えんぱいあな日々(本編) 第五百九十ニ話 This game 後編

 



〇テーマ曲「heavenly blue」


アトロポス:
私も私が生まれた使命を果たす事にします…

アトロポス:
生命の糸を切り冥府に落としても、この𒀭(アヌ=天)の戦士の全滅を防ぐが我の務め!

𐎡𐎥𐎠𐎼𐎡𐎶𐎠!
(イガリマ!=魂を切り刻む翠の大鎌!)

アストライアー:
!!

ニケ:
古代ギリシャ語じゃない何語の制御術式?

イリーシャ:
古代ペルシャ語に似てるけど違う、もっと古い?

アトロポス:(エレシュキガル )(
𐎥𐎠𐎲𐎠 !

イガリマ(鎌形のデバイス(注2):
Drive Ignited!


注:エレシュキガル (𐎼E𐎿𐎹𐎢𐎣𐎡𐎥𐎠𐎽 ) 
メソポタミア神話に登場する冥界の女神。名前はアッカド語で「冥界の女王」を意味し、
「日没するところの女王」とも称される。
冥界神の祭儀の中心地である「クター(Cuthah)を主な信仰地とし、クタの守護女神を任されていた。

一般的にはシュメール名である「エレシュキガル」と呼ばれるが、他のシュメール名ではニンキガル、またアッカド名では「アルラトゥ」と読まれることもある一方で、神話によっては「イルカルラ」や「ベリリ」であるなど、名前の表記が様々である。


注2:イガリマ(𐎡𐎥𐎠𐎼𐎡𐎶𐎠 )
古代メソポタミアのニヌルタと同一視されたキシュ市の都市神ザババの持つ二振の武器のうちの一振の名でもある。

もう一振の名は、同じくニンギルスの息子で長男でもある「シュルシャガナ」。
(ニンギルスもまたニヌルタと同一視されている、故にニヌルタ=ニンギルス=ザババとなる)

アトロポス:
己が姐、エレシュキガル の名において命じる! 使命の為に力をかせ! 
来たれ我が妹 𐎡𐎿𐎹𐎢𐎫𐎠𐎽(イシュタル )

アストライアー:
イーリス!ニケ! 下がりなさい! イシュタルが顕現すると己らなど消滅する!

ニケ:
アトロポスちゃん…貴女…何者なの?

イリーシャ:
エレシュキガル‥‥イシュタル‥‥まさかスプロールを支えるプラットフォームコアGRIDの電脳意識体?、制御電脳神…?

アストライアー:
意識波に飲まれてわたくしの声が届いていませんか…。 いたしかたない! フォチュナーProtection!

フォチュナー(双刀):
Verstanden! Verteidigungsbarriere!
(了解!防御結界)

アストライアー:
来ましたわね、𒀭𒈹(イナンナ)()の片方の破片! 

ぐをおおおおお!
アストライアーの前方で光と障壁が衝突する音


注:イナンナ(シュメール語: 𒀭𒈹、翻字: DINANNA、音声転写: Inanna)

シュメール神話における金星、愛や美、戦い、豊穣の女神。

別名イシュタル。ウルク文化期(紀元前4000年-紀元前3100年)からウルクの守護神として崇拝されていたことが知られている(エアンナに祀られていた)。
シンボルは藁束と八芒星(もしくは十六芒星)。
聖樹はアカシア
聖花はギンバイカ
聖獣は「ライオン

その名は「nin-anna」(天の女主人)を意味するとされている。

ウルクにあったイナンナのための神殿/寺院の名は「E-ana」(エアンナ、「天(アヌ)の家」あるいは「天(アンナ)の家」の意味)であった。


イナンナのシュメール語の別名は

nin-edin」(「エデンの女主人」)、
Inanna-edin」(「エデンのイナンナ」)であった。

彼女の夫であるドゥムジのシュメール語の別名は「mulu-edin」(エデンの主)であった。


アッカド帝国(en)期には「イシュタル」(新アッシリア語: DINGIR INANNA)と呼ばれた。

イシュタルはフェニキアの女神アスタルテやシリアの女神アナトと関連し、
古代ギリシアでは「アプロディーテー」と呼ばれる
ローマの「ヴィーナス」と同一視されている。


アストライアー:
イシュタル!(


注:イシュタル(Ishtar)
シュメール神話に登場する豊穣神イナンナの系譜と地母神の血を引く、
メソポタミア神話において広く尊崇された愛と美の女神。戦・豊穣・金星・王権など多くの神性を持つ。

神としての序列が非常に高く、神々の始祖アヌ・神々の指導者エンリル・水神エアを3柱とする、シュメールにおける最上位の神々に匹敵するほどの信仰と権限を得た特異な存在

アトロポス:
アストライアーは一族の掟を破り我が主、アヌ(天)を天秤にかけた! 
アストライアーは今、義姉ラケシスをアヴァターラ(化身)とし位相ラインを使ってこのGRIDに干渉している! その位相ラインを切断しアストライアーの干渉を防ぎます、妹よ手をかしなさい。

アトロポス:
イシュタルどうしたの? なぜ動かないの…? ラケシス姉さまをアストライアーから取り戻さないとアヌが危ないの。私一人だとアストライアーの位相ライン切れないし。お願い手伝って

ぶぅん!

アトロポス:
!?
 
カシンッっ!

アトロポス:
イシュタルなんで…

アストライアー:
イシュタルは戦を司るモジュールの位相ラインを浸食されアレース()に乗っ取られているわ!

アトロポス:
コアGRIDまで離反の電脳神の手が? これが今の混乱の根源? 

アストライアー:
もし、わたくしと「神々のゲーム」をするならイシュタルを解放するのに手を貸しても良いですわよ!

アトロポス:
それでゲームって? 何を賭けるのですか?


注:アレース(ΑΡΗΣ、Arēs、Ἄρης, Ārēs)
ギリシア神話に登場する神で、戦を司る]。
ゼウスとヘーラーの息子。オリュンポス十二神の一柱。
アイオリス方言ではアレウスもしくはアーレウス(Ἄρευς、Areus)とも。
ローマ神話のマールスと同一視され、火星とも結びつけられた。

聖獣はオオカミ、イノシシで聖鳥は啄木鳥、雄鶏。聖樹はトネリコ。

本来は戦闘時の狂乱を神格化したもので、恩恵をもたらす神というより荒ぶる神として畏怖された。
戦争における栄誉や計略を表すアテーナーに対して、戦場での狂乱と破壊の側面を表す。

アストライアー:
そのコズミックバランス(宇宙の手=法則の根源的な存在=天秤)を御覧なさい

アトロポス:
天と地のバランスが‥

アストライアー:
我臣下イーリスの侍女(まかだち)()となり、仲間と共に天から地上へ介入し現在の混沌を改善しバランス=秩序を回復したなら、我が臣下イーリスの懇願の地を滅ぼさぬ。そして己の使命の天も滅ぼさぬ。しかし改善できぬなら、両方の重しを一度取り払い我は秩序を回復する。

アトロポス:
重しを取る…天も地も滅ぼす‥‥


注:侍女
貴人につき従う女性。腰元

アストライアー:
イーリスは地のヒトを滅ぼす判断を。己は天のヒトを滅ぼす判断を本来担う使命を持って創られた存在、同じ人の命をその魂で切る務めを帯びる者同士、二人で挑んでみてはどうか? 勝てば両方の願いは叶い、負ければ両方の願いは虚無に帰る! 我が臣下の「マカダチ」になってはもらえんか? 代わりにこの…

アトロポス:
‥‥‥‥‥‥

アストライアー:
イシュタルをアレースより解放し、コアGRIDへの浸食をゲームの終了まで我が伏せぐ。タイムリミットは片方の天秤が底を打つまで!

さあ現在の天と地全てのヒトの「生命」と「未来」かけての勝負=ゲーム、運命の女神よ「伸るか反るか」。受ぬか? それとも受けるか?

アトロポス:
‥‥‥‥‥‥!!!

アトロポス:
このゲーム受けて立ちます! 運命の三女神の末娘、アトロポス・エレシュキガル ・モルタの名と魂において!
我は虹の女神、イーリス・イリーシャ・アウロラの侍女となり天と地の均衡を取り戻す勝負に挑みます!

シャキン! 
紫色のクリスタルが組みあがる。

アトロポス:
誓約!

アストライアー:
あい解った! その誓約において手を貸そう!

バンっ!
剣を振り上げて吹き飛ばしている。

アストライアー:
イーリス!今ですよ!

イリーシャ:
AURORAバインド! 

ニケ! 我が主(あるじ)!

アストライアー:
アポローン衛星群への緊急電力送信と起動確認完了! ニケ!

ニケ:
はい! アポローン並びにメルクリウス! 召喚!

凛空:
ここがニケの故郷・・・スプロールのメインフレーム。星界

ニケ:
メルクリウス凛空様! そしてアポローンお兄ちゃん!

凛空:
ニケ来たよ。 それで呼び方名前が長いよ。それにその恰好‥ビキニアーマ-エロい?でもない? お兄ちゃん十分その恰好のニケはエロイ、可愛い素晴らしいって、鼻伸ばして喜ぶこと? 

それでお兄ちゃんはアポロンなんだよね? 太陽神だよね? 電脳神とはいえなんで真っ黒な服なの? えっと本当の姿になると眩しくて周り者の迷惑になるから普段は黒い服なの? あと他にも意味があるの?・・・ふーん・・・

アトロポス:
シャマシュ()お兄ちゃん! アポローン様ってシュマシュお兄ちゃんの事なの? 俺が来たからもう心配はイラナイって? うん! お兄ちゃんが来たならどんな事でも大丈夫だよね!

凛空:
その明らかにお兄ちゃんが好きそうな子は誰? なでなでしてるし… それにお兄ちゃん…まさかこの世界での妾とか? ニケ以外に…

ニケ:
アトロポスちゃん、お兄ちゃんと知り合いなんですか?



