えんぱいあな日々(本編) 第五百九十話 Paradise Lost 後編 その2
星美:
猫しゃんのぬいぐるみ? 翼? 天使の輪? 金色の羽が舞ってる…
ケルブ:
אֲדֹנָי=アドナイ(我が主の意味)、お目覚め祝福いたします。
我が名はכְּרוּב=ケルブ、主様(あるじさま)の僕(しもべ)で御座います。
くま太・にゃ太:
お~はれるやぁはれるやぁ!もういっちょ!はれるやぁ!
星美:
……
向日葵:
それは言葉失うよね‥うん解る。
ルシフェル:
汝が御国の上に峻厳と荘厳とを永遠に、斯く在れかし!
星美:
貴女は?
ルシフェル:
我が名はルシフェル・アプロディーテー・スカリジェ。汝の充実なる僕でございます!
地上での軍はもう準備万端そろっております。しかし天上はこの陳腐な地方を支配して全土侵攻への足掛かりにしてはどうかと。ご命令とあらば、すぐに汝に相応しい嘆きと慚愧絶えぬ地に…
星美:
ひぃ! あの私は今度は転生したら、魔王か何かになった?
ルシフェル:
何を言っておられます、魔王は私でございます、その魔王を足元に従えるのが汝でございましょう!
星美:
っひいぃぃい! もう一回死んで転生を!
梨音:
おいサタンいい加減にしろ…星美がドンビキしているだろうが!
あと何だその陳腐な地域とは!オンドレもその地方電脳女神だろうが!
この反逆女神、反逆天使め! 戦争じゃボケっ!
星美:
サタン! 悪魔の大王‥‥やっぱり星美は邪神かなんかに転生!
梨々衣:
はぁ…(溜息)。星美さん無理だと思いますが落ち着いて下さいませ。
すみれ:
るー姐さんもケルブもやっとご主人様がご光臨されて歓喜で興奮しているのはわかるのですが…
ルシフェル:
すみれは良いよね~ご主人様になる前にメイドとしてあの冥王櫻糀博士と良二くんに、さらには凛空ちゃんにも仕えられたものね~。剛史お兄ちゃんだって実際ご主人様のようなものじゃない。このアタシなんかメイドなのに一回もご主人さまに仕えられなかったんだよ…どんな気持ちだかなんか理解(わか)ら無いよね~
良二:
くす(苦笑)
アリエル:
あ~やっぱり気になさってたんですね。メイドとして寂しかったと…
ルシフェル:
うっさい、三下ポンコツ堕天使メイドは黙っとれぇ!
星美:
すみれお姉ちゃん…ドレス綺麗、ティアラ? 冠? 綺麗…
すみれ:
星美、気分はどう気持ち悪いとか痛いとか無い?
星美:
うん大丈夫です。 あの…声が聞こえて歌が響いて、お姉ちゃん達が…すごい攻撃して星美を助けてくれたのとか、お兄ちゃんやミレーヌや凛空様がいるのは…
すみれ:
全部夢じゃないよ。全部現実だよ。ここは電脳空間。サイバースペース。地球の周りに浮いている沢山の人工衛星が創り出したネットワークの中の世界。電子の現実。そしてミレーヌとお兄ちゃんとプールにはいったのは地上の現実で両方とも星美の現実だよ
星美:
サイバースペース電子の現実…。星の世界…
あぁ‥‥あの…あの…すみれお姉ちゃん星美を助けてくれてありがとうございます。あと声をかけて歌ってくれたり‥してくれた
向日葵:
私ですね、改めてエンパイアクラブEHDENの副メイド長の向日葵です。
アリル:
わたくしがそこのクラブのメイド長のアリエルですわ♪
星美:
あの声のメイドさんだ! あのアリエルメイド長さんは湖にして凍たせたお兄ちゃんとみた映画の中の精霊の女王さんみたいな…あぁ‥‥本当にいる!
向日葵:
エンパイアクラブの世界へようこそ、星美さん。
星美:
はい……よろしくお願いします…
くま太:
星美、これでも飲め、ネクタール(注)という飲物だ。落ち着いて元気が出る飲物だぞ。 味は…
すみれ:
ピーチネクターと似ている甘い味だから大丈夫だよ
星美:
頂きます。 くまさんのぬいぐるみが話してる!
すみれ:
AURORA経由で話ていると思えば良い。物質世界、地上でも恰好このままだから。
星美:
はあぁ‥‥
くま太:
くま太という。すみれの戦友で腐れ縁の友だ。 よろしくな
星美:
くま太さん。戦友ですか‥よろしくお願いします。
注:ネクタール
ギリシア神話に登場する神の飲み物 nektar:nek(死)+tar(打ち勝つ効能) の意味。
神の不死性を維持する為の飲み物としていたり、軟膏して塗ることで不死を得るなど色々な場面で登場する。
えんぱいあな日々の中では楽園に流れる小河の水に生命の樹になる実から作られている果汁に神の花園の花の蜜を入れて作られている清涼飲料水という設定とします。
星美:
あっ美味しいです!
くま太:
気にいったのなら良かった。
まさかネクタールは市民には出せぬからな。我々にとってはエネルギーの足しになるが市民にとっては猛毒になる。よって備蓄からもらっても問題なかろう
すみれ:
そうだね‥。
良二:
すみれ、融合の最終段階なんでそろそろボクだけじゃ無理なので手伝って
星美:
良二お兄ちゃん!
アリエル:
良二、お兄ちゃん。 ほうほうですのぉ~…
すみれ:
良二元ご主人様、なぜ星美を知ってるんですか?
ふわ:
すみれ様、マスターの事をまずはお願いします。
すみれ:
ふわ解った。優萌の処置が終わるまでは聞かない事にします。。
良二:
うん‥
星美:
!! すみれお姉ちゃんのお付のメイドの優萌さん!?
どうしたんですか?
梨々衣:
それについてはわたくしが説明しますわ。
星美:
あなたは?
梨音:
この子は橋本梨々衣、そして私は篠山梨音。 剛史お兄ちゃんから説明は受けている?
星美:
貴女様達がラストオーダーとファーストオーダー…
梨々衣:
受けてるみたいですわね。
ルシフェル:
優萌ちゃんが見える所ならテーブルへ移動しても良いですか我が主(あるじ)
星美:
はいっ…今の状態の説明を‥‥お願いいたします。
アリエル:
コーヒーくらいなら出しても良いですかね? リソース的に
梨音:
それくらいなら問題ないかと。
その3 へつづく