えんぱいな日々(本編) 第五百八十ニ話 UNION 中編 その18
穏空:
あの先輩、お手伝いを…
まみ:
素人は黙っとれ――
穏空:
ハイっ!
優萌:
宿舎の時は妥協しましたがさすがに今回はご主人様にすぐに言って変えてもらいます。ご主人様に直訴します! 御自分のメイドを優遇するにもここまでくるとオカシすぎます! 私室も執務室もご自分のメイドの方が広くするとかクラブと部隊のメイドに示しがつきません! しずる小隊にも花恋小隊にも隊長執務室は無いのに。
聖理愛:
優萌、すみれや真理愛が寵愛だけでここまでの事はしないと思うけどな。 まずはご自分の部下と話し合ってみたら優萌小隊長。今フロリーも来るし。
蘭子:
そうだよ聖理愛さんの言うとおり、まずは話し合ってみよう? 優萌隊長。
聖理愛:
それにその理屈だと、優萌よりも優遇されて大きなメイド宿舎部屋と専用の執務室を持ってるべきは小梅じゃない? すみれの花路家の筆頭メイドですみれと真理愛のシスター。剛史お兄ちゃんの妾でもある。そしてしずるとドロシーの愛弟子で、そして私とまみの弟子でもある。 まあ最近は綾子に独占されているけど(笑)
優萌:
そうですね…宿舎、綾子と一緒に住んでますけどなんか狭いけど新婚のマンションの部屋みたいな感じで、あれはあれで落ち着くんですけど。可愛いですし。 たしかに理屈通りませんね。
聖理愛:
まあ私とまりがきたからには、これからは副メイド長としてビシバシフルボッコにシゴクけどね♪
優萌:
ビシバシ、フルボッコ…
聖理愛:
すみれと真理愛は放任主義だし、しずるとドロシーだと甘やすだけ甘やかし放題だし。
蘭子:
もしかして、その為に移籍されてきたんですか…うわ…小梅さん可哀そう。
まみ:
聖理愛とまみの愛の鞭は痛いよ~トゲついたバラ鞭だし♪ それでさ、ここ会議室にもなるんだからソファー増やしたら?
聖理愛:
瑠奈総務部長曰く最低限ものしか入れてないから必要なものはすぐに言ったら用意するって言ってるから。
美空:
解りました。緑梨にリストを纏めさせて提出させます。
SE:
ガチャ(横のドアが開く)
フロリー:
みんなお待たせしました! 聖理愛さん、まみさんお疲れ様です!
聖理愛:
フロリー優萌小隊副長、後は任したわよ。
フロリー:
はい!フロリー任されました!
まみ:
じゃあ第一回優萌小隊会議がんばって!
フロリー:
ごめん、バタついてて綾子とシンディーとフレデリカに丸投げするにも色々あって。蘭が造ってくれてたタスクリストが無ければ無理だった。 本当は昨日四人では打ち合わせする予定だったんだけど…ちょっと色々あってできなくて…
蘭子:
詳しくは聞いてないけど大変だったみたいね…
フロリー:
うん大変だった…色々‥
優萌:
うっ…
フロリー:
でわ第一回、エンパイアクラブミリタリア特殊作戦群元帥府直轄特務特別機動部隊ロンゴミリアド優萌小隊・小隊会議を始めます!
優萌:
ねえ納得はしてないけど一応は優萌の小隊なんだよね? なのになんでフロリーが仕切ってるの?
蘭子:
クラス委員会だっていつも副委員長のフロリーか書記の綾子に司会は任せてるじゃない、優萌1-A組クラス委員長。
小桃:
くすっ♪
未来:
小隊会議がクラス委員会レベルということですね…まあこのメンバーならそうか。
フロリー:
皆様はご存じの通り、この優萌小隊は優萌個人を中心とした部隊であり、現在その構成員は全てがアポリロイドラインクがSランク以上の特殊なバイオメイドと特殊なハイパーメイドで構成される後々にはロンゴミリアド最大の陸上兵力になると想定される部隊です。
優萌:
何それ? 優萌聞いてないよ?
蘭子:
聞いてないの? まあいいけど。
優萌:
良くないでしょ! 最大の陸上兵力になる事が想定?
美空:
優萌が調査部とともに参加した、白山市の旧議会派攻撃軍の先制殲滅作戦で大量に保護されたバイオメイドの中でミリアタリアでメイド保護の為に自分も戦いたいと言う志願するメイドが必ず出て来る。
未来:
私や穏空と同じで戦うことは得意だけど普通のメイドには向かないと思ってる子が必ずいるのさ。
穏空:
それは戦う為に造り出されたハイパーアサルトバイオメイドだし、得意不得意はあるし。自分の特技を生かして他のメイド達を助けたいと思っても当然だと思う。
そんな子達が戦う場所として、居場所として職場としてこのロンゴミリアド優萌小隊は用意されたのさ。
優萌:
でも優萌がその…小隊長をする必要は無いと思う。もっと指揮官に向いているメイドも…
蘭子:
学園でも習ったと思うけどメイドは同じメイドなら自然に自分より高いランクのメイドに従うようにチップの影響を受ける。
小桃:
しかしあのバイオメイド達は、みんな最低でもBランク以上。それ以上の指揮官が率いないと精神に悪影響が出る。 戦闘では得にね、これは高いランクの指揮に従った方が生き残りやすいからという部分もある。
優萌:
まさか…あのメイド学校でみんなが優萌を中心に考えてたのって
フロリー:
優萌、貴女が一番強いから。 バイオメイド最強で現在唯一のトリプルSプラスランクのアドバンスドアーマードバイオメイドの橋本優萌。
優萌:
そんな…
フロリー:
何驚いてるの? いつもフロリーに「すみれ様と剣を交えた」と自慢してるよね? あのすみれ様のブラスターモード3はトリプルS+を身体に負荷を限界までかけて短時間実現するモード。あのモードのすみれ様と剣を同等に交える事ができるのは、この地上ではフランソアオーナー、エステル議長、梨音オーナーしかいない。他は一瞬で無力化される。
しかし優萌はそれと剣を交えて、優萌は無力化され無かった。 いや互角だった…わかる?
優萌:
‥‥いや…あれは…
フロリー:
優萌も知ってるの通りあまりにランクが離れるとメイドは恐怖か崇拝しか感じなくなる。
具体的には優萌を許容し同等の「トモダチ」と認識するのはAランク以上が必要でそれ未満だったら崇拝するか恐怖で近寄ってこない。 優萌は学園で経験づみじゃない?
優萌:
あぁ…疎外…いや…嫌煙…畏怖…近寄ってこない…あぁ…
でもメイド学校では…そんな事なかったし! ここのトモダチは!
フロリー:
あの日本長野メイド学校21期に集められたメンバーがすべてSランク以上のバイオメイドだけで構成されていたとしたら? 他にも沢山ロンゴミリアドはバイオメイドを保護してたんだけど? その子達は普通に現評議会に協力的な安全なクラブに派遣されて幸せにくらしている。 メイド学校にいかなくてもエンパイアクラブのメイドにはなれる。 各国のエンパイアクラブメイド学校自体がエンパイアクラブメイドの士官学校みたいなものだしねそうでしょ?
優萌:
……………
フロリー:
あの21期は優萌がすみれ様に保護されすみれ様の専属メイドとなり隷下のメイドになっために、優萌の仲間になる「供達(ともだち)」を作る為にすみれ様達によって集められて作られた。特別期。
優萌:
21期は…優萌の為に…そんな事って…なんのために…?
その19へつづく