注:シャマシュ( 𒀭𒌓,Shamash,šamaš)
メソポタミアの太陽神。シャマシュはシュメール・アッカドにおける数多い神々の中でも特に、天空のアヌ(シュメール名:アン)・大地のエンリル(シュメール名:ヌナムニル)・深淵のエア(シュメール名:エンキ)を3柱とする「大いなる神々]」の序列に属する有力な神の一角であったとされる。
偉大でありながら人間にとっては身近な神であり、古代メソポタミアでは守護都市であるラルサとシッパルを越え広く崇拝された。それはシャマシュが、多様な神格を宿していたことに由来する。

〇正義の神
第一の神格は、シャマシュは正義を司る法と裁判の守護神として崇められ、「真実と正義の主」「天と地の裁き主」「運命を決する方」などの添名で呼ばれていた。バビロニアでは、シャマシュよりハンムラビ法典がハンムラビに与えられたとされる説話も残されている。

〇生者を守る神
第二の神格は生者の守護神とは冥界神と同義であるが、冥界神と言っても罪人を裁くためにあるいわゆる地獄に居るような恐ろしい神のことではない。
諸説ある古代メソポタミアの宇宙観の中で有名なものに、世界を天・地・地下に三分し、地下を更に深淵と地下世界に二分した内の最下方、そこに死者が行きつく場所(すなわち冥界)を配していた、というものがある。
冥界は生前の行いの善し悪しに関わらず、死者となれば皆一律に行けなければならない暗く乾燥した世界であるが、シャマシュはそうした冥界を「照らす」ことで、地上を脅かす地下世界の悪霊などを制御すると信じられていた。
冥界の諸霊に起因する疫病や災厄からの救いを願うアッカド語の祈祷が、シャマシュに最も多く捧げられていたのはこのためである。シャマシュは夜を西の果てで過ごすというが、一説によればその場所がまさに冥界であった。夜になると冥界を照らして生者を護る一方、昼には地上を照らし万物を見通すとされた。

〇双子の妹イナンナと、妹エレシュギガル
イナンナとは双子の兄妹。
イシュタルの姉に当たるエレシュキガルとも兄妹であるが、双子ではない。

〇配偶神アヤ
配偶神はアッカドにおける暁の女神「アヤ」(注2)、女祭事(神官)はギルガメシュの母ニンスン。


注2:アヤ
アヤ、アイア。A-aあるいはAyaで「天の妻」。アッカドの太陽神であるシャマシュの配偶女神で、セム系古来の暁の女神、豊穣女神。古くは、アッカド王朝時代の人名にも見られる。
シッパル及びラルサのエバッバル神殿において、夫シャマシュ神とともに祀られており、シッパルではシャマシュとアヤの聖婚儀が知られている。

彼女のシュメールの前任者は、シャマシュの同等のウトゥの妻であるシェリダでした。
彩は朝の光と昇る太陽と関係がありました。この役割で、彼女は「モーニングメーカー」と呼ばれていました

彼女のもう1つの主要な機能は、彼女の形容詞kallatum(「花嫁」、「義理の娘」)に例示されているように、神の花嫁の機能でした。シャマシュの妻​​として、彼女は美しさと魅力の縮図と見なされていました。 ShamashとAyaは、碑文で最も頻繁に一緒に呼び出される神のカップルであり、AdadとShala、EnkiとDamkinaがそれに続きます。アヤはまた、人間の信者に代わって夫に執り成しをするために一般的に呼び出された。

アヤはシャマシュの妻​​と見なされていたため、両親のスエンとニンガルの義理の娘とイシュタルの義理の妹でした。彼らの娘は、夢の女神であるマム(またはマムド)とキトゥム(「真実」)でした。

Joan Goodnick Westenholzによると、太陽神のもう1人の子供と彼の妻はIshumでした。しかし、スダイ(アヤの称号、「黄金の輝き」)とシュド(シュルッパクの守護神、ニンリルと同等)の間の混乱のため、後者は単一の神話のテキストでイシュムの母親であると言われていました。 Manfred Krebernikは、SudとSudaĝが混同したり同期したりするのではなく、互いに混乱しているだけだと想定しています。

メソポタミアの外では、アヤは「アユイカルティ」という名前でフルリ神話に組み込まれました。

アトロポス:
ニケ様、知り合いというか実の兄です…。 お兄ちゃんをニケ様が知っているとはびっくりです。 

ニケ:
えっ・・・実の…

凛空:
兄?

アトロポス:
お兄ちゃんこのお綺麗な方は? お兄ちゃんの妻? 第一夫人? お兄ちゃん結婚したの? 地上世界で? 凛空メリクリウス様 ほぅ… あっ! そうだねちゃんと挨拶だね。

アトロポス:
あの初めましてお義姉(ねえ)様、妹のアトロポス・エレシュキガル ・モルタと申します。 よ、よろしくお願いいたします! いつも兄がお世話になっております。 私も不束者ですが今後は義妹(いもうと)として兄共々よろしくお願い申し上げます!

凛空:
お兄ちゃん…冗談じゃなく本気(マジ)?  妹的な関係じゃなくて…? 義理の妹でもなく…? 

ニケ:
この世界で生まれた実の妹。 本当の事だと…。アトロポスちゃんが…

イリーシャ:
あの皆さま、我が主だとしてもそろそろマズイかと! お話は後でゆっくり!

凛空:
イリーシャちゃん?

アトロポス:
あっお兄ちゃん!お義姉様! イシュタルを助けてぇお願いします!

凛空:
あっそうだね! うんここに入る前に説明された通りにヤル! お兄ちゃんとお姉ちゃんに任せて! お兄ちゃんやろう!

アストライアー:
シャマシュ殿! アレースの介入ラインが特定できたと? もうよろしいのですわね! 下がりますわよ!

お兄ちゃん:
!!

shoot!!!!!!

イシュタル:
?!!!!!!!!!!!!

アストライアー:
シャマシュ殿! アレースからの介入モジュール命中確認ですわよ! 
メリクリウス殿お願いしますわ!

凛空:
よっしゃあ! お兄ちゃん位相ライン受け取ったよ! 演算衛星フルパワー! 解析開始!
凛空:
解析完了、お兄ちゃん後はお願い!

凛空:
介入モジュール分離確認!

アストライアー:
確保! 解析して頂いた介入ラインよりコアGRIDへの侵入防止保護障壁展開完了ですわ。
御協力感謝いたします!

凛空:
あっ!お兄ちゃんあの子が! うん任せる!

アトロポス:
イシュタル! お兄ちゃん大丈夫だと? でも背が縮んで‥‥コレが本来の大きさ? ・・・まあ私も小さいですけど…。 私の妹ですものね・・・そっか…本来はこのサイズ‥

アストライアー:
皆様、この閉鎖空間だとしても限界がございます。アレースの介入を防いでアチラが別の対応策を講じるまでの今がチャンスです。
わたくしは今衝突しているオリュンポスGIRD連合軍とディーヴァローカGRID軍の紛争に直接介入し戦闘を止めて来たいと思います。 できればイーリス、ニケ、メリクリウス殿に手伝っていただきたいですが。

凛空:
戦闘を止めるなら凛空で出来ることなら力になるよ。 確認なんだけど凛空が知っているフランソアちゃんじゃなくてアストライアーさんで良いんだよね?

アストライアー:
メルクリウス殿協力の申し出、感謝いたしますわ。 それでわたしとフランソア二世は「今の所は」別存在です。 ニケとイーリスは?

ニケ:
ニケも微力を尽くします! アストライアー様!

イリーシャ:
我が主の御心のままに!

アストライアー:
ニケ、イーリス感謝します。 アポローン殿とアトロポスは我の神殿へ転送します。イシュタルの処置をお二人にお任せします。
我は今の紛争を止め次第神殿に戻りますので化身として使わせて頂いているこのラケシスのカラダはその時にお返しします。その時にアトロポスお話しましょう。

アトロポス:
解りましたアストライアー様。 皆さんどうか今の戦いを止めて下さい! お願いします!

アストライアー:
でわ行きますわよ! 高次元転移! 転送!

アトロポス:
ここがアストライアー様の神殿‥‥

アトロポス:
随分と‥寂しい所ですねお兄ちゃん。 あっ診察中だから静かにしてろと…はい。

アトロポス:
‥‥‥‥イシュタル‥‥ゴメン。お姉ちゃんが巻き込んじゃって‥‥

アトロポス:
えっ声漏れた? ごめんなさい。 
泣くなお前のせいじゃないって‥‥悪いのはアレース達だ…自分を責めても意味がない…。
うん泣き虫なのは治ってないね…。それにラケシスお姉さまやクロト姉さまがいないと‥…心細くて・・・。いつも一緒にいてくれたから…
 
ルシフェル:
検事総長のアンタが直接介入するとか許されると思ってるわけ?

アストライアー:
どうにかなりますわよ

梨々衣:
お姉さま、もうちょっとお言葉を丁寧に・・・

アトロポス:
先代様とヘーラー様?

アトロポス:
あの戦いの方は?

梨々衣:
はいアストライアー様とメルクリウス様、ニケ、イーリスが当面の戦闘は止めて下さいましたわよ…

アトロポス:
良かった・・・

アストライアー:
あの今は何とお呼びしたら? シャマシュ、アポローン?

ルシフェル:
剛史お兄ちゃんの言う通り、剛史でもお兄ちゃんでもアンタの好きな様に呼べば?

梨々衣:
お姉さま、だからアストライアー様にその言葉遣いは・・・

ルシフェル:
この問題姫電脳神に対して言葉を飾る必要なんか無いわよ!



〇どう止めたかは以下の中ほどをご覧下さい

アストライアー:
でわ剛史、どうです地上のリソースと繋がりましたの? まだ時間がかかると?

アトロポス:
地上のリソース?

アストライアー:
はいイナンナの破片の一つのイシュタルは、片割れと同じでそもそものリソースは地上に本体があるのです。

アトロポス:
片方の破片? イシュタルに片割れがあるのですか?

アストライアー:
そうですわ。 しかし今までは衛星のみで稼働しており完全では無かったのです。それを補う為にリソースの発生モジュールを内包して稼働させておりましたが、そこをこの度アレースに乗っ取られたので、剛史とメリクリウス殿が取り出して下さって今はわたくしが管理しましたの。
代わりにイシュタルは本来あるべき地上のリソース源と接続させる作業を今、剛史がやっておりまりますですわ。

梨々衣:
これはSN:00002プロトオーダー 橋本梨乃(りの)‥‥

アトロポス:
SN:00002? プロトオーダー? 橋本梨乃? ヘーラー様イシュタルの事をご存じなんですか?

ルシフェル:
Θ(シータ)00002。アプロディーテーに「堕ちた」先代のイナンナのアタシとΘ(シータ)シリーズの中央演算装置、ラストオーダーの梨々衣が呼ばれるわけね。 鍵の解除に必要だからね…
アンタ、パンドーラの箱を完全に開け放つもりなのね?

アストライアー:
わたくしも彼の者とのゲームに負けたくは無いですから。

アストライアー:
色々お互いの自己紹介やわたくしからの説明もございますので、剛史が作業して下さっている間にお茶でも飲んでお話といたしましょう。

アトロポス・梨々衣:
はい!

ルシフェル:
この辛気臭い所でティータイムですか?

アストライアー:
美の女神の貴女様には気に食わないですわよね♪

ルシフェル:
茶菓子は出ないの?

アストライアー:
ありませんわ

ルシフェル:
地上にいるフランソアちゃんならケーキくらい出すわよ

アストライアー:
彼女は彼女、わたくしはわたくしです。

梨々衣:
お姉さま良いじゃないですか‥ねっ?

アトロポス:
先代‥‥

梨々衣:
お姉さまがスプロールコアGRIDの制御電脳イナンナシステムの行政監理官の先代のイナンナ? そしてアトロポスさんが現在の副行政監理官のエレシュキガル? 

ルシフェル:
一応引退してオリュンポスGRIDのアプロディーテーになったんだけど。
現イナンナシステムが完全に顕現し行政監理官が正式に任命されるまでは、イシュタルやアトロポスがちゃんと業務を行えるようにアタシが指導や業務補佐と後見人やってるわけ。

アトロポス:
ヘーラー様が先代の同性の恋人、シスター、パートナー、お姉さま・・・いいな恋人…。 

梨々衣:
そのイシュタルさんが、アトロポスさんの実の妹さん。 まあモイライもたしかに任命制なのでクロートーさんやラケシスさんは衛星の生まれが違いますものね電脳意識体として。

アトロポス:
はい、そうです。クロートー姉さまは衛星ノーナGRID、ラケシス姉さまは衛星デキマGRID、私は衛星ノーラGRIDの出身です。
でも、兄やイシュタルと同じで本当の姉妹と私は思ってます。お姉さま達、優しいし頼り替えあるし私の事を本当の妹みたいに可愛がってくれるので

梨々衣:
そうですか。

アトロポス:
ヘーラー様がお兄ちゃんの事をなぜご存じなのかは理解しましたが。
そ・れ・で、このリスト事実ですか? 

