そのえんぱいな日々(本編) 第五百七十七話 The Day Takeoff 中編 その14
掛け布団を引っぺがす美空
優萌:
寒い…
美空:
なら起きろ! もっと寒くするために外の雪に埋めようか?
優萌:
暴力反対。虐待反対。イジメ反対。
美空:
ならさっさと着替えてご飯食べるよ。
優萌:
おはよう…
美空:
うん。おはよう。
優萌:
ふわぁ~‥‥
美空:
本当に明日から私が居なくて起きれるの?
優萌:
起きるしかない…だって違うクラブだし‥とにかく顔洗ってくる。
美空:
ぬいぐるみは置いて行った方がいいよ?濡れるとまた貴女泣くでしょ…
優萌:
そうだね‥
美空:
私、小桃達を手伝うから先に行ってるから。
優萌:
うん…わかった…。
優萌:
こうやってみんなで雪かきするのも最後ですね
兎萌:
それにこの準メイドのメイド服も最後!
美空:
その最後の仕事が…雪かきか…
未来:
本当に最後かな…千穂先生、これ山上がってこれるの? ここのワゴンは動かないよ?この雪だと。迎えなんか無理。
穏空:
昨晩また降りましたからね。下手したら下の集落も孤立しているかも。
優萌:
えっ…
美空:
言われてみるたしかに…
兎萌:
ちょっと着替えとかシンディー達と一緒に全部送ちゃったよ?
それに最後だと思って今朝の朝食豪華にしちゃたから材料が…食料が…
藍愛:
ねえフロリーのお姉さん達って、ロン…ロンギヌス?だっけの特殊部隊の隊員さんなんでしょ? 救助はともかく食料を補給物資でパラシュート降下とか頼んだらしてくれない?
フロリー:
ロンゴミリアドです。 特務特別機動部隊であって輸送部隊ではないですからね…でもお姉ちゃんからすみれ隊長さんに頼んでもらえば、元帥のオジサンの許可は貰えるだろうから…ミリタリアか戦略自衛軍の輸送部隊に…
藍愛:
準メイドの食事にそれはスケールが大きくなりすぎ
フロリー:
スイマセン…なんかなんでも大事(おおごと)になっちゃうみたいで・・・
緑梨:
食料は最悪はある。 先生宿舎の里緒菜先生用の部屋の押し入れの中にカップめん類が箱で4箱ある。賞味期限も大丈夫
小桃:
なんで緑梨は知ってるの?
緑梨:
千穂先生の課題でこの宿舎の備品をリスト化したときに・・・
小桃:
でもそれ里緒菜先生の私物だよね?
緑梨:
蛇の道は蛇! あらゆる事に対処できるよう心掛け常に備える。それが補給を預かる緑梨の役目!
SE:
ガチャ♪
千穂:
ご当主、お忙しい中御足労頂き申し訳ございません。
梨々衣:
千穂さん! 本当にそうですわよ! この忙しい時になんでわたくしが日本のメイド学校の派遣式に列席しなければならないのですか! 剛史のたっての頼みでなければお断りしておりましたわよ!
水菜・瑠美奈:
おぉおお! 梨々衣が本当のお嬢様みたい!
小梅:
あははっ!
SE:
バンっ! (バンパーを叩いている)
梨々衣:
ちょっと貴女達! わたくしは正真正銘のお嬢様ですわよ!
エミリー:
おい梨々衣、バンパーを叩くな、粉砕したらどうするんだ。
水菜:
そうだよ機械は梨々衣とちがってとても繊細なの粗雑に扱っちゃダメだよ
梨々衣:
!!! ちょっとクルマのバンバーと比べて梨々衣の方が粗雑に扱ってもよろしいと?
瑠美奈:
うん! エミリーのクルマより梨々衣の方が絶対頑丈だし
梨々衣:
!!!!!!!!!!!
千穂:
でわ行こうか。水菜ちゃんよろしくね
水菜:
はい!
エミリー:
千穂さん、クルマをハンガーへ退避させるので先に乗ってて下さい。 ほら梨々衣、どかないとそのまま轢くぞ。梨々衣なら大丈夫だろうけどクルマの方が心配なのでね
梨々衣:
あのですね! 何なんですかこのわたくしの扱いは!
小梅:
梨々衣! ほら乗るよ!
その15へつづく