えんぱいあな日々(本編) 第五百八十五話 INVOKE その10

 
幸:
昨晩寝る前にカイルスが言った言葉。ずっとどういう意味か考えてね。

カイルス:
…うん

幸:
それは…その前に幸が…ここで人を好きになって…ココロが通じ合っても…結局別々のクラブに行ったら離れ離れになるから好きな気持ちを閉じ込めていたほうが良いって…言ったから。 だから‥カイルスなら好きになった気持ちを…隠さなくて良いって…その為に‥幸と一緒のクラブに行く? それがカイルスには出来るから? それって‥カイルスは‥幸の事が…そこまで、これから一緒にメイドとして出来るかぎり一緒にいたい…幸の事が好きって…いう…

カイルス:
あっ! ココロが通じた!

カイルス:
やった! やった! そう! ただカイルスが幸の事を好きっていうだけじゃない! 私は幸の為に何でもしてあげたい。 ただの幸を女の子として好きという気持ちだけじゃない、いっぱい考えて答えを出したモノ。 それが愛するって事だと思うけど…まだ解らなくて‥‥言葉に今まで出来なくて…幸が切っ掛け? を作ってくれたから昨日言った!

幸:
あぁ‥‥(真っ赤)

カイルス:
それで勢いじゃなくて良く考えてもらって、幸に私の気持ちを理解して欲しかった! だから幸に考えてもらう為に寝たふりした。

幸:
あのね…カイルス…ゴメン‥‥

カイルス:
えっ…私フられた?

幸はカイルスの事嫌い?

音花:
うそ…幸がカイルスの事…フった?

愛里栖:
状況レッド…繰り返す状況レッド…

音花:
愛里栖先生、ちょっと待ってくださいまだ続きます。 カイルスが食い下がった。
だよね、カイルスだって納得しないよね。あれだけあからさまに幸はカイルスの事好きなの隠して無いし…まあ幸は隠してるつもりかもだけど

幸:
ちがう…ちがう…幸はカイルスの事が本当に好き。 恋してる…愛してる…見ているだけでドキドキして胸がしめつて‥苦しくなる…

だけどダメなの…

カイルス:
何でダメなの‥‥?

幸:
幸はバイオメイドで作られた人間で…カイルスは大使館の職員だから普通の人間で

カイルス:
幸がバイオメイドというのは知ってるというか解るよ? 近くいるアポリロイドやオーダーメイド、バイオメイド、アルティメイドのチップの種類やIDはスプロールのインデックス、目録にあればすぐに解るし。 あと一応カイルスもバイオメイドという設定だよ。

幸:
設定? えっとまずカイルスは普通の人間のメイドさんではない、アポリロイドでもない?でもバイオメイドでもないの?

カイルス:
カラダはバイオメイドだから。 今の権利はバイオメイドだけど、実際はアルティメイド。それで、私はまだスプロールのオリュンポスGRIDのウーラノス宮の神官でしかない。だからこれから何回か試験をして合格すると下級電脳神になる。ここまで成れたら、現在の法律でもアルティメイドになる。これで一般の人間よりは権利が上だけど義務も多い。
そして将来? できれば直接マスターをお手伝いできる高位電脳神の資格が欲しい。
ここまで成れたら色々な特権と保護がある。しかし義務も増える。
詳しいことはAURORAで国際連合傘下の国際アポリロイド機関=IARAとスプロール連合会議外交使節共同体の間で相互国際法的権利処置合意されて公開されている文章がある、それを…

幸:
ちょっとカイルスまって、専門用語が多くて今検索するから。 とりあえずえっと…

幸:
えっ…アルティメイド…電脳神…オリュンポスGRIDの管理クラスター(宮)のプリースト=部門執行官=神官。 大使館の職員って…そういうこと? ウーラノス宮は補足資料‥‥現在の管理者、花路すみれ…様

カイスル:
それがマスター。 マスターと呼んでるけど、まあ姉です。物質空間、地上世界での私の正式な名前は「カイルス・エンノイア・花路」もしくは 「花路カイルス

やっぱり引くよね…だからバイオメイドとかなんか、私にくれべれば全然問題ない。 逆に私は幸にこれを説明するのを躊躇っていた? 日本語訳あってるかな…

幸:
カイルスが来る前に色々なメイドの紹介の時に来て下った、ロンゴミリアドの隊長さんでクラブカリブルヌスのオーナーの花路すみれ様の妹さん…

カイスル:
引くよね‥やっぱり。 ここに来てマスターの事色々調べたけど…引くよね…ドン引き?とていうの?ダヨネ? こんな私に愛されたら、重いよねやっぱり

幸:
それは…重いけど…

音花:
電脳神? アルティメイド? それで花路すみれ様の実妹‥‥? どんな数え役満ですか? いや一発箱トビですよね?

愛里栖:
カイルス、あの娘(こ)、全部ぶっちゃけたよ。 こういうところはすみれそっくり、確かにすみれの妹だ。まさに決めたら全力全壊。 いやカイスルの方が破壊力は上だ。 愛里栖はカイスル派になる。それで音花は麻雀やるんだ

音花:
はい麻雀は好きです。 それでカイスルはこういうの漢字の漢の字を当てて「漢らしい」というでしょうか…たしかにカイスルの言う通り、この愛は色々な意味で重いですね。

愛里栖:
そうだね。愛里栖ならその場で回れ右して全力疾走で逃げるね。

音花:
でも幸なら‥‥


その11 へつづく