えんぱいな日々(本編) 第五百八十話 Singularity その1
すみれ:
花路すみれ特務中尉。
真理愛:
並びに 上原真理愛少尉 出頭いたしました。
栗田源三(以後源三):
すみれ特務中尉並びに真理愛少尉、出頭ご苦労。
すみれ:
ロンゴミリアドに新たな任務でありますか?
源三:
任務…ではあるな。 まあすみれちゃんと真理愛くんとオジサンと仲だ楽にしてくれ。
やりづらくて困る。
瑠莉:
す~み~れ~。 良くもフランソア達と組んで私を民間人への攻撃露見対処のスケープゴートにしてくれたわね!
すみれ:
あの‥スイマセンスイマセンスイマセン!
悠美:
あの可愛かったすみれちゃんが…萌香と悠里とフランソアさんがイケナイのね…シクシク‥
真理愛:
悠美司令、シクシクって‥言葉で言うのは…
瑠莉:
まああれだけの兵器の密輸を取り締まれなかった政府や民間地域への大規模攻撃による民間人の被害を未然に防いだということで、政府も戦略自衛軍も抗議から打って変わってミリタリアとエンパイアクラブに感謝表明をする状態したからいいけどぉ! 紅葉さんも手伝ってくれたしぃ楽勝だったわ!
真理愛:
さすが瑠莉閣下です。
源三:
それでな、本日呼んだのは外でもない遅れに遅れていたすみれちゃんと真理愛くんの進級などの件なんだ。
すみれ:
えっ進級?(注)
真理愛:
(やっぱりね…)
注:進級=昇任の事。日本語を旧日本軍式に治しました。
オジサンが中々日本に来れなくてすまなかった! すみれちゃん達の部隊はオジサン直轄なんで悠美准将や瑠莉大将に進級の代わりをやってもらうわけにもいかなかったんだ。
それで今回はまとめてするから。 今後の進級の時ははさすがに元帥府でやるからケープタウンまで来てもらうことになるから楽しみにしている。
すみれ:
はあ…それ以前に元帥閣下のオジサン、進級って昇進ことですよね? それに値するような事、すみれ達しましたっけ? 何かの間違いわでは? オジサンからの任務を普通にこなしてただけで…逆にすみれとしては去年の任務で救えなかったバイオメイドもいるし、怒られる事はあると思うんですが。
真理愛:
(言葉遣いを諫める気力も失せたわ‥‥)
源三:
まず、エンパイアクラブ要人である手塚フード社長並びに山科総裁ご夫妻の旧議会派の工作部隊からの困難な救出作戦の任務を達成するばかりか被害にあった庇護対象だけでなく、突入部隊の犠牲を出さず、さらには旧議会派に強制使役させれていた複数のバイオメイドの保護回収に成功するという指揮まことに見事であった。
すみれ:
はいお役に立てたのなら幸いです。手塚社長をお救いした時には相手側のバイオメイドの多くは仕掛けられていた脳自壊プログラムで救えなくて申し訳ございませんでした。
源三:
その時に回収したバイオメイドの一体が装備していた装置を解析することによりブラックハウンド所属のバイオメイドの保護回収方法の確立ができたのだ。キミ達は良くやった。
真理愛:
ありがとうございます。
源三:
この任務の功績により、すみれ特務中尉は特務大尉に進級。 真理愛少尉は特務中尉に特進となっていた。 その作戦に参加した君たちの部下たちも一階級の進級となっている。
すみれ:
すみれはともかく、部下達の進級ありがとうございます。
源三:
次に昨年末に行われた旧議会派の資金源ならびに補給線多角的殲滅特殊作戦テスモポリア・サイ作戦において、真理愛特務中尉が指揮する東京湾洋上プラットフォームポセンドンの目強制徴収機動部隊行とすみれ特務大尉が率いた電脳特殊戦部隊の連携任務、難しい任務本当に良く達成してくれた。 そればかりかこの作戦においても味方部隊の犠牲を出さないばかりか、旧議会派に強制使役させれていた多数のバイオメイドの保護回収に成功するという素晴らしい働き見事である。
すみれ:
あれは総合指揮は梨音ちゃんでしたし、悠里本部長が作戦立案を…たしかに部隊の実際の指揮はすみれがお手つだいというか、主火力でしたが…評価されるなら梨音ちゃんや悠里さんの方だと
真理愛:
指揮タイミングを機動部隊の電脳空間からの誘導をマリと連携する部分はすみれがやってたじゃない…さらにバイオメイドの処置の指揮とか
すみれ:
それはそうだけど…
源三:
この功績により、すみれ特務大尉は特務少佐に進級。真理愛特務中尉は特務大尉に進級となっていた。 その作戦に参加した君たちの部下たちも一階級の進級となっている。
すみれ:
ありがとうございます?
