えんぱいあな日々(本編) 第五百八十九話 Paradise Lost 中編 その5

 
エリーザ:
私がメイドとして採用されなかった時は…

梨音:
天空大邪神ウーラノスの生贄としてアプロディーテーはその場で塵灰と化す!

エリーザ・ノーラ:
!!

ルシフェル:
ちょっと! 梨音ちゃんが店長なんだからそれじゃアタシ処刑決定じゃない?

梨音:
黙れサタン! 梨音とアリエルお姉ちゃんだけでクラブへの採用不採用が決められるならとっくにすみれお姉ちゃんに魂を刈り取ってもらってる!クロトだってオーナー全員とメイド長の許可してもらってたし。

アリエル:
お忘れですか? うちのエンパイアクラブEHDENは共同オーナー制です。 ルゥナさん、花恋さん、梨々衣さんもオーナーですわ。

エリーザ:
あのそもそもエンパイアクラブというものは何なんですか?

梨音:
紳士淑女が集う会員制超高級ラグジュアリーサロン。会員のお客様にダンスや会話、食事、そして夜伽など様々な癒しを提供する場所。会員同士の交流やビジネスなどの仲介も行うというよりそこがメイン。 紳士淑女の社交場それがエンパイアクラブ。

エリーザ:
夜伽、私が所属するレスポスのアフロディーテ神殿の神聖娼婦の神殿売春みたいなものですか? 神殿の信者の寄進の替わりに癒しと一夜の性の快楽を与えるみたいな? あと踊りとか歌とかで楽しんでいただいたり、食事とかをお給仕したり。 わたしもレスポスの巫女なので…ある程度は経験もありますし、神殿で性技も学んでおりますし、失礼の無いくらいな事は出来るとは思います。性の快楽と癒しを与えるのがレスポスのアプロディーテーの巫女の務めなので。

ノーラ:
神聖娼婦‥そうかエリーザはレスポスの巫女なんだ。だからアフロディーテ様の情婦に…あぁ…

エリーザ:
はい、私を気にいって下さったので‥‥。私も崇拝しておりますし。今は私がお付の情婦をさせていただいてます。

花恋:
おおぉ~郁恵とか愛里栖とかと同じプロのエスコートメイドのオーラをエリーザからは感じる! あのさエリーザ、男女両方相手にできるの?

ルゥナ:
夜伽はわかったけど、踊りとかも言ってたけど、踊りとか歌とか楽器とか給仕とか得意のはある? 

アリエル:
ほうそういう事ですか姉さんはこちらの世界のクラブで「お客様」として散々遊んでいたと

梨々衣:
今の「なじみ」がエリーザさんと。他にも遊ぶ子はいるってとですね。後で詳しく聞きましょう。

ルシフェル:
あの!あくまで私のレスポスでのクラブ、私の神殿でして私がオーナーですから! あの!

梨々衣:
そんなの関係ないのですよ「お姉さま」

ルシフェル:
ひぎぃ!

エリーザ:
まず、レスポスの愛と美と性を司るアフロディーテ神殿の巫女なので、当然、男性も女性も分け隔てなくお相手いたしますし、アフロディーテ様付きの情巫女になる前は私をお目当てに通ってくれた男の方も多かったです。
特に戦士の方とかとても大変な職業でしたので告白されたことも多かったですが…私はアフロディーテ様に身を捧げた巫女ですので断った感じで…。
それとレスポスの巫女なので、歌・踊り・楽器は出来ます。詩もかけます。踊りは神に捧げるものから情欲を誘うものまで踊れます。

ルゥナ:
おおすごい!

花恋:
すごい掘りだしものメイド!

梨音:
ノーラのメイド能力の高さは今回梨音達の作った資料を修正してくれたり普段の身の回りの世話をしてくれたりしていることで毎日、梨音達はみているので照明済。神官試験は必ず受かると思うよ。店でも仕事は同じで身の回りの世話や事務処理を行う部署だから同じだから。

ノーラ:
ありがとうございます!見て下さってたなんて感激です! 地味な仕事なので…

アリエル:
地味ではありませんわ。そのような仕事が皆さまを支えている大事な部分なのですわよ。

ノーラー:
はいエアリアルさま! そうですねスイマセンでした!

梨音:
エリーゼはもう巫女とはいえ神官だし、その辺は心配していない。 店長の梨音としては二人とも採用にしたいんだけどメイド長、ルゥナお姉ちゃん、花恋お姉ちゃん、梨々衣どうかな?

アリエル:
良いと思いますよ

ルゥナ:
がんばってね二人とも!

花恋:
めっちゃ期待してる!

梨々衣:
ノーラさんが神官試験に受かって大使館職員の資格を得てからの配属になりますがクラブへの採用は決定ですわ。二人とも、これからはエンパイアクラブEHDENの仲間ですわね。よろしくお願いしますわ

エリーザ・ノーラ:
ありがとうございます!がんばります!

