えんぱいな日々(本編) 第五百七十九話 more

 


瑠莉:
久々の爆撃任務よ!張り切って行くわよ!

無線:
はぁ~(多人数の溜息)

里穂:
でもエンパイアクラブミリタリアのアジア方面軍司令長官の大将閣下が自ら敵前哨基地に超低空侵入して無誘導爆弾で爆撃するという超危険な任務をしてよろしいですかね?

悠里:(無線)
良い筈がありませんでしょ!!!!!!!!!!

ロッテ:
デスヨネー!

瑠莉:
まあまあ~、今回の作戦では目標地域全体に大規模なSQUIDが展開され、ニューロリンク誘導や電子誘導での爆弾やミサイルが使えないんだから。昔ながらの無誘導爆弾で爆撃するしかない! その経験が一番豊なのはこのワタシ! つぎに爆撃任務では優秀な里穂とロッテのコンビ! 一番確実なメンバー! 任務の失敗確率は低いって。

悠里:(無線)
そういう意味じゃありませんわ!
なにかあったらどうするのですの!

絵里奈:
この大将閣下なら高射砲とかで翼半分くらい失っても、撃墜されなれしてるから一人乗りなら問題ないって悠里ちゃんもカリカリしないで

瑠莉:(無線)
ちょっと絵里奈!その撃墜されなれって!そんなに堕とされて…スイマセン…でも怪我したこと無いし!

絵里奈:
そろそろ離陸の時間よあかり達との時間合わせもあるから、空へ上がりましょう。悠里ちゃん離陸許可

悠里:
Forestコントロールよりマーマイト()とホットドック。 離陸を許可しますわ。Merde!(

瑠莉:
悠里その言葉で英国軍機を送り出すんじゃないわよ!

悠里:
くすす♪ 無事にさっさと帰ってきて下さいませ元ご主人様♪


注:Merde!
Merde!=直訳なら「糞=クソ」だけどこの場合は「成功を祈る」という意味で使ってます。これは「幸運を」のBonne chance」は不幸な場合も世の中にはあるという意味にとるフランスには文化があって、本当に無事であってほしいときはこのMerdeを使うらしい。何故使うかは諸説あるけど、昔、フランスでの移動は馬車だった、目的地に無事につくと「糞」を馬はする。帰ってきても同じ。だから無事を祈るの意味になったとからしい。 実にフランスらしい! まあ英語というか米語のGoodLuck! と同じと思って下さい。

注2:
マーマイト=英国の激マズ(作者はそう思う)な食べ物というか塩ジャムみたいな?ダークマター。 ホットドックは米国の食べもの、マーマイト=F4JX(英国海軍機)ホットドック=F15X(米国軍機)の意味で悠里は使っている

SE:
ごぉがあぁああああああああああああああああああああ!
(リヒート(アフターバーナー)の音)

すみれ:
レイラ、紅葉さん準備はどうですか?

レイラ:
レギオスのSQUID増幅装置と紅葉さんの接続良好。問題なし

紅葉:
いつでも行けますわよ。

すみれ:
でわ作戦開始の時間で予定通りに

梨音:
湾岸地域全体のAURORA通信をつかっている機器を増幅装置をつかって大規模SQUIDし通信を遮断するとか…ドローン使いだけだったの時の梨音なんか一瞬で無力化されちゃう。
敵にしなくて良かった‥‥。

すみれ:
これでAURORAの通信で全ての行動指示やお互いの意思疎通を行っているブラックハウンドのバイオメイドは個々に分断され、組織的な抵抗はできなくなる。

梨音:
そうしたら薬でラリッてるだけのバーサーカーだしね。無力化も簡単。
まあこちらもAURORA通信などは一切使えなくなるけど。

すみれ:
我が部隊隊員並びに協力をして下さっているA.D.POLICE並びにアポリロイド・バイオメイド解放戦線連合、オリュンポス大使館の諸君!

作戦開始と同時にSQUIDによる大規模ジャミングを行います。今すぐ配布してある通信装置と情報表示装置に切り替えて下さい。

諸君! アポリロイド、バイオメイドと既存の人々が共存する新しい未来に人類の活路を見出さんと行動する世界中から集まった要人達の安全のみならず、不当に生み出されメイドとしての権利や自己の感情さえも薬物により奪われ戦闘兵器としてのみ使い捨てにされるブラックハウンドの多くの虐げられたメイド達の未来は、ひとえに諸君の作戦の如何に掛っている!

細心にそして大胆にメイド、バトラーの名誉に恥じぬ働きを期待して訓示とする!

紅葉:
すみれ隊長、良い訓示でしたわよ♪

梨音:
作戦の目的が具体的。ここで戦う意味が何か? 素直に伝えている。正義とか悪とか使ってないし。 戦うのは「自分達が望む未来を実現する為」そして同じ未来を実現する為に一緒に戦う。先輩、勉強になります。まあ後半はGAT〇の空挺降下の時の訓示からですがね

すみれ:
ぐふぅっ! 
作戦開始!

紅葉:
SQUID開始ですわ! リンクスタート!

レイラ:
増幅回路接続! 大規模SQUIDジャミング開始!

SE:
ひゅううううううううん!

SE:
ひゅううううううううん!

SE:
ピーピーピーピー 低高度警告音

里穂:
軸線乗ったよ。あとは任したよ爆撃手さん♪

ロッテ:
はぁいぃ!
 
SE:
きゅーーーん!

萌香:
瑠莉閣下のF4X7の音

優萌:
こっち来ますよ!

ソフィ:
まさか‥

ごぉおおおおおおお!

カチっ♪

ごぉおおおおおおお!
きゅううううううん!

ソフィー:
優萌を庇え!伏せろ!

ぐばあああああああんガチャン!ばぁん!(轟音)

ガシャン!(鉄塔が倒れる音)

萌香:
優萌大丈夫? 無事?

優萌:
はい…無事ですが…これ…本当にすみれ様が…ご主人様が…指揮してるんですか?

萌香:
‥‥

瑠美:
…(言葉も無い)

ソフィー:
残念ながらそうだ…500ポンド爆弾48発の同時爆撃‥‥おい大丈夫なのかこれ…ここは中央アジアの最前線じゃないんだぞ…すみれ隊長、大人しそうな顔してやることエゲつねえにもほどがあるぞ…外で見張りに立っていた傭兵たちは何が起きたか解らないうちに蒸発して地獄に行ったぞ。 なあこんなの優萌に見せていいのか? 萌香さんよ…

萌香:
全部隠さず見せてあげてくれって…今回は私達はここで全体の監視だし…見える場所の中では一番安全な場所だし

優萌:
これが…ロンゴミリアドのやり方というわけですね…

ソフィー:
まずいハインドが一機生きてやがった! 頭を下げろ! この状態なら熱探知は使えない!

優萌:
はいぃ!

瑠美:
だいぶForestに来る前を思い出してきました。

ソフィー:
瑠美はForestの前は中央アジアと北欧戦区の最前線にいたんだったな

里緒奈:(無線)
今そこのハインド片づけます! 愛理ヤっちゃえ!

愛理:(無線)
おう! 手動無線誘導で直接あてる! FOX2!

SE:
シュバーーーーー!

SE:
がぁ~ん!

里緒奈:(無線)
ビンゴ! 引き続き表の残敵と地雷原へのロケット弾の掃射を行います!

ソフィー:
おい…メイド長になってから里緒菜、躊躇ってのが無くなったよな?
詩織さんみたいになってきたぞ親友としてそれでいいのか? 瑠美よ。

優萌:
アレがForestのメイド長の時の里緒菜先生…

瑠美:
まあ里緒菜が目標にしてるのが詩織さんなんで…私は何も言えません。

萌香:
悠里にこんなの見せたら泡拭いて卒倒する…

ソフィー:
だな。悠美さんや優香さんもな。

瑠美:
だから、悠里本部長はForestで待機で悠美さんと優香さんはEHDENの警護と…この作戦のことは秘密で・・・

優萌:
これだけの大戦闘が秘密なんですか?

萌香:
まあ終わったらちゃんとすみれと私で報告するし。 土下座しにいく。

ソフィー:
土下座ですむのか? 死に装束に木の十字架でも背負って行った方がいいと思うぞ…。

愛理:
前方トンネルより多脚戦車、まずい対空装備付き!

愛理:
里緒奈離脱!

里緒奈:
この爆風で回避は無理! それに地雷原を友軍の装甲車が突破してるのにあのロケット弾で狙われたら、愛理機銃掃射! こっちに狙いをつけさせて!

愛理:
…了解!

SE:
シャキン!

里緒奈:
なに? 多脚戦車?

愛理:
飛んでるの?

SE:
サグっ!

(上部ハッチ部分からブレードを差し込んだうえに片方でロケット弾ランチャーの根本にブレードいれ引き裂いている)

SE:
ドシュン!(砲弾を発射している)

SE:
ボカぁ!

