えんぱいあな日々(本編) 第五百九十四話 in Perfect 後編 その13
スザンヌ:
やっぱりお昼休みまでに学園に来なかったって。
クロートー:
そうですか…
梨乃:
やっぱり梨乃が嫌われて逃げられた・・・昨日突然AURORAのIDの連絡IDが変わって・・・新しいIDをハッキングして見つけてDM送っても返事も無いし…
スザンヌ:
それ完全にストーカーだ。 ウザったがれて当然
クロート:
ご主人様、むりやりメッセージとか送れないんですか? ネットライナーのホワイトソックスでしたっけ?
梨音:
クロト…梨音はメジャー球団ですか? ホワイトノイズです。 相手の線が繋がってなければ梨音でもどうにも・・・梨緒が白山市内に入れば梨音のI.S.I.F.R.S.D.Network(注)で発見できるけど…そしたら周囲の街頭大型ディスプレイとか広告用のディスプレイとか全部をハッキングして「橋本梨緒、すぐに篠山梨乃へ連絡よこせ」と表示・・・
スザンヌ:
てんちょー、それ街中の人に晒上げるってこと。 梨緒、絶対逃げる、
梨音:
うっ…たしかに梨音もそれやられたら全力で逃げるね…
注:I.S.I.F.R.S.D Network
Installation type Street Integration Facial Recognition Scanning Device Network= 設置型街頭統合顔認証精査装置電網
梨乃:
やっぱり梨緒に何かあったんだよ! 探しに行くべき! 距離は解らないけど大体は方向は解るし!
スザンヌ:
それでストーカー犯梨乃を見た梨緒は猛ダッシュで逃亡!
梨乃:
スー! 梨乃はストーカー犯じゃないもん!
クロートー:
梨乃、もともと梨緒はここに来る予定になっているんだから、来た時に梨乃がいなかったら悲しむと思うよ?
梨音:
梨音の捜索電網に梨緒の感有り! 発見した!
がばっ!
梨乃:
どこですかお姉さま? すぐに梨乃行きます!
スザンヌ:
スーも行く! 一緒に行けば逃げないだろうし!
梨音:
うちのクラブのエントランス前。クルマ止めてバックハッチから荷物下ろしてる
登録車両これ梨音のデータバンクに無いクルマ…どこの車両? 所属は保全機関極東本部の特務警護二課ってナニ? 昨日新設? それにこの車両、これフロントガラスとかに顔認証スキャン防止フィルムが張ってあるのか車両データも他の車両に欺瞞してあって…それも完全な特殊車両で、それもかなり金かかってるな‥
今、マリエットお姉ちゃんから連絡。 なんかたった今、梨緒から連絡があったから、みんで出迎えにエレベータで向かっているって。梨音達はここで待つようにって
クロートー:
ここに到着してから連絡? これは、ほうれん草「報告・連絡・相談」から躾けないとダメですね…(苦笑)…
向日葵:
失礼します。逃亡していたメイドの橋本梨緒が投降してまいりましたので連行してまいりました。自首してきたという事でどうか寛大なる御処置の御検討をお願い申しげます(泣)。
梨緒:
あの状況の説明をお願いします………
夢結:
状況の説明も何も今、向日葵が言った他に何も無いだろう。 仮保護クラブから、本マスタ-登録になるクラブへの移動をついて、本ご主人様になる篠山梨乃から脱走。
オーバーSランクアサルトメイドが脱走とか、うちのクラブだけじゃなく、すみれ総隊長だって責任を免れないんだよ。何て事をしてくれたんだ。ゆっくり切り刻んでやる
梨緒:
脱走? 誰が?
エミリー:
何ふざけている。オマエだよ梨緒。いくら昔、目をかけた事がある後輩だからってアタシの指で楽に処刑してもらえると思うなよ。
SE:
カチっ!(撃鉄を起こすエミリー)
クロートー:
スザク大使、どういう事ですか?まだ私地上に慣れてなくて…
スザンヌ:
スーも解らない…
梨音:
そうか、本マスター登録前の本マスター予定の梨乃と連絡がつかないってことは逃亡扱いになるのか。 仮保護登録のクラブは研修が終わっているから…ヤバイ…保護責任者がいない‥それもオーバーSランクって事は…自律型大量殺人兵器が管理者無しで街中に歩いているという解釈に‥
梨乃:
バイオメイドの梨緒は…ただの兵器‥そんな事って‥条文は…コレか! なら!
梨緒:
シクレットバースト! 万海灼き祓う暁の水平! 𐎿𐎹𐎢𐎽𐎿𐎹𐎠𐎥𐎠𐎴𐎠(シュルシャガナ!(注))
スザンヌ・クロートー・梨音:
え゛っ?
SE:
ドンっ(空気が震える音)
注:万海灼き祓う暁の水平 シュルシャガナ(𐎿𐎹𐎢𐎽𐎿𐎹𐎠𐎥𐎠𐎴𐎠)
古代メソポタミアのニヌルタと同一視されたキシュ市の都市神ザババの持つ二振の武器のうちの一振の名でもある。
もう一振の名は、「魂を切り刻む翠の大鎌 イガリマ」。本作ではアトロポスの鎌状の武器
梨々衣:
ソニックシールド!
(速い! 梨緒さんまでは覆いきれませんわ! 首が飛ばされます!)
エミリー:
梨々衣ぃ!
梨緒:
あっ!
(梨乃様…何で…? やっと本当にお仕えする事が可能なご主人様に出会えたのに…)
その14 へ続く