梨々衣:
残念ながら事実ですわ・・・

アトロポス:
地上でお兄ちゃんがメルクリウス様と結婚しているだけじゃなく…ニケ様やヘルメース様や‥‥よりによってアヌの一族でメインコアのウーラノス様を「妾」にしていると…どうするんですかこれ?

梨々衣:
剛史はとてもモテますので‥‥

アトロポス:
そういう問題じゃないですよね? ダイレクトGRID間情報リンクが‥‥めちゃくちゃに‥‥

梨々衣:
そうですわね…あははっ‥‥はぁ(溜息)

ルシフェル:
こっちは梨々衣と梨音ちゃんの監視の目があって自由が全くないのに‥‥あのお兄ちゃんは地上で好き勝手に手を出しやがって

梨々衣:
お姉さま、何か御不満がおありですの?

アトロポス:
他にもこんなに妻と妾を…お兄ちゃん…サイテー!

梨々衣:
それでアトロポスさん、いやエレシュキガル様にオリュンポスGRID連合元老議会執政官、エンパイアクラブオーナー連合評議会特別評議員、橋本家当主の橋本梨々衣として、折り入ってお願いがあるのです。 
もしお聞き届けていただけるならこの梨々衣、貴女様に対し天地問わずわたくしが出来ることなら何でもやらせていただきますわ!

アトロポス:
私にお願いですか?

アトロポス:
ふぅ~・・・疲れたぁ…

イリーシャ:
本当にお疲れ

アトロポス:
イリーシャ様ぁ! 大変‥お見苦しい姿をお見せしてぇ!

イリーシャ:
いや。クロエからお茶貰って来たけど一緒に飲まない?

アトロポス:
頂きます!

イリーシャ:
梨々衣のお願い聞いてくれてありがとうね。スプロール安全保障理事会でのプレゼンテーション立派だったよ。

アトロポス:
いえ、イリーシャ様が資料を用意して下さなければ私一人ではとてもできませんでした。

イリーシャ:
これで地上のタルタロスをこちらが確保すれば現在意識保管されているバイオメイドΘシーリズである橋本シスターズは肉体も含めて再生できる。キミのおかげだ。

アトロポス:
私は出来ることをしたまでです。

アトロポス:
あの・・・そろそろ私の事をイリーシャ様の侍女というか専属メイドって言うでしょうか? にして下さいませんか?

イリーシャ:
だからそれは我が主が勝手に決めたことで、侍従にならなくて良いから。 それで今何て言った? 専属メイド?

アトロポス:
はい。アストライアー様との誓約なので、モイライ神殿の責任者のテミス様とディオーネ様から許可も頂いております。
そしてニケ様やレスフィーナ様、フロリーやすみれ姉さまから地上の専属の侍従というのはどういうものなのか? 詳しく教えて頂きました。 ちょっと恥ずかしいですけど…イリーシャ様に誠心誠意このアトロポス、お仕えしたいと思います…

イリーシャ:
何、テミスも幸も許可しているの! それにレスフィーナとニケとフロリーとすみれ先輩、何教えているの!

アトロポス:
イリーシャ様からみて私は女の子としてやっぱり魅力が無いでしょうか? 私がイリーシャ様の侍女で側女をするのはお気に召しませんか? 

イリーシャ:
侍女で側女‥‥ゴクっ・・・。いやいや・・・アトロポスはとても女の子として魅力あるよ?

アトロポス:
なら‥‥

イリーシャ:
ゴホンっ! しかしだ。 私には地上に義姉妹の契りを結んだニナお姉さまがいるし、メイドとしては地上のアストライアー様の器であるフランソアご主人様がいて私はご主人様の補佐メイドである。 ニナお姉様とフランソアご主人様の許可を取らないで自分の専属メイドを取るなど不義に当たる!

アトロポス:
そ…そうですね。 スイマセンでした。

アトロポス:
なら地上に降りて許可が取れるまでは…あくまで愛人としてイリーシャ様の身の回りのお世話と夜のお供を…

イリーシャ:
何言ってるの! ダメっ! 絶対にダメ!

アトロポス:
ダメですかぁ?

イリーシャ:
ダメです!

アトロポス:
むぅ~~~~~~~!

イリーシャ:
地上に降りたらお姉さまとご主人様に相談するから。

アトロポス:
イリーシャ様、約束ですよ。

イリーシャ:
・・・うん。

クロエ:
あれだけ積極的にアピールしても落ちないの? イリーシャ様も明らかにアトロポス様の事好きですよね?

ラケシス:
うん。 アトロポスを視線で追っている時がすごく多い。

クロエ:
好意をまったく隠して無いですよね。本日もお帰りになったすぐにクロエに命じてアトロポス様のお好きなお茶を淹れるよう命じられて。ご自分で持って行くと言われたので、逢引だと思ってすぐに転移で付いてきたので。

ラキシス:
私は読書してたけど二人の逢引の邪魔にならないようにそっと隠れた。

クロエ:
じれったいですよね・・・

ラキシス:
じれったい。
 
アトロポス:
私イリーシャ様付きのメイドになれたんですけど…

アトロポス:
ご主人様から「イリーシャの専属メイドとしてよろしく頼む」と言われたのですが? まさか大使館のとは別の専用のメイド服を準備されていた時はちょっと引きましたけど。 それとご主人様のお母様から「認証式はいつでも行いますからすぐに連絡下さいませ、すぐに準備いたしますわ!」と言われたのですが‥

イリーシャ:
ぐぬぅ・・・ご主人様も先生も…メイド服は亜美総務部長か…堀をダンブカーで埋めやがって・・・

アトロポス:
それでニナお姉さまは何と?

イリーシャ:
ぐぬぅ・・・何と・・・言ってた…かなぁ?

SE:
ぼふぅ~!(爆音) きゅるるるっ!

SE:
ガチャ♪

シュタッ!

アトロポス:
ニナお姉様!

イリーシャ:
水菜!

水菜:
イリーシャ、逃げれるなんて思わない方が良いよ。ご主人様と里緒菜お姉さまからイリーシャが逃げるような仕草をしたら容赦するなと命令受けてるから!

ニナ:
お姉さんが何て言ったかも忘れちゃうようなイリーシャちゃん…お姉さん嫌いだな~♪

イリーシャ:
ニナお姉さま…どっかで盗聴してましたね! クルマに指向性マイクか! あとずっと尾行してましたね! この特殊情報工作員め!

ニナ:
じゃあもう一回言うねぇ!

イリーシャ:
ヤメテェお姉さま!

ニナ:
イリーシャちゃん! おめでとぉおおお!(絶叫) ついにイリーシャちゃんに恋人! お姉さん興奮して鼻血でそう! 嬉しい!

アトロポス:
(唖然)

ニナ:
それもあんな可愛い子! この女タラシのイリーシャちゃん! 最高! さらに剛史お兄ちゃんの電脳世界での実の妹? 物質世界でも暮らしてくれて、両方の世界でイリーシャちゃんと一緒に暮らしてくれるとかもう! それでイリーシャちゃんの専属メイド! すごいぃぃ! これで出張でお部屋少し空けてもアトロポスちゃんがいれば安心できるし! 

アトロポス:
ひぃぃぃ!

イリーシャ:
あぁあぁ‥‥

ニナ:
とりあえず、マリエットと優音と恵夢美とノエミとシグレットとアリエルちゃんに連絡のためライムルームに! ちょっとまって! おしマリエット? スウィート予約できた? おーけえーーー二泊ねうん! フランソアご主人様ぁ~! そうアトロポスちゃんの研修をイリーシャちゃんに二日間頼みたいのぉok? お願い♪ 宿舎のお部屋? 当然一緒に暮らす~♪ まあアトロポスちゃんが良かったらだけどねぇ~♪

アトロポス:
えっと…

ニナ:
でわ先に国立生命科学研究所行ってるからお二人はゆっくりで良いよ!

水菜:
ニナさんは水菜に任せて! ニナお姉さん行きましょう。

ニナ:
水菜ちゃんよろしくね♪

ピロン♪(ARディスプレイ)

悠里:
DMで失礼いたしますわ。 イリーシャ・ド・ブリエンヌ家ご当主とアトロポス・エレシュキガル ・モルタ・西園寺ご令嬢とのご誓約お祝い申し上げます。
早速でありますが、ご当主とご令嬢にエンパイアクラブキャメロット同盟広報部として正式にインタビューをさせて頂きたいと思っております。 ご令嬢がご研修でお忙しい中、ご迷惑とは思いますが御協力お願い申し上げますわ。 明日の夜20時より白急篠山ビル一階のメイドレストランEDHENにてディナーインタビュー形式でご用意させていただきたいと思っております。詳しくは凛空さんに伝えてありますのでご説明を受けてからご返事お待ちしておりますわ。

アトロポス:
何ですかこれ? それにご当主とかご令嬢とか…あと私の名前が変わってますけど? 西園寺ってお兄ちゃんの家の地上世界での苗字? あとエンパイアクラブキャメロット同盟広報部とは何ですか?

イリーシャ:
私、戸籍上はフランスの旧家で先生が管理していたブリエンヌ家を継いでいるんだ・・・だからアトロポスをメイドに取れるんだけど…そうだよね、アトロポスは西園寺家の御令嬢になるんだよね。専属メイド誓約って事は西園寺とブリエンヌ家が姻せき関係になって正式にブリエンヌ家が西園寺の支援で復興することになるんだ。それはゴシップ誌扱いじゃなくて正式な広報の取材になるわけだ…ForestグループとWoodsグループが姻せき関係ね‥妹さんが橋本グループと西園寺とも結ぶことに…ふ~ん…

アトロポス:
イリーシャ様? 大丈夫ですか?

イリーシャ:
もう‥ごほんっ!
アトロポス! 君の事が好きだ。私のメイドになって一緒に隣で生きてくれ。

アトロポス:
えっ? あっ…告白‥

イリーシャ:
キミが私を好きになった気持ちは理解できる。私と同じだと思う。哀れみではない同情。同じような沢山のイノチを奪う力と使命をもって創造(う)まれ。初めてその気持ちを本当に理解できる相手に出会った。そしてお互いが目指す世界を実現する為に一緒に挑めるパートナー。ニナお姉さまとは違う意味でキミに…アトロポスに私を助けてもらいたい。代わりに私はニナお姉様と一緒にずっとアトロポスの側にいるよ。

アトロポス:
はいっ。 イリーシャ様。 ご一緒させて下さい。

イリーシャ:
さあ私達の妹、梨乃の所に行こう。

アトロポス:
はいお供します!
 
梨乃:
あれ? ここはドコ? 眩しいよ…

梨乃:
何これ! えっと・・・たしかお姉ちゃんの「手伝って」と声がして召喚された・・・あれぇ~? 
その後の記憶がない。 記録を…Lino.Intelligent.Kernel.Aagent=L.I.K.A(以後リカ)~ちょっと前の記録を見たいんだけど! リカぁ~! 

あれ? 何で答えないの?
梨乃:
あっ! リカのペンダントの構造体が無い! 
それ以前に…梨乃の「胸」が無い! お姉ちゃんに勝てる唯一の要素がぁああ! 
なんか視点が低い? 背が縮んでる? 

梨乃、こういうのは夢だよ夢! あっ!(つるんっ)


梨乃:
痛い~・・・スカートの裾踏んで転ぶとか…まあいつもの事か。 慌てるとすぐ転ぶ梨乃・・・。
梨乃:
そうだよねお姉ちゃんが言うように慌てちゃダメ! まず落ち着こう。 落ち着くんだ梨乃!

