えんぱいな日々(本編) 第五百七十六話 The Day Takeoff 前編 その14

 
テミス:
面会時間は決まりで15分です。思い残す事が無いように

すみれ:
わかった。ありがとうねテミス

すみれ:
凛空様。そして他の皆さん…すみれの為に迷惑をかけてしまいスイマセンでした。

有虹子:
なんですみれがテミスちゃんに逮捕されなくちゃいけないの! おかしいよ、ララがおふざけしただけでしょ? 真理愛のパートナーになったすみれ実力を試すためとか言って…

すみれ:
すみれがそのララの攻撃を防ぐ為に使用しララや他の隊員であるしずるやめぐに露見してしまった、すみれのレアスキルと言うよりすみれの別モードであるフィジカルブラスターモードというのはとても危険なモノで制御を失敗し暴走すると周囲200kmを巻き込んで消滅させるくらいの威力があるんです。

有虹子:
えっ伊豆半島はおろか東京都心ま消滅?嘘でしょ?

凛空:
本当。だからこそすみれはオリュンポスというかスプロール全体から危険視されていて・・色々行動に制限があるの。

すみれ:
もちろん原則そのモードの使用は禁止とオリュンポスとこちらの陣営で取り決めがされたのですが、例外があって自分もしくは自分が庇護しなかければならない者。この場合は仲間だったり凛空様達だったりが生命の危機にある場合は緊急避難的に必要最低限度の使用が認められています。 しかし・・・今回は・・・

凛空:
ララはあくまですみれが真理愛のパートナーか本当にふさわしい、自分よりも強いヒトなのか? 見たかったからで…生命の危機ではなかった。

有虹子:
そんなのすみれにはその時はわからなかったよね? 不可抗力だよね?

すみれ:
不可抗力だとしても結果的に生命の危機ではないのに使用したのは事実です。

有虹子:
その取り決めをやぶったら‥すみれはどうなっちゃうの?

すみれ:
すみれは意識を電子化されて、くま太と一緒に星界へ行きオリュンポスとスプロールメインフレームのお仕事をすることになります。 いまのこのカラダの脳は完全に破壊されて…

有虹子:
そんな! それってこの世界では死ぬってことだよ!

凛空:
うん…そうなんだけど…そうなんだけど

有虹子:
ねえねえテミスちゃん! 貴女オリュンポスの法の女神でしょ! どうにかならないの!

テミス:
有虹子先輩…テミスはニューロチップを搭載した者の法を守らせ秩序を維持するのが…務めなので。

すみれ:
有虹子お姉ちゃん。 法というのは、事前に取り決めを決めておき、それをやぶった時の罰則も決めて起き、それを確実に遂行することで秩序を維持するシステムです。 もしそれに例外をつくったらそれが前例になり抜け道になって最後にはシステム全体が崩壊する危機になる。 それはアポリロイドやバイオメイドの社会の将来の為にはならないです。

テミス:
すみれ先輩…

有虹子:
だったらすみれもテミスもすみれの死を受け入れるっていうわけ?

すみれ:
それは諦めてないヒト達にゆだねる。すみれもテミスも今はその仲間達を静観するしかないかな。 そろそろ面会の決まりの時間だよテミス

有虹子:
諦めてないヒト?

テミス:
はい…これで面会時間を終了します。

すみれ:
すみれ達には聖母と勝利の女神やすみれの大事な仲間で戦友達ががセットでついてるし。目の前は戦いの女神のおひざ元。これで安心できないほどすみれもテミスも小心者ではないよ有虹子お姉ちゃん。

有虹子:
聖母と勝利の女神…戦いの女神…

すみれ(小声):
まあ、Drフィッツジェラルドと優樹子博士がすみれの扱いがメンドクさくなって策を仕込んで存在ごと処分しようとかしてなければだけどね。

テミス:(小声)
うちの師匠と優樹子ママならやりかねませんからね…しかし今回はデメテル様がいますから

すみれ:(小声)
こういうときはあの電脳女神が頼もしく思える。くま太はくま太殿って言うようになったのにすみれは今でも主破片て呼ばれてるけど。

その15へつづく