えんぱいな日々(本編) 第五百七十六話 The Day Takeoff 前編 その15
あやめ:
旦那様お茶です
スリエル:
ありがとう
ひな子:
何鼻の下伸ばしてるの?
スリエル:
ひぃ!
ひな子:
それ以前にアンタ達! ここはスリエルとひなの部屋で! アンタ達の会議室でも居間でもないの! なにかあってもなくても勝手に上がり込んでお茶まで自分達で淹れて…
あやめ:
まあひな子の好きな「小麦粉でつくった皮であんこを挟んで焼いた丸い形のお菓子」と
スリエルが好きなたこ焼きもってきてくれたし。
瑠美奈:
だって居心地がいいんだもん。
真奈:
今日は二人にも参加してもらう必要があるからだからね?
琴音:
自分用のコップも置こうかと思ってるんですけどね。
ひな子:
ヤメテ…
水菜:
本当にゴメン。
イリーシャ:
スマン…。
ひな子:
レスラン部の花梨さんに聞いんだけど、もともとは萌香メイド長と鈴佳本部長がメイド宿舎にうつる前に暮らしてた部屋で最初のカップル部屋らしい。 それを大改装したっていってた。
スリエル:
よく萌香さん達がここに住んでるときはこうやってメイド仲間がここの部屋で集まってたとか
ひな子:
それで、EHDENの現場に行ってるフローラと美夏は抜かして他はみんな集めて何の話?
水菜:
水菜とついでにイリーシャも話す事にしてご主人には言ったそうだから
イリーシャ:
というかお姉さまにすでに言われてたんで…みんなにも話さないと。
水菜:
それで水菜達よりスリエルからしてもらったほうが解りやすかなって
ひな子:
あの例のアーマーなんとかの話? ひなは本物は見た事ないけど
イリーシャ:
ひな子は知ってたんだ?
ひな子:
まあ…スリエルパートナーだし。ちゃんと説明受けたよ? エリシアお姉ちゃんから三分の1くらいしかわからなかったけど。
スリエル:
では始めるよ。
スリエル:
…そして、この私の右手、そちらからみると左のがアーマーメイド・イーリス。 そして右がアーマーメイド・セレーネ。 イーリスがフランソアご主人様の機体で、セレーネが花恋先輩の機体になる。
セレーネは花恋先輩がメイン操縦者、そしてナビゲーションがエリシアお姉ちゃん。セレーネ本体がぴよ吉。 この二人と一匹? 一機で力を合わせないと動かせない。
実際の大きさはこれが忠実な50分の1の模型になるから…すみれ先輩が作ったんだけど…
ひな子:
すみれ先輩ってこういう作れるって器用だよね…
瑠美奈:
ロボットアニメみたい…
あやめ:
大きさがこれが50分の1ってことは50倍?
琴音:
どれくらいの大きさ? ガ〇ダムとかより大きい?
真奈:
ガン〇ムだって色々大きさがあるでしょ…まあいいや、だいたい20mから25m位の高さかなオプション装備もいれて。
琴音:
えっとたしか三階建てが10m? だから六階建てビルより大きいのが動く? 巨人?
あやめ:
それだけでも怖いね…
真奈:
しかしこのイーリスの怖さはその大きさではない。 あの手にもっているランチャー…う~ん、大きなライフルはわかるな? ライフルはメイド秘書がもっているMブラスターのデコンポーザーを巨大にしたものだ。 そしてこのアーマーメイドという兵器には熱核反応兵器を含む従来の大量破壊兵器がほぼ効かない
瑠美奈:
あの小さい萌香さんのブラスターでも古いトラックを一撃で消滅せたのメイド学校で見た…それがあの大きいのだったら?
真奈:
都市が消滅する。 しかしそれだけの威力の演算をどうやって。その為に特殊なハイパーメイドを人工的に作って…それを複数乗っけて…ぴよ吉などのドローンの中核は光量子バイオコンピュータか? だからあれだけの高性能を…
スリエル:
そこまで真奈が気づいたなら話は早い。
ひな子:
真奈言ってることひな、わからないよ? 光量子バイオコンピュータってなに?
スリエル:
途中経過は真奈以外は理解しなくていいよ。大事なのは次だから
ひな子:
ばっさり切り捨てたよこのヒト!
スリエル:
アーマーメイドを動かすには、3つの特殊な専用の光量子バイオニューロプロセッサが必要。 そしてアーマーメイドはこのイーリスやセレーネだけはなく他にも存在する。 その中でアーマーメイドメリノエの操縦者として作られたのがこの水菜、そしてそのメリノエのナビゲーターユニットがこの私スリエル。そしてメリノエその物とといえるメインバイオコンピュータがそこのうさ子
うさ子:
ぴょん。
スリエル:
うさ子たちは本来のアーマーメイドから遠隔でこのドローンの身体をつねに動かしている。 それにうさ子を自由に水菜は動かす力がある…まあオーバーメイドのレアスキルみたいなものだ。 それをつかってこのアーマーメイドを動かす。 同じ方式でロンゴミリアドなどで使っている多脚知能戦車などがあるけど、それとはくらべものにならない複雑なモノ。
しかしご主人様のこのイーリスはちょっと特殊な事情があってイーリスその物であるメインバイオプロセッサはこの中にはないし、ご主人様は自由に自分の身体のようにはイーリスは動かせない。 本当に三つの心が一つにシンクロしないとこのイーリスは本来の力を発する事ができないように最初から設計されている。世界をこのイーリスだけで滅ぼすことが可能な機体だからね。 その三人うち一人でも反対したらこの機体は世界を滅ぼせない。
あやめ:
世界を…
琴音:
…滅ぼす?
