えんぱいあな日々(本編) 第五百九十話 Paradise Lost 後編 その10
梨音:
この都市には重大な問題が二つある
ヴァルマ:
二つ!梨音さん具体的にお願いします
梨音:
インフラ、導線、デザイン、都市機能、全てにおいて完璧だ修正を意見しようとしても、文句のつけようが無い!これが問題の一つだ!
もう一つはここに来たらアテナイの市民は永久居住してしまい戻らなくなってしまうだろう。 現にこの梨音がもうアテナイに帰りたくなくなっている! すばらしい。
ルゥナ:
すごいよヴァルマくん!(ぐりぐりと頭を抱きしめている)
ヴァルマ:
!! ありがとうございます! 次は実際に街をご案内します。
ヴァルマ:
城壁により7つの区画がわけられていて、さらにその中は9つに分けられいます。
その一つの区画には公衆浴場、衛兵詰所、治療や行政監督を行う事務所出張所、住民集会所がもうけられます。
この小さい63区画中心にこのパンテオン神殿を中心とした行政区画を足し64区画でこの
このメガロポリスは構成されています。
ここはパンテオン神殿執務ホールからみえる中央広場であります。
次はこの広場から繋がる…
ヴァルマ:
こちらは市民議会の会場兼円形劇場になります。議会の開催は昼間なので
夜はここで演劇や演奏会、詩の朗読会などを市民への娯楽として提供できます。
あと政治に興味が無い市民でも演劇などであれば通う事になりますし同じ場所で
市民議会が行われているとなれば自然に執政に興味を持ってくれるかと思いまして。
すみれ:
たしかに今のオリュンポスの市民は一部の人以外は神殿に任せきりだしね。
娯楽を餌に自然に場所にかよってもらえば関心も持ってもらえるか
梨々衣:
今回の危機では商工会と漁師会が中心になり取りまとめてくれましたがそれを平時から今度は区画議員を選出して議会を行うわけですね
梨音:
区画ごとの対立にならないように気を付けて執政しないとだね。この仕組みは地上での移住でもシステム化した部分だけど、それをもっと簡素化して解りやすくした感じか
ヴァルマ:
すみれ様、梨々衣さん、梨音さんの行政システムを参考にさせていただきました。
梨々衣:
嬉しいですわ
ルゥナ:
もう遷都するってどう?
梨音:
遷都、ここにオリュンポス連合の首都を移すってこと?
梨々衣:
遷都ですか?
ルゥナ:
だってこんなに立派な都市をヴァルマくんが作ってくれて
リソースの導線復旧工事の間の避難だけじゃ勿体ないよ。
避難でなくて移住なら引越し一回ですむし。
さっき梨音ちゃんだって「帰りたくない」って言ってたじゃない?
梨音:
そうだけど‥ここはあくまで、アルカディアGRIDの電脳意識体を
生産したときの場所ですし。 一時的に貸してもらうならいいけど‥‥
すみれ:
その案良いじゃないかな。 アテナイや現オリュンポスのGRIDは大規模な整備を時間をかけて行えるし、失われた黄金の楽園もここからの木の植樹により回復を待てる時間を稼げる。
ここへオリュンポス市民を収容するには電脳意識体はアヴァロンGRIDへ接続する必要がある、そうなった意識体は許可が出ている管理GRIDなら移動が可能になる。
理想的にはスプロール全体の意識体を一回アヴァロンGRIDに接続させスプロールの管理GRID全体を行き来きできるようにして、このメガロポリスはスプロール内の中央都市にする事を目指すとかどうかな?
地上の入植地と同じようにスプロール全体を一つの国にしていくとうのは必要だと思うし
梨々衣:
一つの国そうですね、地上ではそうなるのですから。
梨音:
おい、そこの三人、そんな事を勝手に決められていいの?
三人の都市だよ?
優萌:
優萌全然わからないし、ご主人様に丸投げできるなら理想です!
星美:
お姉ちゃんを頼る!
ヴァルマ:
スプロール全体を一つに国に…スケール大きすぎてついていけてません
梨音:
まあいっか…。
すみれ:
さてすみれは明日のオリュンポスGRID住民の避難用GATE設置に行ってくる
から会議はこれで。みんなも明日は住民受け入れです。 その為に鋭気を養しなってね
レスフィーナ:
ヴァルマがこの神殿にもローマ風の大浴場を作ってくれました良かったらご利用下さい
ヴァルマ:
がんばりました!
梨々衣:
嬉しいですわ! 大きなお風呂ですか、久々に入りたいです♪
その11 へつづく