これは夢・・・夢なのに何でこんなジンジン痛いの? 
寝ぼけて現実のカラダで足とかぶつけたとか? そんな事ないよね…

あれ? 白い部分がなんか広がっている? さっきまでちょっと先には地面みたいなのが見えてたのに今はただの真っ白い空間・・・。
梨乃:
まさかこれはGRID間の隙間にできた‥‥処分領域に堕ちたとか? お姉ちゃんが梨乃の召喚を失敗して…

おっと梨乃は虚無の中にいる!

とかぁお姉ちゃんに文字が表示されて

梨乃はロストした!

とか?
梨乃:
とにかくまだ存在している空間に逃げないと! 焦らないように急ぐ! また転んだら白に飲まれて梨乃は削除処理~!

梨乃:
ひぃぃ! 先も真っ白! もうダメだぁああ!
梨乃:
助けて! お兄ちゃん! お姉ちゃん! 𒀭𒈹(イナンナ)様ぁあ!

梨乃:
あっ!!!!!!!!!!
梨乃:
イナンナ様…

梨乃:
くぴぃ~♪

ルシフェル:
しかし健やかに寝てるわね。そろそろ起きるはずだけど自然に覚醒するのを待つのね。

ルシフェル:
それでアトロポスは何怯えて剛史お兄ちゃんにしがみ付きながら隠れているの?

アトロポス:
私死んじゃいます…特に穏海姉さまに抱きつかれると窒息します…

ラケシス:
半分魂が星界に帰還しそうになってた。惨かった…

アトロポス:
アケローン川の渡しがおいでおいでしてました。

ルシフェル:
あーいつもの凛空さん達の妹モフリ病ね。それでここの部屋の防護担当は? ここのドア突破されて梨乃なんか見たら確実に即星界へ帰還する事態になるわよ。

クロートー:
すみれ様と真理愛様と小梅と水菜がバリケードを築いて対応しています。 面会の時は面会一人に護衛二人が必ず着く手はずだと。

ルシフェル:
問題はうちの向日葵と梨音なんだよね。梨々衣だけで押えられるかしら。梨乃は超弩級のストレートだからね。
まさか入店させるのに合わせないわけ行かないし

クロートー:
向日葵様…ご主人様も好きそうですよね…梨花と付き合ってたわけですから

ルシフェル:
梨音はそれだけの問題じゃないけどね‥

アトロポス:
妹二人をどんな所に連れて来たんですかお兄ちゃん!

ルシフェル:
ウェルカムデーモンワールド! byすみれ 魔界へようこそアトロポス

ラケシス:
魔界…洒落になってない…

梨乃:
う~ん…

アトロポス
あっ!!

梨乃:
お姉ちゃん…おはよう。 何泣いてるの?

アトロポス:
何でもない。おはようイシュ…

梨乃:
梨乃はどれくらい寝てたの? 怖くて変な夢みて・・・

アトロポス:
えっ・・・りの・・・

ルシフェル:
梨乃はこちらの時間で五日間くらい寝てたのよ。

梨乃:
先代、お兄ちゃん、おはようございます。 五日も・・・

ルシフェル:
ちょっと色々あったんだけどお兄ちゃんがちゃんと治してくれたから心配ないわよ

梨乃:
お兄ちゃんお仕事忙しいのに…迷惑かけちゃったね。

ラケシス:
気分悪い所とか、痛いとか無い?

梨乃:
ラケシスお姉ちゃん、クロトお姉ちゃんまで…気分悪いとか痛い所とか無いです。

クロートー:
こらこらお兄ちゃんが良いっていうまで起き上がったらダメ♪

梨乃:
お仕事がお忙しい電脳神のお姉ちゃん達と先代までお揃いってよほど梨乃は大事だったんですね。 こんな何の力もない梨乃の為にお仕事邪魔しちゃってゴメンナサイ

アトロポス:
何の力もない?(小声)

無言でアトロポスの肩を叩く剛史

ルシフェル:
元気になったんだから良いのです。

梨乃:
上半身だけゆっくりベッド起こして良いのねお兄ちゃん。

クロートー:
私がします。 ちゃんと研修づみです! はい! ゆっくり起こすから

クロートー:
ベッドの角度これくらいで良いかな?

梨乃:
はい。 それでお兄ちゃんは余り変わらないですけど、お姉ちゃん達変わっていますけど可愛い服ですね

ラケシス:
この服可愛い! 気に入っている。

梨乃:
あのここはどのGRIDですか? 雰囲気はコアGRIDに近いですがもっとゴチャゴチャしてるし・・・

梨乃:
えっスプロール内では無くてここは地上? 嘘でしょお兄ちゃん‥‥

アポトロス:
お兄ちゃんが言ってることは本当。今私達は物質の肉体をもって地上にいるの。

梨乃:
本当に地上…。
 
澄:
何この可愛い生き物!

ミーナ:
ひぃ・・・喰われる…

ケルブ:
同感だな


梨乃:
ひぎぃ!

すみれ:
澄お姉ちゃんここから接近禁止ですからね!

澄:
はぁ♪はぁ♪ふがゃああ♪

ミーナ:
こ…怖い…あう・・・

梨乃:
ミーナ! 気を確かに持って!

すみれ:
澄お姉ちゃん!聞いてますか? 威圧も禁止です!

有虹子:
聴こえてないかも?

小梅:
これ新人研修として良いのかな?

有虹子:
うちと分家のすみれのクラブのメイドとしては必須な研修かもしれない。

コユニ:
慣れるしか無いからな。

ケルブ:
そちらのクラブの新人研修は過酷だな。

デメテル:
フィッツジェラルド殿、その飲み方どうにかならんのか?

Drフィッツジェラルド(以後Dr):
わたくしがどんな飲み方をしてもかわないではありませんか?

クロート:
可愛い…

デメテル:
可愛い大地電脳母神って…えぇ・・・色々と…

イリーシャ:
だから先生にストロー使う飲物は飲ましたく無い。

アトロポス:
ヴィシュヌ様も大使として地上にお降りになられたのですね。

ヴィシュヌ:
はい。今回の入植とバイオメイドが中心で悪化している地上混乱の鎮静化を弊GRID連合でも出来る限り協力すべしと市民の世論がやっと纏まりまして。まずはわたくしが現地の連絡役として参ったしだいです。オリュンポス連合とアースガルズ連合だけに頼るわけにもというのは建前で二連合のみに権益を独占させるわけにもという政治の判断ですわ。

アトロポス:
とても助かります! あと服装とてもお綺麗です。品がありますしオリエンタル風のデザインがステキです。

ヴィシュヌ:
ありがとうですわ。せっかく日本に駐在するのですから和服を取り入れたデザインにしてみましたの。

アトロポス:
とても似合っております。

イリーシャ:
御立派な大使をもってディーヴァローカGRID連合は安泰ですね・・・それにくらべて…

デメテル:
優樹子殿!そんなものを勝手に執務室に持ち込みおって何じゃそれわ! アンナ殿も一緒に吸いおって!

優樹子:
何にって空気清浄機付き灰皿

アンナ:
周囲にリフレクターフィールドを発生させ煙のみを清浄する最新型だぞ。そちらへ迷惑はかからん

デメテル:
そういう問題では無くてなここは大使執務室でじゃな…

Dr:
ちゅぅぅ~♪

イリーシャ:
筆頭大使から上級大使まで…本当に申し訳ございません…

ヴィシュヌ:
くすすっ♪ とても楽しいですわよ♪

デメテル:
イナンナシステムが稼働したじゃと?

ヴィシュヌ:
あくまで稼働した「痕跡」がある・・・と言いましょうか。現在は停止してしまってますし稼働したとしてもほんの一瞬。極僅かな間という可能性があると報告を受けました。

Dr:
しかし衛星イシュタルと現在の地上のΘ00002橋本梨乃のボディーのリソースだけではイナンナのシステムコアである電脳意思体の顕現は一瞬だけでも不可能ですわ。

アトロポス:
それがイシュタルとしての記憶が封印された状態になっている事と関係があるかもって事ですか?

優樹子:
梨乃ちゃんの素体に意識リンク作業を行っている間に稼働したなら偶然とは考えづらいわね。

アンナ:
もしなんらかの要因で強引にイナンナコアが顕現した場合、当然衛星イシュタルも地上のリソース元である梨乃のニューロチップも処理オーバーを防ぐ為の防衛機能としてイシュタルシステムの一時凍結、この場合は電脳意識体としてのイシュタルを呼び出せないように記憶参照因子を…う~ん…

ヴィシュヌ:
妹さんの事なのでご心配だとは思いますが、イナンナはコアGRID内のシステムなのでわたくし達にとってはブラックBOXの塊なので調査しようにも限界があるのです。

デメテル:
レスフィーナからスプロール監視機構に調査を依頼させることにする。

アトロポス:
よろしくお願いします。

デメテル:
何もわからずいきなり地上に来てしまう結果になったイシュタル改め地上名、梨乃をよろしく頼むのじゃ

クロートー:
はいもちろん。

ヴィシュヌ:
わたくしの方も本国へ連絡をとってできるかぎり過去起こった類似事象など調べてもらいます。

アトロポス:
あの、プロトオーダーってどういう意味ですか? 他の橋本シスターズとは違う特別なものなんですか?

Dr:
それについては・・・梨々衣さんと梨音さんから直接聞いて貰った方が…

優樹子:
私達から説明するよりその方が良いと私も思うわ。

ヴァルマ:
この地上の生活のチュートリアル動画の他にも大使館で契約しているメディアプラットフォームのコンテンツも研修期間中は観れるから。研修期間が終わっても観たいなら自分で契約する時の参考にして

梨乃:
動画に音楽に本に…おぉ~沢山あるぅ~♪

ヴァルマ:
チュートリアル動画は地上入植者用のパイロット版なんだ、だからこうした方が良いとか気付いた点を後で是非教えて欲しい。 サポートエージェントに聞いてもわからないことはすぐにボクのIDへ連絡して。
まあ梨乃はコアGRIDで生活していたから風習と地上の肉体の生理代謝部分の違いしか無いだろうけどね。

梨乃:
とても解りやすい説明に、サポートがこれだけそろっているとか驚きました。

星美:
全部ヴァルマくんが‥‥地上へ来る人たちの為に‥今準備してるの!

梨乃:
すごいですね。

ヴァルマ:
すごいのはキミだよ。地上のAURORAの飲み込みが早くて関心した

アトロポス:
わたしなんかまだダイレクトメッセージで戸惑っているのに…

梨乃:
AURORAは得意♪

梨乃:
星美お姉ちゃんは、星界ではアトロポスお姉ちゃんの上司のアナンケー様で、ヴァルマくんがそのアナンケー様が治めているアルカディアGRIDの行政監理官?

アトロポス:
はいうちのモイライ神殿の主神様であるアナンケー様です…お兄ちゃんが‥まさかアナンケー様に手を出してるとは…

星美:
よろしく…おねがい…いたします…妹様。 

ヴァルマ:
星美、妹様って何ですか。 ボクはスプロール監視機構よりアナンケーが治めるアルカディアGRIDの行政監理官をまかされていて、地上では各大使の補佐をする職員さん。

星美:
だって…星美は末妾だから、実妹の‥‥アトロポス様や梨乃様の方が‥ずっとずっと偉いし…

アトロポス:
アナンケー様、良いですか?

