えんぱいあな日々(本編) 第五百八十四話 DreiKreuz 前編 その19
めぐ:
既存の小隊に混ざって訓練を?
穏空:
お願いできませんか?
未来:
どうですかね?
ララ:
ダメですわ。 正式な部隊再編制の事務処理が元帥府で終了し命令書が届くまでは、優萌小隊の構成メンバーは訓練生でも正規な部隊小隊への配属兵でもありません。
許されているのは駐屯地司令官、具体的にはすみれご主人様が直接観て無い限りは、事前に認めている範囲での自主訓練のみです。
軍規を維持できない軍隊はただの野盗の群れとかわりありせんわ。 あなた達はわたくし達に鎮圧殲滅される側になりたいのですか?
優萌:
デスヨネ。
未来:
しかし自分達だけの自主錬だけでは限界が…
穏空:
鈴奈先輩に頼り切っていた自分達のチカラの無さと、先輩の偉大さを今になって骨身にしみて実感しております。
めぐ:
たしかに相手がいないときついし、訓練メニューとか組み立てるのまで鈴奈先輩全部しちゃうから今までで身についてないのは当然。
その為に今後は訓練メニューから教導や模擬戦を依頼などする所からすべて自達で決めて試行錯誤で出来るようになってもらう。これは部下が着いたときに今度が指導側にキミ達はなる事が決められているからそれを学ぶための優萌小隊の予定だったんだけど…
しずる、なんか手思いつかない?
しずる:
しずるはお腹空いたぞ!
めぐ:
あっもうこんな時間か? 会議に集中してて気づかなかった…
美空:
仕出し弁当をデリバリーで頼んでありますので
SE:
コンコン!
美空:
ちょうど来たみたいですね
しずる:
さすが優萌小隊!抜かりないね!
優萌:
どうぞぉ!
すみれ:
失礼いたします!
デリバリをお届けにまいりました!
受け取りをお願いいたします♪
優萌:
ご主人様ぁ何してるんですかぁ!
ララ:
ウリエルメイド長とマリアお姉さま命令を破って執務を行うとは!
アリエルさん達が設置した監視エージェントを解除しましたわね!
パラライザーで昏倒させて営倉にぶち込みますわ!
フロリー:
ララお姉ちゃん待ってぇ!
未来:
立ち上がってからMブラスターを構えるまでの動作が見えなかった
穏空:
これが最年少で執務官補になった蒼き閃光と呼ばれるララ先輩の速さ‥
Mブラスター(プロセルピナ):
対象のオーナー執務管理監視システムは正常に稼働中。対象の自由時間の娯楽設定された範囲での行動を確認しました。
対象は執行対象でありません、トリガーをロックします。
ララ:
えっ? なんでですのプロセルピナ?
すみれ:
ララはコレがオーナーや部隊総隊長、ましてやグループ総帥の執務に見えるのかね?
ララ:
えっ?
すみれ:
エントランスでデリバリで注文した品を受け取り、小隊執務室兼会議室へ運んでくる。
ただのパシリ、ただの下級の雑用。こんなものはメイド学校を出ていない準メイドが新しくクラブに配属になった時に最初に任されるような仕事とも言えない様な作業。今ならすみれはコンビニへ菓子パンでもよろこんで買いにいくよ。ただのパシリだから。ララ。
穏空・未来
たしかにご主人様でも部隊総隊長でも総帥でも。絶対そんな事はしない。
Mブラスター:
対象は執行対象ではありません。トリガーをロックします。
ララ:
なんて事を思いつくのですの、システムの穴をついて…ぐぬぅっ! この電子の魔皇!
すみれ:
これは仕事を全て取り上げられたすみれの復讐…いや戯れ遊び、娯楽だ。
フロリー:
あー半日でよほど堪えているんですね…でもただの逆恨みのような…
すみれ:
特務特別部隊の精鋭メイド皆様や小隊長達への給仕など、このパシリのすみれが出来る様な作業ではないのでな、正規メイドの皆様にしていただくので、お弁当の受け取りを早くして下さいませんか? 保温ケースを持って帰らなければならないのでな。
ドヤ!
フロリー:
ご主人様、ドヤ顔で言うような事ではありませんからね
めぐ:
これさ警備隊員とか一般スタッフのパシリとか、ゴミ捨てとか、職員用のトイレ掃除とか、業者に交じって確実にやるよね?
しずる:
メイド宿舎やスタッフ宿舎のシーツの交換した後のクリーニング業者に出す前の回収とかすみれなら喜んでやる。まさに喜びだし。
優萌:
そんな事したらクラブオーナーとしても駐屯地司令官としても部隊隊長としても、ましてAAVALONグループ総帥として‥‥威厳など完全粉砕、地はおろかマントル層ぶち抜いてコアまで沈下する…
クラブ・部隊・グループの威厳粉砕を行うオーナー自らのテロ行為!
ここまで我々はすみれ様を精神的に追い込んだと‥‥仕事を全て取り上げられることが絶対的な恐怖なのは優萌もわかりますが…それでもやり方がエゲツナサすぎ…
とにかく今すぐどうにかしないと! ここを逃したら、アレが野放しに自由に…作戦参謀意見を。
美空:
先ほどの自主練の見守りと付き合い? 駐屯地司令官が本来は自らやるような事ではありませんし、あくまでご主人様の楽しみの「ついで」に小隊の自主練に立ちあっているとすれば、抜け道になるのではないかな…
ロンゴミリアド優萌小隊参謀官としてこのままご主人様を自由にこの駐屯地や白急下田の町をパシリで走り回わさせるよりは、まず我々の管理下に置くことが最優先であると小官は考えます。
フロリー:
フロリーがつねについていて、体調などをリアルタイムでモニタリングして負荷をかからないようにするので、ウリエルお姉ちゃんと真理愛様と祥子お姉ちゃんに土下座懇願を優萌としてくるので、先輩方、許して下さいませんか?
めぐ:
たしかにその作戦が一番被害が少なさそう。
しずる:
しずるもそう思う。 わかったしずる達もその土下座に付き合う。 いいよねめぐ。
めぐ:
うん。あの姿で喜び勇んでパシリで走り回るすみれの姿が目に見えるようだし。
あのメイド服ってメイド学校出た直後にWhityGardenで支給されたやつでしょ? それわざわざ着てるって全力全壊で雑用パシリだけしますよって言うすみれの意思表示だし。
美空:
とりあえずご主人様からお弁当受け取って給仕します‥‥。
その20 へつづく