梨々衣:
それで、エリーザさん。お姉さまがエリーザさんの前に付き合っていた巫女の数は? いかほどに?

エリーザ:
そうですね、私が知ってるだけで20人くらいですが‥‥でも今は私だけです。

ルゥナ:
20人…

アリエル:
ちょっと、イヤかなり多いですわね…

梨音:
ほう…

ルシフェル:
ほら神殿のオーナーだからねっ? わかるよね?

花恋:
その言葉、るー姐の妹のエリシアに言ったら花恋は命無いけど、花恋もオーナーだけど!

ノーラ:
新しい世界でメイドさんとして一緒にがんばろう。新しい世界で良い人できるよエリーザ

エリーザ:
うん…だよね。一緒にがんばろう

ルシフェル:
エリーザ!

梨々衣:
お姉さま。三つお願いがあります。

ルシフェル:
梨々衣様、なんでございましょうか?

梨々衣:
一にわたくしと別れぬ事。二にわたくしとノーラの仲を認める事。三にエリーザは認めますので他の女は清算し今後は造る時はわたくしに話すこと。 ご自分の名で誓約してください。

ルシフェル:
はい! わたくし電脳女神ルシフェル・アプロディーテー・スカリジェは生涯、梨々衣・ヘーラー・橋本様と共に歩み、梨々衣様とノーラの仲を祝福し認め、今後はエリーザを専属メイドとし他の者と契り結ぶ場合は梨々衣様の許可を求める事を誓約いたします!

梨音:
その誓約が破れし時、戦乙女の槍がその身を突き刺し!

花恋:
貞操の女神アルテミスの矢が不貞の者の心臓を突き!

すみれ:
宙天の女神がその身体と魂を虚無に返す!

レスフィーナ:
誓約が護られる限り御身に平和あらん事を!

しゅわーー!(イリーシャが現れる)

ルシフェル:
イーリス!リリエル!

イリーシャ:
さあワザワザ汲みに行かされた産地直送のステュクスの水()で御座います! お飲み下さい!

リリエル:
にゃおん!

ルシフェル:
くぅ! 幸が命令したの?

幸:
すいません梨々衣さんとリリエルさんからイリーシャさんに頼むように言われて。権限が幸にあるって…

イリーシャ:
幸が命じればステュクスまでは私は一瞬で行き来きできますので!


注:ステュクスの水
ステュクスとは、ギリシア神話において地下を流れているとされる大河。
オーケアノスの流れの十分の一を割り当てられている支流で、地下の冥界を七重に取り巻いて流れ、生者の領域と死者の領域とを峻別しているという。ステュクスの支流には火の川プレゲトーン、忘却の川レーテー、悲嘆の川コーキュートス、アケローン川がある。

女神としてのステュクスは、オーケアノスとテーテュースの娘でオーケアニデスの長姉である。また、クレイオスの息子パラスの妻で、彼との間にニーケー、クラトス、ゼーロス、ビアーをもうけている。

ティーターンの血族だが、ティーターノマキアーの際には、父神オーケアノスの勧めにより 子供達と共にいち早くゼウス側に寝返った。その功績により、彼女はゼウスから「神々を罰する」という特別な権限を与えられた。オリュンポス山の神々は、誓言をする際にイーリスステュクスの水を汲みに行かせる。神々はこれを飲んで誓言をするが、もしこの誓言に背けば、その者は 1 年間仮死状態に陥る。さらにその後 9 年間オリュンポス山を追放され、10 年目にやっと罪を許されるという。

このように、ステュクスの水には神々さえも支配する特別な力が宿っており、猛毒であるという説や、逆に不死をもたらす神水であるという説が唱えられている。アキレウスも、母の手によってこの水に浸されて不死の体を手に入れたが、母に掴まれていた踵の部分は浸されず脆弱なままだったという。

ルシフェル:
飲んでやるわよ! 貸しなさいイリーシャ! 

イリーシャ:
さすが我らが悪魔の王! 良い飲みっぷりです! これにて神の誓約は成立いたしました!

梨々衣:
ἐγγύα πάρα δ᾽ ἄτη誓約と破滅は紙一重
精々ご自分の為に守って下さいませね♪

リリエル:
にゃおん♪

ルシフェル:
この恐怖の大魔王め!

クロエ:
あのディオーネ様、このあとお時間とかあります?

幸:
うん、今日は総会の会議待ちだから時間あるわよ。

クロエ:
そうですか、少しお散歩とか行きませんか? ヘーラー様のヘスペリデスの園へのポータルできたし、鍵いただけたんです。ディオーネ様とのお散歩にどうぞと言われて。

幸:
そうね行ってみたい、ポータルなら直ぐ行って帰ってこれるし行こうかお散歩。

クロエ:
行きましょう。


その6 へつづく