えんぱいな日々(本編) 第五百八十四話 DreiKreuz 前編 その10

 
瑠莉:
里緒奈…私、フランソアさんと紅葉さんに捨てられた

里緒奈:
里緒奈…もう生きていけません

詩織:
(嗚咽)

萌香:
あの瑠莉さんが、本気で号泣して錯乱しているとか。こんなの初めてみた…

絵里奈:
アンタ達さ、Forestはおろか全部まとめて一切合切滅ぼす気?

萌香:
あの~もしかして事前に何の調整もなく、結婚して籍を櫻糀家から抜き、次期家督権を里緒菜に押し付けると瑠莉さんと詩織さんに伝えたんですか?

フランソア:
はい…

萌香:
里緒菜には何も言わず、その結果週刊Forestの記事でそれを知ったと?

紅葉:
そうなりますわね………

萌香:
お二人でも色ボケになるのですね。その結果が…この状態と…。
それは全てをかなぐり捨てて、長野のメイド学校とフランスのお屋敷から飛んで来るわけですね。

千穂:
とにかくこの事態を火急的速やかに収拾させないと文字通りの意味で「全てが滅びる」から。 櫻糀家緊急会議、紅森庵石庭でこの竹田千穂が議長で行います

絵里奈:
まさに「世界ノ興亡ハコノ会議ニアリ」ということか。 さあ行こうか。

フランソア:
はい…

紅葉:
畏まりました

ラファエラ:
名代さんと詩織さん、大丈夫かな?元気になるかな?

フランソワーズ:
心配だよね

鈴音:
アチラの事はアチラに任せるしかなかろう。それよりコチラはコチラの事を考えろ。どう処分が下るかはエステル議長とすみれ…総帥の腹一つなのだからな。 どうなっても良いように心構えだけはしておけ。

ラファエラ:
そうだね…

フランソワーズ:
人の事を考えてる立場ではない。処刑もあって当然。

鈴音:
私の首一つでどうにか済ませることができれば良いのだがな。

鈴音:
!? はぁ?

ラファエラ:
どうしたのですかお姉さま? 降りてくれないとラフェエラ達が降りれない。

すみれ:
センパイ!! ラファエラさん! フランソワーズさん ようこそ日本へいらしゃいましたぁ! ロンゴミリアドと弊エンパイアクラブ、カリブリウスは全力で歓迎いたします! 

鈴音:
すみれなんでお前が待ち構えてお出迎えなどしてるんだ! おまえ機動部隊の隊長、いやその前に総帥だろ? それにクラブのオーナーとして!

真理愛:
すみれ! あんた隊長としての威厳って事を考えろと何度いったら!

鈴奈:
あはははっ!

小梅:
この方がアヴァロン最強のメイド、鈴音隊長先輩ですか…

ウリエル:
はい。でも鈴音はとっても面倒見がよくて優しいですよ。

真理愛:
何飛びついて抱き着こうとしてるの大人しくしろ!

すみれ:
ちょっと何首根っこつかんで引き戻してるの! ハ・ナ・セ!

鈴音:
貴女はあの時の…

鈴奈:
ロンゴミリアド分遣隊隊長の任にあります高飛騨鈴奈です。
皆様、この度は前総帥の事、お悔やみ申し上げます。 本来であれば此方から出向くべきところなのですが、此方の方もご存じだと思いますがバタバタしておりまして。

鈴音:
丁重な挨拶痛み入ります。前AVARON機動部隊隊長の任にあった高飛騨鈴音だ。
前総帥は最後まで精一杯人生を謳歌され、すみれ現総帥と実子である櫻糀瑠莉様に全て託し逝かれました。 我々旧AVARONメイドは現総帥のお力になることに全員で決めてまいりました。これから鈴奈ロンゴミリアド分遣隊隊長もよろしくお願いいたします。

鈴奈:
はいわかりました。

真理愛:
ご挨拶が遅れました。すみれ隊長の公私共の副官をやっております。上原真理愛と申します。すみれの方が大変失礼を働き申し訳ございません。

鈴音:
すみれの公私共の副官…大変だろう。ありがとう。 すみれ、このような優秀な先輩と副官に恵まれているにお前というのは何故そうなのだ?

すみれ:
あの‥はい‥スイマセンスイマセンスイマセン。

鈴音:
こんな早く来る予定ではなかったのが、名代と屋敷のメイド長を引き継いでいただいた詩織さんの護衛という名目で来る事になった。当面世話になる

すみれ:
はいわかりました。

ラファエラ:

小梅:
あっ…

真理愛:
桃子博士の方も当屋敷の方へ向かっておりますのでクルマで移動をお願いいたします。

鈴音:
解った世話になる。

ラファエラ:
貴女…あの時の取り逃がしたブラックハウンドの子だね?

小梅:
‥‥やっぱり覚えてますよね…

鈴奈が近寄ろうとするのをウリエルがスっと手で遮ぎる

ラファエラ:
それは覚えてるよ‥だって貴女とても強くて…ラファエラの仲間、貴女に沢山コロサレタもの。

小梅:
………………

ラファエラ:
ラファエラはずっと…ずっと…貴女を探した。 貴女が死ぬ前に見つけようとして…でも見つからなくて。 他のブラックハウンドの子と同じでもうとっくに死んだと思ってた。 でも生きてたんだ………。 

小梅:
………………

その11 へつづく