SE:
ガシャン!
ドカーン(後方で吹き飛ぶ敵戦車)

すみれ:(コックピット内)
里緒奈さん、愛理さん、後は本隊で引継ぎます。速やかに帰還を

里緒奈:無線
すみれちゃん! 増援がトンネルから!

SE:
ぐわん! ゴゴゴっ!

SE:
シュン!

SE:
ザクッ!

エステル:
中にいるお二人、動力を停止して投降しなさいませ。

フランソア:
さもなくば、そのままその刃が横に動いて首を切り落とすよ。

エステル:(無線)
進入路確保完了ですわよ

フランソア:(無線)
梨音達はどう?

梨音:
はい! 装甲輸送車ならびに、多脚戦車参号地雷原を突破しました。

フランソア:(無線)
了解、梨音は突入部隊の準備ができ次第こちらへきて。

すみれ:(無線)
水菜は後方拠点用の輸送車をレイラの弐号機とともに参号機で護衛をお願い。 外からの増援部隊の警戒を

水菜:
了解しました。

水菜:
あれが新開発の偏向電離リフレクタークラフトを利用した高機動フライトユニット?
それを生身で制御して…飛んでいった…

梨音:
アレに梨音はついていって内部に侵入するの? 
えぇ…フランソアお姉ちゃんとエステル総裁…良い意味で人間辞めてるよ‥‥

水菜:
大丈夫、梨音なら良い意味で人間辞めれると思う。ガンバレ…祈ってる。

梨音:
ひぃぃ…

愛理:
うん大丈夫そうだね。

里緒奈:
そうだね。 しかし、見慣れたとはいえ…何度みてもイカゲンな光景だ。

愛理:
いったんもどろう。

里緒奈:
補給も必要だし。 
みんな気を付けてね。 里緒菜達はいったん戻ります!
行こう!
 
SE:
ガンッ!

梨音:
ゴメン…ちょっと痛いだろうけどチップ作動不能にするね!

少女:
アッ!

SE:
タタタンッ!タタタンッ!

SE:
カンカンッ!(装甲に跳ね返ってる)

梨音:
すみれ隊長!

すみれ:
真理愛、B36で一人確保、さらに二名と交戦中、こちらへ…

エステル:
フランソア、そちらのリアクタープールは? こちらは回復に5分はかかります。

フランソア:
こちらも障壁張れるほど残ってない。 回復に8分はかかる。 とにかくあの二人無力化してくる

エステル:
お願いしますわ

エステル:
これではキリがありませんわね。こちらは無力した敵の保護と回収しながら進まなければなりませんし。

梨音:
だからって無力化された味方を優先して狙ってくるから放置できないし!

すみれ:
えっ? 別動隊と交戦中? 

エステル:
すみれさん、SQUIDで無効化すればブラックハウンドのメイドは組織的な抵抗は出来ないのではありませんの? SQUIDが作動しておりませんとか?

梨音:
いえ! トンネル内では梨音のSQUIDも増幅されて中継させているので…あれ~?

フランソア:
ツインショックブレードタイフゥーン!(

少女A、少女B:
カッ!!!!!

フランソア:
このままじゃどっちにしろ無理! こちらだけ先行しても回収部隊と分断されたら意味ない!

注:ツインショックブレードタイフゥーン
両手を別々に超高速で動かし、真空刃(ストラトブレード)を作りだしさらにその腕自体も動かすことで竜巻状の衝撃波をつくり突進する防御と多目標攻撃を可能にするフランソアの技

〇先方のフランソア達の200m後方

SE:
ズンッ!ズンッ!ズンッ!ズンッ!

注:
非殺傷弾頭なので至近で当ててます

さくら:
まろん、背中ががら空き! のめり込みすぎ! 愛里栖、郁恵!

郁恵:
了解!

愛里栖:
背中は守る!

水菜:
ロンゴミリアドの名前の通り、まさに薙ぎ倒してる‥‥

アリエル:
まろんさん! 何やっておりますの! まろんさんは郁恵さん達の援護ですわよ! 言う事聞かないなら引かせますわよ!

まろん:(無線)
ひぃ! ゴメンなさいアリエルお姉ちゃん。 まろんちゃんとします!

真理愛:
現在襲ってきた敵別動隊の無力化は順調に進んでいる。こちらに損害は無し。
それでそちらが確保したブラックハウンドを回収する為に、エミリーを中心とした別動隊を編成して先行させます。

律子:
さあ皆様、がんばりますわよ!

久遠:
さっさと突破してフランソアと合流する!

エミリー:
途中無力化したメイドは放置で、ドロシー姐に任せますので。

アンナ:
律子博士、楽しそうですね…

ゆめこ:
盾役がんばります…。
 
ニケ:
Neuron・Intercircuit・Kernel・Enhanced・System
Connect Overwrite

ドロシー:
臨時生命維持システム稼働

梨々衣:
シリアルナンバー13299、DEADきました。管理データーベースより抹消確認! 成功ですわ。

美里:
良かった。

ニケ:
うん。

ドロシー:
まだ気を抜かない。

美里・ニケ:
はい!

由奈:
こちらは逆ですわね。
真奈、集中しすぎて視野が狭くなってませんか? 気を抜くのはイケマセンがもっと全体を見るようになさい。

真奈:
スイマセン! わかりました。

梨々衣:
橋本研究所製のバイオメイド、生存し稼働していた固体はこれで回収完了です。確認いたしましたわ

小梅:
すみれ様の予想どおり稼働期間が残されてない橋本製で大部分が構成されているね。

ニナ:
他はインデックス(製造目録)さえないから総数がどれくらいいるのか…

小梅:
だとしてもそれほどいないはず。今回はだけど。

由奈:
しかし回収したバイオメイドは120体以上ですか…処置は大丈夫なのですの?

ドロシー:
その為の人工生命科学研究所だとヴェルさんが言ってました。 処置はヴェルさんの他に剛史オーナーや優樹子博士がメインで瑠莉博士もすぐに参加するそうですし。

由奈:
そのメンバーなら心配ありませんわね。

男:
糞! やってられるか! 傭兵だけじゃなく、人形達まで総崩れになるとはどんな化け物だ! こんな所にいられるか! おい! クルマは準備できてるな? さっさと脱出するぞ、ここは爆破する!

男:
!!!!!!!! キサマらアヴァロン‥‥

ラファエラ:
こういう輩が生き汚いのは本当に変わりませんのね。 たしかにこのような「汚物」を後輩に切らせたくないお姉さまの気持ちには同意いたしますわ

男:
見逃してくれ! オレはただ命令にしたがっただけだ! 
ヴィクトリア女史が持っているバイオメイドのリコールコードをオレは知っている!
だから‥‥! 

ラファエラ:
はぁ~(溜息)

鈴音:
だから? なんだというんだ?

男:
!!!!

ラファエラ:
はい、コレで爆破の停止信号出したよ。

鈴音:
そうか。

ラファエラ:
それに~今、すみれ達が戦っているバイオメイドも機能停止したと思うよ~。良かったね。

鈴奈:
なぜ良かったんだ?

ラファエラ:
だって~鈴音お姉さまはすみれ達に余計な殺生や手間をかけさせない為に来たんでしょ?

鈴音:
我々が櫻糀総師より受けた命令はこのバイオメイド用の脳波増幅指令装置の回収だ。

ラファエラ:
またそういう風に言う~♪ 本当に鈴音お姉さまはお堅いんだから~。 ねえすみれに会っていかなくていいの? 無為な戦闘はできるだけ避けるという命令だけど~できるだけだから手合わせくらいは良いんじゃないの?

鈴音:
あのな、回収に必要な戦闘も最小限度だ。ましてここに侵攻してきている現評議会派の部隊との戦闘は不必要だ。速やかに帰るぞ

ラファエラ:
あんなに気にしてたのに~。 まあ時期が来ればに戦えるしね。

鈴音:
そうだ、相まみえることは避けられない

ラファエラ:
楽しみだね~♪ 強くなってると良いね~。

鈴音:
そうだな。 手強い相手になっているだろうな。

鈴音:
その時を楽しみにしてるぞ。すみれ。
  
SE:
ぐわっんっ!

しずる:
めぐ今!!

めぐ:
カートリッジリロード!

SE:
カシャン!カシャン!(薬莢が飛び出してる)

めぐ:
一撃必殺っ!

めぐ:
ソニック! バスタぁあああー

SE:
ボコォつううう!


SE:
ボカーン!

真奈:
ナックルの打撃で機動甲冑を無力化したの? アレ内部へ衝撃を与えてパイロットを失神させたわけ?

小梅:
カッコイイ! しずる姐とめぐセンパイのコンビネーション! しずる姐が相手の攻撃にスキを作ってめぐセンパイの攻撃位置に誘導! そこへめぐセンパイの打撃で相手の中のパイロットをノックアウト! 水菜! アレやろう、しずる姐のポジが小梅で、めぐセンパイが水菜で! これは教えてもらおうよ!

