えんぱいあな日々(本編) 第五百九十一話 This game 前編 その20

 
アストライアー:
臣下の前でこれでは恰好が付かないわね

アストライアー:
これでいいでしょう。 

イーリス。我を起こしたという事は己に判断を任している正義は決まったのですわね? 
残すのは今の地上の文明?
それとも今の星界の文明?
どちらを滅ぼしてリセットするかしら。

アトロポス:
えっ?

ニケ:
文明を滅ぼす?

イリーシャ:
我が主よ。 滅ぶべきは星界かと我は考えます。

アストライアー:
理由を述べよ我が臣下よ。

イリーシャ:
はい。まず現在の地上の混乱はそもそも一部の電脳神が不正にAURORAを利用し地上へスプロール監視機構の目を盗んで接触、干渉、協力した事が原因です。 
その為に地上の戦力、経済バランスが崩壊、戦乱が激化しております。 
これを支えているのは星界であり星界が無くなれば地上の混乱は収束します。 

ニケ:
星界が無くなったら地上世界100億の人口を支えている食料供給システムはバイオメイドとAURORAで!

イリーシャ:
幸いに! うちの周りはもともと人であったアポリロイドやすでに地上へ降りたバイオメイドが一定数存在している! その地上の人々は残る!

ニケ:
でも! その他の地上の多くの地域では‥‥

イリーシャ:
私が守りたいのはニナお姉さまなんだよ。
ニケだって剛史お兄ちゃんや、すみれ様や、凛空様、何より祥子お姉さまが大事だろ?

ニケ:
イリーシャ! アナタはうちの周りのヒトだけ救えればあとは地上の多くの人々や! 星界の全て市民を滅ぼしても良いわけ?

イリーシャ:
このまま今勃発している星界の戦いが星界全体に広がればその影響は地上全てのメイド達に広がる。そうなれば滅びは星界のみならず星界地上全ての人類が滅びる事になるぞ。

ニケ:
だからって・・・電脳意識体にだって生きる権利はあるわ!

イリーシャ:
地上の天然の人間だってそう。それがその電脳意識体が干渉した事で苦しみ死んでいる!

ニケ:
同じように多くの電脳意識体の同胞達が地上の人達を支えて生かしているわ!

イリーシャ:
私達は人間の為に造られた道具だ! それが人間を守らなくてどうする?

ニケ:
イリーシャ! 私達は道具じゃない! 意識があるの!

イリーシャ:
いや、どんな人間だって所詮だれかの道具さ‥‥使命を果たす為の道具。
ただそれを望んでするか強制されるかの違いでしかない。

私はニナお姉さまに「この世界の全てを敵に回してもニナお姉さまを守る」と誓った。
その道具としての義務を果たす! 

アトロポス:
私達は使命を果たす為の道具…。そうですね・・・。イリーシャ様の言う通りです・・・。

ニケ:
アトロポスちゃん…?


えんぱいあな日々(本編) 第五百九十ニ話 This game 後編へつづく