えんぱいな日々(本編) 第五百八十四話 DreiKreuz 前編 その2
ソフィー:
なぜ国際重犯罪容疑者を確保する現場にエステル評議会議長がいるんだ?
萌香:
さぁ? なんでだろうね…
悠里:
来日するウリエル・リィリィクは、多数の国際重犯罪に関わった国際刑事機構から正式に逮捕状が出ている国際犯罪の容疑者です。
ソフィー:
エンパイアクラブ・アポリロイド・バイオメイド保全機関は国連のIARA(国際アポリロイド機関:International Apri-Roid Agency)により独自に権限が保証されている。
ウリエル容疑者は保全機関とはまさに宿敵。何度重用なメイドを目の前で確保されたり、何人の保全機関のメイドが殺傷・負傷させれたと思っているんだ?
メイドの未来を願い、保全機関に命を捧げたメイド達に報いるには、ソイツを法の元で裁きにかけ処分する! それしかない! 萌香、エステル議長と組んで何を企んでる?
萌香:
いや~何も企んでないわよ。
瑠美:
萌香さん、さすがに無理があると思いますよ?
SE:
プシュー(ゲートの扉が開く音)
ウリエル:
ここが日本の空港ですか近代的で綺麗ですね…?!
悠里:
インターポールですわ! えっ?!
ソフィー:
!!!
エステル:
ウリエルさん、連絡いたしましたエステルですわ。これがそちらで確保したバイオメイド脳波命令装置の現物と櫻糀製ニューロチップの派生型を積んだバイオメイドと櫻糀製チップを積んだ全てのアポリロイドリコールコード、そして今までAVARON時代に行った全ての作戦や今後実行予定だった作戦の詳細資料、AVARONから新しくなったAVALON所属のメイドがエンパイアクラブのメイドとして加入するという誓約書の入ったアタッシュケースですわね。
ウリエル:
はぁいぃ!そうですぅ!
エステル:
たしかに受け取りました。これでウリエルさん並びにAVARON機動部隊に容疑がかかっていた全ての犯罪の嫌疑は国際司法取引で容疑を取り下げし罪を免除いたしますし、今をもってウリエルさんを含め新AVALONのメイドはエンパイアクラブのメイドになりましたので、エンパイアクラブオーナー評議会がその身分を保証いたします! 「エンパイアクラブのメイドを害するものは現評議会として帝国の敵「nemico dell'impero(帝国の敵)」とし、見敵必殺(サーチアンドデストロイ) 叩いて潰し押し潰し粉砕いたすことを「エンパイアクラブオーナー連合評議会議長のエステル・ヌヴェール」の名で「ここに宣言」いたしますわ! 安心して下さいませ!
ウリエル:
はぁいぃ!
瑠美:
動きがまったく見えなかった、まるで瞬間移動したような…
萌香:
フルドライブのエステル久々に見たわ。フルドライブしたトリプルアクセルは通常ドライブのクアドラプルアクセルと同等の速さだから、あれに匹敵する速度は穏海さんかララくらいよ。普通の目には見えない速度。
エステル:
あら申し訳ございません。ご挨拶が前後してしまいましたわ。 エンパイアクラブオーナー連合評議会の議長をしております。エステル・ヌヴェールです。 エンパイアクラブへようこそ! わたくし達はAVALONのメイドの皆様を心より歓迎いたしますわ。
ウリエル:
評議会議長自らご丁寧な挨拶ありがとうございます。AVALONグループ総メイド長を命じられておりますウリエル・リィリィクでございます。 よろしくお願いいたします。
悠里:
完全にヤラレマシタわ‥国際司法取引‥それも議長自ら?
ソフィー:
今までのAVARONのメイド全てがエンパイアクラブグループのメイドになって保護下になるというか? 新AVALONはエンパイアグループに加入したと‥そんな事‥評議会議長なら可能か…いやでも…
悠里:
先ほどの宣言文、文章にしてすでに全エンパイアクラブオーナーに通達が…早いですわ!
萌香:
ああいう上司が一番部下としてムカつくよね。
瑠美:
いや萌香さんと悠里さんも人の事、全然言えませんからね? 程度の差はありますが…
優香:
だからフランソアちゃんとエステル嬢は…でも今回の主犯はすみれちゃんだけど…
ウリエル:
こんなに沢山のお出迎えの人が、皆様ありがとうございます!
エステル:
このトランクには保全機関にとって重要なモノが沢山入っております。ソフィー、保全機関極東本部長の責任で国際刑事機構極東事務局と共同で調査を行って下さい。コチラで把握していない保護するべきメイドや摘発すべきメイドが関係する組織犯罪も多数存在すると思いますわ。悠里インターポール極東支部情報捜査主任。協力をお願いいたします。
ソフィー:
了解いたしました。
悠里:
はい‥畏まりましたわ。
優香:
日本へようこそ。 フランスからの長旅お疲れ様です。覚えておりますか? 森崎優香です。
ウリエル:
はい! お久しぶりです。 詩織さんのお姉さんでご主人様の機動部隊の艦隊を指揮されている司令官の優香准将閣下でございますね。 不束ものですがすみれご主人様の元よろしくお願いいたします。
瑠美:
この方がAVALONウリエル総メイド長。本当に詩織さんそっくりだ。それと威圧案がメイド長時代の詩織さんなみにありますね。
萌香:
私は絶対に逆らえない確信したわ。
瑠美:
あっ荷物!
ソフィー:
これけっこう重いな…
悠里:
わたくしも手伝いますわ、押していきましょう。
瑠美:
あの…
エステル:
このメイドは萌香と悠里の部下で愛弟子の瑠美といいます。
優香:
Forestの副メイド秘書で今のForest調査部執務官ですわ。
ウリエル:
あっ!詩織さんが言っていた里緒菜メイド長の同期でご親友の瑠美さんですね! とても優秀なメイドだと聞いております去年まで総務部でご活躍されていたそうですわね。それを萌香メイド秘書が無理をいって副メイド秘書として欲しいと言われて調査部執務官になられたとか。 そして今の総務部長の亜美さんという恋人がいて…
瑠美:
ああぁ‥お恥ずかしい。詩織さん何話してるの! それでお荷物を御持ち…
ウリエル:
いえいえ私はメイドですから自分の荷物は自分で持ちます。 これでもチカラ持ちなのですよ♪
優香:
瑠美、駐車場まで案内を
瑠美:
おクルマまでご案内いたします! はいコチラでございますウリエル総メイド長!
ソフィー:
さすがあのAVALONの総メイド長だな、一瞬で瑠美を自分のペースに巻き込んだぞ。
おい萌香さんよ、これ大丈夫なのか?
萌香:
瑠美を引き抜かれないように注意しないと…
悠里:
かなり手強そうですわよ
優香:
(苦笑)
その3 へつづく