水菜:
いや…アレは水菜じゃ無理だよ…というか…機動甲冑をパンチでノックアウト?

由奈:
アナタ達、いくらほとんどの戦闘が沈静化したとはいえ、何を油断をしておりますの! 「勝って兜の緒を締めよ」という言葉を知りませんの? まだ警戒中ですわよ!

真奈・小梅・水菜:
はい! 申し訳ありありませんでした!

真理愛:
今、最後の抵抗をしていた機動甲冑をしずるとめぐが無力化した。相手の傭兵を生け捕りにするのに時間かかってたけど。うんわかった。

真理愛:
しずるとめぐが無力化した機動甲冑の敵パイロットをADPOLICEに引き渡したらしずる小隊もADPOLICEに持ち場を交代して撤収します。 

他:
了解しました。

由奈:
一部離脱した敵部隊はどうしましたの?

真理愛:
詩織さんが率いた特務隊で全員無力化捕虜にしたそうよ。

由奈:
さすがですわね。

由奈:
しずる小隊の新人の教導にわたくしも今後は参加することにしますわ!
鍛え直しです。

真理愛:
よろしく頼むわね由奈。

真奈:
由奈さんが…

小梅:
教導・・?

水菜:
それってやっぱり地獄の特訓…

梨々衣:
見事な腕前ですわね

梨音:
特に首を斬り下した方はまさに一刀両断。

エリシア:
うっ…惨い…

梨音:
首をこの位置に落としたのはわざとだね。皮一枚を残して切って倒れた同時にその皮がちぎれた感じか

梨々衣:
血の飛び方もそのような感じですわね。

エリシア:
うぷっ! ちょっとゴメン…エリシア、お花積んでくる…

野乃花:
エリシアちゃん、無理しないで! 後で資料まとめて送るからそのまま宿舎へもどって休んで!

エリシア:
うん…解った。なんか疲れてるみたいで…ゴメンナサイ…

野乃花:
あのそれでさ…、梨音ちゃんと梨々衣ちゃんは、篠山家と橋本家のお嬢様だよね? こういうの大丈夫なの?

梨々衣:
別に拷問の末に原型が無くなっているようなモノではありませんし

梨音:
そういう味方の遺体も見慣れてますし。残ったチップのIDからしか識別できないのも結構あるし。

野乃花:
そう…(えっ味方?拷問の末、原型がない遺体を見慣れてるって…その歳で二人ともどんな人生送ってるの? あれだけの大きな企業グループのご令嬢だよね二人とも?)

野乃花:
すみれちゃんも隊長さんだからって無理をしなくてもいいのよ?

すみれ:
この二人を殺したのは先輩です。

梨々衣:
えっ?

梨音:
センパイって、すみれさんがセンパイって言うのは鈴奈さん?

すみれ:
違う…でもなぜここに…

ララ:
失礼いたします! 萌香大佐と優萌兵曹をお連れしました。

優萌:
出頭いたしました!

萌香:
わざわざララを呼びに越させなくても私が優萌を連れてくるのに。

ララ:
いけません! 大佐でForest駐屯地の基地副指令ですよ? それをお呼びするのに! 

萌香:
ほらうちって、元のForest駐屯地の基地司令で現アジア方面軍の司令長官の大将閣下が自ら超低空爆撃するような基地だからね。

優萌:
そうですね、その爆撃で先ほどあぶなく丸焼けになるところでした。

萌香:
それですみれ、何か問題? それも優萌を同伴って指定だったけど。

優萌:
嘘、プロフェッサーリマンが死んでる!

梨音:
ほう、これが奴隷王リマン…

梨々衣:
なるほどそれほどの人員を指揮官にするとはアチラもかなりの人材不足みたいですわね。

野乃花:
奴隷王リマン? それって何者? そんなに有名な人なの?

萌香:
そうですね、一般警察にはなじみがないかもしれませんが、各国情報部が追っている闇メイドオークションで財をなした資産家です。ただ顔や年齢などは不明でしたが…そうコレが…それをロンゴミリアドが仕留めたと?

すみれ:
いえ違います…これを仕留めたのは…

すみれ:
鈴音先輩…AVARON機動部隊です。 太刀筋からいって鈴音先輩が切った事に間違えないです。遺体から合金の不着物が取れると思うので、Forestの研究開発部にあるデータと照合すれば一致すると思います。

野乃花:
太刀筋で切った人わかるものなの? というよりAVARONって瑠莉大将閣下のお父さんが率いてる国際犯罪組織のあのAVARON?

萌香:
なるほど…AVARONも同時にここを襲撃していたと…。 目的は…

萌香:
この害者が持っていた荷物のようね。 手のひらの部分がちょうど血がかかってない。まるで何かを握っていたようにね。

野乃花:
うっ…私警察なのに気付かなかった恥ずかしい…。 捜査は副長のみなとが専門なのよね…連れてくれば良かった失敗した…。

すみれ:
野乃花班長、萌香さんここの調査の方をお願いできないでしょうか? 何が持ちさられたのか? あと今回の作戦中、想定よりSQUIDの効果が薄かったような気がするんです、それに関係するモノなのかもしれません。どうかお願いできませんか

萌香:
軍の作戦中に起きたことで現場は民間地域だから共同捜査ということね。わかりました野乃花班長が宜しければこれはこの私、Forestメイド秘書が直接率いて弊クラブ調査部が担当します

野乃花:
こちらに異存はないし、あの萌香メイド秘書とForest調査部が力になってくれるならとても助かるし!

すみれ:
お願いします。

梨々衣:
あの~皆さん! もし明日の危機に直結しないなら、わたくし達は戻ってよろしいですか? さすがに主催する側がグロッキーというわけには。ねえ梨音店長♪

梨音:
そうだね! すみれさんも明日の警護というかお手伝いもお願いします!

すみれ:
そうだ!

野乃花:
現場などの保存やここの処置、証拠などの回収はこちらの専門の部署がやるし、今後の捜査も萌香ちゃんとやるからお姉さん達に任せて♪

萌香:
うん、それにこちらの捜査も本格的なものは明日のレセプションがおわってからになると思うから。 うちも当然クラブを上げてお手伝いするってご主人様の命令でてるから♪ 今日は専門機関に任せて撤収しましょう。

すみれ:
はい! そうさせていただきます! でわ機動車にもどりましょう。 野乃花班長お願いします!

野乃花:
私もゆうとが気になるからもどるから乗せてって。もう現場保全担当の三課はこちらへ到着しているし。

すみれ:
はい!

すみれ:
鈴音先輩…今回は負けましたけど…次は負けませんから…

悠里:
どう責任を取るつもりなのですの?

優香:
これ全部国からの抗議?

悠美:
いや電子の分は別…総数はこの10倍くらい。

すみれ:
全ては隊長のすみれが悪いんです…部隊の隊員や共同作戦を取ったForest調査部、そしてオリュンポス大使館、ADPOLICEなどには責任は一切ありません…すみれが責任をとります…この身を罰することで…どうか…

フランソア:
すみれはすみれの立場で頑張ったと思うよ? 攻撃はほとんど敵が集結しているトンネル内だけで、あと部隊の移動も地下鉄車両に偽装した機動車で移動したし、目立たない工夫はしてたし

萌香:
調査部と共に、敷地の外からつねに監視をしてましたけど、事前に地元警察機構のADPOLICEが一般民間人が入らないように規制線をかけて細心の注意を払ってましたし。

悠里:
旧評議会派の緊急殲滅作戦なのでトンネル内での攻撃については問題はないのです。 問題になっているのはまるで火山噴火のように地下鉄工事現場が爆発したという件ですわ! 現在捏造情報により地下に溜まっていた自然ガスによる爆発事故と言う発表をかけておりますが、住民の多くが低空を飛ぶ戦闘機を目撃したという部分はどうにもなりません。

優香:
都市部へ航空機で爆撃とか…さすがに…誤魔化しきれないかな…ってね。戦略自衛軍からも抗議が入ってるし

悠美:
戦争をかってに始める気かと…

すみれ:
栗田元帥閣下のご命令を完遂しさらにこちらの戦力の損耗をさせないにはどうしたらいいかすみれだけでは難しかったので、フランソアお姉さんに相談したんです。

フランソア:
うんそれで、フランソアもさすがにこれは大変だなって…ちょうどご主人様が明日のレセプションで来てるしフランソアも、ご主人様に相談したんです。 あと萌香さんと。

萌香:
だから悠里にも相談したでしょ? 最低限の爆撃は有効だって…

悠里:
わたくしが認めたのは「最低限」の爆撃です! あんな火山噴火のような…

フランソア:
それは…ほらご主人様だし…「大は小を兼ねる」「最初から全力」なご主人様だし? あーなった?

すみれ:
‥‥でも! それによってこちらの突入時の犠牲はなかったわけだし、瑠莉閣下が悪いなんて…

萌香:
でも監視してた私達も危なく丸焼けになる寸前だったし? あれはちょっと想像できないかな? 

