えんぱいな日々(本編) 第五百七十話 BLAZE UP 後編 その4
ミケーラ:
ミケーラがお兄ちゃんに恋をしているの知ってますよね? なんで抱いて下さらないですか! 責任が取れないって? それってどういう意味ですか?
ミケーラ:
えっ? オレはいつかはあっちの世界に帰る、ここの世界の住人では無いからずっとミケーラと一緒には居られない。 それなのにミケーラを抱いたら、捨てて行くことになる?
ミケーラ:
それは仕方ないじゃないですか? だって地上にはお兄ちゃんの正妻や妾が地上にはいます。 あくまでミケーラはデメテル神殿にお留まりになる間の侍女です。ですから…ここからお立ちになるときは…捨てて行って下さい。 ミケーラはお兄ちゃんと一緒な時の想い出があれば…
ミケーラ:
ひぃっ! お兄ちゃん! えっ? 一回でもミケーラを抱いたらミケーラを地上へ連れて帰りたくなる? オレだってミケーラの事は好きだ? こんな世界にいきなり来てオレが正気を保っていられるのはミケーラが懸命にオレに尽くして支えてくれているからで‥そんな娘を好きにならないわけないっじゃないかって…そもそも容姿も性格も好みなのに…。でもミケーラはデーメーテールの神官候補で未来もある? そんなことはできない? いや何言っているんですか?
ミケーラ:
まずデーメーテールの神官については…やれるのがそれしかなかったので、あまりこだわりはないです。デーメーテール様は大好きですけど。 お兄ちゃんの侍従の方がずっとこだわりがあります。 なので気にしないでください。 それより地上へ連れて行くってどうやって? あっのぼせるから湯舟を出るはい。 抱っこはしてくれる? はい。
ミケーラ:
はいどうぞ、いつものメリドラトンです。今日のはぶどうです。 はい。 そうですね、お風呂の中で深刻な話は危険ですね。 ごめんなさい。 あの…それで…その…はい乗りますね。
ミケーラ:
急に甘えん坊になってって…もともとはこういう性格なんですが…ずっとガマンしてたんです。 テミスにもベタベタするので時々ウザイとか言われてます。 そうですね寂しがり屋ですね。 スイマセン。 可愛いと。 それで連れていくってどうやって?
ミケーラ:
師匠の二人に相談すればどうとでもなる? 国立人工生命科学研究所のバイオメイドプラントでミケーラ専用で素体を生成してそのチップにミケーラの意識スフィアを転送すれば良い? 素体の生成には地上の時間の二週間あればできる? 意識スフィアからの設計はオレでもきる? ちょっとまって下さいお兄ちゃんの師匠って何者ですか? そんな星界から地上へ転生を自由に…フランソア・フィッツジェラルド一世と櫻糀優樹子…。 テミスの師匠にしてこのスプロールから星界をつくりし大地母神ガイアとスプロールの地上の代行者にして冥府の女王ペルセポネー!
それがお兄ちゃんの師匠…さんですが…。 ペルセポネー様がお兄ちゃんとくま太とにゃん太を送りこんだと?
もし今回の案を元老院が強行した場合、その師匠さん達をオリュンポスは敵に回す事に?
ミケーラ:
震えるなって…無理言わないで下さい! 震えますよ! それに今、お兄ちゃん…何て言いました? フランソア・フィッツジェラルド・櫻糀・二世? それアストライアー様ですよね? それと梨音ちゃん? もしかして、LION?獅子レオにして戦女神のアテーナ。あと今はルシフェルとアリエルとエリシアとスリエル…イリーシャ…ってイリス様ですか? あと花恋ちゃんがアルテミス? ルゥナちゃん、ヘスティアー? もいる‥‥そっちもヤバイ。 どこまでヤバイのがそろっているんですか! サタンとその幹部揃い組…、スリエルがいるってことは冥界の女神 メリノエ 魂の滅亡をつかさどる女神もいると…魂さえも残さない徹底ぶり。さらにヘスティアー様とアルテミス様がセットだと、スプロールが物理的にも破壊される可能性が‥GATE通ってそんな方々に攻め込まれたら星界が塵灰と化します…。 えっそれよりくま太のマスターがウーラノス‥天空神その物…それがお兄ちゃんの妾なんですか…すみれさんて…ウーラノス…ひぃぎっ!
大丈夫って大丈夫じゃないでしょ? だってこのままだと、その人たちがお兄ちゃんを取り戻しに来ますよ! その時はこの世界の終わりです。 ワールドエンドです! ラグラロックです! 神々の大戦というより 戦いにすらなりません、圧倒的にこっちが戦力不足なので一方的に殺戮され蹂躙されて終わりです! 滅びです、滅亡です!
ミケーラ:
滅びを回避するには…そうだ生贄だ生贄しかない! ミケーナとテミスとあとデーメーテール様もつけますので、生贄にして…どうかお兄ちゃんその辺りで交渉を開始できませんか? あくまで生贄は交渉を開始する為で、降伏条件などは交渉の後に‥‥その結果滅びるなら…それはそれで…もうミケーラ達もいないので…好きにして下さい。
でもせめてデーメテール様とテミスは楽に死なせてあげたいので…。
その5へつづく