そのえんぱいな日々(本編) 第五百七十七話 The Day Takeoff 中編 その11

 
陽菜乃:
部長どうぞ

亜美:
これだけじゃ解らないないよ

ヴェル:
たしかに解らないかも

紅葉:
やはり言葉巧みに甘い勧誘を行い無人島の駐屯地へ強制隔離。 海兵訓練をさせ、脱落しなかったものを総務部に採用するとか? 例の真ん中にベルを吊るす方式で(米国海兵隊方式 

萌香:
そんな時間は無いわ。全員に装備をさせ八甲田山の雪中行軍を行い。目的地に辿りついたものを採用する。(旧日本陸軍方式 

ロッテ:
萌香メイド秘書も紅葉お姉さまもなんで総務部の新人メイドを今期のメイド学校から採用するのに、無人島での海兵訓練や真冬の雪中行軍で選抜するんですか!

特に萌香メイド秘書! その雪中行軍で目的地にたどり着けなかった準メイドは「寝たら死んでしまうぞ!」の犠牲ですよね! 訓練に参加した殆ど全てが雪の中に埋まって冷たくなるヤツですよねそれ!

萌香:
まさにForestの総務部に相応しい採用審査ではないかな? 私達は手段を選んで優秀な人材をみつける時間がないの。

ロッテ:
いやいや! それ絶対に問題になりますから!


解説1:プライベートベンジャミン
甘やかされて育った金持ちの娘ジュディ・ベンジャミンは、新婚初夜に新郎が腹上死するという不運に見舞われる。やけになったベンジャミンは、軍の新兵勧誘所の甘い話に騙されて、入隊志願してしまう。

送られた先は、最初の話とは全く違う厳しい訓練が待つ教練場。ついていけずに辞めようとする彼女だが、娘を理解せず、元の甘い生活に引き戻そうとする両親に会って目覚め、軍に残ることを決意する。

解説2:八甲田雪中行軍遭難事件
1902年(明治35年)1月に日本陸軍第8師団の歩兵第5連隊が青森市街から八甲田山の田代新湯に向かう雪中行軍の途中で遭難した事件。訓練への参加者210名中199名が死亡(うち6名は救出後死亡)するという日本の冬季軍事訓練において最も多くの死傷者を出した事故であるとともに、近代の登山史における世界最大級の山岳遭難事故である。

里穂:
こっちのオーブンの使い方が解らなくて困ってたんです。どう違うのか…

里緒菜:
そっちは石窯に近いかな? ピザとかグラタンとかドリアとか、あとローストビーフとかつくると美味しいよ。

里穂:
うん美味しそうな匂いが…

SE:
ガチャ♪

里穂:
もどってきたかな?

水菜:
失礼します! 只今もどりました!

瑠美奈:
里緒菜お姉さまは大丈夫で…すか?

里穂:
二人ともお疲れま、お帰り。

里緒菜:
水菜さん、瑠美奈さん、昨日は大変ご迷惑をおかけしました。 この里緒菜、反省をしておりますのでどうか、捨てないで下さいませ!

水菜:
えっ?

瑠美奈:
あの…体調は大丈夫そうですね…

里穂:
二人ともご飯食べて無いでしょ?

水菜:
おお‥皆様おそろいで…ご主人様までいる!

紅葉:
警備任務お疲れさまですわ。フランソアは寝てしまいましたがね♪

ロッテ:
こっちは気にしないであとで説明するからご飯たべちゃって!

里緒菜:
どうぞ…こちらが白森の金目鯛をつかったアクアパッチャとなります。
そしてパスタ二種類で一種類は白森特産の車エビとつかったペスカトーレロッソ。
もう一つがラザニアとなります。ピッザはマルガリータ。 ドリアは白森の地鶏のチキンドリアとなっております。 肉料理はシャンピリオンステーキとなっております。 お召し上がりください。

水菜:
これお姉さまがお作りになったんですが? えぇ…これイタリア料理のフルコースですよね…。

里穂:
私もちょっとは手伝ったけどほとんどお姉さまひとりでつくった。ビザ生地もスパゲティーも里緒奈お姉さまのお手製よ

瑠美奈:
パスタ類もピザ生地も全部…

陽菜乃:
陽菜乃達もご馳走になったの!当たり前だけどとても美味しかったよ

亜美:
まあ二人に昨晩迷惑を滅茶苦茶かけたから~、美味しいものをたらふく食わせてご機嫌をとろうというヤツだね!

里緒菜:
そ…そんな…あはは…

里穂:
ほら冷めないに食べろ!

瑠美奈:
頂きます! おいしそうだけど…カロリーが…いや今日は考え無い事にした!

水菜:
あのこれだけの物をお作りになれるなら体調は大丈夫なんでしょうが…

里緒菜:
体調はばっちりだよ!

水菜:
何これ! 何食べても美味しいというか、水菜の理想の味! 

瑠美奈:
うん! 美味しいだけどこれを美味しいと思うのは私だけみたいな!

里緒菜:
美味しい良かった!

亜美:
気付いたね。それがメイドの料理というやつだよ。二人のスパゲティーもアクアパッチャも別々の味付けになっている。微妙にかえてある。それは二人は似てるけど味には細かな差がある。

水菜:
水菜の為の、瑠美奈の為の、お姉さまの料理。

亜美:
そう。メイドはシェフではないの。 シェフメイドだってメイド。 ご奉仕。 貴女の為にメイドが作った料理なわけ。 

水菜:
お姉さまの気持ちがこもってる料理…

里緒菜:
まあそれを教わったのは詩織お姉さまからだけどね。

亜美:
それで二人は明日は特別なお仕事があるの。だからEHDENのお仕事は明日一杯はお休み。別の所へ…詳しい事はあっちで話すからまずは食事食べちゃって

水菜・瑠美奈:
はい!

その12へつづく