すみれ:
萌香さん達、丸焼けになりそうだったって言ってましたね

悠里:
なるほど、ようはあの爆発はこの元ご主人様の趣味嗜好による過剰火力での攻撃に原因があるということですわね!

瑠莉:
ちょとキミ達! 最初から私をスケープゴートにするつもりで! だいたいね! フランソアさんがすみれが栗田閣下の命令で困っているからって力になってあげて言ったじゃないの!

フランソア:
うん、そう伝えたし、できるだけ状況を伝えてすみれ達が安全にトンネルまでたどりつけるようにしてって言っただけだし

すみれ:
困ってたのは事実です。どうやったらこちらに被害がでずあれだけの部隊を突破できるか…

瑠莉:
だってね…萌香さんならわかってくれるよね?

萌香:
わたし今回は監視だけで軍事作戦自体には参加さえしてないので。

瑠莉:
…キミ達!

悠里:
これで決定ですわね。 瑠莉さん個人で日本国政府と戦略自衛軍に一命を賭しても「詫び」を入れてきてくださいませ。Forestもミリタリアも関係ありません!

瑠莉:
えぇ…私個人ですか? そんな無茶な…栗田閣下!

源三:
瑠莉、ガンバレ!

瑠莉:
そんな!

瑠莉:
ほら私、先ほど保護したバイオメイド達の処置が…

フランソア:
それご主人様の代わりにマモンがやるって!

瑠莉:
それはDrフィッツジェラルドの方が私より上だけど! すみれ!

すみれ:
すみれ…まだ最後のパーティーの警護の任務がありますし。

瑠莉:
萌香さん!

萌香:
コラテラル・ダメージです。

悠美:
閣下…でわこの書類と電子で来てる分、よろしくお願いしますね♪

優香:
がんばれ瑠莉ちゃん♪

源三:
瑠莉。今回は高飛びはさせんぞ! たっぷり土下座してこい!

瑠莉:
ひぃぃぃい!

すみれ:
でわお先に失礼いたします!

SE:
ガチャ♪

優萌:
あっ…

紅葉:
すみれ隊長、作戦完了報告ご苦労様ですわね。

優萌:
すみれ様、お疲れ様です!

すみれ:
紅葉さん…いえ報告というか…なんというか。 優萌…宿舎に帰ってなかったの?
なんでメイド服?

紅葉:
それでお仕事どうにか済みましたの? この優萌さんはご主人様のすみれさんにちゃんとしたご挨拶と配属面接をしてもらおうとお仕事が終わるのを待っておりましたのよ? 

すみれ:
あっ! そういえば 来たときに…まさかそれで…

優萌:
こんなにすみれ様が忙しいなんて…こんな遅くまでというより朝方までお仕事本当にお疲れさまです!

ジュンピング土下座

すみれ:
スイマセンスイマセンスイマセン! すみれ完全に優萌さんの着任挨拶と配属面接の事を失念しておりました! 優萌さん、こんなダメで無価値で雑魚未満のすみれですが、今後このような事がないように全力でやらせていただきますのでどうか見捨てないで下さいませ! まだこんなすみれのメイドをしていただけると思っていただけるなら、今後は‥‥

優萌:
ちょっとすみれ様! 頭上げてください! 何土下座してるんですか! 守備兵のお姉さんも驚いてますって!

紅葉:
あはははっ!

紅葉:
すみれ花路家ご当主、まだパパや瑠莉さん、フランソアは会議中ですか? わたくしが入ったら問題がありそうですか?

すみれ:
いえ! 皆様、コーヒーをお飲みになりながらご歓談中ですので入ってよろしいかと!

紅葉:
そうですか解りましたわ。 それでもう夜が明けます、本日の任務は午後からだと思いますので宿舎で寝る前にご当主の新しいメイドと朝食でもお取りになりながらお話してさしあげたらいかがですか? まあこの時間なのでフードコートの牛丼屋とかになってしまうと思いますが。

すみれ:
そうですね! 優萌それでいいかな?

優萌:
はい! もちろんです! 朝食をご一緒させていただきます!

紅葉:
わたくしは中にはいらせていたきます。 でわ、すみれご当主、優萌さん、また今夜。 ごきげんよう

すみれ・優萌:
ごきげんようです!

店員:
いらっしゃいませ

すみれ:
ファミレスも改装の為臨時休業中で本当に牛丼屋しか開いてないとは…ごめんね

優萌:
別にすみれ様とご一緒できるならなんでも嬉しいので。

店員:
ご注文はお決まりですか?

すみれ:
牛鮭定食をお願いします!

優萌:
同じ物をお願いします。

定食:
牛鮭定食二つですね。

すみれ:
こんな所で花路家最初の新人メイドの配属面接をすることになるとは…それも永延と待たせた上に…

優萌:
くすすっ♪ 優萌の一生の思い出なりますよご主人様♪

すみれ:
勘弁して…花路家を託していただいた凛空様にどんな顔で報告していいか…

すみれ:
すみれの所、というよりすみれ達みんなの所に良く来たね。 優萌。本当に良くがんばったね。

優萌:
はい! やっとこれました! これからよろしくお願いします! 

真理愛:
うぅ…

他:
くぅ~♪

優萌:
皆さん、か‥可愛い!

すみれ:
さすがに寝ちゃってるか…そうだよね。 しかし折角ベッド広いんだからもっと広く使えばいいのに…

くま太:
ピガァぁ!

すみれ:
シーツも掛けないで寝ちゃったから、どうにかくま太とうさ子で掛けようとしたけどこれが限界だったと、わかったからすみれが掛けるから。

優萌:
あの! この可愛らしいくまさんとうさぎさんはどなたですか?

すみれ:
うさぎの方が、水菜のサポートエージェントドローンなんだけど、小梅のお目付け役になっているうさ子。 そしてこのクマが、まったくすみれをサポートしてくれないすみれのサポートエージェントドローンのくま太。

優萌:
うさ子さんと…くま太さん!!

くま太:
ぴぃがぁ~♪

ぎゅう! むにゅ♪

優萌:
ふわちゃんと優萌をこれからよろしくお願いします! 

すみれ:
胸か…やはり胸こそ全て…。 それでコユニは?

くま太:
ピガっ

すみれ:
回収したバイオメイドのデータ管理をしているデメテル様のサポートする為に前に行ったと…

うさ子:
ぴょん

すみれ:
私達は午後の16:00からで警護は良いとわかった。それまではジャンヌさんがグリーンサーヴァントを率いて警護をするのね。 そうだね甘える事にしよう。

くま太:
ぴがぁ~

うさ子:
ぴょん

すみれ:
寝る前にお風呂はいればと? お風呂入れてあるの? 溜めている間にみんな寝ちゃたと。保温状態にしてある?そうだね汗かいたし入ろうかな。 優萌は宿舎へもどって。真理愛達が起きたら連絡するから…

優萌:
あの…優萌の宿舎…すみれ様のお部屋なので…ここです

すみれ:
えっ…? どういうこと? 研修はEHDENでするんだよね? だったら宿舎の割り当てが…

優萌:
優萌はすみれ様のメイドなので…まだクラブ無いし、所属は仮でGreenWoodsですが、そこに配属になったシンディーたちとも違うし…基本研修についてはすみれ様に直接聞けと言われてますが

すみれ:
えっ…だったら今日はどこで寝るの? まさか…

くま太:
ピガ~

すみれ:
くま太、オレはここで寝るから、お前ら真理愛とララが昨晩使ったサブ寝室に行けばって…ええ…ちょっと‥

優萌:
すみれ様のお隣で…寝たら…ご迷惑ですか?

くま太:
ピガぁ

すみれ:
おやすみって、えっちょと…

優萌:
すみれ様…優萌と寝るの…イヤですか?

すみれ:
いやではないよ? うん…でも…その…

優萌:
とにかくお風呂はいりましょう。 先に行ってますね…

すみれ:
‥くま太、うさ子、おやすみ‥

くま太:
ぴがぁ~

うさ子:
ぴょん…

すみれ:
まだ…こころの準備が…なんでこんな事に…
 
手塚:
フランソア君達が敵を引き付けてくれてるが余裕はない

香澄:
うん

ドロシー:
もう少しですよ!

すみれ:
止まって!

SE:
ブンっ!

すみれ:
吹き飛べ! バイオレットトルネード!

SE:
カシンっ!

すみれ:
なに?!

SE:
ぶんっ!
白髪赤目の優萌が左拳を振りぬくと衝撃波がすみれに飛ぶ

すみれ:
(ソニックバスター? まずい!)
ブラスタースリー!

衝撃波を右のブレードでどうにか叩き切り相殺するすみれ

SE:
スタン!

ドロシー:
何あれ…

すみれ:
コンバットスーツ用外部パワーユニット…ドロシー! この子はすみれで引き付けるから、もう出口はすぐ、手塚さんと香澄お姉ちゃんを連れて脱出して! 

