えんぱいな日々(本編) 第五百七十三話 流星 後編 その2
水菜:
目的地への飛行コースに乗りました。オートパイロットに切り替えます。
絵里奈:
了解ぃ!
絵里奈:
あ~機長よりお伝えします。目的地の長野スキーリゾートForestの天候はたぶん晴だと思う。 到着までの時間はたぶん10分くらい? 何もなければ以上ですおくつろぎ下さい。
水菜:
なんていうか…良いんですかそれで…
絵里奈:
いいのいいの! どうせ身内しか乗ってないし。
里奈:
しかしすごいじゃない、VTOLジェットをアタシの補佐無しで飛ばせてるとは。水菜は良いパイロットだよ。
水菜:
いえうさ子のナビゲートがあってやっとですから…
うさ子:
ぴょん。
水菜:
オレは助けてないって…そんなことないから
絵里奈:
どうGreenWood'sの分隊に来ない? そしたら滑走路とかオーナーに作らせちゃうよ
水菜:
それは絶対に千穂さんが激怒するのでヤメて下さい。 あと水菜は里緒菜お姉さまや里穂お姉さまのお力に早くなりたいので訓練をがんばってるので
絵里奈:
わかってるわかってる!
スリエル:
あの陽菜乃先輩は何なんですか…?
ヴェル:
何なのと言われても、陽菜乃の素顔だよアレが。
スリエル:
ええぇ‥‥
陽菜乃:
せんぱいとぉ~ペアルックでスキー♪ でへへへぇ~♪
舞悠:
陽菜乃さん、後輩が見てるよ? 主任としての威厳とか仕事に関わるよ?
陽菜乃:
業務開始日まで後は全部せんぱぁいにぃ甘える為に陽菜乃~残務がんばりましたぁ~ご褒美って言ってましたよねぇ~♪
舞悠:
言ったけどぉ、人前では…
スリエル:
それで何で彩香さんとヴェルさんは珍しく喧嘩してるですか?
ヴェル:
大祭の戦利品を仕分けしている時に怪しい動きをしてると思ったら大量のR18の薄い本が…それでその処遇いついて揉めた。 キュロと共謀して手にいれたらしい。
スリエル:
本じゃないですか…べつに
ヴェル:
買うのは別に良い。 でもヴェルに内緒で買うのが許せない、それもキュロと共謀とかさヴェルが抜け者だもん。 そこが許せない!
スリエル:
それでイリーシャは何をそんな熱心に読んでるの?
イリーシャ:
こないだ詩織さん達がやった作戦名が テスモポリアズーサイ だったじゃない? あれは
女神デーメーテールとペルセポネー(プロセルピナ)に捧げられた女だけの祭であるテスモポリアズーサイ=女だけの祭りで展開されるギリシア喜劇から名前が取られていたんだ。
それはアリストパネスが描いた喜劇なんだけど女三部作のうちの一つがさっきのね、それで実際に読んでみたくなて、あと二つが「エックレーシアズーサイ=女の議会」と
「リューシストラテー=女の平和」いうもので、Forestの図書室に全部あったから、これは「エックレーシアズーサイ=女の議会」の方
スリエル:
どんな話なの?
イリーシャ:
当時のアテナイの民会は男子に限定されていたんだけど、それに女性たちが男装して参加し、自分たちに有利な決定をしていくという風刺的な感じの喜劇。
スリエル:
ちなみにいつくらいの話なの?
イリーシャ:
紀元前393年から紀元前390年の間に上演された推定されている。
スリエル:
紀元前の本なのね…
イリーシャ:
もう一冊の「リューシストラテー=女の平和」が面白くてアテーナイとスパルタの戦い、私が好きなペロポネソス戦争を題材としてるだけど、その戦争を終わらせる為に、両都市の女が手を結び、セックス・ストライキを行うという、下ネタ満載の喜劇!
スリエル:
セックスストライキで戦争を終わらせる…すごい事考えるね…それはいつくらいのお話なの?
イリーシャ:
紀元前411年くらいに上演されたらしい。
イリーシャ:
その頃で戦争に下ネタぶっこんだ物語を劇場で…あるいみ人間ってすごいね。
イリーシャ:
うん歴史はまさに人の業の記録だからこそ面白い!
絵里奈:
みんな着いたわよ! 着陸するよぉ~!
その3へつづく