えんぱいあな日々(本編) 第五百八十五話 INVOKE その1
???:
やっぱりここにいた。
カイルス:
どう見える?
幸:
月が明るすぎる…満月だし…
カイルス:
そんなにサタンがみたいの?
幸:
土星ね…正確には土星の輪っかが観てみたいの
カイルス:
ただの氷の粒だよ?
幸:
そんな事は解ってるよ! 貴女にはロマンってものが無いわけ?
カイルス:
「ロマン。ロマンチック romantic
現実の平凡さ・冷たさを離れ、甘美で、空想的・情緒的または情熱的であるさま。浪漫 的。な事柄。」
難しい。
幸:
そう! 月をクレア先生と天体観測の体験学習でここで観た時に、ただの幸達が普段みているこの夜空を天体望遠鏡で覗くだけで、図書室の科学図鑑とかに載っているな綺麗な星々が実際に見えるってとてもすごい事だと思ったの。
幸が普段みてるモノなんか実際は「ただ見えていると錯覚している」だけのもので本当の事って全然違う事なんだってすごいモノなんだって思い知って感動したから。
カイルス:
本当の物が見えるといっても地上からみると大気で歪んで見えるけどね
幸:
だからこそ幸が本当に自分の目でみてるって部分がロマンチックでしょ? 非現実的というのただのお空なのに!
カイルス:
まあその幸が言う「非現実的」というのは今後考察するとして、今は「現実的」な問題に対処しなければならない。もうお風呂行ってないのは私と幸だけで、そろそろ入って寝ないと明日二人とも寝坊する可能性が高い。
幸:
もうこんな時間? 天体観測に夢中になっていて‥‥カイルス貴女、幸の事探しにきてくれたの?
カイルス:
時間は万物にとって有限、今夜の天体観測はここまで。 三脚は私が持つから、幸は鏡筒を外して持って、あとアイピースは外して。
幸:
うん! いまアイピース外す!
幸:
もしかしてお風呂も…待っていてくれて…
カイルス:
幸は私のルームメイト。寝坊すると連帯責任で怒られる。
幸:
いつからうちの学校ってそんな制度になったの?
カイルス:
幸が寝坊すると誰が私を起こすの? よって私も寝坊する。
幸:
貴女、自分を起こしてもらう為に幸が寝坊しないように…
カイルス:
情けは人のためならず。
幸:
その言葉の使い方間違えてるとおもうよ? そんな利己的で打算的なモノじゃないから。 まあ、その探しに来てくれてありがとう。さっさと備品倉庫にコレしまってお風呂行こう。
カイルス:
うん。
カイルス:
お風呂は好きだけど…髪洗うのはまだ慣れない…目がしょぼしょぼするすし
幸:
目をあけっぱなしにするからだよ。 幸がしてあげようか?
カイルス:
慣れないといけないから自分でやる。
カイルス:
うひぃ~♪ これが気持ちい。 大きいお風呂、幸と独占!
幸:
もう二人だけならたしかに独占だね。
幸:
カイルスも日本語上手くなったね。それに良く話すようになったし、なんていうか自分の気持ちを表現するようになった? 解りやすくなった。幸ほら頭良く無いからそうやって自分の気持ちを言葉で伝えてくれるの助かる。
カイスル:
日本語上手くなった? 嬉しい。幸…幸は頭良い。私よりずっと頭良い。カイスルが人に感情を伝えるというより自分の感情、気持ち? を伝えるというより感じることを、幸やみんなに伝えるように言葉にすることで、一回、分析して理解しないと言葉にできないからそれで、これはこういう気持ち。これはこういう気持ちて学習して伝えるようになった。
幸:
日本語は自分の気持ちを伝える単語が少ないから難しいよね
カイスル:
日本語というより気持ちを理解するという意味だけど…上手く言葉に出来ない。
幸:
良いってそうやって幸に伝えてくれるのが嬉しいって事!
そろそろ出ようかお洗濯しないと
カイスル:
そうだね。時間は有限!
幸:
そして「有限だからこそ貴重」でしょ♪
カイスル:
そう!
その2 へつづく