えんぱいな日々(本編) 第五百八十一話 UNION 前編 その15
すみれ:
う~んこれは、凛空様の電脳ラボを借りた方が…でも今あっちはアレの解析に使ってるし
SE:
コンコン♪
すみれ:
どうぞ…
フレデリカ:
ご主人様のお部屋の方へ行ったんですが、此方の方へいらっしゃるとのことで…
フレデリカ:
お仕事中ですか?
すみれ:
うん…ごめん、すぐどうにか‥したい‥いやするので! そこにでも座ってて!
フレデリカ:
(お隣の椅子!)
…はい‥失礼します…
すみれ:
…たぶんこれが…えっと…
すみれ:
はぁ~あぁ? ナニコレ! これじゃ例外発生が重なると動くわけ無いじゃん! お兄ちゃん何やってるの!
こんな初心者みたいなミス! 原因わかったけど…頭来たぁ! 腹たつぅ~!!
フレデリカ:
(くすす♪ ご主人さまってAURORA端末でお仕事してるときは本当い独り言が多くて失礼だけど可愛いよね)
すみれ:
お兄ちゃん! すみれ! ナニが原因か解ったか? じゃないよ! スタビライザーの制御構造体の例外処置の部分に下層セクターへ行けなくなっている箇所がある! ほらこれ!
あっ? じゃないよ! すみれに原因が解らないからどうにかしてくれて頼む前に自分でチェックしてから送ってよ! すみれだって忙しいんだよ! えっ? すみれのことだからテスト勉強なんかいらないだろうから暇だろって? それが仮にも先生という敬称付けで呼ばれる人の言うこと?
フレデリカ:
(くすすっ♪)
すみれ:
とにかく! この周囲の制御構造体の例外処理を含めてオールチェックしないといけないから…はっ! そこだけ修正するだけで良いわけ無いでしょ! 全部! 仮にも試作品とはいえ人体に入れるモノだよ! そう、だから流石にこの規模の構造体だと凛空様の電脳空間内のラボを使わせてもらわないと、すみれでも無理。 でも今、例のアレの解析で使っているから…そう、アレの解析にはリアルスペース時間でまだ一週間くらいかかると思うよ。
すみれ:
はっ? すみれから凛空様に頼んで少し解析を止めてもらって? すみれはイヤです! 西園寺メディカルの社運が? だったらお兄ちゃんが凛空様に死に装束で切腹覚悟で直訴すれば良いんじゃないですかぁ? 穏海お姉さんが介錯役くらいはしてくれるよ。 すみれはもう花路家なので知りませんよ~だ! 冷たいなって?…すみれはイイカゲンなシステムを見ると気分が悪くなるんです! そうです! 不機嫌です!
フレデリカ:
(あはははっ可愛い♪)
すみれ:
そう。がんばって。でも解析止めるのは難しいとすみれは思うよ? だからお役人を説得して10日くらいは伸ばして貰った方が良いって。 なんせ人のカラダに入る物を造ってるんだし。 そっちのほうが現実的。 お役人の方が凛空様や穏海お姉さんよりは交渉しやすいとすみれは思うよ。 お役人への陳情で死装束で土下座しに行ったらアッチはドンビキだけど家なら普通だし。 これが陳情の難易度の差だよ。 はいはい。 うん、テスト休みには一回みんなで実家にもどる。うん。
はいはーい。
すみれ:
ふぅ~ぅ…あっ…空だ…
フレデリカ:
あのご主人様、コーヒーお淹れしましょうか?
すみれ:
!!!
すみれ:
フレデリカさん…そういえば…あっ…
フレデリカ:
やっぱりお仕事に集中されてて無意識で反応されていたんですね♪
すみれ:
……………………
すみれ:
スイマセンスイマセンスイマセン! お待たせしていまい、申し訳ございません!
さらにご主人様として、たぶんお見苦しい仕事姿を…
フレデリカ:
ご主人様! 頭を上げてください! あのですね。 お仕事姿、とてもカッコ良かったし…失礼ですがとても可愛かったいうか…愛らしかったというか、お仕事一生懸命になされてるんだなと、あと剛史オーナーとのやりとりもとても素敵でした。
すみれ:
ひぃぃ…許して下さい…
すみれ:
それで、フレデリカさん、すみれにご用件は? あとテスト勉強大丈夫なの? まあフレデリカは成績良いから、大丈夫だろうけどテスト前日だし一応ね、あとトモダチの勉強を手伝ってあげるとかもあるし。
フレデリカ:
はい、テストの予習はおわってますので。あと同期のB組C組の子達にはシンディーと綾子が教えるそうなのでフレデリカは問題ないです。 それで‥あのお仕事がひと段落しているなら…二人で少しお話するお時間を頂けますか?
すみれ:
お話ですか? はい、仕事は今ので本日は終わりましたので、時間は取れます大丈夫です。
その16へつづく