真奈:
それはそうでしょう。 そんな事をしないかぎり都市を消滅させる武器を核攻撃も効かないようなモノに乗っけないでしょう。
瑠美奈:
さも当然のように真奈いうけど世界をだよ?
真奈:
道具は必要があって作られる。論理的に考えただけよ。
真奈:
それでイリーシャは…いやイーリスその物と。
イリーシャ:
そう。そこにいるうさ子と根本的な同じ。身体が機械ではなく生身なだけ…。これには今の現生人類…普通のヒトとアポリロイド、そしてバイオメイド全てを含む意味でのヒトを観察し考察するためにヒトに私はなった。
瑠美奈:
どういうこと?
真奈:
今言ったでしょ論理的に考えただけ。 ご主人様の補佐メイドはイリーシャでイリーシャとはイリスの変形。そしてイーリスはそのイリスのギリシア読みで虹の女神のこと。もう一人はテミスがナビゲータプロッセサかな? 法と裁きの神。 そしてご主人様は…アストライアーか…人を最後まで見捨てなかった女神。その女神がヒトを見捨て去るときヒトは滅びる。 状況は破滅寸前と。 それでイーリスさん、いやイリーシャはこの世界を破滅させると決めたわけ? だから話した?
スリエル:
これだけの部品でそこまで推論するんだ真奈はさすが私達の代の副官殿だね。
イリーシャ:
最初は、今のヒトを全て滅ぼして自然に戻し、時をまってからタルタロスからバイオメイドを生産して新しい世界を作った方が良いと思っていた。
瑠美奈:
イリーシャ…
水菜:
まあそれくらいの事はヒトはしてると思うのは解る。
瑠美奈:
水菜も…
イリーシャ:
でも今は世界の事など、どうでもよくなった。わたしはニナお姉様と幸せになる為にこの世界を守る。 別に他のヒトを守るわけではない。そんなのは考えない事にした。その為に多くのヒトやバイオメイドやアポリロイドが苦しみをずっと味わい続けたとしても今の世界をお姉さまとの幸せの為に守る
瑠美奈:
世界とニナさんを天秤にかけて、ニナさんを取ったと?
イリーシャ:
まさにそう。
水菜:
女って…怖いよね。 女の為に滅んだ国は数知れず…。今回はその逆になるってことだね。その為にいくつの国が消滅するか知らないけど…
イリーシャ:
私は幾つ国が滅び、何万人、何千万人、何億人が死んでも知らないしどうでも良い!
瑠美奈:
言い切ったよこの女…
ひな子:
それでイリーシャは仲間であるひな達に何を手伝って欲しいの? 手伝って欲しいことがあるから話をしたんだよね?
イリーシャ:
えっ? いや…ひな子、私は今スリエルがもってるこのイーリスそのものなんだよ? それも世界を滅ぼす目的で作られた…そんな怪物だよ? 理解してる?
ひな子:
スリエルの左手のがセレーネでこれがぴよ吉ちゃんの本体! 右手のがイーリスでイリーシャの本体。 怪物っていったら…うちのご主人様の方が上だと思うけど? あとエステル様とか…すみれ先輩も実は超ヤバイらしいよ小梅が言ってたけど! そっちの方が化け物でしょ! あと極めつけは梨音! うちのご主人様基準で判断されるまさに怪物! ひなはそのマブダチだし、マブダチって死語だっけ? みるくが良く言うから死語かも?
スリエル
あははははっ! そりゃそうだ!
あやめ:
私が手伝えることならなんでもするよ?
琴音:
だって同じクラブの同じ同期の仲間だし! トモダチだし
瑠美奈:
水菜はどうせ幼馴染みで親友のイリーシャの為なら地の果てまで行く気だろうから瑠美奈に選択肢は無いし
真奈:
水菜のアーマーメイドメリノエや他のアーマーメイドの回収か破壊。 てこところかな? すみれ先輩の部隊のお力もかりないとならないけどすみれ先輩とエリシア先輩のことだから作戦くらいはもう準備されてると思うよ? と言う事でここのみんなでロンゴミリアドの隊員として力になってくれみたいな?
イリーシャ:
いや…そんなみんな…気軽に…
ひな子:
気軽じゃないよ? 命かかってるし理解はしてる。 だけどここ普通のクラブじゃないしForest(うち)だし!
水菜:
そう!ここは Forest! そういうクラブ!
うさ子:
ぴょん!
スリエル:
よかったな、詳しい事はEHDEN のオープンレセプションが終わったらすみれ隊長達と話してみよう。
イリーシャ:
みんなありがとう!
スリエル:
まずは明日のレセプションはここのメンバーは手伝いだから。
寝坊して集合に遅刻するなよじゃあ今夜は解散
の16へつづく