えんぱいな日々(本編) 第五百八十一話 UNION 前編 その12
向日葵:
かつ丼でも食べて刑事さんと話し合って
梨音:
それがやりたいが為に梨音にかつ丼を頼ませたの?
夢結:
いつも思うけど向日葵、学園の昼食の時は本当に楽しそうだよね。
向日葵:
そうですね、お店だと梨音とお昼は一緒に食べられないので。あと単純に学園で梨音が見れるのが嬉しいので、向日葵はクラス違うし
梨音:
お店だとお互い空いてる時間で食べるからどうしてもズレちゃうもんね。
夢結:
なるほど、それでいつも学園でのお昼は浮かれているんだ。 それともう一つお二人に質問があるんだけど…
梨音・向日葵:
なに?(なんですか?)
夢結:
向日葵が梨音の事をお嬢様ではなく突然、梨音って名前呼びになったのと、その左薬指にしている指輪について弊クラブの摘発事案よりも重要なのですぐに詳しく教えてくれないかな?
向日葵:
ひぃぐぃいぃいいい!
梨音:
なんで向日葵、婚約指輪つけて来てるの!
向日葵:
だって梨音が朝くれたのであまりに嬉しくて外せなくて…
梨音:
外しなさいよ!
夢結:
やっぱり梨音との婚約指輪! 昨日までお嬢様って呼んでたから、婚約したの昨晩?今朝?
向日葵:
いやぁあああ!
梨音:
あっ! 先輩方!
こちらで勝手に盛り上がってしまい、ランチミーティングの方お待たせして大変申し訳ございませんでした! 今回の懸案についてですが‥
すみれ:
うん、まずリナさんと、うちのふわの件についてはくま太と祥子メイド秘書に基本は丸投げで。 駆け落ちはしないですむようにくま太以下ロンゴミリアドドローン小隊が総力をもって対処するそうなので心配しないで、部屋の手配は祥子メイド秘書がうちのお屋敷に用意しますので任せておけば大丈夫。遠隔での梨音ちゃんのサポート用の機器はすみれが設置するし。あと優萌については最悪わたしが説得するから心配しないで。
まあバイオニューロチップを使ったエージェントAIだからいつかはこういう事態になる事を予見はしてたけど…今後は対応や法整備なども考えていかないといけない。Drフィッツジェラルドやヴェルさんと相談した上でスプロール総会にも議題でださないといけないね。
梨音:
はい。そうですね。こちらでも優樹子ママ、デメテル様やレスフィーナとも相談してみます。 法整備についてはテミスに意見をまとめてもらいますね。
すみれ:
それでお願いします。
真理愛:
次に優萌と夢結から報告のあった御クラブの梨花・スザンヌ案件については梨音ちゃんの説明の裏どりは取れているので保全機関としては、証言を今とってますので報告は午後には永遠室長と悠里本部長に上がる予定。 これで他のクラブからイヤガラセや心配での通報なども懸念を払しょくできる体制を取れるので心配しないで
すみれ:
これでどうかな?
梨音:
問題ありません。 はい…すごい。完璧です。
夢結:
まあうちの隊長達だし♪
すみれ:
よしぃっ! それで、梨音ちゃんと向日葵ちゃんの婚約についてだけど~♪
今の休み時間はフローラがあっちの取材をしてるので、つぎの休み時間は梨音ちゃんと向日葵ちゃんの取材の枠を確保で。すみれ達もインタビュー観にいこう。
真理愛:
了解しました。当然です観にいきます!
梨音:
それってやっぱり…
向日葵:
週刊Forest ですよね…
梨音:
こうなったら、速やかに学園から脱出……
真理愛:
夢結、ララと協力し花恋小隊・しずる小隊の二年で対象の物理的な学園からの逃亡を阻止!一年の訓練生に協力を要請しても良いわ。
夢結:
了解しました。二年・一年の隊員の総力を挙げて逃亡を阻止します!
向日葵:
梨音どうしましょう…まだ幸喜お兄様にも話してないのに。 それ以前に梨音とそういう関係ってお兄様知りませんよね? やっぱり
梨音:
言われたことは無いけど…薄々は知ってるんじゃないかな…でもどうかな…
とにかく週刊Forestで知らせるわけには…向日葵、梨音に任して物理的には無理だけど電子的に週刊Forestのサーバーを破壊してしまえば
向日葵:
それって…電脳戦っていうやつですか? でも学園ではAURORAやネットダイブはできないじゃ
梨音:
この梨音。ネットライナーホワイトノイズを舐めてはいけない…
すみれ:
ねえ梨音ちゃんだけが、学園で授業中にAURORAが使える抜け道を持ってるわけじゃないんだよ? すみれだって持ってるし。 梨音ちゃんと電脳砲撃戦かぁ~♪ いくつの白山市のクラスターが吹き飛ぶかな? くくくぅっ♪ 派手な花火になりそうだよねぇ~♪
梨音:
すみれ先輩と電脳砲撃戦…広域集束演算砲…ブレイカーの撃ちあい…どんな最終戦争…被害が…白山市がブラックアウトする‥‥電子的壊滅…都市機能崩壊…
それ以前にになんで梨音が抜け道を持ってることをすみれ先輩が知っているんですか…?
夢結:
それはわたしが隊長に報告したから。機器の種類や場所なども全部ね。
梨音:
それでなんで夢結が…梨音の学園でのAURORA中継器の存在を知ってるわけ?
夢結:
アンタ夜中に学園に忍び込めむとか、アタシとエミリーの監視の目を逃れて出来るとでも思ってたわけ?
向日葵:
夜中に学園に忍びこむ? 梨音何をやってるんですか!
梨音:
あの時に尾行されて‥というより泳がされてた? ずっと夢結やすみれ先輩達に知られた?
夢結:
梨音を監視(マーク)しているという警告はちゃんとエミリーがしたはずだけど?
梨音:
!! あのしずる先輩とドロシー先輩の婚約祝&新人歓迎先輩達のライブの時か!
以下のお話を参照
ゴンっ!そのまま突っ伏す
梨音:
うわぁあ‥‥負けた…梨音が…完全に…負けた…こんなの勝てない…勝てないよ…
向日葵:
梨音!! どうしたんですか? かつ丼に顔が埋まってますよ!
夢結:
向日葵このお嬢様は、どんな人達を敵に回そうとしていたのかやっと理解したのさ。自分のチカラの圧倒的無さを初めて自覚した。 これからは身の程をわきまえるはず。
梨音:
うぅ…うぅ‥‥ぐぅ‥‥これが‥手も足も出ないというものか、周りが全部…包み込まれている…これがエンパイアクラブの世界…これがロンゴミリアド…これが…花路すみれ…先輩…隊長…オーナー…うぅ…恐ろしい…怖いよ…初めて…恐怖というものを…感じた…圧倒的恐怖…
すみれ:
ほら時間も残り少ないし、ご飯食べちゃおうよ~♪
食べ終わったらルゥナに立ち合ってもらって幸喜お兄ちゃんに二人から連絡して全部話した方がいいよ。 幸喜お兄ちゃんならちゃんと理解してくれて祝福してくれるとすみれは思うよ。
梨音:
…はい…先輩…そうします…
真理愛:
(すみれ…マリでもアンタが心底恐ろしく感じる時があるわ)
その13へつづく