご主人様に撃った時は威嚇だったのでブレードを吹き飛ばすだけでしたが、今回逃亡した場合は存分にうちますわよ!
瑠莉:
それ威嚇射撃で当ててますよね? 都さん!
愛花:
炸薬威力3倍の強化テクタイト合金製徹鋼弾、愛花席、向か側にかえます。
瑠莉:
あの煙草くらい吸っていいかな?
都:
暴発しても自己責任ですからね!
瑠莉:
はい…。
瑠莉:
瑠美! なぜ私が直接ルーシーを連れてくる事を知った? エミリーと夢結は私直下のエージェントだ、そこから漏れるようなことはない。
瑠美:
それはとても信頼が高い人からタレコミが…本日厚木に瑠莉元ご主人様が起こしになると、会談場所はここで、そこで身柄を確保できるだろうと…
愛花:
なるほど律子ちゃん、というより優樹子ママから連絡を受けたわけね?
悠里:
そうですわ
愛花:
運んできたるーちゃんと実の親である櫻糀優樹子博士から売られたんだね!
ルシフェル:
ニヒ♪
スリエル:
アネキを餌にして瑠莉さんを日本へおびき出す‥‥非道(ひど)い…
愛花:
たしかにコイツを引き渡せば、現在のポムグラネイトとForestとDrフィッツジェラルドの問題はコイツが命を引き換えにしても全部解決すると! なるほど!
悠里:
もし解決できなければその時は肉骨粉にして太平洋へ成層圏からまくだけですわ!
エミリー:
いや違う。優樹子博士や律子博士がこのような組織ポムグラネイトにリスクが高い案を発案するはずがない。 さらに梨音は知りもしないだろう。 まさか梨花…アンタ…
梨花:
梨花は白き短刀「カルンウェナン」の副官として地獄に堕ちても、どんな手段をとっても、たとえ世界中を敵に回してもお嬢様を守ると誓ったのです。
マリエット:
恐ろしい子が梨音ちゃんの腹心についたわね。
その8へつづく