ドロシー:
すみれは?

すみれ:
隊長命令! 行って!

香澄:
すみれ…

手塚:
すみれさん、絶対死ぬなよ! 行こうドロシーさん香澄、ボク達がいたらすみれ隊長の邪魔になるだけだ!

ドロシー:
はい! 

すみれ:
おっと! 行かせないから。 ブラックハウンドのメイドさん! 貴女の相手はこのすみれ!

すみれ:
少々付き合ってもらいまいますからねぇ!

SE:
ガシャンッ!

SE:
ガチャン!

優萌:
うわぁああっ!

SE:
ズュキャン!

SE:
シュタッ! ドカーンッ!

すみれ:
あの子、泣いてるの? 感情が残っている? それにレールガン、これを発射するほどの演算を薬の影響下では無理。もしかしたら…試してみる価値はある!

SE:
ガシンッ!

優萌:
ハヤク…シナセテ…オネガイ…

すみれ:
死なせない! 貴女も貴女の仲間も!

すみれ:
バイオレット! フィジカルバーストモードドライブ! 強制ダイブイン!

VIORET:
Physical Burst Mode Drive Edition. AURORA Neuro Operation System Intervention Dive In!

優萌:
アッ!

優萌:
タスケテ…

すみれ:
やっぱりパワーユニット内に外部制御プログラムが仕掛けられている! これならこれを解除すれば。 ストライクブレイカーで一気に破壊するわよ!

VIORET(すみれの杖でインテリジェントデバイス):
ヤツラがそれを想定していないはずが無い。マスターに仕掛けられていたものと同等なモノが仕掛けられていると思った方が良い。プログラムをそのまま破壊したら、マスター解除トラップが発動して脳が破壊されあの子は数分で死ぬぞ。

すみれ:
それじゃ瑠莉閣下とかヴェルさんがやるようにプログラムを解除と同時に仮マスターとかつくらないといけないってわけ? あんなのすみれじゃ権限ないよ! それに今戦闘中よ! 呼んで来る時間がない! 何か方法はないの? すみれのインテリジェントデバイスなんだから知恵出しなさいよ!

VIORET:
一つ方法はある。

すみれ:
言って!

VIORET:
マスターは仮マスター登録などという便利なものを付加することはできないが本マスター登録なら可能だ。制御プログラムを破壊した同時にあのメイドの現在のマスター権限を破壊し、すみれの本マスター登録でOverwrite(オーバーライト)再構築する。

すみれ:
えっ? それって…そんな事したら…

VIORET:
彼女はすみれを権限移譲不可能なマスターとして認識し、それ以外の人間を一生マスターとしてご主人様として認識しなくなる。

しかしそれ以外、今彼女を救う方法はない。

すみれ:
何も知らない彼女の一生を背負うってこと? すみれがご主人様として…

VIORET:
何も知らない彼女の一生を背負い、救うか救わないかはマスターに任せる。

すみれ:
そんなの…

すみれ:
救うに決まっているでしょ! 

SE:
グウォン!(魔法陣が描かれる)

すみれ:
すみれは一人でも多くのメイドを救う為に凛空様に我儘言ってロンゴミリアドの隊長をさせていただいてるの! それに彼女の事を知ってることが3つある!

すみれ:
彼女は今泣いていて! 助けを求めていて! このままじゃ未来は無いってこと! それですみれにとっては十分、彼女の一生を背負う理由になる!

SE:
うぃ~ん♪

すみれ:
全力全壊! ストライク!

すみれ:
ブレイカー!!!!!!!!!!

SE:
ごがぁああああああああああああ!

VIORET:
強制制御プログラム破壊確認! ブレインバスタープログラム作動まで残り2000mms

すみれ:
マスター権限オーバーライト! 
コード48 マスター権限 7=4 位階 Praemonstrator! 行けぇえええ!

優萌:
ご…ご主人様?

すみれ:
気が付いた? そうよ、貴女のご主人様よ。 助けにきたの…

優萌:
そうなんですか…他のみんなは?

すみれ:
………(無言)

フランソア:
ごめん、他のみんなは救えなかった…

優萌:
そうですか…

愛里栖:
まあすみれだって何でもできるわけじゃない。

郁恵:
ご主人様としては精いっぱいやったと思うよ

優萌:
わかりました。 ご主人様、気を落とさないで下さい。

フランソア:
すみれ、意識をとりもどしたなら動かせる。 
この子もはやく処置をしないとマズイ。運ぼう。

すみれ:
はい…。
 

シンディ:
えいっ♪

優萌:
あっ!

綾子:
ゲームシンディー!

優萌:
うぇ~ん…また負けた(涙)

小桃:
こんな事で泣かないの!

フロリー:
優萌運動が得意そうなのに…球技下手だよね…

小桃:
球技というか走るとか飛ぶとか単純な運動意外は全部ド下手

優萌:
うぇ~ん(涙) そこまで言う事ないじゃん…事実だけど…

ぽんぽん♪(ラケットのネットで叩いてる)

シンディー:
フェイクにかかりすぎ。

小桃:
優萌は性格が素直すぎるからね…

綾子:
優萌はゲームメイクってのが下手だよね

優萌:
どうせ優萌はそういうの下手ですよ…

小桃:
TVゲームも下手だしね…

優萌:
小桃! 優萌に恨みでもあるわけぇ! 酷すぎだよ…(涙)

SE:
うぅわ~ん♪(クルマの音)

小梅:
ここがすみれ様や真理愛お姉さまが勉強した日本のメイド学校ですか!

すみれ:
うん! 懐かしいなぁ~!

優萌:
あっご主人様!

シンディー:
えっ? あの方が優萌のご主人様のすみれ様? いつも言ってる?

フロリー:
うん、お姉ちゃんの部隊のすみれ隊長とすみれ隊長の侍従の小梅さん!

綾子:
あの方が…優萌のご主人様…

小桃:
えっ‥‥小桃達とほとんど同じくらいの歳に見えるけど…

フロリー:
ちょっと優萌と挨拶してくるからみんな先に中に入ってて

シンディー:
うんそうだね。邪魔しちゃ悪い、みんな道具もって行こう!

小桃:
フロリータオル預かる、失礼になる!

フロリー:
うんお願い!

優萌:
ご主人様! 小梅さん!

フロリー:
すみれ隊長、小梅さんお疲れ様ですエンパイアクラブ長野メイド学校へようこそ。

すみれ:
優萌、フロリー!

小梅:
二人ともぉ~出迎えご苦労なのです!

優萌:
あの小梅さん、ご主人様をおクルマにお乗せ出来るようになったんですか?

小梅:
そうなのです!小梅はレベルアップしてすみれ様の只の侍従から運転手をこなせるまでに…

すみれ:
メイド学校の敷地内は私有地だから運転させてあげたけど公道はダメだからね! ちゃんと敷地の出口ですみれに交代するから!

フロリー:
特殊免許の練習中なんですね。 それで本日は弊メイド学校にどのようなご用事で起こしに?

すみれ:
花路製薬の長野新工場の着工式に出たんだけど思ったより早く終わったんで、けっこう近くだから、優萌の様子観によったの。あと千穂メイド秘書やみんなにお茶菓子とかもってきた。 どう優萌メイド学校楽しい?みんなと仲良くできてる? 千穂さんは職員室?

優萌:
はいっ!とっても楽しいです!仲良くやってます!

フロリー:
ありがとうございます。はい千穂先生は職員室に、応接室にご案内…って先輩だから場所はわかりますよね?フロリー達メイド服に着替えてきます。

すみれ:
うん、勝手に行くからメイド服に着替えてから応接室に千穂さん呼んで来て下さい。

フロリー:
ほら優萌も鼻の下伸ばしてないで着替えに行くわよ!

優萌:
ひぃ! はぁい…でわご主人様、失礼します!

すみれ:
うん! 小梅行こう

小梅:
諒解であります!

千穂:
その速度じゃコーヒーが冷めるわよ。ご主人様より給仕技能が低いメイドって価値があるのかしらね?

優萌:
申し訳ございません!

レア:
ねえ今、ケーキフィルム取る時に取ったフィルムについたクリームに指が触れたのを誤魔化そうとしたよね?

フロリー:
そんな事ないですよお姉ちゃん!?

クレア:
お姉ちゃん?

フロリー:
申し訳ございませんクレア先生!

クレア:
それでも貴女、Forestのメイド? すぐに腹を切りなさい。

フロリー:
ひぃぃいぃ! 申し訳ございません! 許して下さい!

小梅:
ひぃぃいいいい!

すみれ:
クレア先生! メイドでも間違いや失敗はあります! フロリー次から失敗しないようにすればいいだけだから!

クレア:
その一つの失敗が仲間を全滅させることだってあるのがメイドだよね? すみれ総隊長。

すみれ:
その為に日々の訓練がありますし…フロリーは訓練中ですしね! 

