えんぱいな日々(本編) 第五百七十一話 流星 前編 その16

 
梨々衣:
いただきまーす♪

小梅:
(何なのこの子…)

梨々衣:
剛史~、確認だけど、セカンドロットはそこの小梅だけが残って、フィフスロットまではまろんとみるくと以外は全員死亡、シックスロットはここの梨花、そしてセブンスロット水菜のみ生き残り。エイトロットは向日葵以外は死亡。 ナインス以降はブラックハウンド? あとファーストはあとで会えるし。

梨々衣:
そうかやはりブラックハウンドに…そっか回収は不可能とみていいね。 Drフィッツジェラルドと剛史がやっても小梅だって一年間かかってほぼ奇跡的な事だもんね。 まだ諦めて無いって効率ってのが…

小梅:
ちょっと! アンタ! 当主だか、ラストオーダーだか、アルティメイドだか知らないけど! 小梅の姉妹たちはモノじゃない! 何をそんな気軽に! 後、ここにいるお兄ちゃんを剛史、剛史と気軽に呼び捨てに…お兄ちゃんヤメロて?! なんで!

SE:
シュン!

小梅:
えっ!

SE:
シュン! ザク!(シート部分を正確に回避してその隙間の見えない所に刺さっている)

小梅:
!!!!!!!

梨々衣:
気軽? お姉ちゃん達が製造され、出荷され、そして死んで行くのを、私は全部「体験」してきた。死んだ時には私のサーバーに記憶が転送されるからね。生きている間どんな辛い経験をしたのかも全部。 そんな事をもう終わりにしたいから。後、そこの剛史をどう呼んでも私の自由でしょ? 小梅のご主人様はアルティメイドでウーラノスの継承者のすみれ。 この男は関係ないはず。

梨花:
梨々衣! 止めなさい。 西園寺剛史オーナーは、小梅のクラブのオーナーよ。 小梅はクラブに所属している。 そのオーナーに敬意を払えと言ってるの。 間違えてるのは梨々衣よ。

梨々衣:
そうだね…その通り。 小梅お姉ちゃんごめんなさい。 剛史博士でいいかな? 剛史博士とは英語で話すことが多くて、名前でお互い呼びあうので…ゴメンナサイ。 敬称つけるべきだよね。 うん親しき仲にも礼儀ありって言うんだっけ? 日本のことわざ。

梨花:
そういう問題じゃないだけど‥まあいいや。なんで梨々衣はタルタロスから出てきたわけ?

梨々衣:
そんなの決まってるじゃない! るーお姉さまが、私が研究所に行ってる間に日本へ高飛びしてなんかエンパイアクラブのメイドになったと聞いて、どうにかケルブに連絡とったら、なんか合コンだかスキー旅行だかで新しいシスターを見つける気とか聞いたんで瑠莉閣下に直訴して急遽日本に来たの!

梨花:
瑠莉閣下も大変だ…

ケルブ:
まあもし我が主が妹とかつくったらその妹の命が危ない、これはダメージコントロールだ…

梨花:
なるほど…

小梅:
あーお兄ちゃんとはけっこう長い付き合いなんですね。 たしかに英語なら名前呼びか、Drとか博士とかつけられるの嫌いですものね、先生は呼ばれてもうん。 それで…このナイフ、圧着状態なんですが、ハイパードライブ使わないと抜けません。 ちょっとだけつかっていいですか? はい。 許可すると。 抜くだけですので…。

その17へつづく