えんぱいあな日々(本編) 第五百八十六話 ignited 前編 その19
マリアンヌ:
よしハマッタ!所詮、私の敵ではない、澪お姉ちゃん覚悟! オラオラ!よし勝利!
SE:
ガチャ♪
マリアンヌ:
あっ!ご主人様お帰りなさいませ!
エステル:
あぁ…ただいまですわ…
マリアンヌ:
どうしたんですか? 何かまたあったのですか?
エステル:
いや、少し自分の非力さというか情けなさを痛感してしまって…
マリアンヌ:
またいつものですね。 はいこちらにおいで
エステル:
うぅ…やはりわたくしが評議会議長なんか無理なのです…
マリアンヌ:
よしよし。 無理とか無理じゃないとかでなくて、ご主人様以外に出来ないでしょ? といえちょっと無理しすぎですね。何があったんですか? 私には聞く事くらいしかできませんが話せる範囲でぼかして話してみて下さい。
エステル:
うぅ…本日だって栗田閣下と瑠莉さんとフランソアと紅葉に頼んでどうにか切り抜けられただけでわたくしだけではとても無理でした‥‥こんな事では…。
マリアンヌ:
助けてくれるお仲間がいるなら、それもご主人様のチカラだと思いますけど、私みたいにボッチじゃないし。 それに一番のお力になるジャンヌさんをアフリカに部隊ごと送ってしまって、ご主人様一人で評議会やキャンペーンや各国の調整やIARA(注)の議事までこなすとか無理にもほどがあります。
これでフォーシスターズのグループ経営を鹿苑寺信久様が引き受けてくれてなかったらどうなってたか。
その状態でも私はご主人様は良くやってるとおもいますよ? 手伝ってくれる方々の力を借りても本日もどうにか乗り切ったんでしょ?
エステル:
そうですわね…少し落ち着きましたわ。
マリアンヌ:
良かったです。
注:IARA= IARA:International Apri-Roid Agency 国際アポリロイド機関
先の欧州紛争で極東地域から大量のアポリロイドが戦線に送らていたことが戦線拡大の要因になったことから設立された国連の下部機関。
エステル:
マリアン、本日はどこか外に出ました?
マリアンヌ:
…自販機までは行きましたよ。 まあこの階のですが…
エステル:
誰かと話しました?
マリアンヌ:
美見さんと少し…海水浴誘われたんですが…無理ですよそんなの…ということでそれくらい?
エステル:
…ようは外にも出るのは失敗して話したのは美見さんの誘いを無碍に断っただけと
マリアンヌ:
ぐっぬぅっ…はい。 あの! ご主人様? 夕食食べました?
エステル:
食べてませんが。
マリアンヌ:
だったらデリバリでも?
エステル:
ファミレス行きますわよ。良いですわね?
マリアンヌ:
えぇ…ファミレスならデリバリでいいじゃないですか…お外怖い。
エステル:
その怖いというのを治す為にも少しでも外へ出るのです!
マリアンヌ:
ご主人様が手をつないでくれるなら。
エステル:
はい、行きますわよ♪
マリアンヌ:
はい。
エステル:
マリアンとデートですわ♪
マリアンヌ:
お付とかつけなくて良いですか?
エステル:
お付きのメイドはいるではありませんか? マリアンが♪
マリアンヌ:
私じゃ護衛にもならないでしょう
エステル:
わたくしがマリアンの護衛ですから♪
マリアンヌ:
ジャンヌさんがいないと本当にご主人様はフリーダムなんですから…護衛無しで敷地外へは出ないで下さいってジャンスさんが口すっぱくなるまで注意しているのに。
エステル:
あのファミレスやショピングモールまでは白急篠山ビルの敷地内ですわよ
マリアンヌ:
だから良いというわけではないでしょ
SE:
ぴぽーん♪
リズ:
ピュア・パンプキンへようこそ♪
エステル:
二名でお願いしますわリズ店長♪
リズ:
畏まりましたエステルちゃん♪ そして先ほどオンライン対戦で澪を半泣きになるまでフルボッコにしてたマリアンヌちゃん、デリバリじゃなくて当店へのご来店ありがとうございます♪ お姉ちゃんは嬉しいよ!
マリアンヌ:
ひぃぃ! あっ…リズお姉ちゃんお邪魔…します…しゅん。
リズ:
あのネット弁慶のヒッキーメイドのマリアンヌちゃんが良くここまで来たよね、がんばったね♪
マリアンヌ:
緊張でおもらししそうです…心臓がバクバクいってます…漏れる…
リズ:
ここは飲食店なのでそれは勘弁してね。
マリアンヌ:
さっきの澪お姉ちゃんとの対戦観てたんですか?
リズ:
お客がちょうどはけてて、澪が「うぎゃああ!」とか「マリアンヌちゃんヤメテぇ! 澪のライフはもうゼロよ!」とかAURORAの通信で叫んでたから仲間内で爆笑しながら観てた。 あのトラップはエグすぎ。
マリアンヌ:
ひぃぃ。
エステル:
くすすっ♪ 奥の席よろしいですか?
リズ:
この時間は空いてるので大丈夫です、ご案内しまーす♪
その20 へつづく