えんぱいな日々(本編) 第五百七十九話 more 前編 その7
梨々衣:
見事な腕前ですわね
梨音:
特に首を斬り下した方はまさに一刀両断。
エリシア:
うっ…惨い…
梨音:
首をこの位置に落としたのはわざとだね。皮一枚を残して切って倒れた同時にその皮がちぎれた感じか
梨々衣:
血の飛び方もそのような感じですわね。
エリシア:
うぷっ! ちょっとゴメン…エリシア、お花積んでくる…
野乃花:
エリシアちゃん、無理しないで! 後で資料まとめて送るからそのまま宿舎へもどって休んで!
エリシア:
うん…解った。なんか疲れてるみたいで…ゴメンナサイ…
野乃花:
あのそれでさ…、梨音ちゃんと梨々衣ちゃんは、篠山家と橋本家のお嬢様だよね? こういうの大丈夫なの?
梨々衣:
別に拷問の末に原型が無くなっているようなモノではないし
梨音:
そういう味方の遺体も見慣れてますしね。残ったチップのIDからしか識別できないのも結構あるし。
野乃花:
そう…(えっ味方?拷問の末、原型がない遺体を見慣れてるって…その歳で二人ともどんな人生送ってるの? あれだけの大きな企業グループのご令嬢だよね二人とも?)
野乃花:
すみれちゃんも隊長さんだからって無理をしなくてもいいのよ?
すみれ:
この二人を殺したのは先輩です。
梨々衣:
えっ?
梨音:
センパイって、すみれさんがセンパイって言うのは鈴奈さん?
すみれ:
違う…でもなぜここに…
ララ:
失礼いたします! 萌香大佐と優萌兵曹をお連れしました。
優萌:
出頭いたしました!
萌香:
わざわざララを呼びに越させなくても私が優萌を連れてくるのに。
ララ:
いけません! 大佐でForest駐屯地の基地副指令ですよ? それをお呼びするのに!
萌香:
ほらうちって、元のForest駐屯地の基地司令で現アジア方面軍の司令長官の大将閣下が自ら超低空爆撃するような基地だからね。
優萌:
そうですね、その爆撃で先ほどあぶなく丸焼けになるところでした。
萌香:
それですみれ、何か問題? それも優萌を同伴って指定だったけど。
優萌:
嘘、プロフェッサーリマンが死んでる!
梨音:
ほう、これが奴隷王リマン…
梨々衣:
なるほどそれほどの人員を指揮官にするとはアチラもかなりの人材不足みたいですわね。
野乃花:
奴隷王リマン? それって何者? そんなに有名な人なの?
萌香:
そうですね、一般警察にはなじみがないかもしれませんが、各国情報部が追っている闇メイドオークションで財をなした資産家です。ただ顔や年齢などは不明でしたが…そうコレが…それをロンゴミリアドが仕留めたと?
すみれ:
いえ違います…これを仕留めたのは…
すみれ:
鈴音先輩…AVARON機動部隊です。 太刀筋からいって鈴音先輩が切った事に間違えないです。遺体から合金の不着物が取れると思うので、Forestの研究開発部にあるデータと照合すれば一致すると思います。
野乃花:
太刀筋で切った人わかるものなの? というよりAVARONって瑠莉大将閣下のお父さんが率いてる国際犯罪組織のあのAVARON?
萌香:
なるほど…AVARONも同時にここを襲撃していたと…。 目的は…
萌香:
この害者が持っていた荷物のようね。 手のひらの部分がちょうど血がかかってない。まるで何かを握っていたようにね。
野乃花:
うっ…私警察なのに気付かなかった恥ずかしい…。 捜査は副長のみなとが専門なのよね…連れてくれば良かった失敗した…。
すみれ:
野乃花班長、萌香さんここの調査の方をお願いできないでしょうか? 何が持ちさられたのか? あと今回の作戦中、想定よりSQUIDの効果が薄かったような気がするんです、それに関係するモノなのかもしれません。どうかお願いできませんか
萌香:
軍の作戦中に起きたことで現場は民間地域だから共同捜査ということね。わかりました野乃花班長が宜しければこれはこの私、Forestメイド秘書が直接率いて弊クラブ調査部が担当します
野乃花:
こちらに異存はないし、あの萌香メイド秘書とForest調査部が力になってくれるならとても助かるし!
すみれ:
お願いします。
梨々衣:
あの~皆さん! もし明日の危機に直結しないなら、わたくし達は戻ってよろしいですか? さすがに主催する側がグロッキーというわけには。ねえ梨音店長♪
梨音:
そうだね! すみれさんも明日の警護というかお手伝いもお願いします!
すみれ:
そうだ!
野乃花:
現場などの保存やここの処置、証拠などの回収はこちらの専門の部署がやるし、今後の捜査も萌香ちゃんとやるからお姉さん達に任せて♪
萌香:
うん、それにこちらの捜査も本格的なものは明日のレセプションがおわってからになると思うから。 うちも当然クラブを上げてお手伝いするってご主人様の命令でてるから♪ 今日は専門機関に任せて撤収しましょう。
すみれ:
はい! そうさせていただきます! でわ機動車にもどりましょう。 野乃花班長お願いします!
野乃花:
私もゆうとが気になるからもどるから乗せてって。もう現場保全担当の三課はこちらへ到着しているし。
すみれ:
はい!
すみれ:
鈴音先輩…今回は負けましたけど…次は負けませんから…
その8へつづく