えんぱいな日々(本編) 第五百七十九話 more 前編 その15

 
千穂:
その速度じゃコーヒーが冷めるわよ。ご主人様より給仕技能が低いメイドって価値があるのかしらね?

優萌:
申し訳ございません!

レア:
ねえ今、ケーキフィルム取る時に取ったフィルムについたクリームに指が触れたのを誤魔化そうとしたよね?

フロリー:
そんな事ないですよお姉ちゃん!?

クレア:
お姉ちゃん?

フロリー:
申し訳ございませんクレア先生!

クレア:
それでも貴女、Forestのメイド? すぐに腹を切りなさい。

フロリー:
ひぃぃいぃ! 申し訳ございません! 許して下さい!

小梅:
ひぃぃいいいい!

すみれ:
クレア先生! メイドでも間違いや失敗はあります! フロリー次から失敗しないようにすればいいだけだから!

クレア:
その一つの失敗が仲間を全滅させることだってあるのがメイドだよね? すみれ総隊長。

すみれ:
その為に日々の訓練がありますし…フロリーは訓練中ですしね! 

千穂:
これじゃ先が思いやられるわね。このメイド学校にいた当時のすみれや真理愛の足元にも及ばないわよ。それなのに、このメイド学校を卒業した暁にはすみれと真理愛の部隊へ志願したいと?

小梅:
(真理愛お姉さまとすみれ様ってメイド学校の首席と次席だし…メイドとしてそれと同等以上になる事を最初から求められているのか)

優萌・フロリー:
うぅ…はい…

クレア:
二人とも下がっていいけど、わかってるだろうけど、反省文を書いて後でクレアの所まで提出するように。

優萌・フロリー:
畏まりました。

すみれ:
…二人ともご苦労さま…

優萌・フロリー:
…失礼いたします…。

小梅:
千穂メイド秘書とクレア姐怖えっす…

すみれ:
まあすみれと真理愛のメイド学校時代の先生だしね。すみれもけっこう絞られた。

千穂:
小梅、一周間くらい泊まり込みで優萌達と一緒に研修する?

クレア:
お姉さんがたっぷり可愛がってあげるよ~♪

小梅:
勘弁して下さい! 小梅にはすみれ様と真理愛お姉さまの補佐の仕事がありますので!

すみれ:
それで優萌の方は問題を起こしてませんか?

千穂:
うん。少し普通の準メイドよりご主人様であるすみれを中心に物事を考えるけれど、これは仕方ない事だし、身体の動かし方も以前に比べてメイドの動き方を意識すれば日常生活を行うのに支障が出なくなったわ。

すみれ:
そうですか。

クレア:
それにご主人様であるすみれや仲間達が学んだこの長野メイド学校で生活し学べる事がとっても嬉しいみたいで…今はすみれやロンゴミリアドのお力に早くなれるようにってとても頑張ってる…頑張りすぎな所があるけど、これは仕方ないかもしれないかな。

あと他の橋本研究所のバイオメイドの子とちがってブラックハウンドの時代の記憶があるけど、すみれ達がそれを救出してそのときにメイドにして、保護施設に収容されてっていう記憶処理の方もうまくいってる。 他の準メイドの子達ともうまくやってるし。

すみれ:
今後チャンスがあれば大規模に橋本研究所のバイオメイドを保護する作戦を実施すると思います。その場合、クレアさんだけじゃなく千穂さんにも受け皿としてメイド学校に負担がかかる事が予想されます。 その時はよろしくお願いします。

小梅:
小梅からもよろしくお願いします! 小梅の妹達をお願いいたします!

千穂:
そういう負担なら喜んで。 ここはそういう子達の新しい人生の出発点になるべき場所よ。

クレア:
その為にすみれ達は戦っていてクレアはそれを支えるのが使命だし。

すみれ:
ありがとうございます。

優萌:
ご主人様に絶対に幻滅された…。千穂先生の言う通りご主人様よりメイド技能が低いメイドなんて無価値、雑魚、ミジンコ…いやプランクトン…魚のエサにはなるかな…

美空:
そのご主人様があの伝説と言われる日本メイド学校第19期の次席メイドでしょ? さらにそのパートナーが首席で上原家のご当主でしょ?それと比べるとか無理無理。

兎萌:
色々伝説らしいね。体育訓練場を完全破壊して立て直す事になったり…

綾子:
メイド学校では別だったみたいですが同期のフロリーのお姉さんのドロシーさんも三か月のカリキュラムを二週間で終わらせたとか里緒菜先生が言ってましたしね。

フロリー:
ドロシーお姉ちゃん優秀だから。いまの学園でも成績は学年総合一位が真理愛副隊長で、総合二位で学科一位がすみれ隊長で、総合三位がドロシーお姉ちゃんだし。あんだけ部隊で忙しいのにその成績ってのが…

フレデリカ:
優秀すぎる先輩をもった後輩は辛い…さらにそれが優萌のご主人様とフロリーのお姉さんとか…何て言ったらいいのか…

緑梨:
優萌ぇ~。 優萌のご主人様がエントランスでお呼び! すぐ行く!

その16へつづく