えんぱいな日々(本編) 第五百八十話 Singularity その6
蘭子:
エミリーさん、夢結さん、蘭の話を聞いて下さい! お願いします!
エミリー:
夢結さんよ、終了処分用の銃変えたんだな
夢結:
こないだの作戦の時に死んだ傭兵から貰っといた弾もけっこうあったし。そっちも前と違うね
エミリー:
アタシも同じで処分した傭兵から貰っといた。銃もセットで置いとけば殺(ヤ)ったのはうちに恨みをもつ傭兵団の残党って事で報告できるし。
夢結:
そうだね…。後処分が楽なのは大事。
蘭子:
身分を偽って移籍したのは謝りますから、少しは蘭の話を聞いて下さいよ!
夢結:
オマエ馬鹿か? 潜入した工作員の話を聞いたって信じれるわけないし。 終了処分以外の選択肢はない。 時間の無駄。 それに橋本研究所製のアドバンスド・アーマード・バイオメイドの秘密を知ってる段階でまろんの為に生かして置くわけにはいかない。
エミリー:
蘭の事、けっこう可愛い後輩だと思ってたんだが残念だ。 まろんの秘密を知っている以上…悪いがここで死んでくれ。
SE:
ガチャ(スライドを引いて装弾する)
蘭子:
だから! そのまろんさんを影ながら監視して御守りする為に蘭は!
駄目だ聴く耳もってない!
蘭の人生の終点はここか…なら! もう言っちゃいます!
蘭はエミリーさんの事が大好きです!一目惚れでした!
そしてその後もとてもカッコ良くて!完全に恋してます!!!
大好きなエミリーさんに殺されるなら!
本望です! おしっ!
これで蘭は思い残す事は無いです!
蘭は蘭なりに精一杯生きました!
さあ撃って下さい!
夢結:
前半の戯言は兎も角、後半のは真実ぽいな。死を覚悟しての告白だし。 遺言だと思ってエミリーが撃ってやれ。できれば楽に死ねるように眉間とかに。この距離なら外さないだろ?
エミリー:
夢結さんよ、それは気の使い方がオカシイぞ? アタシは殺(ヤ)りづらいくて‥‥まあまろんの為に撃つけどさ…ボディー処分(遺体処分)の方の手配は夢愛に任せたぞ。
‥‥さすがに頼む。
短い間だったけど蘭、アタシも蘭の事、後輩として好きだったよ。
女の子としても好きになりかけてた…。 サヨナラ…蘭…
SE:
ごがぁあああああああああああ!
永遠:
エミリー!夢結! 待ってぇ!
SE:
ごがぁあああああああああああ!
真奈:
左翼通った!
水菜:
このまま抜けるよ!
SE:
シュタっ!
永遠:
エミリー監察官補、夢結執行官補! 銃を下ろしなさい!
深里蘭子執行官候補生はエンパイアクラブ・アポリロイド・バイオメイド保全機関の命にて特殊バイオメイド保護任務を実行中です!
彼女の身分はこの私、EmpireClubForest 情報分析室 室長 河合永遠が保証するわ!
これが任務従事命令書よ確認して!
蘭子:
永遠室長!!!!!!!!!!!
夢結:
保全機関の極東本部の命令で…なになに…アドバンスドアーマードバイオメイドのまろんと優萌の監視か それで…
エミリー:
…暴走発生時は保全機関本部へ即時に報告しその後は到着した対処部隊の指揮官の命令に従う…
さらにこれ…周囲に気づかせずに任務を実施?
夢結:
また無茶な命令を極東本部は出すね、フランソアオーナーじゃないけど抜本的な組織の立て直しが必要だ。
花恋:
夢結、エミリー! 撃つな! ご主人様命令!
蘭! まだ生きてるか?
クレア:
蘭まだ無事だ!良かった!
エリシア:
はぁう…はぁう…死にそうなのはエリシアだよ…ナニこの階段…
エミリー:
誤解とはいえ銃を向けたこと謝罪する。 スマン。
夢結:
ごめんね。まろんの警護の為とはいえ悪かった。許してくれ。
永遠:
水菜、真奈、どうにかなったわよ。ありがとう。帰り? すみれちゃんの所にも顔だしたいし。 クルマはマリエット言ってに出してもらうわ。 先輩の特権として。
蘭子:
た…助かった…蘭‥まだ生きてる…生きてるよ…
エミリー:
それで告白の件なんだが…夜まで返事は待ってくれ。 まろんと夢結と相談しないとならないし、ご主人様ともね。
夢結:
たぶん姫のことだから大丈夫だとは思うけどね、念の為に、後まだ加倉家の恋愛に関して決め事がなくてね、ねえお姉さまじゃなかった。ご主人様
花恋:
決めてなかったね、たしかに。蘭がエミリーに告白か。そうか~。
エリシア:
これは会議をちゃんとしなければなりませんな! ご主人様。
永遠:
私も聞かせてもらおうかしら蘭。
クレア:
だね、さっき言ってたお昼の中華料理でもみんなで食べながらお聞きしましょうか?
永遠:
私も一緒に食べる!
蘭子:
ひぃぃぃぃぃぃい(真っ赤)
その7へつづく