星美:
なんで・・・御座いましょうか…アトロポス様

アトロポス:
はぁ‥‥何度も言ってますが「様」をつけるのはヤメテ下さい。 貴女様はモイライ神殿の主神様で私は貴女様の従神です。それに敬語と様付けは…

星美:
いえいえ、星美はお兄ちゃんの数いる妾の一番下です。アトロポス様は…お兄ちゃんの実妹。 小姑様です。 それに星界のモイライ神殿の業務の時だって、星美はクロトさんが出した番号の設計図と材料をセットして、動かすだけの単純作業員と動力源。 乾電池?発電機くらいの価値しかない。 クロトさんやラキシスさんやアトロポス様が熟練職人。 

ケルブ:
まさに家内制手工業だな

ヴァルマ・梨乃:
あははっ!

アトロポス:
モイライ神殿は零細生命の糸工場ですか…

星美:
あと普段は星界地上問わずヴァルマくんがいなければ…星美は何の価値もない存在なので・・・星美はヴァルマくんのオマケ? 付属品? ですし

ヴァルマ・梨乃:
あははっ!

アトロポス:
その付属品の従神やっている私とかどうなるんですか? それ言ったら私の神殿での普段のお仕事ってラキシスお姉ちゃんが図った糸をチェックしたり、糸車の動作を手助けしてるだけですし私も単純作業員ですから

ケルブ:
まさにマニュアファクチュアでオリュンポスGRID連合の電脳意識体は生み出されているということだな!

ヴァルマ・梨乃:
あははっ!

アトロポス:
モイライ零細生命の糸工場の単純作業員同士お互い様をつけるのはやめましょう。あと梨乃も新人ですし。 どうですか?

星美:
そうだね。そうしよう。 三人はお互い様付けなしで。

梨乃:
はいっ! あははっ!

ヴァルマ:
あははっ!

ヴァルマ:
明日の検査の結果が良かったら退院できてその後は新人のメイドに交じって普段のメイドとして社会生活を体験する研修に参加してもらう事になるそうだから。すぐに生活に慣れるよ。

星美:
研修はお姉ちゃん達がやってるんだけど、星美やヴァルマくんも手伝ってます。 できるだけ・・・手助けします。梨乃のお姉ちゃんのアトロポスも・・・参加してますから・・・安心して下さい。 メイドのトモダチも出来ると…思う。

梨乃:
はいよろしくお願いします。 トモダチ…できたらいいな。楽しみにします。 本日は本当にありがとうございました。

ヴァルマ:
あっ言うの忘れてた、地上へようこそ梨乃

星美:
地上へようこそ、明日また来る!

梨乃:
はいっ!

アトロポス:
沢山色々人が来ちゃってゴメンね、疲れてない?

ケルブ:
無理してないか?

梨乃:
大丈夫だよ。楽しい優しい人ばかりで。 あと地上って聞いた時に不安だったけど、今は逆にすごく楽しい! 食べ物もおいしいし。一番不安だったトイレもちゃんとできたし! 物質のカラダも大丈夫だと思う。
他はコアGRIDとだいたい変わらないし。地上って良い所だね

アトロポス:
気にいったのなら良かった。

アトロポス:
大丈夫そうなら、クロト姉さまがヘーラー様とアテーナー様、地上名、梨々衣さんと梨音さんを連れて来てるからあってくれる?

梨乃:
あの先代の同性の恋人の梨々衣さんとクロトお姉ちゃんの主(あるじ)様の梨音さん。

アトロポス:
うんあと数人!

梨乃:
大丈夫だよ

梨音:
なんでエミリーがいるのさ

エミリー:
私、ここの職員なので、仕事です。

梨花:
お嬢様エミリーが衛生メイドだって忘れてますよね‥‥まあそういう私も時々忘れますが。

向日葵:
梨音、もう病室ですよ(苦笑)

クロートー:
(苦笑)…アトロポス、梨乃! 連れてきたよ!

アトロポス:
皆さんお疲れ様です。

梨乃:
この方達が。 わざわざ来ていただき嬉しいです。

向日葵:
ひぃぎゃふぅぅ!

クロートー:
向日葵様ぁ!

梨々衣:
向日葵!

梨花:
シッカリしろ! メディック! 衛生兵!

エミリー:
これはマズイ!
梨々衣、クロト! 梨花とアタシで向日葵を支えているからそこのソファーを後ろに動かしてくれ! 寝かせるから!

梨々衣:
はい! クロトさん!

クロートー:
はいっ!

梨音:
梨音何やっておりますの!? 向日葵が・・!!

梨音:
‥‥ほへぇ・・・

クロートー:
ご主人様?
 
向日葵:
スイマセンかなり落ち着きました

エミリー:
ちょっとそのまま横になっててくれ。

向日葵:
すごい綺麗な子だなと思った瞬間に前と横から殴られたような衝撃が…
その後、鼻血が…

エミリー:
それはブレインダイバーのスキル訓練を始めたばかりでこのような状態に遭遇すればそうなるな…とにかく少しこのまましていれば大丈夫。

向日葵:
はい‥‥私に何があったんですか?

エミリー:
強い感情衝撃を相手から受けてショック状態になった。

向日葵:
強い感情?

梨々衣:
向日葵さん、今はまずはご自分の回復を‥

向日葵:
はい‥‥でもお見舞いにきて自分が倒れるとか。 それで梨乃さんは? 梨音と梨花が対応してくれてるんですね?

梨々衣:
うん今お話中よ。

向日葵:
なら大丈夫ですね。

エミリー・クロートー:
‥‥‥‥

梨音:
・・・例えばどんなのが好きかな?

梨乃:
本読んだり動画みたりが好きで・・・

梨音:
どんなジャンルとか好きかな?

梨乃:
余り可愛いお話ではないですけど…SF系とかファンタジーとかが好きです…

梨音:
梨音もそういう作品が好きかな‥同じだね。ゲームとかもする?

梨乃:
します。 色々やります、高次元GRID内だけじゃなくてゲームGRIDにも遊びにいくし

梨音:
梨音も行くよ、どこいって遊んた事がある?

梨乃:
たとえばバニシングライトとか…

梨音:
あっ梨音も行ってるよ。あそこのコース楽しいよねレースゲームもするんだ

梨乃:
けっこう好きなんです。一緒ですね‥あはっ・・・

アトロポス:
とても居づらいんですけど‥(小声)

梨花:
寄せ付けないオーラが出てますね…(小声)

アトロポス:
これが白き百合の聖域=ホワイトリリィーサンクチュアリ

ケルブ:
そっとしとくしかあるまい・・・(小声)

クロートー:
(ご主人様もイシュタルも何という顔しているの…)

梨花:
とにかくこの状態を向日葵に見せるわけには‥‥(小声)

向日葵:
鼻血止まったと思います。ご迷惑おかけました。

梨々衣:
!!? あのエミリー、やっぱり心配だから念の為に脳とニューロチップの精密検査をした方が・・・ブレインダイバーは特殊でございますし。 もう血がとまったら動けるなら

エミリー:
おぉ~そうだな! 幸いここには機材もあるしな手間もかからん

向日葵:
そんな鼻血出たくらいで大げさな・・・

エミリー:
視床下部からの出血の可能性もある。ここは検査が必要だ

クロートー:
私が付きそいますので向日葵様行きましょう

梨々衣:
梨音と梨花さんとアトロポスさんもいますし、こういう時こそ仲間に頼るべきですわ
さあわたくしも行きますのでまいりましょう。

エミリー:
向日葵立てるか? 行くぞ。

向日葵:
エミリー、梨々衣、何強引に! 大げさですよ! 大丈夫ですから…

エミリー:
静かにしろ、ここは病室だぞ

向日葵:
‥‥はい…

クロートー:
さあ行きましょう。

SE:
がちゃん(ドアが閉まる)

梨音:
‥‥そうだんだ。

梨乃:
はい…

梨花:
まったく出て行った事に気付かないのか

アトロポス:
ヒトを好きになるって‥‥怖いですね‥

梨花:
とりあえずソファー直すか

アトロポス:
はい

梨乃:
良かったらで・・・いいんですけど…お姉さまって呼んでいいですか?

梨音:
良いよ…梨乃。

梨乃:
ありがとうございます。梨音お姉様。

アトロポス:
‥‥とりあえず死に装束二つですかね?

梨花:
あと二人が入るくらいの大きさの釜と油かな。

ケルブ:
油揚げでは介錯人は要らんしな。
 
イリーシャ:
どうりで何処を探しても感じなかったわけだ。そもそもバイオコンピュータそのものが本体に入って無かったと。

アトロポス:
何ですかこれ? 巨人?

ルシフェル:
アーマーメイドというものよ

向日葵:
何でそんなものが家のお屋敷の地下にあるんですか?

ルシフェル:
それは・・・

イリーシャ:
アーマーメイド「イーリス」。この私を倒す事が出来るスプロール連合が秘匿している唯一のアーマーメイド。この「イシュタル」の操縦者が梨音と梨々衣だからさ。

向日葵:
これに梨音と梨々衣が乗る?

アトロポス:
イシュタル・・・?

向日葵:
あとこの私っていったけど…アーマーメイドイーリスにイリーシャが乗るの?

イリーシャ:
向日葵違う。このイシュタルと同じでイーリスがこの私イリーシャそのものなんだ。

向日葵:
えっ? どういう事ですか? 

イリーシャ:
今度現物見せるけどこれと同じようなイーリスっていうアーマーメイドがあってそれが本当の私のカラダの本体。ここにあるのはリナとかと一緒でそれが生身になっているだけ。本体そのものは星界にあるし。

イリーシャ:
そしてここにあるイシュタルが梨乃の本体のカラダ。

向日葵:
これが梨乃さん? 

イリーシャ:
おいるー姉。 イシュタルの本体である光量子バイオコンピュータが載ったバイオユニット「橋本梨乃」というシステムの意識コアをスプロールのコアGRIDに退避させたのを回収時にクロートーと組んでイシュタルの記憶参照因子を封印したのはお前だな。 サタンいや。イナンナ。

アトロポス:
えっ?

ルシフェル:
何の事かお姉さんワカラナイな~♪

梨花:
はいどうぞ!

イリーシャ:
おいイナンナ、「お前の脳の半分」を吹き飛ばしても良いだぞ? バレて無いとでも思ってたか?

SE:
がちゃ♪

ルシフェル:
ひぃ!

梨々衣:
お姉さま! ここは降伏しましょう!

クロートー:
イナンナ様! 生きていればまだお家再興の機会もございます!ここはお引き下さい!

アトロポス:
イナンナ様? 引退してないと?

向日葵:
ケルブちゃんがるー姐さんの脳の半分? どういう事?

クロートー:
あの私が全てイケナイんです! ご主人様達の地上での巨人同士の争いのお話を聞いて、イナンナ様から聞いていたイシュタルが乗る巨人って頭の中で繋がって、そんな戦場にご主人様も梨々衣様もアトロポスの妹のイシュタルを出したくないと。 ご主人様と梨々衣様は仕方ないとしても最悪でもイシュタルだけでも・・クロートーがイシュタルの代わりにこの巨人を動かせないかと思って‥‥

イリーシャ:
それは無理だろ?

梨々衣:
わたくしも無理だと言ったのですが、納得しませんで‥‥

ルシフェル:
クロトを説得できる時間をかせげれば良いかと? 説得できるまではイシュタルの因子がなければこの地上にいる梨乃はアーマーメイドも動かせませんし、コアGRIDはおろか星界にももどれませんし…

梨花:
クロト・・・それを決められるのはクロトではなくて梨乃本人だけだ。 梨乃が戦う理由はまだわからないけど、梨乃が「自分で戦う」と決めたならそれを他の人は邪魔しちゃいけない。 それに梨乃のこの地上の本当のカラダは梨乃のモノだ。 それを取り上げるのは姉のすることかな?

