えんぱいあな日々(本編) 第五百九十ニ話 This game 後編 その2

 
カシンッっ!

アトロポス:
イシュタルなんで…

アストライアー:
イシュタルは戦を司るモジュールの位相ラインを浸食されアレース()に乗っ取られているわ!

アトロポス:
コアGRIDまで離反の電脳神の手が? これが今の混乱の根源? 

アストライアー:
もし、わたくしと「神々のゲーム」をするならイシュタルを解放するのに手を貸しても良いですわよ!

アトロポス:
それでゲームって? 何を掛けるのですか?


注:アレース(ΑΡΗΣ、Arēs、Ἄρης, Ārēs)
ギリシア神話に登場する神で、戦を司る]。
ゼウスとヘーラーの息子。オリュンポス十二神の一柱。
アイオリス方言ではアレウスもしくはアーレウス(Ἄρευς、Areus)とも。
ローマ神話のマールスと同一視され、火星とも結びつけられた。

聖獣はオオカミ、イノシシで聖鳥は啄木鳥、雄鶏。聖樹はトネリコ。

本来は戦闘時の狂乱を神格化したもので、恩恵をもたらす神というより荒ぶる神として畏怖された。
戦争における栄誉や計略を表すアテーナーに対して、戦場での狂乱と破壊の側面を表す。

アストライアー:
そのコズミックバランス(宇宙の手=法則の根源的な存在=天秤)を御覧なさい

アトロポス:
天と地のバランスが‥

アストライアー:
我臣下イーリスの侍女(まかだち)()となり、仲間と共に天から地上へ介入し現在の混沌を改善しバランス=秩序を回復したなら、我が臣下イーリスの懇願の地を滅ぼさぬ。そして己の使命の天も滅ぼさぬ。しかし改善できぬなら、両方の重しを一度取り払い我は秩序を回復する。

アトロポス:
重しを取る…天も地も滅ぼす‥‥


注:侍女
貴人につき従う女性。腰元

アストライアー:
イーリスは地のヒトを滅ぼす判断を。己は天のヒトを滅ぼす判断を本来担う使命を持って創られた存在、同じ人の命をその魂で切る務めを帯びる者同士、二人で挑んでみてはどうか? 勝てば両方の願いは叶い、負ければ両方の願いは虚無に帰る! 我が臣下の「マカダチ」になってはもらえんか? 代わりにこの…

アトロポス:
‥‥‥‥‥‥

アストライアー:
イシュタルをアレースより解放し、コアGRIDへの浸食をゲームの終了まで我が伏せぐ。タイムリミットは片方の天秤が底を打つまで!

さあ現在の天と地全てのヒトの「生命」と「未来」かけての勝負=ゲーム、運命の女神よ「伸るか反るか」。受ぬか? それとも受けるか?

アトロポス:
‥‥‥‥‥‥!!!

アトロポス:
このゲーム受けて立ちます! 運命の三女神の末娘、アトロポス・エレシュキガル ・モルタの名と魂において!
我は虹の女神、イーリス・イリーシャ・アウロラの侍女となり天と地の均衡を取り戻す勝負に挑みます!

シャキン! 
紫色のクリスタルが組みあがる。

アトロポス:
誓約!

アストライアー:
あい解った! その誓約において手を貸そう!

バンっ!
剣を振り上げて吹き飛ばしている。

アストライアー:
イーリス!今ですよ!

イリーシャ:
AURORAバインド! 

ニケ! 我が主(あるじ)!

アストライアー:
アポローン衛星群への緊急電力送信と起動確認完了! ニケ!

ニケ:
はい! アポローン並びにメルクリウス! 召喚!


その3へ続く