えんぱいな日々(本編) 第五百七十話 BLAZE UP 後編 その9

 


ミケーラ:
どんどん焼くからいっぱい食べてね!

テミス:
ナニコレ!めっちゃ楽しい!

くま太:
ミケーラも食べてるのか? 大丈夫か?

ミケーラ:
はいっ! 焼きながら自分の分はけっこう食べてますので心配なさないで下さい。

にゃん太:
やはりビールにはウィンナーだな! 解ってるなミケーラ殿!

ミケーラ:
はいっ! お兄ちゃんに教えてもらってこのウィンナー? という腸詰めの燻製を材料も作り方も再現してみました! スパイスがポイントなんですね!

にゃん太:
実に上手い! ミケーラ殿は良いシェフメイドになるな! いや女神どの…いや女神の神官殿だったな!

ミケーラ:
シェフメイドというのは、お料理が中心のメイドさんですよね! えへへっ!なれるかな? 

にゃん太:
ミケーラどの優秀なメイドになれるぞ! 我が保証しよう! ミケーラに比べて我の二人の主人、アリエルと花恋どのは両方ともポコンツメイドだからな!あははっ!

ミケーラ:
大天使アリエル…と狩猟の女神アルテミス様…まあ御二方共、料理や掃除などするようにはたしかに‥

テミス:
地上でのこういうのけっこうやるの? ほううちのクラブはバーベキューは好きで良くやると? 夏は専用の浜辺があるから水着でする? クラブってお兄ちゃんのレギオン(軍団)のことだよね? 専用の浜辺、海か~海ってテミス見てみたいんです楽しみ。 冬はスキー? スキーってなに? 雪? それを板で滑るスポーツ? まあいいや! それでホテルで鍋も楽しい? みんなで食べて飲んでカラオケで歌って! カラオケ…まあ行けばわかるよね! とにかく! 楽しそう! そうだねその為にも明日はがんばります!

テミス:
まさか草原のど真ん中で風呂に入れるとは思わなかった!

ミケーラ:
窪みに水沸きあがらせて温度とかもガイアの杖で自由にできるから。 それに外歩いて汗かいたし…カラダ綺麗にしたかったし。

テミス:
今夜のお兄ちゃんとの為にか♪

ミケーラ:
そうだけど! そんな露骨に言うことないじゃない…

テミス:
何今更照れているのよ! お兄ちゃんがここに来てからもう一年、ミケーラとそういう関係になってからだってもう11カ月。 三人とくま太さんや時々斥候からもどってくるにゃん太さんとのこの生活だって長かったよね。 

その間色々あったけど剛史お兄ちゃんやデーメテール様、うちの師匠のガイア様、そしてお兄ちゃんの師匠のペルセポネー様が説得することで、どうにか元老院はテミスとミケーラが地上へ降り神官と女神の権限を持つ大使としてオリュンポスの地上大使館を冥王代行のペルセポネ様が管理する国立人工生命科学研究所内に設置してそこで観察を続け、定期的にオリュンポスに二人がもどって報告をするという条件でバイオメイドの駆逐などの処置は当面は見送る事が決定した。

代わりに即席ではあるけどミケーラもテミスも女神と神官しての訓練は受け、ついに最終試験までたどりついた。長かった!

ミケーラ:
学科試験の度にお兄ちゃんにまさに泣きついてたからね…本当に泣きながら足にしがみついて助けてってやってたし。お兄ちゃん最後はテミスを引きづって歩いてたし!

テミス:
テミスはお兄ちゃんには生涯いや! 永劫にわたり頭が上がりません。はい。

ミケーラ:
本当に、この試験が終われば…お兄ちゃんとミケーラとテミスとくま太さんとにゃん太さんのこの共同生活も終わりなんだね…物理世界…地上…あの大きな大陸の横の弓字型の島の所に…

テミス:
日本というあの場所にお兄ちゃんが率いるレギオン(軍団)であるクラブのGreenWoodsも私達が駐在することになる国立生命科学研究所もある。 そして、いま地上は大きな戦いの前夜にあるらしい。

テミス:
次元の扉の向こうは嘆きが満ちる人も同胞同士も殺しあう地獄よ。

ミケーラ:
だとしても、ミケーラはお兄ちゃん達人類や同胞全てが生き残る未来を作る為の戦いに勝利をもたらすとあの日誓ったの!

テミス:
ならそのミケーラとお兄ちゃん達が創造(つく)る未来の新しき秩序と法を女神としてこのテミスが守護する事をここに誓う! 二人で未来を掴もう!

テミス:
無限の宇宙(そら)に誓う!

ミケーラ:
このきらめく時間が明日失われても!

テミス:
我ら皆が幸せになれる奇跡の未来!

テミス:
それを必ず造る!


青い記憶


その10へつづく