クロートー:
スイマセンでした。 イシュタルにチカラを返します。

梨花:
それに今の梨乃が梨音お姉さまの為に一緒に戦えなかったら悲しむと思うけど。

クロートー:
そうですね…

向日葵:
梨音お姉さま?

イリーシャ:
えっ? どういうこと?

梨花:
向日葵・・・梨音と梨乃の命は救ってくれないか? 助命嘆願を願いでる。代わりにるー姐とこの猫は今すぐ油揚げにするから

クロートー:
ご主人様とイシュタルを救う為に自ら生贄に・・・

アトロポス:
まさに慈愛なるイナンナ様

梨々衣:
エリーザはわたくしとノーラが面倒みますので。安心して揚げれて下さいませ。

ルシフェル:
ちょっとアンタ達なんで私が油揚げにならなくちゃいけないのよ!

ノーラ:
イリーシャ様、アトロポス様、こちらのお部屋をご用意させていただきました♪

イリーシャ様・アトロポス:
えっ?!

ノーラ:
朝食付きのご予約ということで、一階のEHDENレストランでモーニングは10時までとなっております。それまでにご利用下さい。
でわ下がらせていただきます。 失礼いたします♪ 

良い夜を、くすすっ♪

イリーシャ:
ノーラありがとう。

アトロポス:
ご‥ご苦労様です…。

イリーシャ:
ニナお姉さま何考えてるの…ここに今夜と明日泊まるの‥‥

アトロポス:
・・・ごくっ‥‥や・・・夜景綺麗ですね‥‥

イリーシャ:
そうだね‥‥あのさ、とりあえず‥‥夕食食べに行こう。 明日の夜の取材の服はEHDENの美奈総務部長が用意して下さってるけど‥‥

アトロポス:
着替えの下着とかは買わないといけないですし…

イリーシャ:
そうだね…

アトロポス:
とんかつ? 美味しかったですね♪ あっ奢って下さりありがとうございました。 ご馳走様です

イリーシャ:
気に入ってくれたら良かった。それにいちおう・・・ほら設定はキミの主(あるじ)になるわけだから当然だから。それで荷物もとうか?

アトロポス:
何侍女の荷物持とうとしているですか? 私が侍女で貴女が主。 自覚持って下さい。

イリーシャ:
その設定まだ続けるの?

アトロポス:
設定ではなくて事実です。

アトロポス:
永遠情報室長よりブリエンヌ家の資料送ってもらいました。 今後はご当主として自覚を持っていただきます。ニナお姉さまに任しているとダメダメなイリーシャ様になりそうで。 私が侍女としてご当主を鍛える事にします。

イリーシャ:
うっ! ダメダメなイリーシャ‥‥否定できない‥‥

アトロポス:
まず里穂さんとロッテさんは軍に残ると思います。 メイド秘書候補が瑠美副メイド秘書。それで水菜さんがメイド長候補。真奈さんが保安本部長候補。 そしてブリエンヌ家の当であるイリーシャ様がオーナー候補。

イリーシャ:
うっ・・・一日でそこまで把握したのね

アトロポス:
よって皆さまの為にもご当主にはちゃんとしてもらいます。

イリーシャ:
後が無いからストレートに聞くけど‥‥

アトロポス:
はい何ですか?

イリーシャ:
だから‥‥私の告白の返事。 パートナーとしてアトロポスは私と付き合ってくれるの?

アトロポス:
えっ?

イリーシャ:
やっぱり誓約だからあくまで主従関係だけっていうなら私も諦めて恋愛感情抜きで切り替えるから。

アトロポス:
あうあうっ! そうじゃなくてぇ…えっと‥‥だってご自分で私が好きになった気持ちもわかるとか…仰ってたじゃないですか?

イリーシャ:
ほら好きにも色々あるじゃない? 私はキミの事を恋愛的な意味で愛しているけど…キミは別かもだし・・・

アトロポス:
愛している! あうぅぅ! さらっと言わないで下さいよ! イリーシャ様が私の事を愛してる!

イリーシャ:
どうしたの? 大丈夫?

アトロポス:
大丈夫じゃないですぅうぅ!

梨音:
向日葵様、クロト様、そしてお集り下さった皆々様。
この篠山梨音、命を賭しましてお願いしたい事がございます!

ルゥナ:
梨音ちゃん、何があったかワカラナイけど落ち着こう?

クロートー:
ご主人様、最初から命を投げ出す前提ですか?

向日葵:
梨音、話だけは聞いてあげましょう。

梨音:
有難うございます。 本日我が盟友橋本家当主橋本梨々衣様の妹君で御座います橋本梨乃様に面会いたしました。

ルゥナ:
ルゥナは仕事で忙しくて行けなかったけど、本日お見舞いに行ったのはアトロポスちゃんの妹さんじゃないの?

梨々衣:
バイオメイド橋本シスターズ全ての元になったプロトタイプアルティメイド、Θ000002 橋本梨乃はわたくし橋本梨々衣の実の妹です。 もともとわたくしも妹も梨音と同じ先天的な病気を患っていました。姉妹そろって長くは本来は生きられない代わりに普通とは違った脳特性を持って生まれた存在。

梨々衣:
梨音を救う為に編み出れた技術を無断使用しまずは寿命が殆どのこってなかった梨乃の処置を行いました。しかし技術的な問題で意識はスプロールのコアGRIDから戻すことは叶いませんでした。
その技術的な問題を解決する為にバイオメイドの研究が開始されました‥‥それが橋本シスターズの始まりです。 のちになって色々な組織が関わることで別の方向性に行ってしまうのですが。それは置いときます。

梨々衣:
スプロールのコアGRIDを構成する一つの衛星。西園寺家が管理するモルタGRIDの衛星イシュタルに意識転送された梨乃はアトロポスさんの妹イシュタルという名前で顕現しコアGRID内で成長しました。

ルゥナ:
剛史お兄ちゃんとアトロポスちゃんの星界での妹というのはそういう事か‥‥でもこの物質世界、地上ではもともと梨々衣ちゃんの妹・・・

梨々衣:
はいずっと眠ってましたがわたくしの生きている唯一の肉親になります。妹がもっているわたくしの姉としての記憶の一部はたぶんアトロポスさんの記憶として融合していると思います。

梨音:
もともと生きているゴーストコアをイシュタルの意識構造体にして衛星アテーナーとダイレクトリンクさせるとか無茶すぎだし何を考えてるわからない。

梨々衣:
梨音、それは今は問題ではありませんよね?

梨音:
でもそれがなければ梨音と梨乃はこんなに‥‥惹かれ合わないし。酷すぎるよ‥‥

梨々衣:
そう「設計」されているのですから仕方ないでしょ? わたくしも実際にこの目で見るまでは信じられませんでしたが‥

ルゥナ:
惹かれ合う? 設計?

アリエル:
ルゥナさんがこの中で一番ご存じではありまんか? 花恋さんとエリシアとわたくしの関係。

ルゥナ:
あっ!

アリエル:
ぴよ吉はリンクが切断されるまではわたくしの副脳でした。そしてエリシアと花恋さんはナビゲーションとメインユニット。まあこの二人は「息が合う」くらいですが、今のぴよ吉はどうですか? 
そしてリンクが切れる前のわたくしと花恋さんは出会ってから、ひと時も離れることができなかった。

だから「あの時」()もわたくしと花恋さんは二人で別部屋に別けらていた。
どういう関係だったかは今ならお判りになりますわよね?

ルゥナ:
‥‥‥‥はい…。


注:五百六十話 GIANTSTEP のお話のこと。

ルゥナ:
まさか、梨音ちゃんと梨々衣ちゃんが乗る、梨乃さんのカラダのアーマーメイドがあるとか言わないよね?

アリエル:
なければこういうお話になってませんでしょう

アリエル:
向日葵さんをどうする御つもりですか?

「篠山梨音」さん。

アトロポス:
イリーシャ様を・・・お慕い申しております。 大好きです…愛してます・・・

アトロポス:
私は・・・自分の使命が大嫌いで許せませんでした。 

もし星界が危機になるような事態なら私の手で多くの電脳市民の命を殺戮しなければならない。もしかしたら大好きなクロト姉様やラケシスお姉ちゃん‥‥最愛のイシュタルまで自分の手に掛けなければいけないかもしれない。そんな恐怖にずっと囚われて生きていました。

しかし私はその使命を遂行することには疑問を持ったことはありませんでした。

アトロポス:
でもイリーシャ様は自分の使命に疑問をもち、本来は滅ぼすべき人々を少しでも残す為に、スプロール全体からみたら一部である星界だけを滅ぼすことで、スプロールの人々も地上の人々も生き残れる道を自分のマスターであるアストライアー様に答えてました。 

そして主の星乙女さまは、全体を見て臣下であるイリーシャ様と本来は邪魔した私を助け、使命から私が自分で逃れるすべを示してくれました。 
あとイリーシャ様はことあることに私を気遣ってくれて・・・優しく微笑んでくれて‥元気づけてくれて・・・大切にしてくれて・・・どんどん好きになりました。 
それに地上にはあんなステキなニケお姉様がいるのに私を邪魔にせず側に置いてくれて・・・

アトロポス:
もう私はイリーシャ様がいないと生きていけないです・・・お付き合いしてください。恋人にして下さい。一生一緒に居て下さい。 私の全てを貰って下さい。 ・・・抱いて下さい。

イリーシャ:
そうか・・・ありがとう。

アトロポス:
・・・うぅ…ちゅ…♪

アトロポス・イリーシャ:
!?!!

梨乃:
お姉ちゃんがキスしてる…

アトロポス:
イシュタル!

イリーシャ:
この子が? 梨乃?

梨乃:
はい、橋本・イシュタル・梨乃です…貴女は? アトロポスお姉ちゃんの恋人さん?

イリーシャ:
うん、イリーシャと申します

アトロポス:
イシュタル? イシュタルとしての記憶がもどったの? それより何でここに? 病室にいるんじゃ…

夢結:
捕まえた!

梨乃:
シマッタっああああ!

エミリー:
神妙にしろこのお転婆娘!

梨乃:
離せこの白き死神と黒き猟犬!

夢結:
手間かけさせやがって! こら暴れるな!
病室抜け出しやがって! ほら戻るぞ!

夢結:
執行官にそんな回し蹴り当たるか! 大人しくお縄につけこのお転婆!

梨乃:
梨乃は梨音お姉さまの所に行くの! ハ・ナ・セ!

エミリー:
おいアトロポスよ! コレ本当にお前の妹か? あのお嬢様モドキ二人なみの武闘派だぞ!

イリーシャ:
妹さん…過激だな…
 
梨音:
向日葵様、梨乃を第二夫人させていただけませんか?

向日葵:
はぁっ? 梨乃さんを第二夫人?

梨音:
はい! 例えそれがもともとそのように作られていたモノだとしても梨乃はわたくしめと生涯にわたり添い遂げるしかありません。よってメイドではなく伴侶にするしかございません。
しかしわたくしめは向日葵様を生涯の伴侶、第一夫人と決め御誓いし婚約しております!
よってその両方の責任を果たす為には、向日葵様から梨乃を第二夫人として認めてもらうしかありません。

もしこの願いお引き受け下さらないなら今この場でこの腹掻っ捌き首を我が盟友梨々衣に落としてもらいます!