真理愛:
大責に身が震える思いです。
源三:
さらに! 先日行われたエンパイアクラブオーナー総会の参加者をこの白山市の多くの民間人もろとも武力により攻撃し殲滅を企んでいた国際組織犯罪指名手配犯リマン・マルリエーンが率いる旧評議会派部隊への先制打撃殲滅並びにバイオメイド大規模保護回収作戦。 このロンゴミリアドでなければ不可能な特殊任務を見事完遂し会議に出席する為に集結した多くのエンパイアクラブオーナーの要人達と日本国の多くの民間人の危機を回避し、敵攻撃部隊の指揮官であった国際手配犯リマンマルリエーンの死亡の確認。 多くの旧評議会派に雇われた傭兵を捕虜にしての重用な情報の収集。 そして旧評議会派に不当に使役されていたバイオメイドの回収数はエンパイアクラブアポリロイドバイオメイド保全機関結成以来最大の212体。 さらにはこれだけの作戦の実施に際し自軍の損害は人的・物的ものは皆無という素晴らしいものである。
この件に対し、国際刑事機構、各国情報部、日本国政府、戦略自衛軍、特別警察機構ADPOLICE本部より感謝状が届いている。
すみれ:
はぁ…それはお役たったなら嬉しいです。
この功績により、すみれ特務少佐は特務中佐に進級。真理愛特務大尉は特務少尉に進級となる! その作戦に参加した君たちの部下たちも一階級の進級とする。
真理愛:
ありがとうございます…。
エステル:
すみれ特務中佐、真理愛特務少佐、昨日行われたエンパイアクラブオーナー総会にて評議会議長となりましたエステル・ヌヴェールです。エンパイアクラブオーナーを代表してわたくし達と多くの民間人を救って下さったことに感謝いたしますわ。
すみれ:
いやエステル総裁、議長の方がいいのかな? 一緒に最深部まで先方隊として…
エステル:
なんのことでございますか? すみれさん♪
すみれ:
いえなんでもありません!
エステル:
この感謝の証としてエンパイアクラブオーナー評議会はすみれ特務中佐と真理愛特務少佐に「エンパイアクラブオーナー評議会名誉黄金勲章」をお与えすることを議会の全会一致で可決いたしました。
すみれ:
あの勲章は辞…
源三:
特務中佐、エンパイアクラブミリタリアはエンパイアクラブオーナーの為の軍隊だ。そのオーナーの代表議会である評議会の命令だ拒否はできんぞ。
すみれ:
謹んでお受けいたします…
真理愛:
謹んでお受けいたします。
エステル:
すみれさん、これからもエンパイアクラブのオーナー達やメイド達だけではなく多くの人々を守って下さいませ。
そして多くの不遇なメイド達を救って下さい。
わたくしができることは全力でお力になりますわ!
戦友として握手してくださいませ。
すみれ:
はいっ! エステル評議会議長! これからも、このすみれ、全力を尽くさせていただきます!
エステル:
それでわ、はいっ♪ これが、今回の功績によりエンパイアクラブオーナー評議会から贈呈される、「エンパイアクラブ オーナーマスターカード」になりますわ。 お屋敷の電子権利書にもなっておりますので大事にして下さいませねぇ♪
同じオーナー同士としてこれからもよろしくお願いしますわ、すみれオーナー♪
すみれ:
えっ? エンパイアクラブ オーナーマスターカード? お屋敷の電子権利書?
すみれ:
何でこんなことに…
真理愛:
マリや仲間が地の果てまで一緒に行ってあげるから…
その2 へつづく