千穂:
これじゃ先が思いやられるわね。このメイド学校にいた当時のすみれや真理愛の足元にも及ばないわよ。それなのに、このメイド学校を卒業した暁には二人の部隊に志願したいと?

小梅:
(真理愛お姉さまとすみれ様ってメイド学校の首席と次席だし…メイドとしてそれと同等以上になる事を最初から求められているのか)

優萌・フロリー:
うぅ…はい…

クレア:
二人とも下がっていいけど、わかってるだろうけど、反省文を書いて後でクレアの所まで提出するように。

優萌・フロリー:
畏まりました。

すみれ:
…二人ともご苦労さま…

優萌・フロリー:
…失礼いたします…。

小梅:
千穂メイド秘書とクレア姐怖えっす…

すみれ:
まあすみれと真理愛のメイド学校時代の先生だしね。すみれもけっこう絞られた。

千穂:
小梅、一周間くらい泊まり込みで優萌達と一緒に研修する?

クレア:
お姉さんがたっぷり可愛がってあげるよ~♪

小梅:
勘弁して下さい! 小梅にはすみれ様と真理愛お姉さまの補佐の仕事がありますので!

すみれ:
それで優萌の方は問題を起こしてませんか?

千穂:
うん。少し普通の準メイドよりご主人様であるすみれを中心に物事を考えるけれど、これは仕方ない事だし、身体の動かし方も以前に比べてメイドの動き方を意識すれば日常生活を行うのに支障が出なくなったわ。

すみれ:
そうですか。

クレア:
それにご主人様であるすみれや仲間達が学んだこの長野メイド学校で生活し学べる事がとっても嬉しいみたいで…今はすみれやロンゴミリアドのお力に早くなれるようにってとても頑張ってる…頑張りすぎな所があるけど、これは仕方ないかもしれないかな。

あと他の橋本研究所のバイオメイドの子とちがってブラックハウンドの時代の記憶があるけど、すみれ達がそれを救出してそのときにメイドにして、保護施設に収容されてっていう記憶処理の方もうまくいってる。 他の準メイドの子達ともうまくやってるし。

すみれ:
今後チャンスがあれば大規模に橋本研究所のバイオメイドを保護する作戦を実施すると思います。その場合、クレアさんだけじゃなく千穂さんや受け皿としてのメイド学校に負担がかかる事が予想されます。 その時はよろしくお願いします。

小梅:
小梅からもよろしくお願いします! 小梅の妹達をお願いいたします!

千穂:
そういう負担なら喜んで。 ここはそういう子達の新しい人生の出発点になるべき場所よ。

クレア:
その為にすみれ達は戦っていてクレアはそれを支えるのが使命だし。

すみれ:
ありがとうございます。

優萌:
ご主人様に絶対に幻滅された…。千穂先生の言う通りご主人様よりメイド技能が低いメイドなんて無価値、雑魚、ミジンコ…いやプランクトン…魚のエサにはなるかな…

美空:
そのご主人様があの伝説と言われる日本メイド学校第19期の次席メイドでしょ? さらにそのパートナーが首席で上原家のご当主でしょ?それと比べるとか無理無理。

兎萌:
色々伝説らしいね。体育訓練場を完全破壊して立て直す事になったり…

綾子:
メイド学校では別だったみたいですが同期のフロリーのお姉さんのドロシーさんも三か月のカリキュラムを二週間で終わらせたとか里緒菜先生が言ってましたしね。

フロリー:
ドロシーお姉ちゃん優秀だから。いまの学園でも成績は学年総合一位が真理愛副隊長で、総合二位で学科一位がすみれ隊長で、総合三位がドロシーお姉ちゃんだし。あんだけ部隊で忙しいのにその成績ってのが…

フレデリカ:
優秀すぎる先輩をもった後輩は辛い…さらにそれが優萌のご主人様とフロリーのお姉さんとか…何て言ったらいいのか…

緑梨:
優萌ぇ~。 優萌のご主人様がエントランスでお呼び! すぐ行く!
 
優萌:
ご主人様がお呼びだと言うことで優萌まいりました。
先ほどは失態をお見せいたしまして、大変申し訳ありませんでした。

優萌:
やはり幻滅されましたよね…

すみれ:
幻滅? なんで? 
先ほどフロリーにも言ったけど、最初から完璧にできる人はいないよ。その為に訓練をこの学校でしてるんでしょ? それにさっきの優萌が淹れてくれたコーヒーだって小梅のコーヒーと比べたら…

小梅:
すみれ様! それは言わないで下さい! 優萌! 給仕については今後がんばればいいだけだからね!

優萌:
はい…あのそれで御用は…? 

すみれ:
えっとね、優萌はすみれのメイドさんなのにすみれってお仕事で忙しくてなかなか優萌に会えないし、部隊の仕事が特殊だから普段電脳通信もできないし…すみれの代わりになるものを傍においてもらえないかなって。

それでこのくまぬいぐるみは、お兄ちゃんがフランスから連れてきたくまですみれの机の上にいつもいてなでたりしているくまなんだけど‥‥(注)

優萌:
えっ! お兄ちゃん?、すみれ様が言うそのお兄ちゃんって西園寺グループの西園寺剛史博士ですよね?

すみれ:
そう! すみれを助けてくれた先生で凛空様の旦那様の剛史お兄ちゃんの事! それだけじゃ本当はないんだけど色々メンドクサイことがあるから……秘密保持事項とかあるから優萌が正式なエンパイアクラブのメイドになってから説明する!

優萌:
はあ‥はい。

注:イケナイ凛空ちゃん 第五十二話「EDEL LILIE」の中でお兄ちゃんからすみれがもらったいるくまのぬいぐるみ。その後の話ではすみれの私室の勉強机の上などに普段おいてあったり、撫でたりしているシーンがたびたびでている。


すみれ:
はい! これを優萌にあげる!

優萌:
でもこれって西園寺ご当主からご主人様がもらった大切なぬいぐるみですよね? それを優萌がもらうわけには…

すみれ:
ちゃんとお兄ちゃんに許可もらったし、なんせすみれの代わりだし! そんな大役を担えるのはこの子しかいないとすみれは思ったのです! だからねえもらって!

優萌:
はい…ありがとうございます! 大切にします。 一緒に暮らす事にします!

優萌:
それでご主人様、この子のお名前は何ていうのでしょうか?

すみれ:
えっ名前? えぇ…

以下(AURORAの電脳通信でVIORET(すみれのネックレスのエージェントAIとの会話)

すみれ:
(VIORET、この子の事なんて呼んでたっけ?名前!)

VIORET:
(マスターは名前はつけてはないな。マスターが所有しているぬいぐるみの中で名前をつけたのは「1」というアイン、現在のくま太殿しかいないはずだ。 そのくま太殿だって真理愛様が名前を「可哀そう」だからつけ…)

すみれ:
(わかった! なんかほら種類名とかタグになんと書いてあった?タグあったよね?)

VIORET:
(タグには  Jouet en peluche moelleux série Ours = フランス語でふわふわしたぬいぐるみシリーズ クマと書いてあったな)


優萌:
ご主人様…?

すみれ:
この子はふわふわクマ、もしくはふわクマと、すみれは呼んでたけど、今後は優萌のクマになるんだから、優萌が呼び名を新しく付けてあげて

優萌:
たしかにふわふわしてますね! ふわクマ! ふわクマのふわちゃん! 

優萌:
ふわクマのふわちゃん、これからよろしくね!

すみれ:
優萌のことよろしくお願い! ちゃんと優萌を支えてメイド学校卒業させすみれの所まで来させてね! 頼むよ!

すみれ:
ねえ優萌、メイド学校の仲間の「一人ひとりを」見て、同じ準メイドだけどそれぞれみんな違っている。それを認めてあげて。 そして優萌が手伝えることは手伝だってあげて。 そして何事も一人でせずに仲間とできるだけ一緒にやること。 お互い支えあって。それがいつかきっと優萌のチカラになるから。

優萌:
はい・・・。

すみれ:
優萌。 すみれ達の所に来る時を楽しみにしている、がんばってね。

優萌:
今日はありがとうございました。 小梅さんご主人様をお願いします。

小梅:
任して下さい! すみれ様行きましょう。

すみれ:
うん出して。 

優萌:
ご主人様、優萌は必ずお傍に参ります。 それまでどうか待ってて下さいませ。

SE:
シュン♪

未来・穏空:
えっ!

美空:
そこまで!

未来と穏空のコンビと優萌では相手にはならないか。

フロリー:
怪我はなさそうだね。良かった。

小桃:
いつも思うけど、あのちょっとボケっとした優萌が警護訓練してる時だけは別人みたいだよね。

未来:
優萌、ごめん自主練なのに、これじゃ優萌の練習にはなってないよね…

穏空:
本当にごめん…こっちだけ練習になってて

優萌:
そんな事ないよ? ちゃんと練習になってるし!

