えんぱいな日々(本編) 第五百八十三話 UNION 後編 その4

 
フレデリカ
その莫大資産を企業と軍にわけて、企業資産の方は全部瑠莉さんに渡したと? 軍は栗田閣下預かりにしてロンゴリアドに編入?

すみれ:
すみれに残ったのは、お空の上にある「衛星カイルス」。 そしてくま太の本体であるアーマーメイド「ウーラノス」。そして所有権としては存在する「機動母艦カリブヌス」の三つだけ櫻糀哲也元ご主人様から貰った感じ。もちろん総帥としての責任と権限はすみれにはあるだけどね。

フレデリカ:
だって莫大な財産なんでしょ? 資産っていうんですか? 相続税とかはかかるでしょうけど…でもご主人様は良いんですか?

すみれ:
まず相続税は企業というのは個人商店じゃないんだよ。沢山の株主がいるし、経営者ってのはあくまで「報酬」をもらってるだけだから。 税金というのは個人としてはこの報酬から払っているし。 花路製薬の利益や資産運用にくらべればすみれの個人の報酬なんてスズメの涙だから。それと同じで今回引き継いだ財産を維持するくらいの報酬は紅葉さんのForestファイナシャルグループから上がるし、さっきの貰った3つくらいの譲渡の為の税金を入れてプラスマイナイスゼロくらいに調整を紅葉さんがしてくれる。

フレデリカ:
うわーご主人様が悪い顔してるよ…

すみれ:
その増えた財産の維持はそういう仕掛けで問題ないし、ここのお屋敷を維持したりメイドみんなが食べたりするくらいはすみれが凛空さまから受けついた花路製薬と真理愛の上原マテリアルで十分だし大丈夫! 十分みんなが贅沢できるくらいはあると思うよ。

フレデリカ:
それは大事ですね…生活。住む場所、お仕事。そうですね。

すみれ:
そう! そこ大事。 問題はその仕事なんだけど…ここからが本題。

フレデリカ:
今までは前座なんですか…

優萌:
ここまでは優萌にも説明してくれましたよね主にまとめ資料をどどーんとAURORAで送られただけですが…それで何か問題が発生したと?

すみれ:
ほら山科グループの誠二総裁に花路と上原の企業は面倒みてもらうことになったじゃない?

フレデリカ:
そうですね! これで無理せずそのアヴァロンを解体?して瑠莉閣下というかForestと軍の方はロンゴミリアドに移す仕事ができますね。 昨日までみたいに心身が限界ような事にならずに。

すみれ:
それがですね…移譲ということは相手が瑠莉閣下とForest、軍の方は元帥閣下のオジサンなんだけど、それに渡す分のすみれの方の分は昨日のGreenWoodsへ行くまでの車内での作業分までで終わって送ったのさ…まあテスト期間だったし三日間?集中できたし。

優萌・フレデリカ:
えっ?

すみれ:
ロンゴミリアドの方からいうと今朝連絡があって…元帥閣下のオジサンに送った分で、いま元帥府がパニック状態になってるらしくて…すみれが送った処理量で

優萌:
えっつあの南アフリカ司令部?

すみれ:
そうキャッスルオブグットホープ。 それで、企業の方は分割して三日前から瑠莉閣下に出来たその都度、送ってるんだけど‥優樹子ママとDrから今不眠不休で瑠莉と三人でやってるんだけどこのままじゃ確実に瑠莉は死ぬし私達は地上の肉体が失われ星界、スプロールへ帰還する…と…悲鳴が…

フレデリカ:
瑠莉閣下とDrと優樹子ママさんの仕事量を上回る作業量……どんだけですか…

すみれ:
なんせAVARONグループは企業グループとしては医療機器の巨大企業だからね。

すみれ:
それもすみれだけじゃなくて、元帥閣下のオジサンも優樹子ママもDrもお兄ちゃんと凛空様に直接、このままじゃ、元帥府は崩壊、瑠莉さんは死亡、Drと優樹子ママはこの地上から去る自体になるから、どうにかすみれを止めてくれと…告げ口じゃなかった、懇願されたみたいで‥

優萌:
ミリタリアの反旧議会派の戦力の中核の特殊作戦群元帥府崩壊…そして、日本の議会派の中心の一つのForestグループ壊滅…

すみれ:
そして先ほど、エステル議長が何故居たとうと、すみれに直談判で「このままだと新体制のエンパイアクラブグループが崩壊するので…評議会として正式に陳情します」と…

フレデリカ:
はぁ‥‥エンパイアクラブグループが崩壊…まあいまの体制だとそうなりますよね。

すみれ:
当面の対応は衛星カイルスのAIエージェントを作ったのでそれと、アリエルお姉ちゃんのエージェントのエリアルで全部すんでしまうくらいの仕事量で…よってすみれの本体の仕事が当面無くなった…

フレデリカ:
良かったじゃないですか! ご主人様働きすぎですよ! このクラブに来てからずっと休みも無しだったし。 ここで一回ゆっくりして羽を休めた方が…

優萌:
仕事が無い? ご主人様どうなさるのですか? なんでそんな致命的事態に陥ったんですか‥‥

フレデリカ:
えっ? 

すみれ:
わからない…すみれどうしていいのか…

優萌:
ですよね…今ご主人様の事を失礼ですが優萌に置き換えて、自分の身になって考えてみたら、心の底からの絶対的な恐怖が沸き上がるのを感じました。

すみれ:
まさにそれ…どうしよう…

フレデリカ:
だって収入はそのお話だと確保されてるですよね? 露頭に迷うわけじゃ無いですね? ご主人様の仕事がお休みになるだけですよね? 仕事でする事ないなら休めば良いだけだし。

すみれ:
フレデリカ、何言ってるの? 仕事が無かったら…何をするの?

優萌:
そうですよね…

フレデリカ:
だから休めばいいじゃないですか? 遊ぶとか? 普段できない事とか? だって生活は困らないなら

すみれ:
あのさ…すみれは「仕事する為に生きてる」ので、「生きる為に仕事してる」のでは無いの。

優萌:
そうですよね…優萌もご主人様に仕える仕事をする為に生きてます。その逆では決して無いです。

フレデリカ:
いやそれはオカシイです。 「生きるために仕事はする」んじゃないですか? それだけじゃないですけど…何ていうかな、友人の為とか大切な人、フレデリカだったらご主人様の為とか仲間の為とか所属している組織、フレデリカならこのエンパイアクラブ・カリブルヌスの為とかもありますけど…

すみれ:
何言ってるの?

優萌:
意味ワカラナイ…

フレデリカ:
こっちが意味ワカラナイですよ! 目がマズイ!

フロリー! 緊急事態! ご主人様と優萌が大変なの! 助けてぇ! あと真理愛様と祥子お姉ちゃんもすぐに呼んで! 連れてきて! ご主人様と優萌がオカシクなった!




その5 へつづく