えんぱいあな日々(本編) 第五百九十四話 in Perfect 後編 その6

 
ミーナ:
冷蔵庫にいつものがあったのでどうぞ。私はコーラ頂きます。

すみれ:
うんありがとう。

ミーナ:
えっ? マスター権限の強制命令を全て解除している? 条件付けが無効化されているんですか?
だったら今のカリブルヌスが加盟しているキャメロット同盟に参加しているクラブの全てメイドは条件付けではなく自らの意志でご主人様に従っていて、自らの意思でメイドとしての義務を守っているという事?

すみれ:
それとは別にそもそもニューロンチップコアそのものに組込まれているグランドマスター権限での強制命令が別にあるけど普段は機能しないし。

でもこれは絶対に秘密にしてね。今の時点ではまだ重大な国際条約に抵触する危険性がある行為だから。

ミーナ:
はい…理解してます。 しかし・・・でも・・・そんな事って‥‥

すみれ:
ミーナ、今日ブティック行ってすみれ達が選んだ服を試着したときにどう思った?

ミーナ:
あっ・・・

回想
ミーナ:
ちょっとご主人様 これぇぁなんですかぁこれぇ! 無理ぃ無理です!!

回想
すみれ:
ということで「ご主人様命令」! 次着る!

ミーナ:
うっ…畏まりましたご主人様‥‥

すみれ:
ご主人様命令」とか言われても「このご主人様仕方ないな~まあ喜んでるし‥‥付き合うしかないか」って思ったでしょ? そして「こんなにご主人様が喜んでるし‥‥恥ずかしいけど着るしかないか」みたいな?

ミーナ:
スイマセン・・・そのとうりに思ってました‥‥あう・・・

すみれ:
すみれも解るよ~凛空様にまったく同じ事されたから!

みれ:
でも本来メイドなら絶対服従命令である「ご主人様命令」と耳で聞いた瞬間に「逆らう意思さえ無くなる」はずじゃない? でもココはそうじゃない。 マスター=ご主人様の命令だろうが「従うかを決めるのはメイドの意思

ミーナ:
あっ!

すみれ:
ミーナはすみれの命令を「聞いてあげよう」と思ったから「聞いてあげた」。それはそうしたらご主人様のすみれが喜ぶから「すると自分で決めた」。御奉仕ね

ミーナ:
ご奉仕・・・そうです…ミーナが決めた。

すみれ:
そうやって自分の事を自分で決められる事。 それをヒトの尊厳だと・・・ご主人様の役目をしているすみれ達は思っていて認識を共有している集まりがすみれが参加しているUNION=同盟。 メイドの人の尊厳を確立する為の盟約

ミーナ:
尊厳・・・ですか…

すみれ:
ゴメン話が脱線した。 マスター権限がフリーで条件付けが無いからこそ専属メイドとなったメイドが、メイド同士とはいえ他のヒトと付き合えるわけ。

ミーナ:
そうですねご主人様の言いつけは本当は絶対なのに・・・。

すみれ:
すみれの専属メイドでいうと、花路家の筆頭メイドの小梅はすみれの専属メイドなんだけど、そもそもが小梅はすみれと真理愛両方のシスター。さらにシスターの綾子がいる。 これはこのクラブが設立する前からそうだった。

ミーナ:
そうなんですか。まあ新しいクラブですものね。

すみれ:
次席専属メイドが優萌なんだけど…

ミーナ:
ご主人様は別でフロリーとフレデリカはメイド学校時代から優萌が好きで三人でお付き合いをしたと言われました。宿舎も一緒の部屋で暮らしていますし仕事以外ではクラブでも学園でもいつも一緒にいるし。

すみれ:
祥子お姉ちゃんとニケはシスター同士でしょ。星美はヴァルマくんがいるし優萌と共有しているし。 ミレーヌも専属メイドだけどこれは優子をパートナーしたのはすみれみたいなモノだし‥

ミーナ:
ですね最初お聞きしたときにびっくりしました‥‥まさに収拾がついてないですね。由奈先輩が頭抱えてました・・・。

すみれ:
由奈はシスターのフローラ一筋だから…

すみれ:
うっ‥‥ゆなの名前が出たか言うけど。 優奈くんもすみれの専属メイドなの。

ミーナ:
優奈って優萌小隊の優奈班の班長でご主人様の妹のカイルスと共に幸様の守護騎士で幸様と幸様の侍女のクロエの恋人・・・。 その橋本優奈?

すみれ:
その優奈くん

ミーナ:
え~‥‥専属メイドなんですか? いや…でも‥えぇ‥‥

すみれ:
それもすみれにとって・・・メイドというか‥‥一番お気に入りな情人(イロ)だったの。 実は本気で女として依存してた‥

ミーナ:
えぇ…優奈がイロ! たしかに中性的な魅力がありますから学園の女子内で花路カイルスと橋本優奈、橋本桜子といえばアイドル的な存在でファンサークルまであるし…

すみれ:
でも妹のカイルスと幸と一番はクロエに・・・NTRされた‥

ミーナ:
妹さんとご自分のクラブ所属メイド達にN・T・R! ネトラレ!

すみれ:
幸とは縒(よ)りを戻すかな…クロエは完全にNTRだけど。いま優奈はクロエに夢中だし…幸よりクロエの守護騎士というか執事というか下僕というか…

ミーナ:
下僕! ええぇ…クロエ…大人しそうな顔してやりますね‥‥

すみれ:
まあ優奈くんは‥‥幸せそうだし‥‥幸やカイルスを支えてもらってるし…すみれにはお兄ちゃんや凛空様や真理愛や他のメイドもいるし…う…すみれがガマンすれば・・・良いだけだし…

ミーナ:
ねえご主人様って専属メイドはそれだけいるし、他のメイドも沢山いるのに…ご主人様ダケのメイドって‥‥もしかしてミーナしかない?

すみれ:
うん‥‥だから‥‥さっき‥‥本気でミーナの事を独占しようと思ってしまった・・・それで我に返った。 メイドはメイド本人のモノ。 ご主人様のモノじゃないのに。

ミーナ:
ご主人さま・・・


その7 へ続く