えんぱいあな日々(本編) 第五百九十話 Paradise Lost 後編 その4
星美:
イザベラ・スカリジェの電脳意識体が私で、戸籍上は生きているのですか? えぇ…
ケルブ:
設定はこれで全部終わりだ
すみれ:
チェクリストALLOKです
良二:
最終意識融合準備完了。開始する。
ふわ:
マスター‥‥
星美:
あの優萌さんがメアリー・バートンの電脳意識体で、星美の妹?
星美:
二人はバイオメイドの研究者で梨々衣様の御爺様の共同研究者でアルカディアケミカルというグループのオーナー? それで、梨々衣様の御爺様に殺される前に意識転送で自分の開発していた橋本シスターズに交じって逃げた?
梨音:
その理解であってる
梨々衣:
死んだものは殺せませんが、オーナー変更権限を持つロックはゴーストキーでそれがなければその会社の特許や株式などは奪えませんし。 オーナーが居なくても企業は動きます
星美:
もしかして私の最初の記憶が覚えてるのに殆ど真っ黒なのは…
梨々衣:
転生最中に邪魔にならないようにロックがかかっている。優萌も同じだと思いますわよ
星美:
ちょっと混乱してきました。
梨音:
それはそうでしょ。あと梨々衣は自分が庇護しなければならない部下以外から「様」って言われるの嫌いだから私と同じで「さん」で
星美:
そうですね! 梨々衣さんメイドでは私はないから、失礼いたしました。梨々衣さんって呼びますね。 お願いします。
梨々衣:
ありがとうございますわ。
星美:
それで…わたしはメイドなのに、なぜルシフェルさんとかケルブさんは私の事を「我が主」と呼ぶんですか?
梨音:
それは梨音や梨々衣やすみれお姉ちゃんとかと同じで、アルイティメイドだろうがスプラメイドだろうが「メイド」だけどご主人様でしょ?
星美:
あっ…メイドでご主人様…もしかして
ルシフェル:
我が主は、ご主人様は貴女様です。星美・イザベラ・アナンケー・スカリジェ様
理由はわかっておりますよね?
星美:
名前が長い…でも星美は残るんですね…。そのアルカディア・バイオアケミカル・グループの筆頭オーナーだから
あれ? なんで…
星美:
あぁ‥‥何これ…プロジェクトフォルトゥーナ‥‥‥‥
あれ? えっ? お兄ちゃん、すみれお姉ちゃん、助けて
あう‥‥収まった。
すいません取り乱して、どどっと色々頭の中に映像が浮かんで冷や汗が‥‥怖かった…
ルシフェル:
大丈夫ですか我が主。
星美:
ルシフェルだいじょうぶだよ。 あれ?
梨々衣:
融合しましたね
梨音:
意外とショック少ないね。 大体良二お兄ちゃんの予想通りか
梨々衣:
星美さん、大変失礼な質問ですが答えて下さいね。わたくしとわたくしの隣の方の名前は?
星美:
はい、橋本梨々衣さんと篠山梨音さんです。 …はい
梨音:
星美は星美でいいの? イザベラちゃんの方が良い?
星美:
いえ、星美はお兄ちゃんから名前をもらったので星美が良いです。本名が星美・イザベラ・アナンケー・スカリジェ…長いですけどそれで。 色々思い出しました。 でも今までの記憶に比べれば大したことないので、けっこう7回目なので慣れてますし。前の人生思い出すの…それに「橋本星美」の記憶やココロが無くなるわけでは無いので…私は私のままですから‥‥
梨々衣:
そうですか‥‥慣れてると…
梨音:
慣れるべきものじゃないのだろうけど、慣れないとここまでこれなかっただろうね
星美:
…そうですね…でもこんな沢山の人の前で起きたのは初めてです。 でも私の事を怖がらなくて嬉しいです。
全部受け入れてくれて
梨々衣:
もともとの原因はわたくしの祖父と
梨音:
梨音のお父さんが起こした事だから…
星美:
そんな事は無いと思います。私自身やあの人も目指してものは違うし
梨々衣:
あの人? というのはわたくしの祖父とか研究仲間の妹のメアリーさん?
星美:
違います。
梨音:
ねえ、そのあの人ってのがプロジェクトフォーチューンを「管理している人」だよね?
星美:
あれ?誰の事を私指して言ったのかな…?
梨音:
(まだ意識内に介入プロテクトもしくはブラックボックがあるってこと?)
フランソア?:
わたくしには介入するなとおしゃっておりましたのに、ご自分は事象に介入なさるのですねミストレス。
瑠莉?:
貴女に言われたくは無いです。マドマーゼル!
フランソア?:
フランソア一世もフランソア二世もまして、フランソア・デルポールも、わたくしと別の存在ですから。
瑠莉?:
私が言ってるのはアストライアーが直接事象に干渉したことです。
フランソア?:
あれはイーリスとの契約を履行したまでです。 それにアストライアーでさえわたくしの別の一面でしかないですわ。
瑠莉?:
とにかく今、星美にわたしらの存在を思い出されるのは不都合だ。
フランソア?:
あのlion(ライオン)はこのTrick(仕掛け)に気づきつつありますわよ
瑠莉?:
その時は彼女の好きにすれば良い。
フランソア?:
ここまで事体を推移させたご自分の存在に責任は持ちませんの?
瑠莉?:
そこまで面倒みきれるか‥‥
フランソア?:
そんな事だから彼女達に捨てられるのですわ。
瑠莉?:
オマエという存在にダケはそれを言われたくない! この「光の皇女」
フランソア?:
惨めですわね、くす♪
瑠莉:
ふぅ‥‥!
その5 へつづく