えんぱいな日々(本編) 第五百八十四話 DreiKreuz 前編 その14
里緒奈:
お姉さまがAVALONの櫻糀家のメイド長になった?
詩織:
あくまで櫻糀のお屋敷のだから
ありさ:
白山市の月城本社で執務中に、紅葉とフランソアが結婚だかの件で瑠莉と詩織が居ない後見人としての立場の私が呼ばれたのなら、「勝手にしろ帰える」と言うつもりだったが、これが本題か。なら私が緊急で呼び出されるのも理解はできるな。
優香:
詩織、貴女がウリエルからメイド長引きついだといったお屋敷というのは、フランスにあるAVARONが使っていた地下の本部のお屋敷ではないわよね? 「櫻糀のお屋敷」で間違いないわよね?
里緒奈:
あの、今起こしなっているすみれちゃんのセンパイの鈴音隊長さん達が住んでいたお屋敷以外にあるんですか
優香:
AVARONが秘密拠点にしていたのはフランスのフィッツジェラルドレンヌ研究所の敷地で、ある意味借家で櫻糀家のお屋敷ではないの。 あれはフィッツジェラルド家の物。
里緒奈:
あ~そうなんですね。ではお姉さまがメイド長をするお屋敷。もともと昨日からすみれちゃんのクラブのメイド長になったウリエルさんがメイド長をしていたお屋敷って?
ありさ:
櫻糀家のお屋敷はイギリス、スコットランドにあるエディンバラ郊外にある。
里緒奈:
スコットランドってイギリスの北の方? エディンバラってそこの大きい都市ですよね? 里緒奈は行った事ないですけど
優香:
そもそも櫻糀の家はスコットランド子爵の瑠莉ちゃんの祖母がノヴォダマス(特殊な継承法)を使って櫻糀哲也博士に、瑠莉ちゃんびお父様に爵位と共に全てを渡したの。この祖母は紅葉ちゃんのお父様の栗田源三氏の母でもある。ロンドンにあった土地は栗田家に後に哲也氏より移譲されている。これがいまの栗田家のお屋敷。
里緒奈:
子爵? 貴族? 良くわからない…
瑠美奈:
もしかして瑠美奈達がエディンバラで居た所かな?
水菜:
あのスリエルが言ってた町がいくつかあったりAVARONグループの本社や工場があったり大学があったりするという?
エディンバラ工科大学もあるんだよね? エリシアさんとアリエルさんが通ってのもその付属でそこにあったよね?というより詩織さんと絵里奈さんと瑠莉さんもそこの学校の出身だよね?
真奈:
お屋敷の敷地の部分だけでForestの10倍くらい広さがあるっていうあそこ?
瑠美奈:
そうそこ、瑠美奈達は片隅の倉庫に偽装した所の地下に住む場所があって時々町に遊びにいったりさせてもらってたから、敷地の全部は当然行ったことないけど。
里緒奈:
町がいくつか? お屋敷の敷地だけでうちの10倍? 大学? 規模が全然わからない。
紅葉:
フランソアと結婚をしフランソアをマスターとして紅葉・フィッツジャラルドとして二人でいまの日本のForestを中心とした同盟を支えて行こうと決心をしたその翌朝にウリエルさんより櫻糀家を継いだ瑠莉さんの妻の詩織さんがメイド長に就任したとお聞きしたので、これは早急にフィッツジェラルド家としては、櫻糀グループの介入を防ぐためにも急ぎ戸籍を抜かなければとフランソアご主人様と相談の上、瑠莉さんと詩織さんにご連絡したしたいです。
フランソア:
フランソアにはフランソアのメイド達がいてForestグループの総裁です。グループとこのForestを守る為にフランソアはそれを最優先に紅葉と考えて行動しました。
ありさ:
二人の判断はこの杜とそれを作り上げているメイド達を守る行動としては正しい判断ではあるな。 ふむ。わたしも二人を支持しよう。 状況がここまで深刻とは…
優香:
瑠莉ちゃん! 詩織! なんで何も相談しないでそんなモノ受けてるのよ!
瑠莉:
あの…スッコランドの財産についてはすでにオヤジが職位ともに私への継承手続きをスッコトランド政府にすましておりまして。残りの国際企業の部分についてもすみれの方が私に送る前に手続きをすませてしまっていて…どうにもなりませんでした。
詩織:
フランスのレンヌのお屋敷は放棄して、大部分のメイドはスコットランドの櫻糀のお屋敷に合流すると、すみれちゃんと親しいメイドはすみれちゃんのカリブルヌスに行くのでウリエルさんがたとえ最下級のハウスメイドで無給でも面倒を見るのがメイドの義務だと…だから櫻糀瑠莉の妻でメイドである詩織に櫻糀のメイドは託すのがメイドの仁義だと土下座をされて…受けてしまいました。
優香:
ありさ! 千穂! どうするのよ!
ありさ:
瑠莉と詩織の新しいクラブの名前の事か? Empire Club AVALONが受け入れやすいと思う。
優香:
そうじゃないわよ! 絶対にこれ裏で哲也さんと優樹子さんとDrフィッツジェラルドが糸ひいてるわよ? それにそのまま踊らされるわけ?
ありさ:
筋も道理も通っている。それなら踊っても良いのではないか?
千穂:
問題があるとしたら…
千穂:
そこの元ご主人様と詩織のせいで完全にババを引くことになった里緒菜ちゃんよね?
里緒奈:
里緒奈はどうなるんですか…なにがなんだか…
優香:
それでDrと優樹子さんは何時来るの? 貴女達の事ではなくて里緒菜ちゃんのケアだから当然来るはず
瑠莉:
本日の夜には栗田閣下と共にこちらへ到着するかと
千穂:
ならそれに里緒菜ちゃんは丸投げで
水菜:
丸投げですか‥‥
瑠美奈:
まあ先生が来るならどうにかなりますよ!
真奈:
優樹子ママも来ますし、元帥閣下のオジサンも来ます、里緒奈メイド長、お気を確かに。
里緒奈:
紅葉! フランソアさん! 里緒菜達トモダチですよね!
フランソア:
里緒奈…ゴメン
紅葉:
わたくし達、幸せになりますから…
里緒奈:
ああぁああぁぁ!
ありさ:
千穂、お願い。
千穂:
終わり!閉廷!以上!みんな解散!
その15 へつづく