えんぱいな日々(本編) 第五百八十三話 UNION 後編 その17

 
紅葉:
フォツジェラルド家当主、フランソア・フィッツジェラルド・櫻糀・二世 この栗田紅葉を妻にして下さい。結婚を申し込みます。

紅葉:
返事は? どうなんですか?

フランソア:
えっ? あの…意味がまったく解らないだけど? 

紅葉:
意味が解らないって? 貴女、本当に時々天然な事いいますわね? 妻にしてください。 結婚して下さい。 って言ってるんです。 結婚を申し込んでいるんです。 これ以上なにがあるんですか?

フランソア:
うぅ~ん…えっ…意味わからないし。

紅葉:
なんですの?! 貴女馬鹿ですか?

フランソア:
ちょっと馬鹿とは何! だってフランソアも紅葉もご主人様の妻でしょ? 妻同士で結婚って何?

紅葉:
あのですね! フランソアは瑠莉さんの養子です! 私は外籍で愛人です。 戸籍上二人とも妻ではないです!

フランソア:
そんなこと…

紅葉:
最初に決めましたよね? 覚えてませんか? フランソアとわたくしと瑠莉さんと詩織さんと絵里奈さんと理沙と千穂さんと、今の紅森庵の石庭での櫻糀家の会議で()。


注:以下の所での取り決めの事です

フランソア:
えっとあの時決めたのは、紅葉ちゃんとフランソアだったら、フランソアがお姉さんで、紅葉ちゃんが妹。ご主人様を取り合って喧嘩しちゃダメ。だったような?

紅葉:
その前に理沙が説明してたでしょ? フランソアは瑠莉さんと詩織さんの養子でこれは瑠莉さんが何かあったときに櫻糀の家督兼というよりForestグループのオーナー、司令官を…

フランソア:
う~ん…そんなこと言ってたような気がする…あまり覚えて無いけど。

紅葉:
貴女って人はどこまでイイカゲンなんですか!

フランソア:
そういうのは紅葉ちゃんと理沙に任せればよいと思ってたし。

紅葉:
………

フランソア:
今なら解るよね? フランソアってそういう人だよね? 適材適所っていうの? 出る人に出来るものは任した方が良い! ねっ?

紅葉:
この姫は…

フランソア:
それと結婚とどういう関係があるの? だってアレだってご主人様とフランソアと紅葉が結婚するという話し合いだよね?

紅葉:
だから…あの本来の目的は櫻糀家とフィッジェラルド家と栗田家の同盟のお話だったんです。
まず、櫻糀家の家督継承権…養子縁組でフランソアが入ることで、瑠莉さんが亡くなったら櫻糀家はフィッジェラルド家に移るという条件で瑠莉さんをフィッジェラルド家が支援する。 瑠莉さんの外戚に栗田家が入る事で瑠莉さんを支援する。 これは、瑠莉さんは櫻糀家の正式なご当主では無かったんです。 お父様の哲也様が存命で、櫻糀グループはお父様が率いていたので。 瑠莉さんを中心とした同盟をフランソアとわたくしが瑠莉さんと縁を結ぶことで作り上げた。

紅葉:
そもそも当時のForestは一号店は小さいお屋敷でこれは櫻糀家の白森市内の別荘です。今のForestの敷地はありささんの月城家の物だったわけで、瑠莉さんの財産ではないのです。 今はわたくしの財産になってますが

フランソア:
あっ…そうだったね…

紅葉:
もちろん、瑠莉さんがフランソアとわたくしの愛を受け入れたのはその同盟の為ではない事はわかってますわよね?

フランソア:
うん。 ずいぶんご主人様は抵抗したからフランソアがむりやり襲ったし。

紅葉:
そうだったみたいですわね。 瑠莉さんが困ったと言ってましたわ。 しかしあの同盟が元になり櫻糀瑠莉は最終的には大きな勢力を率い、エンパイアクラブグループ全体と評議会を改革しお父様と張り合うまでに大きな存在になれたのも事実です。これはわたくしのパパの栗田源三やフランソアのお母様であるDrフィッジェラルドの支援があったからです。

紅葉:
瑠莉さんはそのチカラを使ってお父様を倒す…自らの手で殺すつもりでいました。 でも…

フランソア:
亡くなった‥

紅葉:
そうです。 そして今、櫻糀家と櫻糀グループは瑠莉さんに正式に移譲され瑠莉さんの家になりました。お屋敷はフランソアももう記憶が戻っているので知ってると思いますが、フランスのレンヌにある旧フィッジェラルド研究所の跡地の地下に広大な屋敷があります。 そこに妻である詩織さんと多くのメイド達と一緒にいます。

紅葉:
その櫻糀グループは櫻糀瑠莉が治め、櫻糀瑠莉の妻は櫻糀詩織で、その養子は里緒菜です。 櫻糀家の当主は瑠莉さんで、櫻糀は里緒菜が継ぐべきです。

フランソア:
それはそうだね。フランソアもそれが当然だと思う。

紅葉:
そして今のForestグループはわたくしと貴女が全てももってますよね?

フランソア:
そうだね。

紅葉:
そして貴女はフィッツジェラルド家の現当主です。 今のForestグループは事実上フィッツジェラルドグループといえます。

フランソア:
うん…

紅葉:
わたくしとフランソアがやることは、瑠莉さんの戸籍から抜いて、次期家督兼を里緒菜に確定し、わたくしとフランソアは正式に結婚して、フィッツジェラルド家として安定させ、里緒奈を挟んで新しいフランソアとわたくしのフィッツジェラルド家と瑠莉さんの櫻糀家との同盟を成立させること。 櫻糀と栗田家には沙織さんが嫁いでいるのですでに同盟関係にあります。 わたくしがフランソアに嫁げばフィッツジェラルド家と栗田家は同盟になります。

フランソア:
………

フランソア:
ご主人様の苗字を捨てる…? フランソアが…

紅葉:
代わりにわたくしが紅葉・フィッツジェラルドとして妻として生涯隣にいます。 我が主人、マスターフランソア。

フランソア:
!! 紅葉…まさか…マスター認証させる気? メイドになる気? フランソアの?

紅葉:
瑠莉さんが櫻糀家を正式に継いだらとずっと決めておりましたの。 わたくしは瑠莉さんのメイドにはなりませんが、貴女のメイドにはあの時から…あの石庭の時から主と決めておりました。 だって生涯貴女の方が上なのですよ? わたくしの光の皇女様。ですから。わたくしは瑠莉さんと貴女との結婚指輪はしなかったのです。

フランソア:
!!!!!!!! 

紅葉:
結婚して、そしてわたくしを従えて下さい。わたくしの皇女殿下は貴女ですわ。 わたくしの全てを差し上げますから。 そして貴女様からわたくしに契約の指輪を下さい。そしたら今度は左手の薬指にはめますから。

フランソア:
紅葉…


その18 へつづく