向日葵:
あの梨音、梨乃さんとはまだ何もしていませんよね?

梨音:
梨音お姉さまと呼ぶことは認めましたが、当然ですが向日葵様とお約束した通り、無断で愛人関係に指名したり、義姉妹の契りやお付き合い、手さえふれておりません!

クロートー:
でしたらそういうのは梨乃と相談をして…

梨音:
まずは向日葵様の結婚の許可を頂かないとお付き合いなど梨音は考えられません!

梨花:
お嬢様、向日葵への愛情と依存に対し、梨乃との条件づけと妹庇護欲に接してそのはざまでご自分の感情に完全にパニックなってますね。

みるく:
お二人は本気だわ、あれ向日葵の言葉一つで腸(ハラワタ)まき散らした上に首転がるね。
アリエルお姉さまが梨音に詰め寄るから‥

アリエル:
いやわたくしは向日葵さんを捨てるのではないかと心配で…

マリエット:
梨音ちゃんはとんでもない堅物よ? それに輪をかけての堅物が梨々衣ちゃんだから…

みるく:
この堕天使姉はご自分を基準してるからそういう考えになるんです。

梨花:
みるくさ、アリエル姐の指導を今度は油風呂にしたら?

みるく:
そうだね…

アリエル:
ひぃ!

日葵:
梨音、もし梨乃さんが梨音とお付き合い承諾して結婚も考えるならそれは私としては、梨乃さんが篠山に入ってもらえるならとても良いと思いますよ? だってそうなれば篠山家は橋本家とも西園寺家ともつながるわけで、もし結婚できなくても梨音にシスターができてそれがクロトの妹さんなら私は嬉しいし反対なんかしないわよ。 でもまずはお付き合いからね梨音

ルゥナ:
そうですよね~まずはお付き合いの許可、向日葵ちゃんから出てよかったね!

梨音:
御許可の方ありがとうございます。 後日、梨乃様とのお付き合いの可否をご報告させていただきます。

クロートー:(小声)
あの向日葵様、梨乃が梨音お姉さまに会おうと病室を抜け出したそうです。 どうにか今回はエミリーと夢結とアトロポスとイリーシャ様が捕獲したらしいですが…ちょっと呼ばれているので行ってきます

向日葵:(小声)
えっ梨音に会う為に? とにかく行ってあげて、イリーシャとアトロポスさんは今夜は早く解放してあげて?

クロートー:(小声)
はい交代して今夜は見張りのために病室に私泊って来ます…ご主人様のことは向日葵様にお任せします…

向日葵:(小声)
わかりました。
 
アトロポス:
お風呂…終りました…

イリーシャ:
シャンパングラスに入っているけど冷蔵庫にあったオレンジジュースだからお酒じゃないから。

アトロポス:
はい、頂きます。 …それで何をお読みなんですか?

イリーシャ:
イナンナの冥界下りとギリシャ神話やその後のメソポタミア周辺地域の神話の類似性を解説した本だよ。 読みたかったんだが、オリュンポスの図書館ではシュメールの本はなかったから。Forestのお屋敷の図書室からご主人様に許可もらって貸し出してもらった。

アトロポス:
あの図書室なんでもあるんですね…。

イリーシャ:
最近また増えたからな…図書準備室に本が整理出来ず山積みで足の踏み場も無くて困ってる。ご主人様も鈴佳さんも電子では無くてアナログな物質の本が好きというか、電子化される前の昔の本が好きだからどうしてもな…

イリーシャ:
女神イナンナは地に思いをはせ、全ての神殿を捨て「七つのメー=「神力」」を持ち冥界へと下る。女王エレシュキガルは「冥界の七つの門」を「冥界の七人の賢者」に命じ閉じさせ、門一つに一つに一つイナンナの「メ」=力を封じる細工を行うように門番ネティ命じる。

アトロポス:
……

イリーシャ:
女神イナンナは「7つの門」で「七つのメ=「神力」」を取られ、そして衣服も剥がされてしまった。
イナンナは、エレシュキガルと7人の賢者の「死の眼」で「弱い肉」になり、釘に吊り下げられた。

アトロポス:
……

イリーシャ:
ニンシュブル()は三日三晩、戻らぬイナンナに、ニンシュブルはイナンナとの約束通り神々のところに行き、助けを求めた。しかし自分勝手に行ったイナンナに神々は冷たい……


イリーシャ:
…最後に訪れた大神エンキは、自分の爪からクルガラ、ガラトゥルという二体の精霊を作り授けた。

アトロポス:
……

イリーシャ:
‥‥「命の草」と「命の水」を与え、冥界に遣わす‥‥

アトロポス:
……


注:ニンシュブル(Ninshubur)
ニンシュブルはまた天空の神アンの大臣を務めており、その延長で「神々の集会の伝令使」てギリシア神話のヘルメースやイーリスに似ている。

「神々の従者神」で「伝令神」

彼女の名前はシュメール語で「従者たちの女王」または「スバルトゥの女王」を意味する。

神話の中で、ニンシュブルはイナンナの多くの最も有名な事績の中で彼女に付き添っている。イナンナが聖なる力「神の力=メー」を盗んだ後、彼女はイナンナを助けてアプスーからエンキの下僕をやっつけた。別の神話では、イナンナが冥界に閉じ込められた時、ニンシュブルはエンキに彼女の女主人を解放するように頼む。(これがイナンナの冥界下り)

イリーシャ:
…病で倒れている冥界の女王エレシュキガルのもとに行き‥‥

泣いていた。彼女は妹に近づき、……手を取ってこう言いました。

「さて、ああ、私の……。」

「あなたは一年の半分、妹は一年の半分です。要求されたら、その日はあなたは滞在します。妹が要求されれば、その日のうちに釈放されるだろう。」

女神イナンナは夫のドゥムジド()を身代わりとして与えた。

彼女の心を開いてイナンナの体をもらい受け、女王エレシュキガルと女神イナンナを「命の草」と「命の水」で生き返らせる……

これにより女神イナンナと女王エレシュキガルはよみがえる。

アトロポス:
……

注:タンムーズ
タンムーズ、タンムズは、シュメール神話、アッカド神話の神。イナンナの夫である。

 この神は、シュメールの牧羊の神ドゥムジ(Dumuziまたはドゥムジッド/Dumuzid、ドゥムジを源とする。その名は〈忠実な息子〉の意。

Tammuzという名はアッカドのTammuziからきたもののようで、初期のシュメールのDamu-zidを源にしている。これが後に標準シュメール表記のDumu-zidになり、アッカド語ではDumuziになった。フェニキアではアドニス(Adonis)となり、後にギリシア神話の「アドーニス」。

アトロポス:
……(じぃぃ~)

イリーシャ:
この本は女王エレシュキガルがイナンナに求めた、ドゥムジドはギリシア神話での「アドーニス」であり、「アドーニスという名はセム語起源で、旧約聖書のマソラ学者による読みであるアドナイ(ヤハウェ()の呼び名「主」)の元になったという説になっている。 

女神イナンナの夫でご主人様だから「我が主=アドナイ」と言ってオカシクは無いな。

そしてこのアドーニスはフェニキア神話の植物の神であった。
アドーニスは収穫の秋に死んで、また春に甦って来る。アプロディーテーが冥府の女王ペルセポネーとアドーニスを頒つのは、植物の栄える春夏と、枯れて死ぬ冬があるから。

よってこのギリシャ神話のアドーニスが「アブラハムの宗教」(注2の「我が主」という説を展開している。 ドゥムジトからアドーニスの変化の過程とか書いているんだが…まあ宗教者からみると殴られるどころか火刑に処されそうな本だな。


注:ヤハウェ(ヘブライ語: יהוהフェニキア語: 𐤉𐤄𐤅𐤄、古アラム語: 𐡉𐡄𐡅𐡄、英語: Yahweh)
ヤハウェは、モーセに啓示された神の名である。旧約聖書や新約聖書等における唯一神、万物の創造者の名。

この名はヘブライ語の4つの子音文字で構成され、テトラグラマトン(古代ギリシア語で「4つの文字」の意)または聖四文字と呼ばれる。この名前の正確な発音は分かっていない。日本語ではヤーウェ、ヤーヴェ、エホバ等とも表記されるが、エホバについて現在ではしばしば非歴史的な読み、誤りないし不適切な読み等と位置付けられる。

主=日本語訳聖書では今日、一般に、原文において「יהוה(ヤハウェ)」とある箇所を「主」と訳す(新改訳では他の語と区別するために特に【主】と表記する)。

消失の経緯で後述するユダヤ人の慣習による(今日のユダヤ人はヤハウェと読まずに、アドナイ(「わが主」)という別の語を発音するためである)。

アドナイ(אֲדֹנַי [’Ăḏōnay])の語には、「主 (Lord)」即ちヤハウェを婉曲に指す意味のほか、単数形のアドニ(אֲדֹנִ֥י)という形で「私の御主人様 (my master)」即ち奴隷の雇用主など主一般を指す意味がある。

注2:アブラハムの宗教」 (Abrahamic religions)
聖書の預言者アブラハムの神を受け継ぐと称するユダヤ教、キリスト教、イスラム教(イスラーム)の三宗教。初期のイスラームはこの概念によって、先行するユダヤ教・キリスト教とイスラームは立場が同じであることを強調した。「セム族の啓示宗教」、あるいは単に「啓示宗教」と称されることがある。

比較宗教学の観点ではインド宗教(Dharmic、Indian religions)、東アジア宗教(Taoic、East Asian religions)と並ぶ三分類の一つに位置付けられる。

アトロポス:
……(むぅ~)

イリーシャ:
このアドーニスの話はギリシャ神話の中でも面白く興味深い部分でね

フェニキアのキニュラース王は代々、アプロディーテーを信仰していた。しかし、王女ミュラーはとても美しく、一族の誰かが「ミュラーは女神アプロディーテーよりも美しい」と言ってしまった。

これを聞いたアプロディーテーは激怒し、ミュラーが実の父であるキニュラースに恋するように仕向けた。父親を愛してしまい、思い悩んだミュラーは、自分の乳母に気持ちを打ち明けた。

彼女を哀れんだ乳母は、祭りの夜に二人を引き合わせた。顔を隠した女性が、まさか自分の娘だとは知らないキニュラースは、彼女と一夜を共にした。しかし、その後、明かりの下で彼女の顔を見たキニュラースは、それが自分の娘のミュラーだと知ってしまった。怒った彼はミュラーを殺そうとしたが、彼女はアラビアまで逃げ延びた。彼女を哀れに思った神々は、ミュラーをミルラ(没薬)の木に変えた。

やがて、その木に猪がぶつかり、木は裂け、その中からアドーニスが生まれた。


その赤子のアドーニスの美しさにアプロディーテーは魅了されてしてしまう。

やがてアプロディーテーは赤ん坊のアドーニスを「箱」の中に入れると、冥府の王ハーデースの妻で、冥府の女王のペルセポネーの所に預けた。

彼女はペルセポネーに、「けっして箱の中を見るなと注意しておいた。

しかし、「ペルセポネーは好奇心に負け、箱を開けてしまった。

すると、その中には美しい男の赤ん坊のアドーニスが入れられていて、彼を見たペルセポネーもアドーニスに恋してしまった。

こうしてアドーニスはしばらくペルセポネーが養育することになった。

アドーニスが少年に成長し、アプロディーテーが迎えにやって来た。しかし、ペルセポネーはアドーニスを渡したくなくなっていた。

アトロポス:
……(むむむむぅ~)

