えんぱいな日々(本編) 第五百八十三話 UNION 後編 その5

 
桃子:
まさかまた日本の地を踏む事になる事になるとは。
迎えなんか居ないわよね…?!

凛空:
桃子さん…日本へようこそ。

桃子:
りぃくぅしゃぁんっ!

凛空:
迎えに来たよ。 凛空は桃子さんを…歓迎するよ…

桃子:
わたし急用を思い出したんでフランスに帰ります

ぐわし!(凛空が桃子の肩を掴む)

凛空:
ここ入国ロビー

桃子:
ビジネスジェットロビーなのでどうにかなるので‥

桃子:
何逃げようとしてるの? 逃がさないよ。

桃子:
そうだ…日本には凛空さんが居ることを、ヴェルちゃんと律子さんの治療計画を立てる事で頭一杯で完全に失念していたわ

桃子:
やはりこのまま東京湾の海底へ直行? もしくは樹海の養分?

凛空:
それは桃子さんと凛空のお話合いしだいかな?

紅葉:
くすす♪

桃子:
お前ら何やってるて? 剛史?

紅葉:
加倉博士、長旅お疲れさまでしたわ。Forestグループを代表し今回の緊急での来日感謝いたします。

桃子:
紅葉さん、リアルスペースでは初めまして。それでそちらには、花恋、桃恵、桃美と預けているので私の事は桃子で

紅葉:
解りましたわ桃子博士。都。

都:
栗田家副メイド長をしております瀬田都と申します。都とお呼び下さい。 当分の間、桃子博士の身の回りのお世話と警護の任を紅葉お嬢様より仰せつかりました。 まずはお荷物をお持ちいたします。

桃子:
警護と身の回りの世話担当の都さんね。 よろしく。(ようは監視ね…アサルトSランクオーバーメイド、そしてかなりの手練れ。…これはまくの無理そうね)

凛空:
お兄ちゃんだって! 桃子さん凛空の顔みた瞬間に回れ右して帰ろうとしたんだよ! わかったから!

それで桃子さん本日の宿は白急白山ホテルに梨音ちゃんが用意してくれてるからそこでお願いします。 研究所の真ん前なので当分の間はそこで。  
お兄ちゃんそうだよねフランスから長旅だもんね。 ご飯は大丈夫ですか? お腹空いてません?

桃子:
機内で食べたので

紅葉:
でしたら、クルマでお送りするのでまずは時差もございますので、詳しいことはお休みになってから明日にでも。

凛空:
桃子さん物質世界で敵同士ではなくて会えてとても嬉しい。 でわいざ白山へ行こう! 

桃子:
うん‥‥。ありがとう凛空さん。

フロリー:
お姉ちゃんならどうにかなる? ねえ?

ドロシー:
ゴメン…とても残念だけど私でも手の施しようない。

フロリー:
やっぱり脳をいっかい全部リセット…洗濯…まさに洗脳しか…性格を作り出している記憶や感情記憶なども一切合切…真っ新に!

ドロシー:
それも視野に入れて検討するしか無いかも‥‥

フレデリカ:
それただの廃人になるだけですよね? 二人共お医者様でしょ! 治療放棄しないで下さいよ!

フロリー:
衛生メイドは医者じゃないし。そういうのは瑠莉博士とかDrフィッツジェラルドとか優樹子博士とか、今体調くずしてますけどヴェルさんに言って。だけど同じ結果になると思うよ。

ドロシー:
私もすみれの体調管理をしている衛生メイドだから何度も休むという概念を植え付けうと色々工夫はしてるだけど、今まで成功してないんで。学習の為とか理由つけて一緒にアニメみたり、あと仕事として自分のメイドの交流を持つ場とかで理由つけて小梅にボードゲームを提案させてみたりは…それは少しはできてるかも? みいたいな? まあ抜本的には改善には至ってないね

フレデリカ:
時々ご主人様の部屋で開催されるボードゲーム大会はドロシーさんが小梅さんへ提案してたんですね。

ドロシー:
親友の私から言うと、すみれにとって仕事というのはエラブタが動かせない回遊魚、マグロとかカツオが泳ぐ事で海水から酸素を取り込んでいるのと一緒で、仕事する事で生きている事の実感を得ていると考えて良いと思う。 具体的に言うと仕事をしている最中に興奮でドーパミンがでて、仕事が終わった後にセロトニンが出て安心感を得る? この脳内反応をすみれは「仕事」だけでしか得られてないというのが、ドロシーがすみれを観察して推測してるもの。あくまで仮説だけどね。 
その意味ではフレデリカの言う「生きる為に仕事をしている」というのも正しいのさ。エラブタがあれば、回遊魚だって寝る為に休むしね。 まさにすみれはそのエラブタが無い回遊魚。

祥子:
回遊魚…マグロ・カツオ…

フレデリカ:
あのご親友を回遊魚、その中でも特殊な部類のマグロとかカツオとか、さらにどこの部位が存在してないとか…脳内物質とかそういう基準で見てるのですか…

ドロシー:
まあすみれの衛生担当メイドですから。

フロリー:
そしてすみれ様や優萌がまぐろやカツオと同種なら、すみれ様や優萌の脅威的な精神力やその持続力の秘密もそこにあるかも知れませんね。すみれ様や優萌の脅威の脳の同時並行処理能力(マルチタスク)を使って、脳を右脳と左脳、もしくは部分的に切り替えて脳を休めて脳内の老廃物を血液に出してるかも? そういう機能がすみれ様や優萌に備わっている可能性もあるわけですね…興味深い。

これはヴェルさんが回復したら機能解明の為に解剖を提案してみましょう。

フレデリカ:
フロリー、アンタ自分のパートナーとご主人様を科学的な興味心の為に解剖するつもりなの?!

ドロシー:
だって当面の間、ご主人様業務の休止を命じられて呆然自失のすみれもだけど、特殊作戦群の事務処理が現在そのすみれが持ち込んだ処理をこなすために新部隊の事務が停止され、当面の間、新部隊隊長はテスト休みと学園にのみになったと聞かされた優萌も呆然自失。これを水揚げされたマグロ・カツオと言わずして何というのさ。

フロリー:
まさにこのご主人様にしてこの専属メイド!

フレデリカ:
うぅ~‥‥

祥子:
こうなるとまずいので、処理が減った時のために萌香の方がフランスのレンヌにあるAVALONのお屋敷に短期で行かせるという予防線を張ってあったんですが、現在アチラはご主人様がもちこんだ仕事でまさに地獄の苦役が展開されており、現在それどころじゃないとお断りがウリエルメイド長より‥‥地獄の魔皇の来訪は当面の間はお断りだと…

しずる:
一回メイド学校からやり直させれば良い。休むのもメイドの務めとカラダにた叩き込んでもらえ。 ちょうど里緒菜さんと里穂さんが教官で行ってるし。

フレデリカ:
メイド学校…それ良いアイデアかもしれません! さすがしずる姐!


その6 へつづく