えんぱいあな日々(本編) 第五百八十五話 INVOKE その17

 
哲也:
先生、コーヒーですどうぞ。里緒菜ちゃんの特製ブレンドになります。

優香:
優香ありがとう。良い香りだ!

哲也:
美味(うま)い! 豆も逸品だが優香が淹れるコーヒーはやっぱり美味いな。 優香、綺麗になったな。 元気か?

優香:
はい。先生もお元気そうで。

哲也:
ああ、御かげ様で死んだ後の今の方がずっと元気だ。

優香:
それは良かったです。

フランソア:(小声)
会話がオカシイ

律子:(小声)
ツッコミいれたら負けですわ‥

紅葉:(小声)
はあ~(溜息)

哲也:
優香、結婚はしたのか?

優香:
いえまだ…先生今はそういう質問はセクハラです!

哲也:
オマエな~オレはセクハラが結晶化したような存在だぞ? セクハラ大冥王だ。 今更だぞ(笑)

律子:
アナタ、優香ちゃんは今はシスターに夢中なの♪

Drフィッツジェラルド:(以後Dr)
わたくしのメイドの久遠に手を出されまして、付き合っておりますのよ♪

桃子:
白急篠山ビルの中のお部屋で同棲しているんです。

哲也:
あの久遠ちゃんが優香のシスターに? お前、女はああいうが好みか! なるほど、ふむ!

優香:
もう…! 皆さまやめて下さいよ……

里緒奈:(小声)
なにこの親戚がよってたかって若い女の子をイジルみたいな…あの優香さんが照れてる…可愛い…

哲也:
凛空ちゃん、穏海ちゃん、17年ぶりだな。 本当に大きく、そして優香もそうだが、本当に綺麗になったな。オジサンはとっても嬉しい。 この姿を花路博士夫妻や新見夫妻に見せてやりたかった。

凛空:
そんなに経ったんですね。 櫻糀のオジサンお久しぶり…です。

穏海:
叔父様ご無沙汰しております。あの…その節は本当に困ってる私を助けて頂きありがとうございました。

哲也:
いやオレもあの時は身を隠す寸前で穏海ちゃんを自分の所に居させるわけにはいかずは西園寺夫妻と源三に押し付けただけだスマなかった。 西園寺と言えば…

哲也:
おい剛史。 お前、桃子と別れた後、凛空ちゃんと穏海ちゃん、さらに新田博士の娘の澄ちゃん、阿須瑠家の有虹子ちゃんに手を出し結婚? はっ! 親が生きてたら確実に殺さてるぞ。 フランソアちゃんだって瑠莉が保護してなければ毒牙に絶対かけたよな? 

凛空:(小声)
それは間違いない

穏海:(小声)
お兄様なら確実に手出します。

哲也:
そしてよりによって! オレの大切なすみれに手を出しやがって! さらに桃子が来たら速攻でより戻すとかありえないだろう? どこまでゲス男なんだ? お前だけは絶対に許さないぞ。

凛空:
お兄ちゃん、自分の師匠の愛弟子二人共に手を出したお前だけには言われたくないって、お兄ちゃんの一応お師匠さんだからね。

穏海:
お二人そうだったんですか?

優樹子:
はい‥‥哲也とは師匠の所で知り合いまして

Dr:
優樹子が先に哲也と付き合ったのですが、わたくしにもアプローチがあって結局両方とも‥‥付き合うことに。付き合った順で優樹子が妻でわたくしが愛人となったと

哲也:
剛史だいたいお前な‥‥

凛空:
凛空、重要な事に今気づいちゃったんだけど

穏海:
桃子さんが髪を伸ばし始めたらお兄様好みの美少女だとか?

凛空:
それはあるけどそれより、桃子さんも、お兄ちゃんも櫻糀のオジサンも17年前から変わって無い。

穏海:
そうですわね。こういうやり取り懐かしいですわね

凛空:
ちがう。

凛空:(小声)
櫻糀のオジサンや、Drフィッツジェラルド、優樹子ママさんは素体だっけ?意識転送したからわかる。だけどお兄ちゃんも桃子さんも、あと鹿苑寺信久お兄ちゃんも、山科誠二お兄ちゃんも‥‥一番は、瑠莉さんも‥

凛空:(小声)
17年前から容姿が「まったく」変わって無い。

穏海:(小声)
あっ…

凛空:(小声)
桃子さんはお兄ちゃんと同じ歳で17年前には工科大学の1年生の研究生だったからあの時だって19だったはず。…今何歳? でも髪を伸ばし始めた桃子さんって今の桃恵ちゃんと同じ歳に見える‥いくら若作りだといっても…

瑠莉さんは化け物だからなんとなく普通じゃないのはわかるけど…

それにいくら男性だからって信久お兄ちゃんや誠二お兄ちゃんや‥‥うちのお兄ちゃんだって…その歳の顔でもカラダでもない。出会ったときから変わったのは私達だけ…大人になった。 でもお兄ちゃんたちだって同じだけ歳をとり…老化を本当はするはず

穏海:
……………

凛空:(小声)
お兄ちゃんって「何者」? 凛空達はどんな人、いや「存在」と結婚したの?

穏海:
……………

その18 へつづく