美空:
優萌! 指摘するところはちゃんと指摘する。それで二人がうまく成れば二人同時なら優萌も練習になるかもしれない

未来:
二人同時なら…まあ一人じゃ無理だしね。

優萌:
あはは…指摘? アドバイスか…わたし感覚でいつもやってるから…ごめん…。

美空:
二人から見てどうかな? 未来達はタイミングを合わせて攻撃してるんだけどさ…気づいた所とか?

小桃:
まずね、未来も穏空も優萌の見える位置から攻撃をかけてる? それじゃ強い優萌には無理だと思うし、
どっちが引き役なの? 相手を引き付ける? ゲームであるじゃない? FPSでもさ!

優萌:
見えない位置から穏空の速さで攻撃したら…手強いかも! 役割分担!

美空:
なるほどその通りだね。

未来:
えっとどういうこと? 見える位置? 引き役? 役割?

フロリー:
小桃が言いたいのは相手の死角をつく。この場合は一人がわざと、相手の注意を引いて相手の視野を調整して死角を作り出す。 その死角から実際に仕留める側が攻撃をかけて…

穏空:
ちょっとフロリー! 大事な事を言ってるのはわかるんだけど…もうちょっとこう簡単にわかりやすく!

優萌:
あのさ! ミーティングするならさすがに寒いから中に入るとかしようよ! 手がかじかんじゃって!

美空:
ねえ温まるならみんなでお風呂入らない?

小桃:
賛成! フロリー解説は後で! 実際にfpsゲームの画面を見せながらでもいいし。なんせ休みだし! 時間はあるし!

フロリー:
わかった大浴場みんなで行こう!

優萌:
長野メイド学校名物、メイドの湯! 極楽極楽でしゅぅ!

未来:
なんせ天然温泉だもんね♪

穏空:
お肌すべすべになるものね!

小桃:
さすがエンパイアクラブのメイド学校って感じ?

ドロシー:
他国のメイド学校には温泉は無いと思いますよ!

美空:
日本メイド学校だけの特権だね♪

フロリー:
エンパイアクラブForestには天然温泉がありまして、入り放題です! どうですか? 志願しませんか? 弊クラブは優秀な志願兵を募集しております! 食事と寝る所は確保されるそうです! ドロシーお姉ちゃんにいえば面接は受けれると思います! まあ募集で入ると一般兵からだと思いますが!

小桃:
温泉で命かけるのは…ちょっと…一般兵‥メイドでさえないの・・?

美空:
どこにも行き場なければ兵隊さんか…

穏空:
Forest駐屯地の一般兵か。 良いかもな。

未来:
そうだね…食事と寝る所は確保されるし。

優萌:
えっ! 二人とも本気?

未来:
だって普通のメイドとかわたし出来ないと思う。 
自分がサロンで接待とかエスコートサービスするとか絶対に向いてないし。

穏空:
まあ未来と私も同じ感じかな。あまり普通のメイドには向いてないと自分もおもう。

優萌:
そうなんだ…。

小桃:
そういう優萌はどんなメイドになりたいの?

優萌:
優萌はすみれご主人様のメイドに…

未来:
だから、メイドだって色々あるでしょう? さっきいったサロンでのウェートレスメイドだったり、食事をつくるシェフメイドだったり、事務などをこなす庶務メイドだったり。

小桃:
エッチなサービスを売りにするエスコートメイドだったり! 色々だよ?

優萌:
優萌はすみれご主人様を直接お手伝いする為にすみれ様の部隊で戦いたいです! そういうメイドになりたいです。それが何て言うメイドかはワカラナイけど…。

未来:
そうか、なら駐屯地の衛兵というわけには私もいかないな。ちゃんとがんばってすみれ様の部隊に参加できるような戦力になるメイドとして雇ってもらわないと!

穏空:
でないと優萌を手伝って戦えない。

小桃:
だったら小桃は、小桃ができる部分で三人の補佐をするメイドになりたいな。

美空:
私はみんなが戦えるように色々準備をする部分をするメイドかな、小桃と似ているが調整役ぽい方が向いてるかな? 情報をそろえたり偵察したり?

フロリー:
フロリーはまあみんなを治療したり普段の健康管理をするのがもともとの使命ですから!

優萌:
みんな…そんな私を中心に考えなくても

小桃:
あのね、優萌、優萌はみんなの「ユメ」なんだよ

未来:
だって優萌がいると具体的に未来が見えるみたいでね

穏空:
ユメは少し先の未来さ

美空:
うわぁ…穏空が言うと似合わない!

フロリー:
くすす♪
 
シンディー:
でわ皆さん長野メイド学校準メイド会議を始めます!

フロリー:
離してぇ!

兎萌:
フロリー諦めなさいよ

シンディー:
未来、優萌達が帰って来るまでの時間は?

未来:
千穂先生を駅に下ろした後食材の買い出しだけど、穏空と緑梨と打ち合わせづみだから1時間は稼げるはず。戻る時は連絡くる。

シンディー:
わかりました。

藍愛:
ねえフロリー解ってる? もう日数が無いの? ここを出てったら優萌とは別クラブになるし別に生活することになるの。そしたら付き合うのはずっと難しくなる! ここで告白してパートナーになっておかないと…

フロリー:
優萌の頭の中にはすみれ様しか無いって! それに優萌はすみれ様の専属メイドで…

兎萌:
それは小梅さんが大丈夫だって言ってたじゃない? ご主人様とパートナーは別!

フロリー:
もしすみれ様が自分のメイドを盗ろうとしてるってお怒りなったらどうするの!

綾子:
だったら小梅お姉様に連絡して直接すみれ様に「フロリーが優萌に告白して良いでしょうか?」って聞いてもらいましょうか? 番号を小梅お姉様にもらってるので連絡できますよ。 緊急任務の時は繋がらないですけど。

フロリー:
ヤメテ! 
というか何で綾子が小梅さんのAURORAの電脳通信のID番号知ってるの? それ以前にお姉さま?

フレデリカ:
この女はもう小梅さんのシスターになってるの。すみれ様も真理愛様も、凛空様も穏海様も、お兄ちゃん、この場合は西園寺剛史お兄ちゃんことね! も承諾づみ!

兎萌:
あと当然だけどドロシー姐さんもしずる姐さんも知ってるし!

藍愛:
小梅さんの同期のご友人のエミリーさんや夢結さんやまろんさんや水菜さんなども知ってる。こないだの社員旅行のスキーのお土産も貰ったし!

フロリー:
えっ? 何それ? フロリー聞いてないよ! お姉ちゃん達、何勝手にフロリーの親友達とそんなに仲良くなってるの!

藍愛:
よって小梅さんと綾子の仲を認めて祝福しているのにフロリーが告白するくらいで怒ったりはすみれ様はしないと思うよ? 当然だけどフロリーが優萌を独占するとか? それは無理だけどね。 そもそも優萌のご主人様の代わりには多分誰もなれないのはフロリーが一番理解(わか)ってるよね?

フロリー:
解ってる…すみれ様から優萌を引き離すとか、そんな事をそもそも考えた事もないし‥

小桃:
ねえフロリー。あの危なっしい優萌を隣で支えられるの貴女以外に誰がいるのさ?

美空:
それにフロリー一人の気持ちくらい受け入れ無いような優萌だと思う?

フロリー:
だから! フロリーの気持ちを言ったら優萌がどう思っていても受けいれちゃうと思うから! そしていつものように優萌が独りで悩んで…

藍愛:
今更、優萌の悩みが一つくらい増えてもどうなのさ? その分仲間のみんなで支えれば良いだけじゃない?

美空:
フロリー、今夜実行だからね。わかった?

シンディー:
でわ皆さん、後は打ち合わせ通りに!

フロリー:
フロリーの意思は! だいたい何を実行するの?!

未来:
フロリーがんばれ!

SE:
ガラャ♪

優萌:
フロリーこんな所に呼び出して何の用事?

優萌:
フロリー? そのメイド服…

優萌:
光ってるの? 綺麗…

フロリー:
うん、センサークリスタルが各所に組み込まれてるからっそれが暗闇だと光ってみえる。消そうと思えば消せるんだけど…。普段つけているこのスキャナデバイスを拡張する機能があるんだけど…

優萌:
優萌にそのメイド服を見せたかったとか? 正式なメイド服だから?

フロリー:
いや…その…まずは呼び出してごめんね。

フロリーはEmpire Club Forestにもう配属されているメイドだから‥‥あの…その…

フロリー:
優萌、ちゃんとした私の名前を言って無かったの。
私はBF000001 バートン社製F型試作バイオメイド壱号「フロリー」

フロリー:
アポリロイドやバイオメイドの戦場での治療の為に製造されたバイオメイド。
バートン社は量産前にアヴァロンに急襲されて製作されていたバイオメイドは回収。その後保全機関でアヴァロンから回収されたの。 私はその時に回収された一体。未完成だったんだけどDrフィッツジェラルドや櫻糀優樹子博士が完成させて目覚めたのが4カ月前。苗字のバートンというのも本当はこのバートン社製って意味なの。

人造人間…。 こんな私…怖いよね…気持ち悪いよね…

優萌:
怖い?気持悪い?  だったら優萌はもっと気持ち悪いのかな? そしてもっと怖いかも? だって優萌は試作型のアドバンスドバイオメイドで、すみれ様に助けてもらうまではアサシンメイドだったし!暗殺戦闘マシン! だったんだよ?

