えんぱいな日々(本編) 第五百八十三話 UNION 後編 その19

 
幼い紅葉:
春海見て下さいませアイスクリームをオマケしてくれたのですの!

春海:
良かったですね、紅葉お嬢様♪

幼い凛空:
だから学園辞めようかと思ってる。

幼い穏海:
それはマズイと思いますわよ。飛び級で大学って…会社を経営する為のコミニケーション能力とかは学園生時代に磨かないと‥

凛空:
そういうのは穏海と紅葉ちゃんに任せるから。 凛空苦手だし。

穏海:
最初からわたくし達を巻き込む前提ですか?

紅葉:
凛空さん学園お辞めになる御つもりですの?

凛空:
うんだって周りの子と全然話会わないし。凛空の子「変な子」って見られてるし。

紅葉:
コミックとか雑誌とかならお話もあわせる事ができるかとおもいますわよ? TVとか映画とかわたくしも日本では孤立してしまいましたけど今の寄宿舎では普通に皆に交じって生活できてますわ。

凛空:
凛空そういうの読まないし、観ないし。

穏海:
凛空のお父様達は別にしても絶対にお兄様に怒られますわよ?

凛空:
お兄ちゃんには内緒にするもん。

紅葉:
観てみますと結構面白いですわよ。ご学友が話題している映画とかドラマなら自然に会話に入れますし。特に話題のジャパンアニメーションとかカッコイイ男子が活躍するのから女の子が魔法で活躍するのまで、最近だとロボットのパイロットとかも女の子もいますわよ。 色々ありますし。話も面白いですし。

穏海:
お兄様と良く紅葉、アニメの話してますわよね。お兄様は重度のオタクですし。

凛空:
凛空はアニメとか漫画とかあんまり好きじゃない子供ぽいし。

穏海:
凛空、わたくし達はまだ子供なのですから。それにアニメは世界的に大人も観ておりますので

紅葉:
でしたらわたくしのお勧めは昔のアメリカTVドラマで。 わたくしそれが好きで動画サブスクリクションを契約して観ておりますが、さすがにそれは学友と話題が合わないので、わたくしだけの趣味になってしまってますが。

凛空:
昔のドラマをわざわざ観る為に紅葉、動画サービスを契約してるの?

紅葉:
はい。その為に契約しております。

凛空:
そんなに面白いの?

穏海:
凛空ダメぇ…

紅葉:
はい! 特に70年代80年代のアメリカのTVドラマは特徴がありまして、有名な所でいきますと、スパイ大作戦のTVカラーリメイク版から、カリフォルニアハイウェイパトール、アメリカンヒーロー…(以後超早口で解説がつづく)

凛空:
ひぃ! 紅葉ちゃん?!

穏海:
こうなると紅葉の解説は止まりませんわよ…アーサー王伝説の時なみを覚悟して下さい

凛空:
…本当に好きなんだね…

若い詩織:
皆さんお待たせしました!

幼いフランソア:
あっ…知らない子がいる

穏海:
レディー達を待たせるにもほどがありませんかお兄様!

凛空:
二人ともあの事は秘密だからね!

穏海:
何が秘密なんだ? 乙女には沢山秘密が御座いますの。それを詮索する男は無粋とは思いませんか! だいたいなんであの子もいるんですか? 師匠が連れて来た? 一緒に遊びにいく? …仕方ありませんわね

紅葉:
…王女様?

凛空:
紅葉ちゃん? どうしたの?

フランソア:
貴女は?

詩織:
(フランソアちゃんから声をかけた?)

紅葉:
わたくしは栗田紅葉です。

フランソア:
紅葉。 「わたし」はフランソア・フィッツジェラルド・デルポール。 栗田ってマモンの仕事仲間の栗田源三の子?

紅葉:
栗田源三はわたくしのパパですわ。

フランソア:
そう。

フランソア:
詩織さん、大丈夫「潰す」ような事な事はしない、銃から手を放していいよ。 それに銃じゃフランソアを殺せないのは知ってるよね?

詩織:
!?

フランソア:
紅葉は面白いチカラを持ってるね。 紅葉、フランソア・デルポールのメイドになる!

紅葉:
はっ?メイドですの?

フランソア:
うんフランソアは紅葉が欲しい。

フランソア:
くぴぃ~♪ くがぁ~♪

紅葉:
うぅ…夢ですか。でもアレは過去…。今なら解りますがアレはフランソアの中のフランソア・デルポールが前に出ていてわたくしのSQUID能力をその場で見抜いて言った発言なのですわね。 しかし…

紅葉:
腕が痺れてますわ…いつのまにわたくしの腕を枕の間に敷いてねてますの? 段差にいれておきましたのに…

フランソア:
くぴぃ~♪ くがぁ~♪

紅葉:
それにこの姫…別人格だとしても、あった瞬間に人にメイドになれって…腹立って来ましたわ! やはり昨晩の発言撤回いたしましょうか…


その20 へつづく