えんぱいあな日々(本編) 第五百八十九話 Paradise Lost 中編 その14


梨音:
ヤバっ!アイギスの盾じゃ無かったらヤラれたぁ!

くま太:
おいすみれ、何て言う無様な姿だ

すみれ:
いやそのですね、この装備すみれとVIOLETだけじゃピーキーすぎて制御無理。

VIOLET:
そもそも、マスターがそのような設計にしておりませんので

くま太:
お前の砲撃も全くアレのエネルギー障壁に阻まれて無効化されておったしな!
データは取れた合流するぞ。

すみれ:
はい了解です!

スザンヌ:
フロリーとはこの世界でもトモダチだと思っていたのど。こんな時に呼んでくれないとか
スーとっても悲しい。スーがトモダチだと勘違いしてたダケなんだね。

フロリー:
いやそうじゃななくて! ほら夜というかもう朝方だし! 何でいるの?

スザンヌ:
まあリナはフロリーと違ってスーのトモダチだから呼んでくれた…ふっ!

フロリー:
いやスーもトモダチだから!この世界でも地上でも大親友ダカラ!

スザンヌ:
無理しなくて良い…悲しいケド…

フロリー:
スーー!

アリエル:
データが取れてもそれを解析する人が居なければどうする御つもりだったのでしょうか?

梨々衣:
アリエル姐さん!

にゃん太:
アナンケーの回収はワシかペルセポネー殿しか出来ないぞ。

クロートー:
エアリエル様、バックス様

花恋:
人にクラブオーナーの仕事をやらしておいて、自分達だけでこんな楽しい事を花恋達にお誘いもなくやろうとか、すみれも梨音も梨々衣も下僕含めて良い根性してるよな。 なあルゥナEHDEN店長代行

ルゥナ:
そうですね~花恋カリブルヌスオーナー代行

フロリー:
花恋先輩、ルゥナ先輩…あぁ…下僕!? フロリーは使い魔ですから、クロトは専属メイドなんで…下僕ではないです。

アリエル:
教育的指導が必要だと思いますわ♪

スザンヌ:
スーもそう思う!

梨音:
みんな遅れてゴメン、このデバイス梨音だけじゃ上手く動かせなくて!

すみれ:
みんな、来てくれてありがとう。アリエルお姉ちゃんVIOLETと梨音のリナから送ったデータの分析は?

アリエル:
今やっておりますが‥‥コレは‥‥

ゴゴゴゴゴゴッ‥‥

スザンヌ:
ちゃんとみると大きいね…

フロリー:
最初より大きくなっている? 形も変わってるし、あんな羽なんてついてなかった…

アリエル:
あの足に見えるのは「根」でしてこの聖域の果樹園全体から生命を吸っていて巨大化しています。

フロリー:
だから周り木がどんどん枯れて砂になってる? それが広がっている? 浸食領域?

アリエル:
そうです。ほっとけば聖域だけではなくこのヘスペリデスの園全体を取り込み、そして最後にはオリュンポスGRID全体を飲み込みます。 いま近々の未来予測での値を演算中ですわ

スザンヌ:
オリュンポスの世界全体の電脳意識生命や電子生命が砂になる?

フロリー:
どうにかしないと‥‥この世界が終わる…ここの世界の人がみんな死んじゃう…

アリエル:
この聖域はもうあの根の地下部からすべて浸食されてます。現在聖域の結界でどうにか止まってる状態で、でもそれも長くは…だとしてもこの程度で浸食が押さえれているわけは無いのですが…どこかに演算に入ってない要素が…

星美:
また夢を見ていた…途中までは同じように戦場で戦って沢山殺して、沢山仲間が死んで行く。私も死ぬだけだったはず。

でも途中からは「いつも」と違った…。

夢の中で目覚めたら優しいお兄ちゃんがいて…もうキミは戦わなくて良いんだって。 メイドさんっていうお手伝いになるんだって言われて。番号じゃなくて、星美っていう名前をお兄ちゃんが私につけてくれた。 お兄ちゃんが色々教えてくれて、優しい人達がいる所に連れてってくれて見よう見まねで色々やって。メイドさんってのになれた。

時々お兄ちゃんが見に来てくれて…いつのまにか人を好きになった事に気づいた。 初めて優しいって事を知った。 暖かさを知った。

星美:
お兄ちゃんのクラブに行った。 そしたら優しいお姉ちゃん達ができた。カッコイイお姉ちゃんがいた。そのお姉ちゃんも好きなった。 こんなヒトになりたいって思った。 そして初めてのトモダチができた。

その好きになったお姉ちゃんの私と同じようにメイドさんで一緒に遊んだ。そして一緒に愛してもらった。

私は幸せってのを知った。

星美:
でもそれはやっぱりただの夢だった。 また私は戦って苦しんで死ぬだけの夢にもどる。 誰かこの悪夢を「悲しみの連環」を終わらせて…

星美:
もう眠りたくない、もう死なせて‥誰か…星美を…助けてぇ!


その15へつづく