フロリーみたいに 製造番号? 型番? を言えたら良いんだけど、すみれ様がチップ部分を上書きしちゃって番号は優萌でも解らないだよね。 
それでこのことは他の人には内緒ね! 軍事機密らしいから…フロリーには伝えて良いってすみれ様から許可でてるけど!

ともかく人造人間というならフロリーと優萌は一緒!

フロリー:
えっ? 一緒? だって優萌はハイパーメイドじゃ…

優萌:
あれはみんなの事もあるからそういう風な設定にしたと、すみれ様とクレア先生、ドロシーさんから言われた。 でもフロリーのちゃんとした名前? BF000001? 教えて貰えて嬉しい! まあフロリーって今後も呼ぶけどね! 型番かっこいいけど…他の人が聴いたら謎ってなちゃうだろうし?

フロリー:
‥‥‥‥そうだね…

優萌:
それでぇ~フロリー。 それを言う為に深夜の教室に優萌を呼び出したの? 

本題は?

フロリー:
本題…あの…あのね…そのね…

フロリー:
フロリーはForestの所属だし、優萌はそもそもすみれ様のメイドだし…クラブはまだわからないけど…そういえばどうしたの? クラブ指名。

優萌
うんすみれ様のクラブっていったら、千穂先生に笑われた。 そんなものは無いからうちのクラブGreenWoodsに仮加入を聞いてみるって。だけど基本はすみれ様の所に居られるというのを優先するみたい? そもそもすみれ様がGreenWoodsには任務で基本的にいないんだって。

フロリー:
そうだよね‥機動部隊の隊長だから。 まあそれでフロリーもできればすみれ様の部隊にと志望を出してるの…まあ考慮はするっていわれたけど…決定ではないみたい。

優萌:
それで?

フロリー:
だから、たぶん優萌の近くには、この学校を卒業してもいられると思うんだ…

優萌:
うん。それで?

フロリー:
すみれ様はご主人様で当然、優萌はすみれ様のモノだってわかってはいるんだけど…あのその…

優萌:
優萌としてはすみれ様の事を大大大好きなので! ご主人様と夜伽は希望しますし、他の誰かの占有物になるつもりはないだけど。

フロリー:
そうだよね…

優萌:
そしてご主人様はすみれ様以外を仰ぐ事できないので、権限としては優萌はすみれ様の専属メイドになっていますが、でもすみれ様から優萌は恋愛は自由にして良いしパートナーを作っても良いと言われている。 

フロリー:
そうなんだ… それで‥‥

優萌:
それで?

ほら…言ってみて…

フロリー:
はぁいぃ! フロリーは…優萌さんの事を…好きなんです! (以下は超早口)
それで当然、すみれ様が承諾してくれたらという前提があるですが、あの、フロリーとパートナーになって下さいぃっ!

優萌:
やっと言ってくれた…。

フロリー:
やっと?

優萌:
すみれ様、やっとフロリーに告白されましたぁ!
承諾して下さいますか? よろしいですかね?

すみれ:(()は電脳通信でのふわちゃん経由)
(もちろん良いよ!)

フロリー:
え゛っ? すみれ様?

ふわちゃんが喋った? いやAURORAデバイスがふわちゃんに入ってるの? ただのぬいぐみじゃないの?

すみれ:
(フロリー! 優萌をどうかお願いします!)

ドロシー:
(私も話す! フロリー、優萌、おめでとう! お幸せに! フロリー良かったね!)

フロリー:
ドロシーお姉ちゃん!?

優萌:
フロリー、優萌もフロリーの事、大好きだよ…パートナーになろう。 Chu…Um‥‥

フロリー:
うっ! Um............!!

すみれ:
(あっ…もしかしてぇ…!?)

ドロシー:
(ちょっとすみれ、ふわちゃんに遠隔カメラないの?)

すみれ:
(サポートエージェントドローンじゃないからそんな無いよ! ただ緊急用通信装置入れてあるだけだもん!)

優萌・フロリー:
um...chu...chu...chu...um..♪

すみれ:
(あぅ…とにかくお幸せに…通信終わります…はう…)

優萌:
ごっ、ご主人さまぁ! ふっ、不束者ですが、よろしくお願いしましゅっ!

すみれ:
ひぃぎぃっ!

ぴらっ♪

優萌:
どうぞ…ご主人様ぁ…優萌の処女をお納め下さい…ませぇ‥夜伽を…ご奉仕をさせて下さい…

すみれ:
ちょっと! 優萌サンっ! まって下さい! あのですね! お風呂は別に入らせて下さったのですが、あのベッドに来ていきなりコレは‥‥はうぅっ!

優萌:
ご主人様は真理愛様とパートナーだとお聞きしてたので…女性同士でも抱いていただけると思って‥‥その‥‥優萌のカラダ‥やっぱり魅力がありませんか? 

すみれ:
いやぁ…とてもぉ…魅力的だよぉ? 胸とか…大きいぃ…し…そのやわらかそうだし‥おしりもキュっとしてるけど、丸みがあって‥お肌もすべすべで…それにぃ…甘い匂いが…するし…これ乳液の匂い? 香水じゃないよね…上気した乙女の肌から香る‥‥頭がクラクラするくらい‥あの…甘酸っぱい香りが…

優萌:
香水はつかってません。乳液はつかってますが…香水使った方がよろしいですか?

すみれ:
いや! 香水など使わず! すみれの好みなので是非このままでお願いします! そうじゃなくてですねえ!
それに何濡れてるの…垂れてる…

優萌:
すいません…ご主人様がお風呂に入っている間に‥期待で…もう…カラダが‥‥変になちゃってて…気づいたらこんなに濡れてしまって…ハシタナイメイドですいません…もうダメです! スイマセン!

すみれ:
えっ?

すみれ:
あの! 優萌さん? たしかに優萌さんはすみれの専属メイドですが、優萌さんにはフロリーとだけの関係で良いとすみれは思ってましてぇ…ちょっとなに押し倒してるの!

優萌:
はぁ…はぁ…ご主人様ぁ~(はーとぉ)♪ お願いしますぅ~優萌とぉ…夜伽して下さいぃ~♪

優萌:
ご主人さまぁ~♪ ご主人様の肌やわらかい~! 暖かいよぉ~!

すみれ:
はうぅ!!!! モウ…ダメ…カっ!

優萌:
えっ? ご主人様? ええええええっ! ご主人様ぁ! しっかりしてください!

ペシペシ♪

すみれ:
………………

優萌:
ご主人様ぁあああ! どうしよう! 電脳通信! フロリー起きてお願い! そうだスキャニングデバイスで起こせるんだ! 急患だからいいよね! フロリー助けてぇ!

フロリー:
ねえ優萌。すみれ隊長は優萌だけのモノじゃないの。とても大切で重要な人なの解ってる?

優萌:
はぁいぃ解ってます! ごめんなさい。 それでご主人様はどうなの? 大丈夫なの?

フロリー:
すみれ隊長の身体管理ログをみると46時間以上休憩無しで稼働してた所に、優萌が裸で迫ってすみれ隊長の脅威的な精神力もついに限界を突破、一気に気絶した感じみたいだね。 特にここ10時間は物凄い緊張をしいられていてすみれ隊長のオーバードライブシステムであるブラスターモードも使用してるから本来ならお姉ちゃん達みたいにチップのメンテンスやポッドでの強制休憩がいるのにしてないみたいだし…意識失って当然。 

優萌:
46時間? 丸二日寝て無いの?

フロリー:
寝て無いんじゃない。 休憩も食事もこの一時間以内にとったのが唯一みたい

優萌:
優萌と取った朝食…そんな状態なのに…優萌のお相手をしてくれてたの?

フロリー:
一応フロリーで出来るくらいのハイパーアクセラレータチップの再調整は今したけど、本格的なものはすみれ隊長のお身体やチップはとても特別でね。ヴェルさんやDrフィツジェラルド、優樹子博士や瑠莉閣下じゃないと無理なの。 だから今日は警備がまだあるだろうから、明日朝一番で前の国際人工生命科学研究所に必ず優萌が責任をもってつれて来て。

優萌:
うん‥‥わかった。

フロリー:
とにかく任務の時間まではゆっくり寝させるように。 横で寝ても良いけどすみれ隊長の睡眠の邪魔にならないように。フロリーは前の研究所に行く。まあ行っても余り手伝いはできないんだけどね…

優萌:
うん…ありがとうフロリー。


第五百八十話 Singularity へつづく