そのえんぱいな日々(本編) 第五百七十八話 The Day Takeoff 後編 その16
さくら:
機動車が突っ込んで来た時に逃げなかった子がいたじゃないですか?
野乃花:
うん私の完全に判断ミス。全員避けると想定してた。
さくら:
いえ、野乃花班長の判断は論理的で的確だったと思います。爆弾は稼働はしていたのであとは現地の私達を戦闘で釘付けにしてその場全員を殺害することが正しい。あそこで機動車に引かれることは戦力の低下につながるので普通は回避するはずです。
でもあの子は逃げなかった。 それだけじゃなくて笑ってたんです。悲しそうだけど安堵したような…
ルゥナ:
笑ってた?
さくら:
これはさくらの想像だけど彼女は自分の手で仲間を殺したくなかったじゃないかなって…でも命令は絶対で、その命令は自分ごと仲間と敵を爆弾で殺戮すること。 彼女の想いなんて自分では達成できない。 だけど…そこに機動車が…そして彼女は起爆スイッチをいれないで…そのまま轢かれた。 すると予備の非常回路がつながるまではいくらかの時間がある。するとどうにか敵が仲間を爆発から救ってくれるかもしれない…
ルゥナ:
わざと轢かれてたっていうの? その為に?
野乃花:
それは考えすぎじゃないのかな? ブラックハウンドのアサシンメイドの任務中って大量の戦闘覚せい剤で戦闘以外の感情が抑制されるんでしょ?
ブラックハウンド時代の記憶や情報をもっている、こちらでは唯一の小梅ちゃんから情報提供受けたけどそう言ってたし。
それに今日の襲撃の時だってまるで感情が無い人形のように攻撃している時もみえたし…だからさくらさんの気のせいじゃない?
さくら:
そうでしょうか…
野乃花:
もし感情が残っていたとしても。私達がやることは変わらない。戦って相手を一回戦闘不能の無力化して処置と治療をして…
カチカチ(ライターで火をつけている)
野乃花:
ふぅ~~
野乃花:
彼女達に新しいメイドとしての人生を歩ませる!
さくら:
そうですね。その通りです!
E:
シュン!(ロックドアが開いて閉る)
里緒奈:
お姉様、美鈴、足速すぎです‥
詩織:
さくらさん、ルゥナご当主、カチコミの時間には間に合いましたでしょうか?
さくら:
カチコミ…えっ? 今だけいいます、ご主人様ってやっぱり「ヤラレタからヤリ返す」系?
ルゥナ:
まさか…アリエルさんとすみれ達が準備してるのって…
そうだよね命が助かったとはいえ、さくらがヤラれてそのまま済ますわけないよね…。あのメンバーが…特に花恋とアリエルさん…
野乃花:
詩織サンっ! その節は大変ご迷惑をおかけしましたっ! 謹んでお詫び申し上げます!
詩織:
おぉ~一文字のぉ~。 まだ生きとったんかぁ?
野乃花:
はい、生き恥を晒させていただいております。
詩織:
オンドレが部下たちの責任をぜ~んぶ引き取ってエンパイアクラブから警察に身を移ったと聞いとる。よって禊(みそぎ)はすんどるだろ? ワテに謝罪する必要はあらへん
野乃花:
しかし上司の命令とはいえ…あのようなことを…
里緒奈:
えっとあの方とお姉さまは何があったんですか?
美鈴:
あの方は一文字野乃花さんといって彩香さんの極東捜査七課時代の先輩さんで‥
里緒奈:
ああ~例のお姉さまに冤罪着せて処刑しようとした一派の方なんですね~!
さくら:
極東捜査七課…昔あったと言われている脱走オーバーメイド処刑部隊…
ルゥナ:
そんなのあったんだ…
解説:極東捜査七課や詩織と彩香との関係は
詩織:
それでカチコミの集合場所ってどこ行けばいいの?
野乃花:
只今ご案内いたします! さくらさん、ルゥナさん、ゆうとのことはよろしくお願いします。
さくら:
わかりました。
ルゥナ:
カチコミって遠足の事? じゃないよね…
さくら:
893さんのカチコミとは規模が違うから…893さんは戦車や戦闘ヘリとか戦闘機で襲撃しないから‥‥
その17へつづく