えんぱいな日々(本編) 第五百八十四話 DreiKreuz 前編 その11
フロリー:
うぅ~ん…むにゅ…
がばっ!
フロリー:
あっ! あれご主人様は?
えっとたしか…予想と違って優しくキスされてあとは優しく抱いてくれて…ご主人様の腕の中で蕩けて…あっ…何度も…フロリーから求めて…あぁ…まったく、自分本位にフロリーだけイッて…あんなのメイドからご主人様への夜伽じゃなくて、ご主人様からフロリーへの夜伽じゃないの…あぁ…やちゃった…
そして…そのまま…腕の中で寝た…
今何時だろう。
フロリーだけに聞こえている声で:
おはようざいますマスター、現在、朝の7:12でございます。
フロリー:
頭の中に声がAURORAじゃない? いやAURORA? だけどエージェントなんか使ってないしハッキング? いや
声:
わたくしはマスターの首から下げているペンダントについている保護クリスタル内に本体チップが内臓されておりますので、チェーンも含めて肌に密着しているかぎり通信妨害などの影響を受けません。
フロリー:
この中にチップが…昨晩エッチする前にキスされながらご主人様にドックダグを外されてこれを付けれた時に、これはドックタグの機能があるからとは言ってたけど…
声:
マスターわたしはFusion type.Advanced,Tactics.Intelligence.Medical.Agent(融合型高度戦術的医療知能エージェント)=F.A.T.I.M.A=ファティマ と申します。ファティマと今後はお呼び下さい。
フロリー:
フロリー用のエージェントAIってこと? 融合型高度戦術的医療知能? って何? まあそれがあなた? ファティマ
ファティマ:
はいそうです。
フロリー:
それでファティマ、ご主人様がどこに行ったか知ってる?
ファティマ:
マスターの主人であられるすみれ様は現在、ForestにAVALON分遣隊の部隊員を出迎えに真理愛様、ウリエルメイド長、小梅様と共に行っております。 マスターはまだ睡眠なさっていたのでそっと着替えて対応を私に託し出発されました。
フロリー:
AVALONの部隊員? 執務で出かけたのね‥‥フロリーを寝かしといてくれたのか。それでこの部屋てどうやって出るの?あとスキャナデバイスどこに置いたかわかる?
ファティマ:
スキャナデバイスはすみれ様がベッドのサイドテーブルに動かしすみれ様のハンカチの上に置かれております。
フロリー:
服と一緒に適当に置いたからかご主人様がやってくれたんだ…それで…
ファティマ:
この部屋を出るにはチュートリアルを終わってからと命令をうけております
フロリー:
チュートリアル? あのロールプレイングゲームとかで最初にキャラクター作った時にやる使い方を覚える為のアレ?
ファティマ:
そのような物と考えて貰ってかまいません。
フロリー:
その命令をご主人様から受けたと?
ファティマ:
そうです。 しかしチュートリアルを提案したのは私の上位存在からです。
フロリー:
上位存在? なにそれ? ファティマってご主人様が作ったんでしょ?創造主ってやつでしょ?
ファティマ:
違います。 その点も含めてチュートリアル中に学習して下さい。
ファティマ:
でわチュートリアルを始めさせていただきます。
フロリー:
ちょっと! フロリー裸だから! 全裸だから! まって!
ファティマ:
Internal Dive in
SE:
シュバーーン!
フロリー:
ひぃ! ちょっとまってて言ってるのにぃ!
ファティマ(杖):
健在化します、マスターご注意下さい。
フロリー:
ひぃぎゃあ!
哲也:
おう来たか。
どすん!(落下)
フロリー:
痛たたた…
哲也:
少し上に出現座標がズレていたのか。 ファティマ修正をたのむ
ファティマ:
了解しました博士
ドロシー:
何んですか? ここドコ?! そしてあなたは誰? なんでフロリー裸だったのに服着てるの?
哲也:
さすがすみれの専属メイドと言うところか、挨拶の前に初対面の相手に質問を3つ同時とは。
質問の一つ目はここは星界、スプロール内にあるオリュンポスGRID内にある衛星カイルスの内部空間。
質問の二つ目は私は過去には櫻糀哲也と呼ばれた存在の残留記憶で構成された冬寂(ウィンターミュート)
質問の三つ目はミス・フロリー、合わないな呼び方はフロリーちゃんでいいかな?
フロリー:
はいそれでかまいません。
哲也:
フロリーちゃんのインテリジェントデバイス、その杖が私にフロリーちゃんの裸体を見せない為に用意しておきやがったバリアジャケット。プログラムでできた防護服ということだ。
ファティマ:
博士、セクハラです。
フロリー:
櫻糀哲也博士…死んだんじゃ?
哲也:
ああオジサンは死んだ。身体は心臓が停止した同時にポット内で跡形もなく溶解するように事前にプログラムを組んでおいた。 よって遺骸は残ってない。葬式をやられたり墓など作られるなど私の主義に反するからな。 結婚指輪は溶けないように事前に執務室の机に瑠莉への形見として残した万年筆と一緒においてある。
だがな…フロリーちゃんオジサンの愚痴をきいてくれ…
オジサンはあのすみれとVIORETとウーラノス、フロリーちゃんところではくま太と言うだったな、と優樹子とフランソア、この場合は一世のことだがと、衛星デーメーテールの電脳女神に死んでまでこき使われる為に、意識転送されてしまった。
ようは電子と幽霊というやつだ。酷いだろ?
フロリー:
自律意識を持ち保ってる段階で、電子の幽霊というよりそれ、電脳神? ニケさんと同じゃないですか?
まさかご主人様の衛星カイルスって光量子バイオコンピュータが載っていてそこに囚われたとか?
哲也:
普段擬態して周りを騙す為にと仲間に話を合わせる為に何も知らないフリをしているのとは大違いだな。
フロリー:
まあ、その話だとここだと擬態する必要が無いので…
哲也:
理解が早くてオジサンは助かる。 こっちへ来て座って話そうじゃないか。フロリーちゃん
その12 へつづく