えんぱいな日々(本編) 第五百八十三話 UNION 後編 その2

 
フレデリカ:
何故トイレがガラス張り

すみれ:
メイドがシテルの観たいってお客様もいるし

フレデリカ:
えっ‥‥

フレデリカ:
お風呂もガラス張り、ベッドヘッドの上が鏡張り…これって…はうぅ♪

優萌:
ご主人さま、暖かいコーヒー淹れましょうか?

すみれ:
そうだね暖かいのでお願いしまーす♪

優萌:
フレデリカもコーヒーで良い?

フレデリカ:
うん‥って‥私がやろうか?

優萌:
手が震えてこぼされるとメンドクサイから優萌がやる。

優萌:
はいご主人様どうぞ。 備え付けの豆の普通のコーヒーですけど♪

すみれ:
ありがとう。解ってるってすみれのクラブだし♪

すみれ:
どうしたの座れば?

フレデリカ:
あの、差し出がましいですがご主人様も優萌もまだ皆様盛り上がってるのに、こんなに早く引き上げてよろしかったのですか? 手持ち花火とかでまだワイワイと宴というか、お酒は無いですけど…その中、今夜の主役のお二人だし

すみれ:
それね、優萌やすみれが残ってるとエステル議長は兎も角として、フランソアさんとか梨音ちゃんとかお忙しい方もいるのに帰れないでしょ? だから主役はさっさと引っ込む方がこういうときは良いの。 まあすみれの代わりに真理愛が、優萌の代わりにフロリーがいるしね。それも副官のつとめだし

フレデリカ:
ほぉ~なるほど覚えておきます。

フレデリカ:
えっエステル評議会議長が起こしになってたんですか? 議長って今のエンパイアクラブオーナーの中で一番偉い人ですよね?

すみれ:
来てたというかフレデリカもお肉焼いてもらってお給仕してもらってたじゃない? それにみんなに持ってきて下さった花火セット配ってたし? あれ?

フレデリカ:
はっ? もしかしてニケさんと一緒にいた? あのとてもお綺麗なメイドさん? えっ? なんか頭の中が繋がらないです

優萌:
(もともと、すみれ様って栗田元帥閣下をオジサン呼ばわりするズレた所があったけどアヴァロンの総帥になってからそれが何段階も進んだよね)

すみれ:
あのねフレデリカにお話があるんだ。 もともと今夜は夜伽の為に二人を呼んだのではなくて、すみれに凛空様がフレデリカにちゃんと話した方が良いと言われたので。

それで、ここはもともとこのお屋敷にあったエスコートプレイルームなんだけどここなら夜伽すると宣言してあれば…三人だけで邪魔はされないし。

あとすみれはこいうお話上手く話すのが苦手なので優萌に今回は頼むことにしたの。 だから優萌から聞いてほしい。

フレデリカ:
はぁ…重要なお話なんですね。

優萌:
本当は小梅さんがするべきなんだけど、小梅さんは小梅さんでそういうのとは、そもそもが違う場所に最初から居るというか‥‥認識できないというか。

フレデリカ:
優萌が何の事を言ってるのかフレデリカ解らないのだけど。

優萌:
今頭の中で整理するね

すみれ:
すみれが話そうか?

優萌:
すみれ様は黙ってて下さい。余計に混乱するだけです。

すみれ:
はいすみれ黙ってます…優萌、凛空様に言われてから、すみれに強く当たるようになったよね…

優萌:
優萌はすみれ様の為に強くなると決めたのです!

すみれ:
それ以上強くなるのは色々な意味でマズイかと…

優萌:
フレデリカが解るように身近な部分からからめて説明するね。病院やこのお屋敷の地下にあるメディカルポッドや人工生命科学研究所で見学したと思うけど、巨大な試験管みたいな? 培養ポッドや、アポリロイドやバイオメイドなどを調整する為に必要な機器の中心であるジオメトリックニューロシンゼサイザーがあるよね?

フレデリカ:
うん現物は知ってるしそれがないと一般人でもマイクロマシン治療ができないし、メイドにとっては死活問題であるいみ時々それで調整しないとニューロチップが調子悪いくなって最終的には壊れちゃう?

優萌:
そうそれ。 今は世界中にそれがありそれが世界の医療を支えている。 小さいものは救急車にも搭載できるから救急搬送が必要な患者の死亡率もぐっと減った

フレデリカ:
それは学園の現代社会の時間で習った。今回のテスト範囲の中にあったし。

優萌:
それを開発して特許を持っている企業グループがあってこれはとても莫大な利益を上げているのはわかるよね?

フレデリカ:
それはそうだよね、世界中の病院や救急車、さらにはうちのお屋敷みたいのは少ないだろうけどそういう医療?をおこう所には大抵あるわけだし、安いものでもないものね。
でも高度な治療を行うお医者さんが楽できるなら命を救うわけだし。重症化が防げて軽症っですめば最終的には病院の回転率もあがってコストが安くなるし国としても保健医療費が安くすむから導入されている? だっけ? まあだから機器が高価でも買うよね。

優萌:
そう。 それでそれらの機器を生産している会社名を知っている? 

フレデリカ:
それはさすがに知らない。

優萌:
その会社はAVARON(アヴァロン)と言う企業グループなの。 でもこの企業グループはエンパイアクラブグループに入って無い。

フレデリカ:
そんなに大きな企業グループなのに? それ以前にアヴァロン…どっかで聴いた事が‥あっ…

フレデリカ:
まさかそのアヴァロンという会社を作った人って…

優萌:
そう。ClubForestの前オーナー櫻糀瑠莉様のお父様である、フレデリカがサイバースペースの中ですみれ様と一緒にお会いした櫻糀哲也様。

優萌:
アヴァロングループの特徴はその構成員は一時雇用以外はなんらかのメイドで構成されている世界企業でさらに、独自の軍隊、ミリタリア(私軍)を持っている。 規模はエンパイアクラブグループと比べて小さいながら、企業構成員がすべて能力があるメイドであること、莫大な資本があること、独自の強力な軍隊があること、多数の知的技術特許を独占しそれが現代社会構造の基盤を支える技術であることなどから、1企業グループでエンパイアクラブグループと対等な地位を確立し独立した地位を確保している。

そしてそのトップは軍と執政の指揮権の双方を兼ね備えた「総帥」という特別な敬称で呼ばれる。 だから前櫻糀哲也オーナーも内部からも外部からも「櫻糀総帥」と呼ばれていた。

フレデリカ:
…もしかして…

優萌:
現在のアヴァロングループの総師は前櫻糀総帥の死去に伴って花路総帥に移譲された。 
それが優萌やフレデリカのご主人様である花路すみれ様になったのは、フレデリカが立ちあった通り。

ここ三日間の間にご主人様はアヴァロン関係の移譲後の各種の手続きや色々なことを全て終わらせてどうにか一段落ついたのが昨日。 その後、やっとこちらのクラブとロンゴミリアドの執務やご自身の花路製薬や真理愛様の上原マテリアルの分の仕事を始めた所、企業の方のビジネスは夜優萌達がお給仕した山科グループの山科総裁が当面は引き取ってくれることになって…

フレデリカ:
優萌チョットマッテストップ! ……ゴメンナサイ理解ガ追イツイテマセン。


その3 へつづく