イリーシャ:
2人の女神は争いになり、ついに天界の裁判所に訴える事になる。 最終的に女神カリオペー()が仲裁し次の決定がされる。

1.1年の3分の1はアドーニスはアプロディーテーと過ごす
2.1年の3分の1はペルセポネーと過ごしアドーニス自身の自由にさせる
3.1年の3分の1はアドーニス自身の自由にさせる

しかし、アドーニスは自分の自由になる期間も、アプロディーテーと共に過ごすことを望んだ。ペルセポネーは、アドーニスのこの態度に、大いに不満だった。まあそれはそうだろうな。

アドーニスは狩りが好きで、毎日狩りに熱中していた。
アプロディーテーは狩りは危険だから止めるようにといつも言っていたが、アドーニスはこれを聞き入れなかった。

アドーニスが自分よりもアプロディーテーを選んだことが気に入らなかったペルセポネーは、「アプロディーテーの恋人である軍神アレース」に、「あなたの恋人は、あなたを差し置いて、たかが人間に夢中になっている」と告げ口をした。

これに腹を立てたアレースは、アドーニスが狩りをしている最中、猪に化けて彼を殺してしまった。
アプロディーテーはアドーニスの死を、大変に悲しんだ。
やがてアドーニスの流した血から、アネモネの花が咲いたという。

しかしアドーニスは春に「復活」し収穫の秋に死ぬ、そしてまた春に「甦る」。
アプロディーテーが冥府の女王ペルセポネーとアドーニスを頒つのは、植物の栄える春夏と、枯れて死ぬ冬との区別になったという。 アプロディテとペルセポネを行き来きしてアーレスによって殺され「生と死を繰り返す」“死して復活する神牧羊神。 アドーニアスがアドナイ。興味深いね。


注:カリオペー(古希: Καλλιόπη,)
弁舌の女神」。ムーサたちの中で最も賢いとされる。ムーサの長女
すべてのムーサたちと同じく大神ゼウスとムネーモシュネーの娘。9柱のムーサたちの長女で、クレイオー、エウテルペー、タレイア、メルポメネー、テルプシコラー、エラトー、ポリュムニアー、ウーラニアーと姉妹。

「叙事詩」(叙情詩、エレジー)を司る。表される際の持ち物は、書板と鉄筆である。

アポローンもしくはオイアグロスとのあいだにオルペウスとリノスをもうけたほか、レーソス、セイレーンたちの母とする説もある。

イリーシャ:
話をシュメール神話の女王エレシュキガルが求めたもう一柱の「妹」の方へ戻そう。

タンムーズの夢によるとこの妹とはタンムーズの妹のゲシュティアンナ)のことでシュメール神話の農業・夢分析の女神、未来予知の女神。

水の神エンキが冥界から救出した妻イナンナの代わりとして、タンムーズを冥界に引きずり込もうとするが、タンムーズは逃げて隠れる。悪魔はタンムーズの場所をゲシュティアンナに言わせようとして残酷に拷問するが、ゲシュティアンナはタンムーズの居場所を教えない。

しかし友人に裏切られついに居場所が発覚する。悪魔に捕らえられる。 

イナンナの兄弟である太陽神ウトゥは、タンムーズをガゼルに変え救出する。  今度は兄である太陽神「シャマシュ」お兄ちゃんの所に「蛇」に変化してしがみ付いていた! 発見されたタンムーズは再び奪還され、冥界に引きずり込まれる! その後は先ほどの部分に繋がる。

アトロポス:
……(むぅ~)

注:ゲシュティアンナ(Geshtinanna)
シュメール神話の農業・夢分析の女神。タンムーズの姉であり、エンキとニンフルサグの娘である。シュメール神話によると、ゲシュティアンナが天国にいてタンムーズが冥界にいる間、地球は乾燥して不毛になり、夏の季節が生まれたという。その名前は「天のブドウの木」を意味する。

イリーシャ:
「タンムーズの夢」の続きであるシュメールの詩「タンムーズの帰還」ではゲシュティアンナはタンムーズを見つけると、その時から、年の半分をタンムーズと天国で過ごし、残りの半分を「姉のエレシュキガル」と冥界で過ごすことを決める。 この場合は天にタンムーズ、冥界にエレシュキガルが居てその間をゲシュティアンナは移動することで夏と冬が生まれる。ギリシャ神話のペルセポネの立場がゲシュティアンナ、冥王の支配者ハーデスが冥界の女王エレシュキガルになるわけだ。 

よってゲシュティアンナはタンムーズ=アドーニスの「妹」、もしくはアドーニスと同一である。

イナンナはギリシャ神話におけるアプロディテー。 冥界から天界への復活に使った「命の水」というのは我が悪魔の王サタンこと、アプロディーテに私が飲ました「ステュクスの水」(注)だと私は思っている。「ヤツ」が力を完全に回復されるためにはこの「命の水
」の他にまだ「命の草」が必要になる。  

では「命の草」とは何か? 冥界の女王、エレシュキガル様なら知ってるではないかと思ってね。

アトロポス:
イリーシャ様、それはあくまで神話です。

イリーシャ:
そうかな?

アトロポス:
あのですね! そちらは確かにニナお姉さまと散々今までシテるでしょうから慣れてますでしょうけど!

私が「初めてスル」時にそんな御本を読んでるとか…むぅ~~!

星界でもそうでしたが本当に本の虫なんですから…ぶつぶつ…

イリーシャ:
スマンスマン、考察は今度にするよ。


注:ステュクスの水 以下の話で登場
 
エリーザ:
クロト様そのまま押えて

クロートー:
はいっ!

梨乃:
ハ・ナ・セ

クロートー:
なんで髪を洗うだけでこんな大騒ぎになるの

梨乃:
目がショボショボする…

エリーザー:
すぐにお慣れになりますよ♪ でわ体の泡を流して出ましょう。

梨乃:
本当にお姉ちゃんとエリーザ、そこで寝るの?

クロートー:
貴女が病室抜け出した上に監視の夢結とエミリーを強行突破して外に出るからでしょ?
大使館のIDカードが無ければ外に出ちゃいけないって説明したよね?

梨乃:
だって梨々衣お姉ちゃんと梨音お姉さまが帰る時にとても思いつめた顔してたので心配で…どうしても会いたくて。気づいたら突破してた。

エリーザ:
朝ヴェルさんが診察して問題がなければこの建物の中に大使館は御座いますので、手続きはすぐに終わりますよ。そうしたら目の間がEHDENで篠山のお屋敷でもあるので。 
お布団お掛けするのでちゃんと横になって下さい。

梨乃:
早く寝たほうがお姉さま達にすぐに会えるから寝る。おやすみ。

クロートー:
おやすみ。

エリーザー:
お休みなさいませ。

クロートー:
エリーザごめん、手間かけさせちゃって。

エリーザー:
いえいえ、我が主に「お願い!」と言われましたし。それになんか妹が出来たみたいで‥嬉しいですよ。
研修も私とノーラも一緒ですし。

クロートー:
ありがとう助かる。そうすると私は向日葵様に明日から着いてお手伝いできる…

エリーザ:
梨音様は向日葵様にまかせておけば今夜大丈夫ですよね。

クロートー:
うん…そう思う…くぅ…

エリーザ:
おやすみなさいませ、クロト様。

梨音
向日葵! 梨音が悪かったからぁ! ヤメテぇ! 片方だけでもキツイのに両方同時とか! 無理だからぁ!

許してぇ!

ずぼっ!

うぃ~ん♪うぃ~ん♪うぃ~ん♪

ぶぅ~ん♪

梨音:
ほぉごぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!

向日葵:
まだ梨音は解らないんですか? 私は謝る事を求めてませんよ。 
私が言っているのは今後はクロートーも梨乃さんも、向日葵と梨音で共有しましょうと言ってるんです。 それを承諾して下さいと向日葵は言ってます。

梨音:
ぎゃああああああああああああああああっ! いっ! 
いくぅ!! ダメでえ!!! イクゥ!あんぁぁ…

向日葵:
そろそろ子宮でイくのも限界でしょ? 梨音のクロートーも梨乃も向日葵の共通物です。 梨音と向日葵二人のメイドです。ずっと四人は一緒です。 誓います。 ほら言って。 そしたら、次に大きくイカして終わりにしてあげす。

梨音:
‥‥はっあ…はっあ…クロートーも梨乃も…向日葵と梨音の共通物です…梨音と向日葵二人のメイドです…。
…ずっと四人は一緒です…誓います…

向日葵:
良くできました。約束ですよ梨音

梨音:
はい…解りました…

向日葵:
さあイっていいですよ! 子宮バイブを最強にした上に、充血した梨音の可愛いクリトリスに電マを当ててあげます!

梨音:
いやぁああああああああああああああああ! 
xxxxxxxxxxx! XXXXXX! 

ぁ! 

ビクンっ!ビクンっ!ビクンっ!ビクンっ! 


梨音:
カッあっ! あうぅん!!!!!!!!!!!!

ビクンっ!ビクンっ!ビクンっ!ビクンっ! 

向日葵:
梨音、大丈夫ですか? ‥‥ちょっとやりすぎたかしら? まあ誓いはさせましたし。 これで梨乃さんが来ても大丈夫ですしね。

アトロポス:
そんなじっと…見ないで下さい。 恥ずかしいです…

イリーシャ:
そういうキミだって見ているじゃないか。

アトロポス:
それは…お慕いしている方のハダカが目の前にあれば…見たいですし。

アトロポス:
あぁ~ん…なんか…変な感じです…全身に…電気が…流れる感じ…
はぁ…はぁ‥‥あんっ♪ あぁ‥

愛してます‥イリーシャさぁまぁ…頭が…ぼーと…

イリーシャ:
アトロポス…愛しているよ…

アトロポス:
はい…幸せです…

くちゅ♪

アトロポス:
!!! あの…そ…それは‥

イリーシャ:
こんなに、感じてくれているんだね。 嬉しいよ…

アトロポス:
…は‥はい‥

くちゅ♪くちゅ♪くちゅ♪

アトロポス:
はぁっ…はぁっ…はぁっ…あぁ‥あぁ…

イリーシャ:
アトロポス、キミを貰うよ…

アトロポス:
はい…イリーシャ様、私を貰って下さい…

ブチっ…トろっつ

アトロポス:
うぅうぅうぅううxxxxxxxxxx

イリーシャ:
あっ!!

アトロポス:
いいですから…最後まで入れて…下さい…

イリーシャ:
あぁ…解った…

イリーシャ:
終ったよ…

アトロポス:
はい…けっこう…痛いですね…冷や汗が…出てしまいました…

イリーシャ:
ああ。 今、タオルで拭くから…

アトロポス:
はい…

アトロポス:
あの…結構…生々しいものなんですね…

イリーシャ:
それは生身の行為だしな…

アトロポス:
そうですね…あの…キスして…下さい…

アトロポス:
愛してます…イリーシャ様…

イリーシャ:
私もだよアトロポス…うぅ…Chu‥‥

アトロポス:
…限界なので‥寝ます…おやすみなさいませ…

イリーシャ:
おやすみ。 キミは今まで良くがんばったよ。 これからは私と一緒だ。
私の運命の女神様。 私の胸で少しでも休んで。 キミが望む限りそこはキミの場所だよ。


えんぱいあな日々(本編) 第五百九十三話 in Perfect へつづく