えんぱいな日々(本編) 第五百七十三話 流星 後編 その9

 
SE:
ガチャ

ひな子:
ただいま

スリエル:
おかえりお風呂入れてあるよ。

スリエル:
おい、いきなり抱き着いたらジュースがこぼれちゃうよ。

ひな子:
なんでスリエルは何も言わなかったの…本当は水菜がスリエルの生まれながらのパートナーだったのに何かの事故で里緒菜さんのパートナーになちゃって、スリエルは半分壊れて…でもどうにか立ち直ってForestに来て、そのことを水菜には黙ってそれでも支えて…本当は辛いのにひなが告白したら悩んだ末に受け入れてくれて…ひなも支えて…それに今のお仕事って総務部だけじゃなくて…

スリエル:
エリシア姉、全部しゃべったな! 花恋お姉さんが今夜はクリスお姉さんが来てるからいないから一緒じゃないと話さない思ったのに…あのさひな子、いったん離れて、お風呂入ろう? カラダ震えてるし

ひな子:
うん…

ひな子:
…正直エリシアお姉ちゃんのお話半分…いや三分の一しか理解できなかったけど、とても大変な状態? になっている事だけはわかった。 あとスリエルのお仕事を直接はひなは手伝えないのは解った。 力がない。 やれて普通の総務の仕事をするくらいだし。 でもね…ひなに何でスリエルは言ってくれなかったのかが…そんなにひなの事信じられない?

スリエル:
そんな事はない。 ひな子の事を巻き込みたくなかったんだ。 ひな子はあくまでアポリロイドとはいえオーバーメイドじゃない。普通の女の子。 ひな子だって小梅や水菜や先輩の訓練を見学したんだろ? 

ひな子:
うん…ちょっと怖かったけど、三人ともカッコよかった。特に鈴奈先輩が‥すごい凛々くて厳しいのはわかるけど、水菜と小梅のことをビシっと言ったりでも思いやってるんだなーって見えたり…めっちゃカッコ良かった。

スリエル:
ちょっとひな子、なにポっとなってるの! 鈴奈先輩は良二オーナーの専属メイドで!

ひな子:
何焦ってるの? あくまで先輩としてカッコイイといっただけ。小梅も水菜も一生懸命でカッコ良かった。 戦いとかひなはワカラナイけどとっても強いってことはわかった。動きが見えなかったし。 体育の時間とかとはまるっきり動きが違ってた。 それでひなはスリエルにベタ惚れだから、そういう意味でのカッコイイは心配しなくていいよ?

スリエル:
この騙したな。

ひな子:
それにすでにひなは「巻き込まれて」ます。 ひなはスリエルの恋人です。 オーバーメイド能力は無いし、戦いもできないけど。 事務仕事や掃除とか、お使いとかそういうだったらできる! それに近くでスリエルを支えることはできる。 護身術?や鉄砲やナイフ? とかは怖いけど自分の身をまもれるくらいになれるように訓練する! だからスリエルの一番近くにいさせて

スリエル:
やっぱりあの時にお付き合いを断っとけば良かった。 私はひな子が大事なんだよ…守りたいんだ‥なのに巻き込むなんて…

ひな子:
はぁ? 付き合わなければ良かった? ひなを守りたい? どの口が言ってるかな? パートナーは平等だよね? ひなだって怒るよ?

スリエル:
ひな子さん…?

ひな子:
それに、いつもベッドでひぃひぃ泣かされてるのはスリエルの方じゃないですか?

スリエル:
それはその…はい…

ひな子:
ひながいないと私はダメなんだ…とか毎度言ってない?

スリエル:
はい‥そうですね…

ひな子:
毎日ひなとスマホで話さないと寝られないくらいに依存しているアンタがひな子と別れて生きていけるの?

スリエル:
もう…生きていけません。

ひな子:
だよねー! 

スリエル:
なんでこんな私になってしまったんだろう…。

ひな子:
それはひな解る! 水菜が事故でスリエルのパートナーとしての機能を失って里緒菜さんの所へ行ちゃって出来たスリエルに空いたココロの穴をひなが埋めたから。 もちろん水菜はトモダチとして親友してパートナーじゃないけどスリエルと一緒にいる。だからパートナー部分だけひなが埋めてる。 

スリエル:
そんな…水菜の代わりじゃ…

ひな子:
いいのひなは水菜の代わりでも! だって今のスリエルのパートナーはひなだから!

スリエル:
ひな!

ひな子:
初めて「ひな」って呼んでくれたね。ひなが必要? Forestに必要?

スリエル:
うん! ひなが私には必要だ。 色々な訓練は私が面倒をみてひなを支えるから、その代り私を支えて欲しい。

ひな子:
うん、わかった明日、陽菜乃主任と梨音オーナー達に返事する。

ひな子:
「あの」Forest(森)でひなも一緒に生きる、ひなもForestのメイドになる

スリエル:
うん…

Chu♪

その10へつづく