えんぱいあな日々(本編) 第五百八十八話 Paradise Lost 前編 その11

 
優萌:
うぅ~…

フレデリカ:
すぅ~♪

フロリー:
無理、眠れない…

フロリー:
いくら二人で優しくエッチしてくれて眠さそうと努力したって、治療ポッドで一時間も強制睡眠させられたのだから寝れるわけないよね。

フロリー:
夜の海に映る光、そして目の前に海があるのにプライベートプールのプールサイドに全裸で腰かけて飲むオレンジジュースは美味しい。
まあお船が通ってもこの温水プールのガラスは偏向ガラスだから外から見えないし!

ライトアップされたプールと海の夜景の組み合わせが素晴らしいです。 贅沢、セレブ! まあセレブなのはご主人様だけど…。ありがとうございます。

今ごろミレーヌと夜伽してるのかな…まさかお兄ちゃんも入れて4人でとか…あの二人だし、新しく入った星美も入れてヤリかねない。でも初日からはしない…よ…ね…たぶん…メイビー。

フロリー:
月が…綺麗…月は欠け…また満ちる。
そして…いつもそこにある。 大地…Paradise(パラダイス)、楽園、スプロール
この地上と同じように多くの人々が住む場所…しかし…

フロリー:
Alea jacta est.(賽は投げられた)
(スエトニウス「ローマ皇帝伝―カエサル」)

「おお運命の女神よ」
(カルミナ・ブラーナ)

O Fortuna,
(おお運命の女神よ)
velut Luna 
(まるで月のように)
statu variabilis,
(移り行くその姿)

semper crescis 
(お前は常に満ちては)
aut decrescis
(欠けてゆく)
vita detestabilis
(忌々しいこの人の生は)
nunc obdurat 
(ある時は重荷であり)
et tunc curat
(ある時は憩いである)
ludo mentis aciem
(精神の目をもてあそび)
egestatem, potestatem,
(闘争も貧困も権力をも)
dissolvit ut glaciem.
(氷のごとくと溶かし去る)

Sors immanis
(過酷なる運命よ)
et inanis,
(お前は虚ろで)
rota tu volubilis,
(回転する車輪)

status malus, 
(邪悪なるその姿)
vana salus
(空虚なる救い)
semper dissolubilis
(その糸はいつでも解ける)

obumbrata
(姿は陰の下に)
et velata
(覆い隠されて)
mihi quoque niteris
(お前は私の上にも圧し掛かる)

nunc per ludum 
(さあ今は戯れに)
dorsum nudum
(この赤裸々な重荷に)
fero tui sceleris.
(私は耐えよう、お前の悪行に)

Sors salutis 
(救いの運命よ)
et virtutis
(美徳の運命よ)
mihi nunc contraria
(お前たちは今はどちらも私に敵対する)

est affectus 
(心を高ぶらすも)
et defectus
(失望させるも)
semper in angaria.
(常に女神の意のまま)

hac in hora 
(さあ今この時に)
sine mora
(遅れることなく)
cordae pulsum tangite!
(今こそ命の弦をかき鳴らせ!)

quod per sortem
(女神は運命によって)
sternit fortem,
(強き者をも打ち倒すのだから)
mecum omnes plangite!
(私と共に、君達も皆、嘆き悲しめ!)

優萌:
あの…フロリー…

フロリー:
!? あっ…

優萌:
深夜のプールで全裸で何やってるのかな?

フレデリカ:
年頃的に中二病真っただ中なのは解るんだけど…さすがに安眠妨害だし…

フロリー:
ス…スイマセン…

優萌:
明日実家にみんな呼ばれてるからね、そろそろ寝よう?

フロリー:
そうだね…ごめん。


その12 へつづく